2004年6月30日水曜日

河野洋平・衆議院議長

【インタビュー】河野洋平・日本衆議院議長(中央日報)
―日本では憲法改正の動きが活発だが。
「憲法改正を行うのなら、まず現行憲法にどんな問題があるかを具体的に議論すべきだが、今は改憲という言葉が先立ち、何のためにどこを変えるべきかという議論が不明確だ。 また初期の改憲論者は『現行憲法が(太平洋戦争敗戦後)米国の強要によって作られたため、直す必要がある』と言っていたが、最近の論者は『米国の対外政策に直ちに対応するため、(軍隊保有と戦争を禁じる)第9条を変えよう』と主張している。これではつじつまが合わない。 ただ憲法第9条には、理解しがたい点があるにはある。 実際、自衛隊は立派な軍隊だ。 ゆえに『自衛のための軍隊保有は許すべきだ』という主張も、間違った意見ではない。 だが、憲法が厳格に制約しているため、自衛隊が(規模・海外活動面で)この程度にとどまっている。 従って、自衛隊を今の程度に抑えておき、国連活動や人道支援の2つの条件に限って自衛隊の海外派遣を許可するのが良い」。
―日本がミサイル防衛(MD)システムの導入を決めるなど、軍備を強化している。 また米国は海外米軍の再配置で、韓国より日本を重視している。 こうした日本の軍事力強化が、北東アジアに緊張を呼び起こすとの懸念もあるが。
「ミサイル防衛は完全な防衛システムだというが、相手はそれを跳び越える攻撃システムを作るだろうから、結局軍費の拡大を招くことになる。 軍費の拡大は、経済に負担を与える。 在外米軍の再編成と在日米軍の強化は、米国の全体的構図で議論していく必要があるが、米国も十分な説明をする必要がある。 だが何よりも、韓国、日本、米国が力よりも外交によって問題を解決するよう、さらなる努力を行わなければならない。 外交は単なる対話ではない。 外交交渉には、取引が非常に重要だ」。
―小泉純一郎首相の靖国神社参拝で、中日関係が必ずしも順調とは言えないようだが。
「日本にとって、アジア外交は最重要だ。 アジア諸国は、互いに異なる経済的、文化的環境の中でも、ひとつになろうと努力している。 そうした努力が実るために、北東アジア諸国の指導者が一層力を合わせ、政治の安定と経済の発展をなし得るよう、努力しなければならない。 小泉首相は『二度と戦争が起きてはならない』ことを確認するため参拝すると言うが、それが結果としてアジアの平和や安定の障害となるなら、参拝を不快と感じる人々の心をもっと考えるべきだ」。
―今年4月、韓国の総選挙の結果、議員の世代が大幅に交代した。 金鍾泌(キム・ジョンピル)前議員ら韓日議員外交を導いてきた政治家も多くが落選し、韓日議員外交が新時代を迎えたが。
「これまでの韓日議員外交は、日本語によって行われてきた。しかしその時代が終わり、新時代が開いた。 日本でも若い議員が増えており、両国の若い議員が英語で対話する外交が始まるだろう。 ただ(日本の)若い議員は、それほど歴史に縛られずものを語る。 しかし歴史を無視、軽視すれば、最後には問題となるだろう。 彼らは、韓国などアジアの歴史を学ぶべきだ。 また韓国の一部の若い政治家が、米国に非常に批判的であるのも心配だ。 数人に会ったことがあるが、以前の政治家とは意見が異なり、率直であるがやや過激な発言をすると感じた。 だが日本の若い政治家は、米国に対し親近感を持っている。 両国の若い政治家が、世界に対し広い見解を持ち、米国、ヨーロッパ、中国、日本、韓国の役割と立場を互いに認めあい、理解することが非常に大切だ」。
―韓日間の民間交流が大きく増えたが、韓国では中国ブームも大きい。
「韓日交流は、政治家、経済人、学者のみだけでなく『草の根交流』によって広がりつつある。非常に良い傾向だ。今後、日本各地に国際空港が増えれば、さらに活発化するだろう。 しかし両国は、相手国への訪問だけに満足してはならない。 (ワールドカップ共同開催のように)両国がひとつとなり、何かを成していくことが大切だ。 韓国の中国ブームは、不思議なことではない。 米国も、最も熱中する所が中国だ。 日中関係がさらに深まってほしいと思う。 だがより大切なのは、韓国、日本、中国、北朝鮮の北東アジア諸国が、互いに協力し、発展できる基本枠を作ることだ。 北朝鮮核問題の解決後、『4カ国(韓、日、中、北朝鮮)+2国(米国、ロシア)』の6カ国協議の枠組を維持していくのも、方法のひとつだ。 基本枠づくりのため、最も粘り強く努力すべき国は日本だ。 歴史の問題があるためだ。 日本はこの枠組を作る時、歴史の問題を正しく認め、認識すべきだ。 日本は最近、韓国と中国に対し、首脳会談を定期的に行おうと提案した。 悪いことではないが、日本はまず歴史認識に対する国内問題を整理し、新たな認識を持つべきだ」。



話題になりたい田中康夫

■「話題になりたいのか」 総務相が田中知事を批判(共同通信)
 麻生太郎総務相は29日の閣議後の記者会見で、長野市と長野県泰阜村の選挙人名簿に二重登録されている同県の田中康夫知事が参院選の期日前投票を泰阜村で行ったことについて「この種の話を裁定するのが知事なのに、その本人が問題を喚起している話。話題になりたいのか」と批判した。
 二重登録問題では、長野市民が泰阜村選管の登録の取り消しを求めた訴訟を起こし、長野地裁は24日、登録を取り消す判決を言い渡した。田中知事は判決確定前の27日に期日前投票をした。
 うーん…どうなんだろうなぁ。泰阜村に移したのは、康夫チャンお得意のパフォーマンスなんだろうけど、後に引けなくなって駄々をこねているって感じだ。まぁ、目立ちたいってのもはあるんでしょうねぇ。ところで、康夫チャンはどの政党に投票したのだろうか。きちんと民主党と書いたのか。


■華氏911、記録的ヒット 上映3日で26億円(共同通信)
 ブッシュ米大統領を痛烈に批判した映画「華氏911」(マイケル・ムーア監督)が、25日の上映開始から3日間で計2390万ドル(約26億円)を売り上げ、ドキュメンタリー映画としては史上最高を記録した。
 米メディアによると、華氏911は米国とカナダの計約850の映画館で公開され、週末3日間の映画売り上げでトップに立った。ドキュメンタリーが週末売り上げ首位になるのも史上初。
 米中枢同時テロやイラク戦争へのブッシュ大統領の対応を批判した華氏911は、米娯楽大手ウォルト・ディズニーが傘下企業に配給を拒否させる騒ぎの中、カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞し大きな話題となった。
 公開後も「ドキュメンタリーか、反ブッシュのプロパガンダか」などと議論を呼び、11月の大統領選挙を前にイラク戦争の是非をめぐり揺れる米国で波紋を広げている。
よいではないか。大統領選への影響は不確かだが、マイナスになることはないだろう。アメリカ人が目を覚ます契機に少しでもなればよいと思う。

■民主党の側はこの映画を露骨に利用しないことだ。「プロパガンダ」だと有権者が嫌悪感を持つことだけは避けなければ。


衰退するプロ野球

衰えてゆくプロ野球
 「アンナ・カレーニナ」のマネではないが、幸福な家庭と同様、衰退する業界にも似たような事情がオーバーラップする。
 近鉄・オリックス合併さわぎを見ていると昭和30年初めの映画界を思い出す。思えばあのころが銀幕最高のきらめき時代だったのだ。
 こんな時代がいつまでも続くと映画会社経営者は考えた。製作するだけではもうけは知れているから、それぞれチェーンの映画館網をつくり上げた。
 入れ物をつくった以上、毎週封切りの作品をつくらねばならない。だが黒沢、小津のような巨匠でもそう長打を連発できない。いきおい穴埋めにプログラム・ピクチャーを濫作(らんさく)する。毎週のことともなると観客を呼ぶのはスターしかいない。出演料がとめどもなく上がり、そのシワ寄せが演出、脚本にくる。駄作が観客を減らし「いくらゴヒイキのスターでも」となった。直営館システムは重荷以外でなくなる。
 プロ野球はどうか。セ・パ6球団ずつになっているが日本の野球人口(ゼニを払って球場にくる人)は正味何百万人でそれで何球団がメシを食えるか。誰が今度の合併さわぎまで考えただろうか。コミッショナーいかがですか。
 映画はテレビの生誕期に「あんなチャチな電気紙芝居が」とバカにした。たしかに初期のテレビにはその気味があったが、映画の質が低下してそんならと、お茶の間でねころんで見られるテレビに無残に敗退した。
 プロ野球関係者の中でJリーグがスタートした時、これはウカウカしていると、と危機感を持った人がいただろうか。古田選手会会長は立場上、プレーヤーの地位保全を心配しているが、球団赤字の原因は何だろうか。(経済観測/毎日新聞 2004年6月29日 東京朝刊)

ようするに、選手の年俸高騰が球団経営を脅かしている…と言いたいのか。選手の年俸が高くなることで、球団経営が悪化する。で、資金が乏しい球団はスタープレーヤーを放出しなければならなくなる。そうなると、巨人は強くなる一方だ。
■一般の民間企業の賃金が減る中でプロ野球のみが右肩上がりというわけにはいかないだろう。
■では、年俸を抑えればよいのかといえば、それはそれで問題が残る。選手は日本の野球を捨てて、メジャーに行きたがるかもしれない。どうしたもんかいね。


プロ野球/オールスター/ファン投票

■最多得票は城島=大リーグから復帰の佐々木、新庄も選出−プロ野球球宴ファン投票(時事通信)
 プロ野球サンヨーオールスターゲーム(7月10日・ナゴヤドーム、11日・南長野運動公園野球場)のファン投票最終結果が28日発表された。最多得票は8年連続選出の城島捕手(ダイエー)の84万2783票だった。
 チーム別では巨人から最多の6人、ダイエーが5人。昨年史上最多の9人だった阪神は3人にとどまった。セ・リーグ首位の中日からは選ばれなかった。
 初選出はパ・リーグ先発部門で開幕11連勝中の岩隈投手(近鉄)、監督推薦を含めると5度目の松中内野手(ダイエー)ら8人。大リーグから戻った佐々木投手(横浜)は5年ぶり、新庄外野手(日本ハム)は4年ぶりに選ばれた。
 昨年、一軍で登板機会のなかった川崎投手(中日)が不自然な大量得票で1位(出場辞退)になった。このため、今回は球宴出場規定を設けたことや投票期間を短縮したことで、投票総数は昨年の約731万票から約396万票に激減した。
 監督推薦選手を含めた全陣容は29日に発表される。 
中日からゼロかよ。立浪和義あたりはファン投票で出て欲しかったのだが…競合するのはジャイアンツの小久保裕紀か。厳しいけど、今シーズンの成績だったら立浪の方が勝っている。


立浪和義2000試合出場

■立浪きょう2000試合出場 7連勝でお祝いだ(中日スポーツ)
荒木&井端 竜1、2番コンビおぜん立て
 節目のゲームを勝ってお祝いだ。中日のチームリーダー、立浪和義内野手(34)が29日の広島戦(福井)で通算2000試合出場を迎える。記念すべき試合に燃えるのは荒木雅博内野手(26)と井端弘和内野手(29)の今やセ界ナンバーワンの1、2番コンビ。2人で勝利へのおぜん立てを整え、3番に主役を任せる意気込みだ。
福井、岐阜で広島戦
 首位を独走する中日の快進撃を支えているのは、間違いなくこの3人だ。荒木と井端が塁に出て、立浪が返す。6連勝中、何度、この場面にファンは熱狂し、相手チームはうなだれただろう。
 勝利のカギを握る男が29日、節目の日を迎える。立浪が中日では高木守道、木俣達彦以来3人目となる通算2000試合出場を達成するのだ。
 「知ってます。絶対に勝たないとね。勝つことが何よりも好きな人だから。タツさんを喜ばせたい」
 荒木が泣かせる言葉を吐いた。荒木が入団した96年、立浪は今の荒木と同じ年齢。バリバリの主軸として、そのシーズンに1000試合出場を達成している。「あのころから立浪さんは迫力があったし、もうベテランって感じだった。オレは26歳になってもぺーぺーだなって、立浪さんに言われたんですよ」と荒木は笑う。
 イメージはいつまでも若手。しかし、残している数字は荒木が今や中日には欠かせない選手に成長したことを物語る。フル出場して3割を超える打率、セ・リーグトップの盗塁数。リーグ最高のリードオフマンとして、井端とともに立浪にチャンスを供給している。
最強トリオ
 特にこの6連勝中、3人の成績は際立つ。3人がヒットを打たなかった試合は1度もない。荒木と井端が得点を挙げなかった試合もなく、立浪が打点を記録しなかった試合もない。チーム総得点(44)の実に4割以上の18得点を荒木と井端が入れ、12点打点を立浪が挙げている。
 思いは井端も同じ。「ぼくや荒木が塁に出れば、3番の立浪さん、4番の孝介(福留)が必ず何とかしてくれる。このいい流れをずっと続けていきたい」と闘志をみなぎらせる。
 得点圏打率5割を超えるリーディングヒッターを支える恐怖の1、2番コンビが健在な限り、チームの快進撃は終わらない。

いや、まったく最強トリオだよ。これで福留が好調になればいいのだが。2000試合出場…是非、勝利で花を添えて欲しい。


2004年6月29日火曜日

国際貢献

 参院選を前に自衛隊のイラク多国籍軍参加の是非をめぐって高まる議論のさなかに、国際協力銀行がアジア各国の現地通貨建て債券の起債を支援するという地味なニュースが最近日本経済新聞に載った。この2つは実は「日本の国際貢献」という意味でつながる。国際貢献論議は80年代の黒字還流政策から始まり、90年代はアジア通貨危機をきっかけに「円の国際化」の推進論が高まったが、円国際化は絵に描いた餅に終わった。アジア各国が利用できる円建て市場を整備できない代わりが上記のアジア起債支援策である。
 もうひとつ貢献の流れは「カネから武へ」である。90年代初めの湾岸戦争時の日本の貢献が資金中心のために評価されなかった外交上の挫折を経て、今回はブッシュ政権への配慮からしゃにむに自衛隊の現地派遣へと突き進んだ。つまり経済面での国際貢献は忘れてしまい、「武」が「経済」を飛び越した観がある。
 一体日本は、対中東で地政学的戦略を展開し戦いを繰り返してきた米欧に対し、「復興支援」という大義だけでどんな国益または外交上の成果を挙げられるのか。
 日本が戦後営々と築いてきた経済貢献路線とは何だったのか。日本の今や最大の収益センターとなったアジア経済の安定で、日本はどんな役割を果たすのか。


新BIS規制

新BIS規制 リスク管理の徹底はかれ(産経新聞)
 国際決済銀行(BIS)が銀行の新たな自己資本比率規制(BIS規制)を決めた。融資など資産の質の優劣が正確に反映される算出方法に改める。銀行はリスク管理の一段の強化が必要だ。

 自己資本比率は、銀行が持っている資産に対する自己資本の割合を示す。計算の際には貸出金などの危険度に応じ掛け目(リスクウエート)を乗じた「リスク資産」を分母にする。

 今回の変更では掛け目を見直し、より実態に即した銀行の経営体力が測れるような国際ルールに改めた。例えば従来は企業向け融資の全額をリスク資産に算入していたが、新たな規制では不良債権処理を進めるほど資産が圧縮される。その分、自己資本比率が高くなり、貸し出し余力が増す。

 また、大企業向けに比べ中小企業や個人向け融資のリスクウエートを軽くし、銀行の貸し渋り、貸しはがしを防ぐ。コンピューター障害や職員の不正行為、事務的ミスなどへの自己資本による備えも新たに加える。

 現行のルールだと自己資本比率を引き上げるには、増資か貸し出しを抑制するしか手がなかった。しかし、二〇〇六年末から段階的に導入される新規制は、銀行の経営努力が自己資本比率の改善につながる仕組みだ。

 国際業務を営む銀行に「8%以上」の自己資本比率を課す現行基準は変わらないが、新規制を機に金利収入に頼ってきた日本の銀行はリスク管理と営業の両面で改革を迫られる。

 主要行は一昨年秋の金融再生プログラムに沿って資産の洗い直し、不良債権処理の加速が最優先課題だ。さらには個人取引(リテール)や貸出資産を増やさずに収益を拡大させる業務の強化を急がなければならない。

 企業の合併・買収(M&A)や企業資産の証券化、協調融資のとりまとめなど手数料収入が柱になる投資銀行業務の拡大が不可欠だろう。

 監督当局の役割も重要である。銀行が不良債権処理で納めた税金が将来に還付されるのを見込む「繰り延べ税金資産」について金融庁は、自己資本への算入割合を段階的に下げていく考えだが、これだけでは不十分だ。

 自己資本の質の向上に算入規制を課す一方、無税償却の拡充などで金融再生を後押しすべきである。



隷従への道/集団的自衛権行使

■集団的自衛権行使のために憲法改正を 小泉首相語る(朝日新聞)
 小泉首相は27日のNHKの党首討論番組で、現在の憲法解釈では禁じられている集団的自衛権の行使について「日本を守るために一緒に戦っている米軍が攻撃された時に、集団的自衛権を行使できないのはおかしい。憲法ではっきりしていくことが大事だ。憲法を改正して、日本が攻撃された場合には米国と一緒に行動できるような(形にすべきだ)」と述べた。日本防衛にあたる米軍への攻撃排除に限って、集団的自衛権が行使できるよう憲法改正すべきだとの発言だ。
 首相はこれまで集団的自衛権行使について「解釈の変更ではなく、憲法改正を議論することにより解決を図るのが筋だろう」などと述べていた。集団的自衛権行使の必要性について具体的に説明したのは初めてだ。
 集団的自衛権は、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を実力で阻止する権利。首相は行使を認める内容について「米国が攻撃されたら日本も一緒に戦うということじゃない」と、日本防衛にあたる米軍への攻撃排除に限定する考えを強調した。
 ただ、首相は「(政府は)日本を守っている米軍の行動まで、日本が協力して一緒に活動できないという解釈をしている」とも発言。実際には、政府は日本にある米軍基地への攻撃や、日本防衛のために行動している米艦艇への攻撃を自衛隊が排除するのは個別的自衛権の行使にあたり、現行憲法下でも可能との立場をとっている。このため、首相が考える集団的自衛権行使の内容は不明確だ。

■こういう発言は歓迎したい。岡田克也(民主党)は、「(集団的自衛権は)第三国で米国が戦争した時に一緒になってやる、あるいは米国が攻撃を受けた時に米国に行ってやることを含む概念だ。絶対に認めるべきではない。国連の行う集団安全保障に協力すべきだ」と述べている。両党の差異は不明確だったが、首相は有権者にわかりやすい違いを提供した。
■参院選を乗り越えれば、とうぶん選挙はない。与党が勝利すれば、小泉首相にフリーハンドを与えることとなる。それがなにを意味するのか。有権者はその危険性を十分に認識する必要がある。「日の丸」を誰の血で染めようか…タカ派の関心はそこにしかない。この国はそんなに血を欲しているのか。


ダイノジ

■ドラ番記者(中日スポーツ6・28,高橋隆太郎)
 試合前のナゴヤドームに現れた、人気お笑いコンビ「ダイノジ」。テレビ中継の副音声を担当する2人は、早めに球場入りし、グラウンドの雰囲気を味わっていた。
 大分県佐伯市の中学で同級生だった2人。大谷ノブヒコさん(32)は野球部で、1年生の時に中日・川崎(当時3年生)がいた隣の中学と対戦したことがあるそうだ。
 竜党になったきっかけは3年前。名古屋でラジオの司会を担当し始め、リスナーからドラに関するはがきがやたらと来るので「よし、にわかファン(?)になるぞ」と決心。そのうち沖縄キャンプまで駆けつける“真性”ファンとなっていた。
 札幌で中日が巨人に3連勝した時は、大阪から東京への移動の際、わざわざ名古屋で途中下車して、中日スポーツを購入してくれたそうな。「まずはお笑い界を中心に、全国にドラファンを広めたい」。力強い援軍を発見しました。
 そうなのか。
■ホームページに行ってみた。ドラゴンズの記述を見つけに行くためだ。名古屋ローカルでドラゴンズ関連の仕事を得ようって魂胆じゃないだろうな…と思いつつ。どれくらいの竜党かを確かめてやる…
■ダイノジ公式ホームページ
http://www.punkd.com/dienoji/
■不良芸人日記
http://dienoji.cocolognifty.com/
■思ったより中日ドラゴンズのことをたくさん書いてあり驚き、好感を持った。でも「ダイノジ」ファンはあれを見て喜ぶのか。
■トラックバックしようかと思ったが、まだ誰もやってないので、やめておいた。どっと押し寄せられても困るし。


鈴木孝政・2軍降格

まったく知らなかった。今ごろになって知りましたよ。
とりあえず、メモしておく。


■中日・鈴木チーフ投手コーチが2軍降格(スポニチ)
 中日・鈴木孝政チーフ投手コーチ(49)が2軍に降格したことが14日、明らかになった。現在、チーム防御率はリーグNo・1の4・36で、首位巨人とは1・5ゲーム差につけているが、秋田で13日に行われたヤクルト戦後、落合監督から「ケガ人が多い。ファームにいる選手をしっかり育成してほしい」と2軍降格を伝えられた。

 14日、遠征先の広島に入らず名古屋の自宅に戻った鈴木コーチは、きょう15日から2軍の練習に合流。平井、川崎、正津、山北、久本ら故障に悩む投手陣の立て直しが表向きの理由だが、この時期にヘッド格の2軍降格は異例といえる。代わりに近藤真市投手コーチ(35)が1軍に昇格。森繁和投手コーチ(49)と投手陣を指導する。


この記事では真相がよくわからないが…

■中日鈴木コーチ今オフ退団も(日刊スポーツ)
 落合監督の意向で15日から突然の2軍降格となった中日鈴木孝政投手チーフコーチ(49)が18日、シーズン終了後にも退団を申し入れる可能性を示唆した。この日、ナゴヤ球場で「(降格を)言われた時には何くそ! とも思ったけど、今は事を荒立てるつもりはない。(シーズンの)途中で辞めるとかそういうつもりはない。仮にそう(辞める)なったら、言うのがオレの美学」と話した。

 落合監督に請われ、3年契約でヘッドコーチとしてスタート。だが、年明け早々に投手チーフコーチに格下げ。さらに2軍降格と異例の人事が断行されていた。落合監督は「投手に故障者が多い。それをピッチャーの責任者に立て直して欲しい」と説明していたが、実質的に開幕から投手陣は森コーチが管理。移動日の投手陣の練習予定が鈴木コーチには伝えられないなど、スタッフ内でギクシャクした関係が続いていた。


開幕に川崎憲次郎をもってきたが、鈴木孝政はあれなんかはどう思ったのだろうか。


鈴木チーフコーチが正式退団(大阪日刊スポーツ10/27)
 中日鈴木孝政投手チーフコーチ(50)の退団が26日、正式に決まった。24日に球団に退団を申し入れ、了承されていた。この日、名古屋市内の球団事務所で退団あいさつ。そこで偶然、落合監督と出くわし、15分の会談を行った。昨年秋、落合監督に請われ、3年契約を結びヘッドコーチとして入団したが、その落合監督との意見が折り合わず、2度の降格人事を経て、わずか1年での退団。同コーチは「居続けるのも大変だけど、辞めるのも大変」と複雑な表情で話した。
スタッフ大幅入れ替えへ
 中日は今季、5年ぶりのリーグ優勝。通例ではリーグ制覇したチームのコーチスタッフは全員残留が基本線だが、オレ流の落合監督には過去の球界の常識は通用しない。鈴木コーチを含め、川又、山田、金田の生え抜き4コーチが退団。すでに外部から6人の新コーチを招いている。スタッフも大幅に入れ替え、日本一を目指す。

2004年6月28日月曜日

義務投票制:投票の義務化

準備中。


■「低投票率」に対策?

低投票率への対策として、「投票棄権者への制裁措置を講じるべき」という主張を耳にする。これはあまりにも発想が貧困であり、「低投票率」問題の本質がわかっていない。確かに低い投票率は組織票を有利になる。だから高い投票率がいいかと言えば、単純にそうは言えない。自発的な高投票率ならば望ましいが、強制された高投票率は政治を歪める結果しかもたらさない。政治に関心がないのに、雰囲気や気分だけで候補者を選ぶ…こんな危険なことはない。それならば「眠っておいてもらった方がいい」(森喜朗)のである。

問題の本質は「政治的無関心」であって、「低投票率」はそれを示す指標の一つに過ぎないのである。無理やり投票率を吊り上げて、民主主義の体裁を保ったとしても、それは本末転倒だ。また、投票するという状況さえ作れば、政治に関心を持たざるをえなくなる…という主張も根拠は全くない。

低投票率 政治的無関心 義務投票制度 組織票




選挙報道の公平性

■「公平な放送を」自民、年金法めぐる報道で抗議文(産経新聞)
 自民党は26日、年金改革法に関するテレビ報道について「政治的公平・公正を強く疑われる番組放送があった。選挙期間中であり、多様な意見を番組に反映するなど公平な放送が行われることを強く望む」との文書を各報道機関にファクスで送付した。
 文書は、年金法に反対の立場で番組に出演した大学教授について「国会で民主党推薦の参考人などを務めた重要な経歴に一切触れることなく、大学教授の肩書だけを紹介し、高い学識経験を有する専門家が客観的な意見を述べているとの体裁で番組が制作された」と指摘している。
 年金法をめぐるテレビ報道については、安倍晋三幹事長、青木幹雄参院幹事長ら幹部が22日、党本部で選挙情勢を分析した際、一部報道に問題があるとの認識で一致、抗議文を出す方針を決めた。
高山憲之(一橋大学教授)のこと? 報道ステーションでは「年金の鉄人」として(ニュース23にも出てたが)、与党の姿勢を批判していたけど。ただ、彼が年金の専門家であることは間違いないわけだが。
■ニュースステーション時代の前科を気にしてか(選挙前に民主党内閣を並べて、自民党の先生方を怒らせてしまった)、選挙前の報ステでは、御用学者(堀勝洋・上智大教授)も呼んで政府擁護をさせていた。与党のお叱りにビビって、公平性を装ったのだろう。
■この文章は与党批判への牽制パンチってわけだ。「公平」というのは要するに、年金審議、「人生いろいろ」発言、国会無視の多国籍軍派遣決定などへの批判はするなってことだね。
■「低投票率だと組織票が強い影響力を持つから選挙に行きましょう」というのだって、与党へのネガティブキャンペーンになりうるわけで、「公平」ってのは難しい。


英智

阪神に4−0の完封リレーで6連勝、貯金を11。
��回満塁、英智の返球がチームを救った。
■「英智」というのがいまだになじめない。蔵本英智に戻ってくれないか。


2004年6月27日日曜日

四宮正貴:朝まで生テレビ

 今回の朝まで生テレビのテーマは「皇室とニッポン」。

猪瀬直樹 (作家,東京大学客員教授)
笠原英彦 (慶応大学教授)
工藤雪枝 (拓殖大学客員教授,ジャーナリスト)
小林よしのり (漫画家)
小宮山洋子 (民主党・衆議院議員,「次の内閣」法務大臣)
四宮正貴 (著述家,四宮政治文化研究所代表)
高橋紘 (静岡福祉大学教授)
遙洋子  (タレント,作家)
宮崎哲弥 (評論家)
森岡正宏 (自民党・衆議院議員)
八木秀次 (高崎経済大学助教授)


■今回は全てを見た…というか聞き流していた。他のことをやりながらだったので、ほとんど集中していない。関心もなかった。

■長野智子も言っていたように「女性天皇がなぜダメなのかがわからない」。あと、女性天皇がダメだってんなら、放っておいていいわけ?

■だって、「伝統」とか言われても、それ自体がいかがわしいし、そんなものを尊重する必要性があるのか。まぁ、そもそも天皇制なんていらないと思ってる私には、どうでもいい問題だが。

■仮に女性天皇がOKだったとしても、「世継ぎ問題」のプレッシャーは永遠に続くわけね。

■何と言っても、四宮正貴が笑えた。田原総一郎が「聖徳太子知らない?」と口走ったばかりに、「知らないわけないだろ!」とアゴをプルプル波打たせてマジギレ。スタジオ内は凍りついてたよ(or笑いをこらえてた)。

■それでも、相手を怒らせて幾多の修羅場を乗り越えてきた田原は堂々としており、「そんなことだから人格破綻と言われる」と火に油を注ぐ。で、民族派デブいよいよ発狂…


■拾い物(↓クリックすると拡大)
田原総一朗×四宮正貴 朝まで生テレビ/朝生
リンク切れ


田原総一朗 VS 四宮正貴

田原「聖徳太子が何言ったかと。和の精神ですよ」

四宮「何を言ったんですか?」

田原「聖徳太子、知らない?

四宮「だから何を言ったのかって」

田原「聖徳太子って知らないかって」

四宮「知ってます」

田原「知ってますね」

四宮「えぇはいはい」(←まだ怒ってない)

田原「聖徳太子が」

四宮「当たり前でしょそんなこと!」(←突如、キレる)

田原「怒んなっ」

四宮「な〜にを言ってんの!聖徳太子を知らない、んな無礼な質問あるか!」

田原「君、だって知らないよ。だってピンと・・・」

四宮「何を無礼な事言ってんだ、君は!」

田原「だから何を言いたいかと言うと、聖徳太子が」

四宮「知らないって言ってるだろうが!っざ!んなもの!」

田原「そういう事いうからアナタね、人格破綻だって言われるんだよ」

��四宮正貴、エネルギー補給。ジュースをストローで「ちゅ〜」っと飲む。愛らしさアピール。)

四宮「人格破綻は君だよ!」

田原「何?」

四宮「無礼な質問して!」

田原「無礼な…」

四宮「聖徳太子を知らない人って!何事だよ!そりゃおま!」

田原「だからぁ、聖徳太」

四宮「デラゥォェア!!!」(←奇声を発する首なし妖怪)

田原「だから」

小宮山「冷静に…」(←失笑気味)

田原「和の精神って何かと言うと、仏教がやってきたワケだ。っと仏教と日本の神道とは違う…」

四宮「キミはイエス・キリストを知ってるのか!」

田原「えぁ?」(←ポカーン)

四宮「キミはイエス・キリスト知ってるかじゃあ」

田原「関係無い」

四宮「イエスキリスト知ってるかじゃあ!そうすっちょどうすんだキミ!」

田原「関係無い」

四宮「関係無い!?何を言ってんだキミは!?」

田原「あのね、聖徳太子が、仏教がぁ、(もごもご…)に入ってきた。と、これは神道と違うワケだ」

四宮「なんだぁ聖徳太子って・・・」

田原「その時にどうするかって話になって(以下略)」

四宮「人をバカにしてる…」(スタミナ切れ。トーンダウンして、すねる。)



■かくして、四宮正貴は伝説を残した。だが、朝生で彼の姿を見ることはなくなるかもしれない。あれだけのキャラ、なかなかいないよ。「TVタックル」あたりで使えないか。あの番組は朝生以上に「人格破綻者」向きだと思うよ。

■TVタックルといえば、森永卓郎をもう少し太らせたら四宮正貴になるよな。デブでメガネってだけじゃないか、と反論するむきもありそうだが、そこは愛嬌だ。

■むしろ、あれはマイケル・ムーアだ!、とか、徳田虎雄の親戚に違いない、という声も聞こえてきそうだが、まぁ、しょせん、「デブメガネ」というカッコでくくれる悲しい運命にある。こうなると福田和也だって、黙っちゃぁいないし、ブチ切れキャラという点ではカンニングの竹山隆範でもよい。


■ご本人の反省の弁…(ホームページより、2004/06/29)
小生が田原氏の発言に対して反発したことについて、多くの方々から御激励・御賛同・御批判・御忠告などを頂きました。ただでさえ顔が大きく声が大きいものですからどうしても目立ってしまい、その上あのように大声を出したのですから、大きな反響と言うか、驚きを与えたのでしょう。「相手が田原氏だから構わない」と言う人が多かったようです。しかしやはり興奮するのは良くないと反省しております。

それにしても、テレビ番組の中で相手側から「人格破綻している」と言われたのは小生くらいでしょう。しかし、日頃の田原氏の言動も人格破綻に近いものがあると思うのは小生一人ではありますまい。だから小生もすかさず「人格破綻はそっちだ」と反論しました。

ただし、小林よしのり氏から「個人的なことで腹を立ててはいけない」と注意され、「なるほど」と思いました。あのような場では、公憤・義憤は良いが私憤はいけないということでしょう。

どうしたわけか「朝生」における民族派の席は何時も末席です。従って、一番発言の多い田原氏やその両隣りに坐っている人々に対して、小生が意見を述べたり反論しようとすると、相手に聞こえないといけないと思い、ついつい大きな声になってしまいます。「四宮氏はテレビで怒鳴りまくった」と言う人がいますが決してそういうわけではありません。

ともかく多くの方々にご覧になって頂き、御激励や御忠告を頂きましたことに衷心より感謝申し上げます。最後に一言、小生は生活破綻も人格破綻もしておりませんのでご安心下さいませ。

 「相手に聞こえないといけないと思い、ついつい大きな声になってしまいます」って、恫喝して黙らせようとしたのをごまかすつもり?
 あと、「人格破綻」している当人が「人格破綻してない」って言っても説得力ないよ。それは他の者が決めるものであってね。
 「相手が田原氏だから構わない」ってのは、ようするに、「相手が左翼だから殺してもかまわない」に通じるものがあって、それが「民族派の席は何時も末席」であるゆえんだろう。


ブッシュ大統領/韓国の世代葛藤

■ブッシュ大統領激怒、アイルランドTV記者と口論(日経新聞)
 「答えを遮るのはいいかげんにやめてくれ」――。ブッシュ米大統領はアイルランド訪問に先立ち応じたアイルランドテレビRTEのインタビューで、厳しい質問を連発する記者に怒りの声を上げた。
 インタビューしたのはRTEのワシントン特派員キャロル・コールマンさん。第1問でいきなり「アイルランド国民はあなたの訪問を歓迎しないだろう」と先制パンチを浴びせた後、「あなたはアルカイダから目をそらし、イラクに焦点を移した」「こんなに暴力が続いて民主主義は繁栄するのか」「ところで大量破壊兵器は?」と大統領が嫌がる質問を連発。極めつきは「あなたのせいで世界は危険になった」。
 大統領は「なんでそんなことを言うんだ」と激怒。答えの途中で質問を連発する記者に対して「レット・ミー・フィニッシュ(最後まで聞いてくれ)」と都合9回も繰り返した。
笑えるな。映像で見たい。まさにブッシュ大統領に答えてもらいたい質問だ。なんでそんなことを言うんだ、だって?わからないかい?世界のみんなが思っていることを言ったまでさ。ところで大統領、大量破壊兵器は?最後までしっかりと聞いているから答えてくれ。
■「世代葛藤」診断…中央日報アンケート調査
6・25(50代以上)、光州(クァンジュ、40代)、そしてデジタル(20〜30代)世代。 現代史が作った韓国の3つの世代だ。
 6・25世代は、韓国戦争(1950〜1952)の貧困と廃虚の中で育った。この世代は、4・19(李承晩退陣要求デモ)、5・16(軍事クーデター)、6・3(韓日会談反対デモ)、維新(維新憲法の公布)などの特殊な政治的激動をたどった。
だがほとんどはこれにい縮せず、生涯のほぼすべてを個人の経済的生存と国家の経済発展に投じてきた。 この産業化世代は、安保的には戦争・武装共産軍侵入、ベトナム戦争敗戦といった危機を体験し、北朝鮮を警戒し、韓米同盟を重視する。 最近では、イラク派兵を支持する。
光州世代は、産業化を越え、80年代の光州民主抗争と第5共和国の独裁を体験した民主化世代だ。民主化運動は87年6月、抗争となって爆発した。民主化、自由化の風が吹き、世代は南北では理念の葛藤に抵抗し、経済的には労組と分配に目を開いた。「光州」問題に憤怒し、米国文化院の占拠も行われた。この世代は、韓米関係の変化を追求し、中国の浮上を新たに注視する。
デジタル世代は、韓国現代史の新世代だ。彼らは深さより速さに長けている。この世代は、ヒョスン・ミソンさん事件(米軍装甲車による圧死事件)、2002年韓日ワールドカップ(W杯)、そして盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領弾劾などの際、迅速に街頭に溢れ出た。彼らはインターネットと携帯電話で武装し、ろうそく集会の文化を作った。90年代デジタル世代は、50年代の戦争や80年代の陣痛とはかけ離れた存在だ。北朝鮮に対し非常に寛大で、中国への拒否感がない。
この3世代は、どの程度考えに違いがあるのだろうか。中央(チュンアン)日報は、6・25勃発54周年を迎え、今月16〜17日、世代葛藤を診断するアンケート調査を行った。予想通り、葛藤が激しさと同時に、世代和合の可能性も少なくなかった。
第1の葛藤は、外交・安保分野だ。デジタル世代の32%が韓国安保を最も脅かす国として米国を挙げた。北朝鮮は41%だった。米国が、在韓米軍の撤収と対北朝鮮攻撃の可能性によって韓半島の安定を動揺させると考えているのだ。
��・25世代は、62%が北朝鮮を挙げ、米国は8%にすぎなかった。光州世代は北朝鮮52%、米国20%と中間的立場だ。「在韓米軍は近く撤収すべきだ」という意見は、世代を年齢順に見ると、19%、29%、41%となった。
��世代の81〜90%が、韓国社会の世代葛藤の溝が深いと答えた。だが6・25世代の57%は、民主化世代の貢献を認めると答えた。デジタル世代と光州世代の86〜87%は、6・25世代の苦労と成就を認め、補償すべきだという点で同意している。デジタル世代の67%、光州世代の54%、6・25世代の47%が、世代葛藤は解消可能だと回答した。
 こういうのを北朝鮮はちゃんと見ていることだろう。北朝鮮にとって韓国は重要な命綱だ。
■国の借金、過去最大の703兆円・国民1人当たり550万円(日本経済新聞)
 国の借金が今年3月末時点で700兆円を突破し、過去最大に膨らんだ。1年間で34兆円増え、国民1人当たり550万円背負っていることになる。社会保障費などの歳出が伸び続ける一方、歳入不足を国債発行などの借金に依存する国の苦しい台所事情が改めて浮き彫りになった。
 財務省が25日発表した2003年度末の国債、借入金、政府短期証券(FB)の合計額は、703兆1478億円となった。国内総生産(GDP)の1.4倍、国の収入である税収の2004年度見込み額(約41兆7000億円)の17倍に相当する。
 国の借金が増えたのは国債発行の増加が主因。未償還の国債残高は556兆円と2002年度末より52兆円増えた。借入金は減ったが、FBは28兆円増の86兆円。円売り・ドル買い介入のための資金調達で発行が拡大した。
 今年度は国債を36兆6000億円新規発行する予定で、国の借金がさらに膨らむのは確実だ。日本の財政はすでに主要先進国中で最悪の状況にある。
 国民1人当たり550万円ってすごいな。テレビとかでやってる大家族だったらどうなるんだ。10人家族でも5500万円の借金だ。
■このまま増え続けていったらどうなるのか?と不安にもなるが、なにもこれがすぐにマクロ経済に影響を与えるわけではない。楽観は許される状況ではないが、あまり悲観しすぎるのも困りものだ。また、これをもって小泉首相を責めるのも筋違い。


2004年6月26日土曜日

東アジア共同体

政治と経済のリンク=知命
 経済のグローバル化がいわれて久しいが、それが政治と経済のリンクを強めていることはあまり議論されていない。
 経済がグローバル化するということは、世界経済の影響を受けやすくなるというだけでなく、世界中の政治の変動からまともに影響を受けるということでもある。9月11日事件であれ、イラク戦争であれ、日本経済は直ちに大きな影響を受けた。こうした状況は今後も変わらないだろう。
 そうだとすれば、当面、世界のどのような政治情勢に気を配ればよいのだろうか。まず何よりも米国の大統領選挙の行方が大きなポイントであることは、いうまでもない。ブッシュ大統領が勝てば、おそらく経済政策はさほど変わらないだろうが、ケリー候補が勝てば、ドル安と貿易摩擦を仕掛けてくることは確かだし、イラクや北朝鮮のつけを各国にまわしてくることも十分考えられる。日本経済はかなり深刻な影響をこうむることになろう。
 次に、アジアの中では韓国とインドネシアの政治情勢が気がかりである。今年はアジアが選挙の年だが、マレーシア、フィリピン、台湾と意外によい結果がでたものの、韓国の選挙は政治の安定をもたらしていないし、インドネシアの大統領選挙は大きな不安要因である。とくに、インドネシアは日本の官民が巨大な債権を有しており、密接な政治経済関係を保っているだけに、その政治が不安定化したときの影響は計り知れない。
 さらに、中東の政治情勢はいっそう深刻さを増し、いつテロや暴動が起きてもおかしくない状況にある。しかも、それが米国の政治に影響を及ぼす可能性が高い。当面、米国、アジア、中東の政治情勢からは目が離せないといえよう。(知命)
毎日新聞 2004年6月25日 東京朝刊
東アジア共同体=猷
 つい先日、「東アジア共同体」の実現を目指すシンクタンクのネットワークとして東アジア共同体評議会(中曽根康弘会長)が旗揚げした。
 ここで東アジアとは、ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国に日・中・韓3国を加えたものをいう。この共同体の実現を望む声はマレーシアをはじめ、ASEAN諸国から盛り上がっている。中国はこれに意欲的にかかわり、今や推進役になろうとしているが、日本もようやくその体制作りに入ってきた。
 こうした国家戦略を立てるために代表的なシンクタンクのほとんどが参加するのは日本では初めて。このまとめ役を果たしたのは「日本国際フォーラム」(今井敬会長)で、シンクタンクを軸に産・学・官が協調して国の戦略を立てるという体制は今後の新しいモデルになり得よう。
 この評議会は研究成果を日本政府のほか東アジア各国の政府にも提言する。これが実を結ぶには政治がどうかかわるかが重要だが、北朝鮮や台湾の問題、米国の出方、豪州、ニュージーランドへの配慮などの難題がある。政治の姿勢があいまいになるのもそのためだが、世界もアジアも激しく流動している。手遅れによる損失は計り知れない。その意味では東アジア共同体が何を目指し得るのかをもっと掘り下げる必要がある。欧州の「EU(欧州連合)への道」と比べ、東アジア諸国は文化や経済の基盤の違いが大きい。
 しかし逆に、力の論理よりは多様性を尊重し、連帯を大切にする心やさしい風土がある。東アジア諸国の歴史的、文化的な厚みを生かした新しい行動原理を軸に、東アジアらしい共同体が生まれるならば、世界全体にとっても喜ばしい。そういう志を深め、実を結ばせることが国としての本当の戦略であろう。(猷)


参院選

改革の意味問う一票を
高橋伸彰(立命館大教授)
朝日新聞
改革の意味問う一票を
 小泉内閣が進める「構造改革」は「努力した者が報われる社会を作る」と言う。このフレーズにひかれる国民こそ、高い支持率を支える隠れた要因かもしれない。それでも、努力に応じた報いを受けていると実感する者は意外と少ない。実際、努力が足りないから自分は報われないと納得する者より、こんなに努力をしているのになぜ報われないのかと不満を抱く者のほうが多数派ではないか。
 そんな不満を解決してくれるのが「構造改革」だと聞けば、現状に不満を抱く人々が内閣を支持するのはある意味で当然だ。逆に言えば、高い支持率を維持するためには、社会の不満を鎮めるより、むしろ放置しておくほうが好都合かもしれない。そう考えると、野党が小泉内閣を攻めるのは予想外に難しい。なぜなら、構造改革の成果が出ていないと批判すれば、原因は「構造改革の遅れ」にあると見られ、野党の思惑とは裏腹に一層の改革推進を求める世論が支持に回ってしまう。
 この「返り血」的な構図に真っ先に気づいたのが自民党内のいわゆる「抵抗派」だったのではないか。それが事実なら抵抗派が「協力派」へと早々に変身した理由も理解できる。
 それでは、今更「協力派」になれない野党はどうすればよいのか。中途半端なマニフェストを提示するより、誰もが「努力すれば報われる社会」なんてそもそも作れないと批判に徹するのも一案だ。ほとんどの「競争」における報いは各自の努力よりも順位に応じて決まる。
 しかも、順位は自らの努力だけでは決まらず、競争相手の力や、時々の運、さらには勝敗や優劣を判定する人たちの判断によって大きく左右される。その真偽は、努力よりも運で誕生した小泉政権が熟知しているはずだ。
 実現不能な「構造改革」のキャッチフレーズに惑わされている限り、多くの国民は努力という「痛み」だけを強いられ、報いという「成果」はますます一部の勝者に集中する社会が作られていく。


小沢一郎/多国籍軍参加

小沢一郎・剛腕コラム6・25
 多国籍軍参加が取りざたされている自衛隊のイラク派遣についても、ウソとゴマかしばかりだ。
 小泉政権は「武力行使と一体化しない。後方支援と人道復興支援だけ」「北朝鮮の脅威もあり日米同盟は大切」などと説明したが、これがおかしい。
 戦争では、戦闘部隊も重要だが、武器や弾丸、食料などを輸送する後方支援、軍事用語でいう兵たん部隊の存在がさらに重要になる。太平洋戦争で日本人は350万人が死亡したが、兵たん戦で敗れて犠牲となった者は驚くほど多い。「後方支援は武力行使と一体化しない」という理屈のウソがここにある。
 日米同盟の説明にしても、ブッシュ米大統領が小泉首相に「サンキュー」と言っているのは、国内外で政治的に追い詰められているから。
 「自衛隊は戦闘行為に参加しない。危なくなったら撤退する」と首相が公言するような国のために、将来、北朝鮮絡みの軍事的混乱が発生したとしても、本気で米国の若者たちが血を流すだろうか。



アテネ五輪・野球日本代表

アテネ五輪野球代表メンバーが発表された。
【投手】
三浦大輔 横浜
小林雅英 ロッテ
岩瀬仁紀 中日
黒田博樹 広島
上原浩治 巨人
清水直行 ロッテ
石井弘寿 ヤクルト
安藤優也 阪神
松坂大輔 西武
和田毅  ダイエー
岩隈久志 近鉄

【捕手】
城島健司 ダイエー
相川亮二 横浜

【内野手】
宮本慎也  ヤクルト
中村紀洋  近鉄
小笠原道大 日本ハム
金子誠   日本ハム
藤本敦士  阪神

【外野手】
木村拓也 広島
和田一浩 西武
村松有人 オリックス
谷佳知  オリックス
高橋由伸 巨人
福留孝介 中日

中日からはは福留孝介と岩瀬仁紀が選出された。チームの中心選手が抜けるのは痛い。ってか、他球団に比べてダメージが大きくないか?どうも納得がいかない。


■代表監督をどうしても長嶋茂雄にしたいらしい。そこまで長嶋に気を使う必要があるのか。


2004年6月25日金曜日

落合恵子「出生率」

■落合恵子「出生率」(週刊金曜日)
 晩婚・非婚化、少子・少産化の背景には、そういった社会的状況と個人的事情が複雑に絡み合った「それぞれの場合」がみてとれる。
 しかし、子どもは上の世代の年金や介護の担い手として生まれてくるわけでも、いまここに存在するわけでもない。子どもは子ども自身の人生を生きるために生まれ、そしていま、ここにいるのだ。また、個人がいつ結婚しようと(しなかろうと)、それはきわめてプライベートな領域に属する「個人の場合」である。政府がとやかく口を挟むことではない。
 法案成立まで明らかにしなかったことはむろん大問題ではあるのだが、子どもを年金や介護の担い手として無意識であろうと位置づけるような文脈には、ちょっと待てよ、と抵抗を覚えるわたしがいる。またもや「産めよ、殖やせよ」の大合唱時代到来、か?
 法案成立までの過程も酷かったが、子どもの存在は、先に老いゆく大人の「保険」ではない、と母を介護しながらつくづく考える。

「産めよ殖やせよ」時代から
女性の選択肢が広がる時代への社会の変化

塾生 では塾長、この出生率自体についてはどう捉えるべきでしょう? 少子化問題は本塾の書籍版でも論じていただいていますが、先進国の中で下り続けているのは日本だけだそうですね。
塾長 ドイツもイタリアも下げ止まりましたからね。出生率が上がらない理由は、いろんな観点で話されていますが、日本の場合は晩婚化や、結婚しても共働きが長く続く、という状態が急速に進み、それに伴って出生率が下った。当然の成り行きだと思います。
塾生 そっか。“過去最低更新”って聞くと、不安を増長されますが、予測できたことなんですね。突然、慌てる必要もないんだ。
塾長 はい。数字自体は驚くに値しない。かつ、一貫して下がり続けているのも当然で、もう少しこの状態が続いてもおかしくない。出生率が下る社会状況が、依然として続いているわけですから。それに、「なぜ日本だけが下がり続ける」と驚く必要もない。少子化社会への対応ということに関していえば、日本はどちらかといえばまだまだ発展途上国なんですから。少子化に対応した社会の仕組みがまだ整備されていません。
塾生 では、“出生率が下り続ける社会状況”というのはどういうものですか? まぁ、戦後の「産めよ殖やせよ」時代からすれば、出生率が下降するのは当然とはいえ、どんな状況なのか確認させてください。
塾長 たとえば、「女性の就職は結婚までの腰かけ」と思われていたのは、そんなに昔の話ではないですよね、日本では。今でさえ、女性が長く勤めるのは当然という認識が、浸透しているとは言えない。
塾生 「結婚したらすぐ辞めるから、女の子は」って考えている会社、ほんの10年ほど前は多かったですもんね。片や、「好きな仕事をするぞ」って仕事で自己実現をしようとする女性も増えた。
塾長 そして、女性の晩婚化傾向も進んだ。つまり、いろんな意味で、女性の選択が増えてきたんです。その流れに、ようやく今、拍車がかかってきたんだと思います。昔は、まずは「産めよ殖やせよ」。さすがにそうじゃなくなって、20年ほど前は“適齢期”という言葉がごく当たり前に使われる状況に。今なら差別用語になりかねませんけどね(笑)。
塾生 女性が定年まで勤めるとも考えられていなかったですね。
塾長 で、次は定年まで勤めるのは、結婚していない女性ですね、となり……出生率を下げるような、社会的力学が定着していくプロセスを、日本は段階的に経てきたわけです。この傾向はもっと深まるかもしれません。ですから、保育所を増やすなど、小手先の対処法だけで出生率が上向く、と考えるのは違うと思うんですよ。
塾生 時間を経た社会変化の中で、出生率が下ったわけですもんね。
塾長 ええ。今回の数字は、「出生率が高まってくれないと困る」という政治側の都合や、マスコミの報道の仕方が相まって、センセーショナルな数字に受け取られたんでしょうね。
 
「女が子供を産めば解決」なんてNG!
自分のライフスタイルと社会の在り方を考える

塾生 人口が増えれば、年金や景気回復の問題が、手っ取り早く解決するって、行政側は考えてそうですね。
塾長 そうそう。だから、見方を変えれば、「日本だけどんどん下っている」というフレーズには、年金問題がにっちもさっちも行かなくなったから、出生率は高い方がいいともう一度思わせよう、という陰謀が込められている。なんてふうに見えなくもない。
塾生 あー、私、思わされてるかもしれません(苦笑)。
塾長 出生率が下っているのは事実です。が、「“日本だけ”下っているのが問題なの? また上がればエライわけ?」ぐらいドンと構えておきたいもの。もちろん、出生率が下がり、人口が減っていくのは、国の消滅につながる気がしてコワイことではある。しかし、下ることを問題視するのは、必ずしも必要ではないと思います。
塾生 問題視する背景には、年金問題などの行き詰まりがあるとも考えられるわけで。
塾長 はい。発想の貧困さは、数字を評価する姿勢にも現れます。為替だって、同じ数字をめぐって高いだ、低いだ、いろんな人が、立場によっていろんなことをいう。出生率も同じ。しかし、出生率アップだけが問題の解決ではない。移民の受け入れを含め、在住外国人に市民権、永住権を与えれば、その人たちからも保険料が得られる、という方策もありますから。
塾生 地球規模で考えるれば、人口は増えているんですものね。でも、日本の人口を減らしたくないって考えるなら、どんな社会にしていきたいか、意識を変えていかないとダメ。
塾長 制度が悪いから子どもを産まなくなっているのなら、また問題ですからね。とにかく、いろんなところでご都合主義的な対応になっている。「瞬間風速だから大丈夫」というのも何の意味もないし、年金のために産むっていうのも、また違う。
塾生 私の周囲にも、出産適齢期でも子どもを産んでいない人、けっこういるんですが、経済的な不安や将来への不安を、産まない理由にしている人もいて。
塾長 一つの社会現象として、正面から見据えるべきですね。頭から「いかん」なんて言われることでもないし。
塾生 「子ども産め?」なんてプレッシャーかけられても困るし(笑)。自分の選択で産みたいです。書籍でも触れましたが、中国の一人っ子政策や“チャウシェスクの子どもたち”など、政治の都合で極端に制限されたり、奨励されたりして、あとでヒズミが出た例もありますね。
塾長 ええ。だから、出生率の低下自体より、それに対する反応、評価のほうを、問題視すべきなんです。下手すると「子どもを産みたがらない女性が悪い!」なんて話になっちゃう恐れもね。疑心暗鬼になりすぎかもしれませんが、「“人形の家”に女性たちを閉じこめろ?」って極端なことにも……。


北村肇(週刊金曜日)

北村肇
「生命」や「人間」の深遠さに思いがいたらないジャーナリストは、報道に携わる資格がない(週刊金曜日「一筆不乱」)
 足の小指を動かせますか?
 耳を動かせますか?
 できた人は、今度は胃を動かしてみてください。

 ジャーナリスト志望の若者を相手に講演を頼まれたときは、こんな戯れ言をけしかけることにしている。大抵は、みんなきょとんとしている。
 
 解説はこうだ。
「みなさんは無意識に、自分の肉体は自由にコントロールできると思っていませんか。でもそれは手足などごく一部にすぎません。内臓や、まして細胞は、自分のまったく手の届かないところにあるのです」
 
 あとは語らない。自分で考えて欲しいから。無論、本当に告げたいのは、「肉体だってそうなのだから、心はもっと不思議な世界。つまり『人間』は、奥の深い、それ自体が『神』と言ってもいいような存在なのだ」ということに尽きる。だからこそ、ジャーナリストは常に、「人間」に目を向ける必要がある。「生命」にとしてもいい。
 
 たとえば、「イラクのファルージャで500人の市民が殺された」と報じるとき、記者は「500人の生命」ひとつひとつに思いを寄せることができるだろうか。「多国籍軍参加」のニュースの向こう側に、大国が引き起こした戦争によって、これからも失われるであろうイラク人の生命を意識できるだろうか。要は、そういう問題なのだ。

 ときとして、官僚や政治家は、外交や政治をゲームとしてとらえる。そこには「人間」も「生命」もない。あるのは「勝つ」ことの興奮ばかりだ。ジャーナリストの仕事は、絶えず「人間」を念頭に置いたうえで、そんな彼らをいさめることであり、その実態を市民に明らかにすることである。

 イラク戦争報道も参院選報道も、「生命」の視点がなくては話にならない。にもかかわらず、一緒にゲームに興じるマスメディアが多すぎる。市民をコマとしか思わないジャーナリストがいたら、それは官僚や政治家より始末に負えない。



バカバカしいニュース

■参院選公示日。あえてバカバカしい記事を…
■携帯の所持率、非行少年72%、一般少年57% 警察庁(朝日新聞)
 警察庁は24日、中学生と高校生の携帯電話の使用状況についてまとめた。検挙されたことのある非行少年の方が、検挙されたことのない一般少年より、携帯電話の所持率や使用頻度が高かった。
 調査は、警察庁が依頼した学識経験者らによる「青少年問題調査研究会」(委員長、矢島正見・中央大教授)が02年9月から12月にかけて実施した。調査期間中に逮捕・補導された中高校生約1000人と、一般の中高生の計約4400人から回答を得た。
 携帯電話の所持率は、検挙されたことのある少年が72%、ない少年は57%だった。高校生の所持率は90%前後で差はなかったが、中学生では検挙されたことのある少年がない少年よりも男子で32ポイント、女子で26ポイント高かった。1日に使う回数は、検挙されたことのある少年は7.7回、ない少年は2.7回だった。
 同庁は「携帯電話を持つから非行につながったとはただちには言えないが、このような調査結果を広く国民に知ってもらい、今後の非行少年問題に役立てたい」としている。
 この調査結果を知ったところで、どうやって今後の非行少年問題に役立てろというのか。バカもやすみやすみ言え。携帯電話に年齢規制すれば気が済むのか。
■いわゆる「まじめ」な子ほど携帯とは無縁の生活を送っているわけで、これが「勉強する時間が少ないほど非行少年が多い」としてもいいわけだ。検挙率低下をうけて、警察官を増員すべきとの意見がある。しかし、こんなくだらない調査をする組織的ゆとりがあるのなら、まだまだ改善の余地がありそうだ。
■イラク戦「反対」なら5点追加…愛知の県立高中間試験(読売新聞)
 愛知県内の県立高校の男性教諭が、5月に実施した3年生の日本史の中間試験で、「イラク戦争についてどう思うか」と尋ねる記述問題を出題し、政府の対応を批判した解答には満点を与え、肯定する解答には加点していなかったことが24日、わかった。
 同日の同県議会文教常任委員会で、県議が取り上げた。試験問題は7部門の設問から成り、日本史担当教諭が相談して作成した。
 しかし、この男性教諭は自分が受け持つ2クラスの生徒約80人を対象にした試験問題に、8番目の設問として、イラク戦争についての意見を聞く記述問題を独断で追加。試験後、生徒に配った解答例には、「他国に軍隊を送ることはいけません。私たちの税金が無駄遣いされ、罪もない人たちが殺されています」「悪いのは最初に軍隊を送ったアメリカとそれと同盟して自衛隊を送った政府です」などと記載していた。
 一方、別の紙には「自衛隊はイラクの人たちのために良いことをしている」「自衛隊が憲法違反なら憲法を変えればいい」などとした生徒の解答を列挙し、「低俗な例」と指摘していた。
 記述問題の配点は5点で、105点満点となるため、追加分は生徒の生活態度を評価する「平常点」に加点していた。
 学校側は、事実関係を認め、「生徒に一方的な思想を押しつけかねない」として、配布した解答例を回収させるとともに、加えた点を無効にするよう指示した。県教委は近く、この男性教諭から事情を聞く。
 愛知県立か…私の母校じゃないとは思いたい。
■こういうのは論理的な文章構成かどうかを見るべきなのだが、自分こそが正解だと思い込んでいるようだ。すごい独善的だなぁ。まぁ「反日的分子」って言ったバカと思考回路は似ているのかもね。しかも、日本史のテストに出してるってのがわからない。自分の主張を押し付けたいばっかじゃないか。
■例題に「殺して山分け」 小6担任教諭を厳重注意(共同通信)
 宮城県迫町の町立小学校6年生の算数の授業で、担任の男性教諭が最小公倍数を求める問題に、銀行強盗の犯人が仲間を殺して、奪った現金を山分けする場面を例題とし、校長が厳重注意していたことが24日、分かった。
 同町教育委員会によると昨年10月、40代の男性教諭が「7人で銀行強盗をして札束を山分けしたら2束足りません。そこで2人を殺しましたが、それでも2束足りません…札束は何束でしょう」などと黒板に書き出し、児童がノートに書き写した。
 ノートを見た保護者が学校に抗議。学校側は文書で保護者に謝罪した。教諭は「子どもが飽きないように出題したが、反省している」と話しているという。
 町教委は「子どもによる凶悪な事件が相次ぎ、命の大切さを教えている中で、極めて不適切な問題だ」としている。
 とほほ…どうなってるんだ、この教師。ってか、ちょくちょくこういうのが問題になるよね。どういう神経してんだろうか。ところで、この解答は「35α−2(α=1,2,3…)」でいいのか。解答が無限に存在するじゃないか。
■…と思っていたら、朝日新聞に解答があった。どうやら、この問題、続きがあったようだ。
〈7人で銀行強盗をした。札束を山分けしようとしたが(束単位で平等に割るには)2束足りない。そこで仲間を2人殺したが、それでも2束足りない。また2人殺したが2束足りない。何束あったでしょう〉。想定した答えの一つは、条件を満たす数のうち最小の103束だったという。
なるほど、さらに2人殺しているわけね。罪な奴らだ。となると、7・5・3だから…最小公倍数は105。で解答は「105α−2(α=1,2,3…)」。α=1とすれば想定した答え103が求められる。すっきり。
■誰かが譲ればいいものを「平等」を重視するあまり、割り切れるまで殺し合わなければならない。103束の場合、一人になるまで殺し合わなければならず、まさにバトルロワイヤル状態だ。ここにもこの教師の残虐性が垣間見える。
■キティがお出迎え サンリオ、テーマパークで株主総会(朝日新聞)
 キャラクター玩具大手のサンリオが24日、東京都多摩市の自社のテーマパーク「サンリオピューロランド」で株主総会を開いた。個人株主から要望があり、新たな客層を開拓する機会にもなるため今年初めて実施。株主1人につき3人まで無料で入場でき、約2000人が遊具で遊んだり、「ハローキティ」などの人気キャラクターと触れ合ったりした。総会出席者は昨年の550人から786人に増えた。
キティちゃん を見て「かわいい」と無邪気にはしゃぐ子供たちの姿が浮かぶんだけど、やってることは株主の接待だからね。このギャップが何とも。キティちゃん の中に入り、株主のお子様のご機嫌取りをしてる人がいるわけだ。「キティちゃん」も大変である。
■ところで、キティちゃんってどこがかわいいの?ただの化け猫ですやん…


2004年6月24日木曜日

小泉純一郎「人生いろいろ」

私は、多くの方々のとうとい支援によって国会議員に当選させていただきました。支援者の中にはいろいろあります。私の支援者の中には、身銭を切って小泉に何とか当選させてやろう、そういう方々も多くいたからこそ当選することができたんです。

そして、社員はこうだと言いますけれども、人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろです。全部社員が同じように、一定の時間に会社に出て、一定の時間に会社を退出して、そして机を並べている社員も多いでしょう。しかし、うちにいてもいいよ、あるいは、海外旅行してもいいですよという会社もあるんです。それでも社員です。

恐らく岡田さんの関係の会社だって、全部社員が同じように働いているという社員ばかりじゃないと思いますよ。

 私が落選中に極めて太っ腹の人情味のある社長さんにめぐり会って、ああ、小泉君、一回ぐらい選挙に落ちてくじけちゃだめだ、私も応援してあげるからと、そういうことで、あなたの仕事は次の選挙で当選することだと言って、極めてありがたい言葉をもらって、熱心に応援してくれたんです。そういう極めて善意の、見返りを求めない貴重な人々の支援があったからこそ私の今日があるのであって、今でも私はその社長さんに感謝しております。

 こういうことについて、何らやましいこともないし、何で謝らなきゃなんないのか。
しかも、三十五年前のことが今のこの国会でそんなに議論しなきゃならない問題なのか、私は理解に苦しんでおります。


参議院 プロレスの府?

朝日新聞/社説「比例区参院はプロレスの府か」
 いまさら参院に向かって、「良識の府」に戻れなどとは言うまい。しかし、それにしても、比例区に立候補する人たちの顔ぶれを見ると、参院らしさとは何なのかと頭を抱えてしまう。

 自民党はまたまた官僚OBや業界代表に加え、スポーツ選手を並べた。女子プロレスの神取忍(かんどりしのぶ)氏とスキーの荻原健司氏である。前回に続いて、まるでプロレスラーと元五輪選手の候補枠ができたかのようだ。

 3年前は「改革ファイヤー」と連呼したプロレスラーの大仁田厚氏が初当選した。イラク特別措置法案を強行採決した外交防衛委員会で、野党議員に立ちはだかって自民党の委員長を守った。やはりプロレス出身の馳浩衆院議員とリングで試合をした「史上初の国会議員プロレス対決」でも話題を振りまいた。

 これに続け、とばかりに立てるのが神取氏だ。約170センチの長身にりりしい顔立ちで、女性ながら「ミスター女子プロレス」と呼ばれる。関節技や神取スペシャルと呼ぶ数々の必殺技が評判だ。

 格闘技は若者たちに大人気だ。プロレスラーは技術と体力だけでは務まらない。ここぞという場面で観客の期待にこたえて必殺技を繰り出す演技力が要る。

 プロレスラーは実力の世界を生き抜いてきた。その厳しい経験は議員活動に生かせるのかもしれない。

 けれど、政党が頼るのは、そんな選手としての資質ではない。「若者の票を集められる」と踏んでのことである。その得票によって、ほかの候補者も引き上げることができると計算する。それはスポーツ選手にとって、なんとも悲しいことではないか。

 一方、民主党は「すべての武器を楽器に」と訴える喜納昌吉氏を立てる。喜納氏の考えは、有事法制に賛成した民主党の政策とはズレもありそうだ。前回、大量得票で当選しながら党の政策と対立し、半年で議員辞職した大橋巨泉氏のことをつい思い出してしまう。

 参院では、市川房枝、青島幸男、宮田輝、中山千夏氏ら著名人が上位を占めた80年を最後に、全国区を比例区に切り替えた。各党は当初、学者や知識人らを名簿の上位に置き、党の政治姿勢を訴えようとした。同時に、サラリーマン新党などの小政党が議席を得たほか、92年には日本新党が登場するなど、比例区には衆院とは違う風が吹いた。

 それが前回の01年から、政党名でも候補者名でも投票できる「非拘束式」になり、自分の名前を多く書いてもらった候補者が当選できる仕組みになって、事情が変わった。テレビなどで顔を売っている人が立候補しやすい旧全国区のような状態に戻ってしまっている。

 政治家としての資質よりも集票力で候補者を並べる。こんなことが続くなら、参院に試合中止を告げるゴングが鳴る日も近いかもしれない。
今、朝日社説が熱い。いや、ネタとかじゃなくって。

■なんかこう、キレキレですやん。「巨人を分割せよ!」とか「竹中平蔵は青木幹雄の選挙区に出馬せよ!」とか。で、今回、「プロレスの府」ときたもんだ。内容自体は大したことないんだけど、ぶっとんでるなぁ。最後の締めくくりも…「試合中止を告げるゴングが鳴る日も近いかもしれない」って…「うまいこといいまっしゃろ?」とオッサンが薄ら笑いを浮かべている。

■「改革ファイヤー」…なつかしいなぁ。マスコミに何回も言わされてる様を思い出して、思わず笑ってしまった。やっぱり、このマヌケな響きが秀逸だよな。さらに、その言葉を連呼してるのが負けないくらいマヌケ(大仁田厚)だからね。そりゃ笑えるはずだわ。

■その「改革ファイヤー」さん、なぜか鈴木宗男の応援して、参院のドン(青木幹雄)を怒らせちゃったね。で、青木の恫喝でもって、「改革ファイヤー」も鎮火したわけだが。

■そのうち小川直也(or橋本真也)が「改革ハッスル」を決めてくれるんじゃないかと期待しているのだった。


■中途半端にタレント候補擁立している民主党も意味がわからん。喜納昌吉って誰だよそれ。「すべての武器を楽器に」って、要するに「音楽」「平和」という自分を前面に押し出すための、安っぽいキャッチコピーじゃないか。もうすっかり気分はイマジンだね…って、言ってる私も、どんな気分かはわからないんですけど。

■「平和ボケ」という言葉を使いたくはないけど、政治家としては不向きだと思う。朝日が指摘しているように、民主党に「平和」は不適当だろうし。


ドラゴンズ日記

自分が中日ファンであることを忘れていた。こっち(東京)にいるとどうもいけない。って、名古屋を離れてすでに5年になるわけだが。
で、なんとなく中日についてのカテゴリーをこっそりと設けた。中日スポーツなんかを取り上げつつ、ちょくちょく中日や野球のことを書こうと思う。


2004年6月23日水曜日

小泉内閣機関紙「しんぶん読売」

御用新聞読売新聞は昨日の党首討論についても執拗に民主党を攻撃している。
■読売新聞/社説[党首討論]「掘り下げるべき『年金』『イラク』」
 年金問題で、民主党の岡田代表は、成立したばかりの年金改革関連法の「白紙撤回」を求め、政権を取れば、廃案にすると訴えた。確かに抜本改革とは言えないが、“政権党”ならば、年金財政が破綻するのを放置することはできまい。
 自民、公明の与党と民主の三党は、先の国会で年金一元化を含め、抜本改革の議論を始めることで合意した。有権者が求めているのは、将来に安心感を持つことができる、年金をはじめとした、医療や介護など総合的な社会保障制度の構築に向けた建設的な論戦だ。
 岡田氏は、国民年金を含む年金一元化を提唱し、「年金目的消費税」の創設を求めた。消費税率引き上げなど財源問題は避けて通れない。これをたたき台に、消費税論議を深めるべきだ。
 小泉首相も、岡田氏も、納税者番号制度の導入の必要性に言及した。年金制度の一元化には不可欠だ。さらに議論を進める必要がある。
 イラク問題では、岡田氏は、イラクに派遣された自衛隊の多国籍軍参加に反対し、撤収を求めた。
 この点について、首相は、民主党は、新しい国連決議の下で、イラク人による政府の要請があれば、自衛隊の多国籍軍への参加を検討するとしていたではないか、と批判した。確かに、民主党は、従来の方針との整合性に疑問がある。
 岡田氏は、イラク暫定政権ではなく、選挙を経た政権の要請が、自衛隊派遣の要件だとの考えを示した。
 だが、暫定政権は主権を移譲され、国連が認めた政権だ。その政権から、多国籍軍への参加を要請されても拒否するというのは、無責任ではないか。
 岡田氏は、日本は自衛隊撤退の替わりに何をするのかと問われ、「資金力と国連を引き出す外交力」などと答えた。あまりに抽象的すぎる。具体的な政策の方途を示してほしい。
 この御用体質はどうしようもないね。小泉政権への批判は読売ではタブーになっているようで、読売から批判は聞かれない。とりあえず、政敵である民主党を叩いておけばOKがもらえるようだ。小泉流に言えば、まさに「新聞もいろいろ」ですね。
■「政権党」ならば…って、またそれか。民主党は政権党じゃないからね、と言いたいわけだ。「建設的な議論」とは、体制側の常套句であり、民主党に与党への擦り寄りを要求するものだ。だが、小沢一郎が言ったように、「自民党と同じならば存在価値はない。基本的な考え方が違うから価値がある」のである。
■東京新聞/社説「党首討論 公明の口の重さは何か」
 言葉の軽さが最近目に余る自民党総裁の小泉純一郎首相も、さすがに神妙に応答した。岡田克也民主党代表は、腰を据えた理詰めの議論でまずまずのデビュー戦。志位和夫共産党委員長は年金財源としての消費税増税反対、福島瑞穂社民党党首は憲法改悪反対を一義的に掲げて、ともに党の独自色を鮮明にした。
 例外だったのは公明党の神崎武法代表だ。自民党と連立を組んで四年八カ月になる。昨年秋の総選挙では多数の小選挙区で自民候補を後押しし当選させた。創価学会という巨大な宗教団体をバックに、いまや小泉政権の命運を握る。その影響力の大きさは、神崎氏が「政策実現力では負けない」と豪語するとおりだ。
 その神崎氏の歯切れが悪かった。政府の年金改革をリードしてきた、と紹介されて「リードしたわけではない。与党間で進めたことだ」と弁明し、自公民の三党合意を盾に「公党間の約束を守れないようでは」と岡田氏を批判、国民の不満に面と向かう気迫は感じられなかった。
 自衛隊の多国籍軍参加問題にもメリハリある発言は聞けず、憲法上もまったく問題ない、とする首相の主張を事実上補足するにとどまった。
 曲がりなりにも「平和と福祉」を旗印に地方選で順調に勝ち進んできた党だ。争点が争点だけに、力を込めて主張しにくいという事情があるのなら、分からないでもない。
 今回参院選には比例一千万票獲得の目標を掲げている。二大争点を避けて通るわけにはいかないが、かといって深入りすれば批判を覚悟しないといけない。そんなためらいが神崎氏の口を重くさせたのかどうか。
 公明党らしさが極端に薄らいではいまいか。かつてなら、勤務実態がないのに厚生年金に加入していた首相の例の「人生いろいろ」発言は許さなかったはずである。国会や国民に説明する前にブッシュ米大統領に多国籍軍参加を約束する首相のむちゃにも、ひと言あったに違いない。
 与党であることにこだわって主張が鈍るようでは先が思いやられる。
 「政策実現力」?なんですか、それは。まぁ、自民党と手を組んで、数にものを言わせれば何だってできるってもんだ。「政策実現力=数の論理」である。
■ただ、「公明党らしさ」なるものを発揮されても困るわけよ。持ち前の「政策実現力」でもって、年金改革法案みたいな悪法をバンバン通されたり、党利党略で「地域振興券」みたいなものをばら撒かれても困るし。「公明党らしさ」ってのは要するに、池田大作の意向が十分に反映された状況なわけでしょ。それはやっぱり嫌だなぁ…
■鈴木宗男氏を応援、大仁田議員を厳重注意
 自民党の大仁田厚参院議員が21日、札幌市内の街頭演説など2か所で、無所属で参院選北海道選挙区に立候補予定の鈴木宗男氏の応援演説を行った。これに対し、青木幹雄同党参院幹事長が22日午前、大仁田氏を呼び出し「公認候補がいるのに、ほかの候補を応援するのはおかしい。二度と同じマネをしないように」と厳重注意した。
 自民党からは同選挙区に現職で公認の中川義雄氏が立候補する予定。
 大仁田事務所によると、大仁田氏は21日、ラジオ番組の収録で札幌を訪れた際、鈴木氏側から「札幌にいるなら顔を出してくれ」と要請を受けた。大仁田氏は「個人的に鈴木先生を応援したい」として、札幌市大通り公園の街頭演説と同市内の集会に相次いで参加し、「国から予算を持ってくることが出来るのは鈴木先生だ」などと支持を訴えたという。
「国から予算を持ってくることが出来るのは鈴木先生だ」って、そのおかげで「熊のほうが多く通る道路」がたくさんできたものね。でも、無所属議員が従来みたいに「ムネオハウス」を作れるとは思いませんが。


2004年6月21日月曜日

説明不足

伊集院敦「やはり説明が欲しい」(日経新聞/コラム・風向計6月21日)
 また、ひょいとハードルを乗り越えてしまった。戦闘が残る国に初めて自衛隊を送ったと思ったら、今度は与党内にさえ異論があった多国籍軍への参加決定だ。有事法制の成立などもあわせると小泉政権発足以来の安保政策の進展は著しい。
 これも小泉マジックのひとつと言えばそれまでだが、有権者の理解を求めるために設けた記者会見での説明はお世辞にも十分とは言えなかった。憲法上、疑義があるとされてきた多国籍軍への参加が今回は可能になった理由を聞かれた首相は(1)国連が全会一致で決議した(2)イラク暫定政権の大統領が自衛隊の活動継続を要求した??などを挙げ、国際協調、国連重視の観点からも「参加してはいけないという理由にならない」と強調した。逆説的な言い方で押し切る小泉流だ。
 これに先立つ、野党党首との会談では、しどろもどろだったらしい。野党側の説明によると、自衛隊の指揮権確保や活動内容などをめぐって首相は何度も説明に行き詰まり、同席者の助けを借りながら、どうにか会談を打ち切ったという。
 もともと、政権の座に就くまでは安保に関する細かな法解釈論争などは縁の無かった首相である。自衛隊を「軍隊」と言い切り、政府の現行憲法解釈では禁じられている集団的自衛権行使の研究も公言するなど、政権発足後も率直な発言を持ち味にしていた。過去の政府見解との整合性を図ろうとすれば無理が生じるのは当然だ。
 政府が年内にまとめる新防衛大綱では、現在は付随的な業務にとどまっている自衛隊の国際貢献業務を法律上も本来業務に格上げすることを打ち出す方向。政府・自民党はアフガンニスタンのテロ対策支援やイラク支援など国連平和維持活動(PKO)の枠からはみ出る任務についてその都度、特別措置法で対応してきたのをやめ、国際貢献のための恒久法もつくることも検討している。それなら、率直に説明するのが筋だろう。


 「説明不足」と首相を批判する野党の対応も、理解しにくい面がある。条件付きで参加容認の余地を残していた民主党もここにきて「多国籍軍の目的・任務には武力行使が伴う。憲法上の疑義は払しょくされない」と自衛隊の即時撤退を求める方針に転換した。
 これまでは自衛隊がいったんイラクから撤退し、現行のイラク復興支援特別措置法に代わる新法を制定すれば派遣を容認する可能性もあるとの立場を示していた。ニューヨークに出向いた菅直人前代表がアナン国連事務総長との会談で「国連支援の多国籍軍なら自衛隊派遣も検討できる」との意向を伝えたのも記憶に新しい。
 民主党の方針転換の背景にあるのは選挙戦略。「中途半端な姿勢を示すより、反対論に立った方が選挙で有権者に訴えやすい」といった党内の声に押された格好だ。政権党を目指すなら、ご都合主義との批判を浴びないようにするための説明が必要だ。



投票棄権

■毎日新聞/社説「棄権のツケは回ってくる」
 投票の権利を放棄して政治不信は解決しない。意思表示をしない人にはめぐりめぐってツケがはね返ってくる。
 投票率は参院選の隠れた争点だ。投票率が高くなると、政治状況は変わることが多い。
 衆参ともに投票率は低下傾向にある。時々の政策課題で多少のアップダウンはあるものの、低下に歯止めがかかっていない。
 ここ5回の参院選の投票率(小数点以下切り捨て)は65%、50%、44%、58%、56%。98年に58%へ跳ね上がったのは、投票時間を午後8時まで延長した影響である。いわば「追い風参考記録」で、次の選挙からまた下がりだした。なぜ投票率は下がるのか。
 結論から言うと、若者が投票所へ足を向けないからである。総務省がまとめた01年参院選での投票行動を見ると、20代前半の投票率は31%、20代後半は36%に過ぎない。一方、50代では65%を超える。60代になると、75%前後にまでアップする。20代で棄権した人が30代になって突然投票することは極めて少ないので、今後も投票率は低下する傾向が続く。
 年金がどうなろうと、多国籍軍へ自衛隊が参加しようと、投票よりレジャーだ、という人たちはいつの世でもいた。大ざっぱに有権者の3割といわれてきた。
 若者が「無関心」になる理由は政治家にもある。司法から定数是正を求められているのに、自ら手をつけられず違憲状態で選挙を行うのは、若者がそっぽを向くことに加担している。
 それでも、国民が意思表示しないと何事も変わらない。例えば、年金問題は見方を変えると世代間対立であり、高齢者は今の給付水準を守りたいため投票所へ行く。若い世代は、負担が増え、将来の給付が減るのに棄権していていいのか。高度成長期が終わり、政治の課題は既得権益の再調整となった。黙っている方が不利益をこうむる。
 投票率低下を加速したのは、ゼネコン、労働組合、職域団体など選挙マシンと言われてきた組織の地盤沈下もある。さらに、コミュニティーの希薄化とも無縁ではなさそうだ。無党派層が増えているのは、世の中のしがらみがなくなっていることと連関している。その中で、まだ強力な集票力を維持しているのは宗教団体だけだ。
 世界の先進国も同じ悩みを抱えている。オーストラリアやベルギーは義務投票制を導入し、棄権者には罰則を科している。オーストラリアの場合、投票へ行かなかった人は最高20ドルの罰金を払わなければならない。その結果、下院選挙の投票率は約95%にもなる。
 だが、投票はあくまでも有権者の自発的な意思によらなければならない。強制的に投票所へ向かわせる社会は息苦しい。参院選では政策課題、小泉政権の評価、政治不信のはけ口など「理由はそれぞれ」、あなたの考えを示そうではないか。



2004年6月20日日曜日

参院選/民主主義の敵

■産経新聞/社説「テロと参院選 スペインの例を忘れまい」
 七月十一日の参院選挙に向け、政府はテロ対策に万全を講じると同時に、国民の側も、テロ攻撃が民主主義の根幹である選挙を揺るがすことは決して許さない、という心構えを今から持つことが大事だ。

��中略)

 約二百人の死者を出したスペインの列車同時爆破テロでは、三日後に予定されていた総選挙の投票延期論も出たが、敢行された結果、与党・国民党が敗れ、米国とともにイラク戦争を戦ったアスナール政権が倒れた。事前の予想では、国民党の勝利が確実だったから、テロが民主国家の政権を倒したといっても過言ではなかった。

 日本では参院選に向け、テロが起きた場合の備えが十分にできているだろうか。公職選挙法第五七条で、天災や事故で投票ができない場合は延期が可能とされているが、直前にテロが起きた場合などに適切な判断ができる態勢になっているかどうか心もとない。

 万全の備えが求められるが、なによりも大事なのは国民のテロに対する心構えだ。テロには落ち着いて対処すると同時に、テロごときに日本の民主主義や社会の安定が揺るがされてたまるか、という気概を持ちたい。
 ようするに、テロが起きて自民党が敗れる事態に先手を打ったわけだ。せっかく外国に軍隊を送れたのに、民主党になって自衛隊撤退ってことになったら全てが水の泡ですものね。さすがです。

■安心してください。私は何が起きようとも自民党には投票しないから。テロごときに日本の民主主義や社会の安定が揺るがされてたまるかっ!


■毎日新聞/社説「連立政治 打算も鼻につき始めた」
 執行部が「現状維持の51」と低い勝敗ラインを掲げるのは選挙情勢が楽観できないからだけではない。過半数を確保すれば、数の上ではもう連立は不要となる。それが公明党を刺激しかねないとの配慮が見え隠れする。だが、2大政党化が強まる中、これでは与党第1党として志が低くないか。

 昨秋の衆院選では多くの自民党小選挙区候補者が公明党の支持母体・創価学会票を獲得するため、「比例代表は公明党へ」と支持者に要請し、「政党政治の基本が揺らぐ」と物議を醸した。

 今回も既に同党の選挙区候補者ばかりか、昨秋選挙協力を得た衆院議員の中にも「比例は公明」と求める動きが出ている。自民党執行部は、こうした行為を禁止すると言いながら、違反者の処分はせず、事実上黙認する構えだ。

 選挙協力の見返りなのか、政策面での公明党への配慮も目立つ。先に成立した年金改革法は公明党案がベースだ。自民党内には当初、参院選後への先送り論もあったが、実績をアピールしたい公明党が成立を強く後押しした。

 連立与党が政策を調整し合うのは当然だ。しかし、組織が弱体化している自民党は「公明票依存症」が強まっている。「平和と福祉」が2大看板だった公明党は福祉政策実現に力を入れる一方で、自衛隊のイラク派遣や多国籍軍参加は次々と容認した。双方に政治的な打算が目立ち始めている。

 自公連立は98年参院選で自民党の過半数割れが広がり、参院対策を迫られたのがきっかけだ。本来、政権は衆院選で有権者が選択すべきものだが、参院事情が政権の枠組みをも決める「ねじれ」は容易に解消されそうにない。

 小泉純一郎首相は「単独過半数を得たとしても公明党との連立は維持したい」と表明している。公明党も当初掲げていた「自民党に対するチェック機能」という役割は薄らぎ、連立を離脱する考えはないようだ。こうした両党の現状維持志向が、選挙制度を含む参院の抜本改革を阻む一因ともなっていないだろうか。

 今はなお政界再編の過渡期なのか。それとも自公連立は定着していくのか。参院選は連立のあり方も焦点となる。
 自民党と公明党、さっさと合併しちゃえよ…とも思うが、連立だからこそうまくいっているのだろう。合併したら、公明党・創価学会を嫌う自民党支持者が逃げていってしまうし、自民党と合流することで、公明党が掲げてきた「平和」がインチキであることがばれてしまう。

■「自民党に対するチェック機能」だって?そういう役割を演じていることで、信者をだましてきたわけだ。「公明党に対するチェック機能」を全く持ちえない信者によって、えげつない選挙活動が繰り広げられる。池田大作/創価学会ごときに日本の民主主義が揺るがされてたまるか、という気概を持ちたい。


■朝日新聞/社説「竹中氏擁立 ―抵抗勢力もご一緒に」
 小泉首相が、経済財政・金融相の竹中平蔵氏を参院選比例区の自民党候補に担ぎ出した。「構造改革の旗振り役」を選挙の前面に押し出し、党の改革イメージを売りこもうという戦略である。「竹中さんで100万票は上乗せできる」。自民党内からはそんな声も聞こえてくる。

 何とも奇妙な光景である。

 同じ比例区に立つ自民党の候補者の顔ぶれを見てほしい。例によって農水、建設、郵政、運輸、総務、防衛といった省庁の官僚OBや、医師会、薬剤師連盟、遺族会などの幹部らが並ぶ。

 関係する業界や団体から物心両面の支援を受け、当選すればその代弁者的な役回りを期待される面々だ。いわゆる抵抗勢力とはこの人々の代名詞でもある。なかには、1月の党大会で「建設関係の抵抗勢力です」と自己紹介した現職や、昨秋の総選挙で「郵政民営化反対」を叫んで落選した元衆院議員もいる。

 一方の竹中氏とは何か。みずから「構造改革の伝道者」を名乗る。公共事業の大盤振る舞いを続けてきた自民党の経済運営を批判し、自民党の反対を押しきって不良債権の処理を進めようとした。だからこそ、自民党内から「辞めさせろ」の大合唱さえ起きた。景気が回復してきたせいか、竹中氏批判はひと頃に比べて静かだが、抵抗勢力と竹中氏の考え方の違いが縮まったとはとても思えない。

 その竹中氏が抵抗勢力ご一行様のような自民党比例区の顔になり、彼らを応援する。参院比例区は政党名でも候補者名でも投票できるから、竹中氏への1票は自民党への1票だ。つまり、竹中氏を支持する票が多くなればなるほど、抵抗勢力の当選者を増やすことになる。

 小泉首相が民間から竹中氏を入閣させたのは、構造改革には永田町の住人ではない新鮮な人材が必要だったからだ。その民間人閣僚を参院選に擁立する異例の決断について、首相は、竹中氏が議員になったほうが長期にわたって改革を進めやすいと言いたいのだろう。

 抵抗勢力が竹中氏のおかげで当選できたということになれば、改革への抵抗を弱められる。そんな思惑もあるのかもしれない。だが、そうなるだろうか。

 首相は「聖域なき構造改革」で、3年前の参院選にも昨秋の総選挙にも勝った。それなのに実際には、長期政権をめざして抵抗勢力との妥協を重ね、多くの改革は尻すぼみだ。先の国会で道路公団民営化法を成立させたが、高速道路の建設は続く。年金改革でも国民の不信をかえって強めた。それが現実である。

 竹中氏自身にも、改革路線を貫こうとするなら別の道があった。たとえば、抵抗勢力の束ね役である青木幹雄氏に対抗して島根選挙区に立てばよかった。

 1年前、自民党からの批判の矢面に立たされた竹中氏は言った。「私がたたかれるのは、改革が進んでいる証拠だ」

 まったく、その通りではないか。
 与党に居座るためなら「悪魔」(小沢一郎…野中広務がそう呼んだ)とでも手を組むのが自民党である。別に「抵抗勢力」が竹中平蔵と手を組んだとしても何ら不思議ではない。しかも、自民党が党利党略で導入した非拘束名簿式は、竹中票をそのまま「抵抗勢力」に分配できる「効率的な」システムである。

■最近、どうも「抵抗勢力」が弱りきってしまって、「小泉改革VS抵抗勢力」っていう構図が見えなくなっちゃったからね。ここらで「抵抗勢力」を回復させないと、支持率も回復できない、そう思ったのかもよ。抵抗勢力との摩擦熱こそが小泉首相のパワーの源だからね。「私がたたかれるのは、改革が進んでいる証拠だ」ってなわけで、「たたかれないってことは改革が進んでいないのか?」なんて思われちゃうし。摩擦熱が起きなければ、小泉首相の陳腐な言葉だけが虚しく響くだけだから。


2004年6月19日土曜日

私の教育論

■耳塚寛明(お茶の水女子大学教授)日経新聞19日

 教育論議を無益にしている原因は「私の教育論」が多いことに尽きる。

��中略)

 誰もが、教育を受けることはもちろん、教えることの経験者である。ここから「私の教育論」が生まれて、正当性を持つ。だが教育は、人の数だけ多様である。「私」の経験と眼だけでその理想と問題を語ることはできない。



ドン・キホーテ、偏差値40以下NG?

■「ドン・キホーテ」が高校名で採用基準(TBS 17日)
 大手ディスカウントストアー「ドン・キホーテ」が、偏差値40以下の高校の生徒は店舗で採用しないとする内部文書を作成していたことがわかりました。厚生労働省・東京労働局では、出身高校名だけで採用を判断するのは不適切だとして来週にも指導を行う方針です。

 厚生労働省東京労働局が入手した問題の文書は、ドン・キホーテが今年5月8日付けで統括店長と店長宛てとして作成したものです。
 
 その中には、東京都と神奈川県の偏差値49以下の高校名がリストアップされた「要注意高校リスト」と、店舗スタッフの採用基準が記されていました。それによりますと、偏差値40以下の高校を「治安の悪い学校」と表現。採用者本人による商品の持ち出しなどの不正が起こる可能性があるとして採用しないとしています。
 
 また、偏差値41から45の高校については、現金やレジを扱わせないなど条件付きの採用としていて5月17日から運用開始と明記されています。高校をランク付けし、高校名だけで不採用とすることについて東京労働局では「きわめて不適切」としています。
 
 「極めて遺憾なことだと思いますね。学校によって選考の基準を定めるということが、学校に対する予断と偏見がまさに出てきているということですから」(東京労働局職業安定部・廣瀬誠人 課長補佐)
 
 ドン・キホーテ側は「一社員が採用方法の一案として出したもので、会社としてはこの案を却下している」と反論しています。東京労働局では、ドン・キホーテ側から詳しく事情を聞いた上で、来週始めにも適切な採用を行うよう指導する方針です。
「治安の悪い学校」って、いったいどういう学校なんだ。サマワ(イラク)の「治安」がどうのこうの、って時のあれとはニュアンスがちょっと違いそうだ。

■この世の中には、いわゆる「統計的差別」ってのが存在する。採用者側は面接だけで判断するのは難しい。したがって、どうしても学校で判断しちゃうわけだ。例えば、東京大学の平均的な学生は××大学の平均的な学生よりも優秀であると見なされている。仮に、東大のA君と××大学のB君がいて、一人を採用する場合、(能力はB君が優れていたとしても)判断材料が少ない雇用者側はA君を採用する傾向がある。

■これはどの企業もやっているわけだが、行き過ぎてしまえば「偏見」としてバッシングされる。偏差値が低ければ低いほど、盗難などに手を染める率が高いと見なされている。が、頭の悪い学校の奴すべてに×をつけること「マニュアル化」するのは、さすがにまずいでしょ、ってことだろう。まぁ、現実的には「暗黙の了解」が形成されていたり、個人の偏見に基づいて処理されているはずだが。「学歴」に対するタブーにひるまず立ち向かっていく姿勢…これがドンキホーテが「ドンキホーテ」たる所以だ。

■ドンキには「偏差値」が低そうな客も少なくない。「偏見」による教育を受けているドンキ店員はそういう人に、さぞかし厳しいマークをしていることだろう。万引きする際には賢そうな身なりで行くことをおすすめします…って、万引きは犯罪ですが。


2004年6月18日金曜日

多国籍軍参加

■多国籍軍参加表明について、首相が会見をしたが、「説明はたったそれだけ?」(東京新聞/社説)というのが感想なわけで、やはり、ブッシュ大統領の顔を見て「条件反射」(by岡田克也)で参加を表明したってことだろう。


■産経新聞/社説「首相会見 方向は正しいが説明不足」
 参加については支持するが、首相の説明は十分とはいえなかった。

 自衛隊の多国籍軍参加は初めてで、日本の安全保障政策の転換点ともいえる。これまでアフガニスタンでの多国籍軍の艦船に給油などを行い、イラクに自衛隊を派遣してきたが、多国籍軍の一員とは位置づけてなかった。憲法で禁じているとされる武力行使と一体化する恐れがあるからだった。

 今回は、「多国籍軍の統合された司令部の指揮下に入らない」ことを米英両国が了承し、これにより、イラク復興支援特別措置法の枠内での自衛隊の活動が担保された、としている。

 首相はこうした説明を行ったが、明解さを欠いていた部分も少なくなかった。航空自衛隊が米兵などを輸送する任務と多国籍軍の指揮との整合性についての質問に、「各国と協力する」というのでは答えになっていない。

 自衛隊の活動が憲法の枠内にとどまる根拠についても、イラク暫定政府のヤワル大統領からの自衛隊派遣の継続要請があったからだという説明では国民は理解できまい。
 で、この後「しかし、いま、イラクから自衛隊を撤退させて喜ぶのはだれであろうか。日米同盟を危機に陥れるだけでなく、世界的なテロに対抗する陣営を総崩れさせかねない。テロに屈した日本は侮りを受け、逆にテロのターゲットになる可能性すらある。その意味で首相の判断は間違っていない。」というお決まりの脅し文句が続く。産経の頭の中では「イラク支援=自衛隊のイラク滞在」しかありえないようだ。まぁ、ようは外国に軍隊を派遣したいだけなのだが。

■産経のもう一つの社説は「テレビ朝日和解 報道の責務を再考したい」であり、拉致被害者家族会や長崎の小六同級生殺害事件を挙げて「刺激的なタイトルをつけた映像に思わせぶりな効果音と思い入れたっぷりのナレーションをかぶせる。これを繰り返すと視聴者の判断に強い影響を与えかねない。」とテレビ批判している。だが、自身の「報道の責務」はまったく考えていないようだ。自身が支持したアメリカのイラク侵攻は検証しないのかい?それを「いま撤退したらイラクはどうなるのか」の脅せば、国民が納得するとでも?それこそ「説明不足」じゃないですか?


■ところで、小沢一郎がこの決断をどう評価するのか注目しているのだが。なぜ支持表明しないの?あるいは、どういう理屈でもってこれに反対するのだろうか。要チェックだ。ちなみに、今週の「剛腕コラム」(夕刊フジ連載)でも取り上げていない。このままだんまりか。

■ただ、今週の「剛腕コラム」は、小沢こそ自民党政治そのものじゃないか、と茶々を入れたくなるものの、まったくの正論。
 民主党の若手の議員諸君は「責任野党」という言葉を勘違いしている。

 俗に言う55年体制は、「何でも反対」の社会党がイデオロギーを盾にして自民党と不毛の対立を続けたように見られているが、これは事実ではない。55年体制を最も近い場所で見てきた者としていうが、自民党と社会党は地下茎で結ばれていて、難しい政治的問題はすべてタブーとして論議せず、ひたすら経済の復興ともうけた利益を配分することで完全に一致していた。つまり、自社両党はまったく同じ体質の政党だったのである。これは後に自社政権が成立した事を見れば明白であろう。

 ところが、若手の議員諸君は俗説を信じて、「健全野党であるためには、政府提案に一定の理解を示さなければならない」、つまり、「官僚のいうことに理解を示すべきだ」と勘違いしているのではないか。

 わが民主党は、官僚を頂点とした自民党型の権力体制や政官業癒着の政治体制、徹底的な官僚による管理社会に終止符を打ち、国民の代表である政治家を中心にして、戦後五十数年で限界に達した日本の政治・行政・社会の構造を変えていこう、と訴えているのにである。

 こうした勘違いが、国民に「一体何を考えているのか」「自民党と談合するのか?」などと、民主党の不明確さ、頼りなさを植えつけている。こうした勘違いや錯覚を払拭しなければ政権奪取など絶対に不可能だ。

 自民党と同じならば存在価値はない。基本的な考え方が違うから価値があるのだ。



小泉純一郎研究

北村肇(週刊金曜日,一筆不乱)
 時代が人を選ぶとすれば、やはりとんでもない時代になったということなのだろう。「小泉純一郎」という、およそ首相にふさわしくない人物が長期政権を保ち、しかも高い支持率を維持しているのだから。
 
 かれこれ十数年前、小泉氏とコーヒーを飲んだことがある。雑談の内容は忘れてしまったが、結構、好印象を抱いた。何より、経世会的政治家の漂わす生臭さがないのが好ましかった。同席した政治部記者に後日、その話をすると、「だから、力を持てないんだよ」と言い放った。むろん、彼が首相になるなど、二人とも夢想だにしなかった。
 
 見通しの甘さと、人を見る目のなさに赤面する。しかも、力のない政治家が、永田町のトップに登り詰める、そんな時代の到来を予測できなかったことが口惜しい。
 
 小泉人気は「建前をぶち壊すホンネ」にある。密室性の政治と建前の行政にとことん不満がたまったところへ、バブルの崩壊。そんな閉塞状況のもとでは、「ホンネ」が人気を博すのは当然の流れだ。そこまでは誰でも読める。
 だが政権が続くにつれ、小泉流ホンネの内実は、単なる開き直りと、官僚への丸投げであることがはっきりしてきた。庶民受けする「歯切れのよい」言葉が、実はあまりに軽く人をばかにしていることは、「人生いろいろ」発言で明白になった。「痛みを伴う構造改革」の背後に、福祉切り捨てなどなんのその、「何がなんでも財政赤字解消を」と意気込む財務省の思惑が潜んでいたこともしだいに明らかになりつつある。
 こうなれば、人気の反動で小泉株は一気に下落??のはずだった。だが、依然として大衆は小泉支持に回っている。
 ここまであからさまな開き直りを、しかしそれでも大衆は受け入れる時代になると予測。そのうえで、小泉氏をかついだ官僚や政治家がいたとしたら、その悪辣なる知恵に脱帽するしかない。
 といって、こちらも引き下がるわけにはいかない。



小沢一郎/責任野党

小沢一郎「剛腕コラム」
民主党の若手の議員諸君は「責任野党」という言葉を勘違いしている。
俗に言う55年体制は、「何でも反対」の社会党がイデオロギーを盾にして自民党と不毛の対立を続けたように見られているが、これは事実ではない。
55年体制を最も近い場所で見てきた者としていうが、自民党と社会党は地下茎で結ばれていて、難しい政治的問題はすべてタブーとして論議せず、ひたすら経済の復興ともうけた利益を配分することで完全に一致していた。
つまり、自社両党はまったく同じ体質の政党だったのである。これは後に自社政権が成立した事を見れば明白であろう。
ところが、若手の議員諸君は俗説を信じて、「健全野党であるためには、政府提案に一定の理解を示さなければならない」、つまり、「官僚のいうことに理解を示すべきだ」と勘違いしているのではないか。
わが民主党は、官僚を頂点とした自民党型の権力体制や政官業癒着の政治体制、徹底的な官僚による管理社会に終止符を打ち、国民の代表である政治家を中心にして、戦後五十数年で限界に達した日本の政治・行政・社会の構造を変えていこう、と訴えているのにである。
こうした勘違いが、国民に「一体何を考えているのか」「自民党と談合するのか?」などと、民主党の不明確さ、頼りなさを植えつけている。こうした勘違いや錯覚を払拭しなければ政権奪取など絶対に不可能だ。
自民党と同じならば存在価値はない。基本的な考え方が違うから価値があるのだ。



島田紳助を打ち首にする日

■紳助熱弁、尾立氏に「日本経済を救うヒーロー」(夕刊フジ)
 “行列のできる大物応援弁士”。政治家への転身が取りざたされていたタレントの島田紳助(48)が16日、大阪・ミナミで街頭演説を始め、「大阪のみなさんに恩返ししたい。2大政党にしないと国が滅ぶ」と熱弁をふるった。参院選大阪選挙区(改選数3)に出馬予定の民主党新人、尾立源幸氏(40)への応援演説だったが、紳助見たさに聴衆は約3000人も。ライバル陣営からは「出馬するのは一体、どっち?」との声も上がっていた。

 濃紺のスーツ姿でマイクを握った紳助は、テレビ朝日「サンデープロジェクト」に15年出演した経験から、「アホやった僕も勉強させてもらい、いいやつ、悪いやつ、いる政治家、いらん政治家が僕の目にもはっきり映るようになった」と断言。尾立氏については「今は日本経済を救うヒーローが必要だ。彼にまかせていいか、僕なりに何回もチェックした。この男でOKです」と太鼓判を押し、「彼が落選したら一生政治を語りません」とまで言い切った。ただし、民主党のことは「この党はダメ。僕は支持者じゃない」とバッサリ。

 自身の出馬の可能性については「僕は死んでも国会議員や知事にはなりません。出たら打ち首にしてください」と全面否定。同選挙区は、引退する西川きよし氏が過去3回の選挙で得た「お笑い100万票」の行方が注目されるが、果たして“紳助効果”はいかに。
2大政党にしないと国が滅ぶ?池田大作を抹殺しない限り、この国は滅びるのですね。「日本経済を救うヒーロー」って、尾立の経済政策を理解して言っているのか。

■「アホやった僕」って今は「アホ」じゃないと?「サンデープロジェクト」の司会をしただけで、もう「政治のプロ」になったつもりなのか。自覚症状が無くなった今の方がよっぽどたちが悪い。誰でもいいから、この「アホ」を黙らせてくれないか。

■唯一の救いは、島田が政治家にならないと宣言したことだ。「僕は死んでも国会議員や知事にはなりません。出たら打ち首にしてください」…その言葉を私は絶対に忘れないよ。芸能界で落ち目になってきたら、島田紳助を打ち首にする日はやってくるだろう。その時に備えて、鴻池祥肇(前防災担当大臣)にでも「打ち首」スタンバイさせておくとしよう。もちろんオプションとして「市中引き回し」もサービスしとく。


■ラジオ出演出川哲朗、放送終了後に抗議が100通以上殺到!(サンケイスポーツ)
 お笑いタレントの出川哲朗(40)が16日、14歳年下の元レースクイーン阿部瑠理子(26)さんとの結婚後、初めて昼間のラジオ番組、ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」(月ー金前11・30)に出演した。

 番組で出川は「きれいな女優さんと共演するなんて言うと(妻が)心配して…」と新婚生活でのオノロケ話や、もてないリスナーからの恋愛相談に「何でもてないのか? という質問が出ること自体が不思議。出会いなんて転がっているもんです」などと強気な発言を連発。放送終了後にはリスナーから「調子に乗るな!」、「もう来るな!」など抗議のメッセージが100通以上も殺到し、パーソナリティも呆れ顔だった。
 笑った。出川はキャラ通りの仕事をしたまでで、それにわざわざ抗議をしてる人らがどうもバカに思える。ってか、嫉妬にしか思えないんですが。抗議する人ってのは、いわゆる「釣り」にまんまと引っかかった人で、こういう人らが出川に仕事とお金を届けているのだろう。


■朝日新聞/社説「教育基本法 ―愛する国とはどんな国」
 民主主義の国では、主権者である国民が統治の仕組みを決め、選挙で選んだ代表を通じて国を治める。どういう国をつくりたいかはそれぞれ考えが違うだろうが、自由に意見をたたかわし、妥協が必要なときは妥協して、社会をつくり、国をつくっていくのである。

 みんなが参加してつくった民主的な社会や国だからこそ、そこに愛情が生まれる。国民一人ひとりが尊重され、その意思が反映される国ならば、愛国心は自然に生まれ、育っていく。

 国を愛せ、と一方的に教えるだけで愛国心が育つはずがない。まして、戦前のような国家体制への郷愁にかられて、国を愛せ、伝統や文化を愛せ、というのならば、とても受け入れられない話だ。

 自分の国をどう愛するかは、人によってそれぞれ違う。国を思うからこそイラクへの自衛隊派遣に反対する人がいるし、逆に、賛成する人もいる。自衛隊派遣に反対した人を「反政府、反日的分子」と非難した与党議員がいた。国の愛し方を一方的に決めつけるようでは、ゆがんだ愛国心になってしまう。
別に「愛国心」が明記されようがどうってことないと思うのだが、これを推進している人らが解せない。カシムラだかカスムラだかバカな政治家の、「反政府、反日的分子」だって見過ごせない言動だ。いかにも「反日」朝日の社説だな…なんてことを2chあたりでネタとして言ってる人はともかく、本気で思っている人がいるとすれば、その人はかなりの重傷だ。最近、どうもそういう人が増えているようで嫌なのだが。


植草一秀:盗撮AVマニア

■植草初公判全容すごい中身、盗撮AV大量所有…(夕刊フジ)
【過去にも同様の犯行】

 冒頭陳述では、平成10年6月に、女性のひざを触るなどして、神奈川県迷惑防止条例違反で、罰金5万円の前科を披露され、植草被告自身の性癖も暴露された。

 植草被告は一切動じることなく、ほぼ無表情のまま、廷内を見つめるように、身動きせずに被告席に座っていた。

 犯行に使用したとされる手鏡が証拠として示され、検察官に「当時、所持していたものですね」と尋ねられた際も、「だと思います」と小さな声で答えるのみ。

【横浜で物色】

 植草被告は犯行当日の16年4月8日、横浜市内のホテルで開催された研究会の昼食会に講演者として出席。午後2時10分、中高生対象の衣服などを販売する店舗が多数入るJR横浜駅駅ビル「横浜シァル」に立ち寄った。

 2階から3階に向かう上りエスカレーターに乗った際、前方に立っているスカート丈の短い制服を着用した女子学生2人に視線を向けた。

 この場面を目撃した鉄道警察隊の警察官2人は、植草被告が盗撮やのぞきを画策していると考え、追跡を開始した。

 植草被告は女子学生2人の2段下に立ち、手鏡を持った右手を体の前にひじを曲げて下ろしたが、それ以上の行動を確認できなかった。

 短い制服着用の女子学生2人が京浜東北線ホームの階段を上り始めると、植草被告は急ぎ足で移動。上り列車に乗車、JR品川駅で降車した。

【ハンカチを添えて】

 スカート丈の短い制服を着た女子高校生が上りエスカレーターに向かうのを発見。小走りにエスカレーターに乗って2段下に立ち、1段下にカバンを置き、わざわざ右足を前に出した。

 午後2時59分ごろ、女子高生のスカート内を所携の手鏡に映してのぞき見るため、ハンカチに乗せた手鏡を右手に持ち、その右手を1段下の段に乗せていた右足の太股の上やや内側に鏡面が上を向くように置いて、背後からそのスカートのすそ下付近に手鏡を差し出し、犯行に及んだ。
 手鏡にハンカチをそえていたらしい。

■植草一秀の性癖
【のぞきや痴漢への性癖】

 冒頭陳述で、検察側は植草被告の性癖を白日のもとにさらした。

 植草被告はかねてから、女子高生などのスカート内部をのぞき見ることや、女子高生などに対する痴漢行為に強い性的関心を持っていた。

 犯行当時、所有する乗用車内に、女子高生らのスカート内部の盗撮を内容とするアダルトDVD2枚、女子高生らに対する痴漢を内容とするアダルトDVD10枚の市販のアダルトDVD合計12枚を所持していた。

 自宅居室内に盗撮を内容とするアダルトビデオテープ8本、痴漢を内容とするアダルトビデオテープ3本を含む市販のアダルトビデオテープ計12本を所持していた。

【女高生の下着購入】

 植草被告は女子高生風の制服やミニスカート、下着を購入したうえ、女性に着用させ、スカート内をポラロイドやデジタルカメラ、携帯電話機のカメラで撮影することを繰り返していた。

 犯行当時、車内に制服やミニスカートなどを着用させるなどした女性を被写体とし、立たせたり、四つんばいの姿勢にさせたうえ、スカート内をのぞくようなアングルで撮影した画像多数を含むポラロイド写真合計240枚、および合計238件の画像が記録されたデジタルカメラのピクチャーカード合計15枚を所持していた。

 携帯電話にも、平成14年12月21日付から平成16年3月20日付保存の画像のうち、前同様のアングルで撮影された画像31件を保有していた。

いやはや、何とコメントしてよいのやら。性癖とかほっといたれよとも思うが、面白いから許す。

■エリート街道を走ってきて、経済評論家・大学教授・テレビコメンテーターと成功してきた。その成功者の醜態に大衆は興味を持つのだろう。

■検察側からは、エロDVDやエロ画像を持っていたことが明らかにされた。「こりゃやっとるで」と思ってしまいそうなもんだが、エログッズ(痴漢・盗撮モノ)を持っているからといってそう決め付けていいものか。奇妙なのは、これが「盗撮行為の証拠」として提出されていることで、これを犯罪の動機とでっち上げている点にある。

■世の中には多くの人がそういったものに興味を示している。彼(彼女)らは「エロ犯罪者予備軍」と決め付けてよいのか。だったら、購買者リストやエロサイトのアクセスログをチェックしてブラックリストでも作成すればいいじゃないか。


■高木勝・明大政経学部教授の話 「経済評論家として、よきライバルとして、タイムリーなコメントをし、私にしても『なるほど』と思うところが多かった。若手で、今年から早大大学院の教授にもなり、これからというときに自ら道をふさいでしまった。ホント『どうなっちゃったのかな』と思わざるを得ないほど、常識では理解しがたく、情けない。裁判にしても、ダイエー問題や政治絡みの経済案件で真っ向から立ち向かうのなら話はわかるが、テーマがテーマなので、時間の浪費にも思える。残念でしようがない」

■評論家、塩田丸男氏の話 「ああいう性癖の人は、病気だからしようがない。ただ、(ノゾキなどは)反社会的行為だから、それを犯した自己責任の罪は償わなくてはならない。個人的にもああいうたぐいの人物を知っているが、仕事については非常に優秀でも、性癖は治らない。どこまで自制心を保てるかどうかだろう。今後の復帰については、世間の目が許すかどうかだが、世間の目といってもいくつもある。彼を支援する人などもいるようだし。ただ、支援をしていて、彼の性癖が治るのか、という疑問はある」

■それにしても笑えるのは高木勝だ。よくメディアに出没するんだけど、彼の過去の言動をチェックしたうえで人選してるのか。植草一秀の比じゃないぐらいのトンデモ・エコノミストですよ。「よきライバル」だって?いくらなんでも植草に失礼だろ。まだ植草の方が首尾一貫してたよ。だいたい、こんな事件にコメントするなよ。まぁ、時流に迎合し、行き当たりばったりの言動が持ち味だから、メディアに重宝されてんだろうけど。


2004年6月17日木曜日

教育基本法・愛国心/朝日新聞・読売新聞

朝日新聞/社説「教育基本法?愛する国とはどんな国」

 教育基本法改正についての与党の方針が1項目を除いてまとまった。まとまらなかったのは愛国心をめぐる表現である。

 自民党は「国を愛する」ことを教えるよう求めたが、公明党は「国を大切にする」に変えるよう主張し、折り合わなかった。

 公明党からは、国を愛せというのは統治機構を愛せということにならないか、との疑問が示された。戦前の「忠君愛国」のスローガンが戦争をあおり、異論を許さないことにつながった、という慎重論も強かった。

 公明党は愛国心という言葉に戦前への回帰と国家主義のにおいをかぎ取ったに違いない。支持母体の創価学会が戦前、国家から弾圧された経験を持つだけに、警戒するのは当然のことだろう。

 そうした恐れは、「国を愛する」を「国を大切にする」に変えたところで、ぬぐいきれるものだろうか。

 問題は愛国心の表現にあるのではない。愛国心をどうとらえるか、愛国心が育つにはどうすればいいのか、にある。

 民主主義の国では、主権者である国民が統治の仕組みを決め、選挙で選んだ代表を通じて国を治める。どういう国をつくりたいかはそれぞれ考えが違うだろうが、自由に意見をたたかわし、妥協が必要なときは妥協して、社会をつくり、国をつくっていくのである。

 みんなが参加してつくった民主的な社会や国だからこそ、そこに愛情が生まれる。国民一人ひとりが尊重され、その意思が反映される国ならば、愛国心は自然に生まれ、育っていく。

 国を愛せ、と一方的に教えるだけで愛国心が育つはずがない。まして、戦前のような国家体制への郷愁にかられて、国を愛せ、伝統や文化を愛せ、というのならば、とても受け入れられない話だ。

 自分の国をどう愛するかは、人によってそれぞれ違う。国を思うからこそイラクへの自衛隊派遣に反対する人がいるし、逆に、賛成する人もいる。自衛隊派遣に反対した人を「反政府、反日的分子」と非難した与党議員がいた。国の愛し方を一方的に決めつけるようでは、ゆがんだ愛国心になってしまう。

 愛国心を教えるよう法で定めれば、学校で指導が強制される恐れがある。国旗・国歌法が成立したとき、小渕首相が「命令や強制は考えていない」と国会で答弁したのに、強制が広がったことを忘れるわけにはいかない。

 すでに「国を愛する心情」を成績として評価する小学校が全国で増えている。愛国心を子どもに教え込み、愛国の度合いを競わせる。それで国民に愛される国になるだろうか。

 今の教育基本法が育てようとしているのは「平和な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、勤労と責任を重んじ、心身ともに健康な国民」である。戦後、この法律通りに教育行政がされていれば、愛国心を十分持った国民が育っていたのではないだろうか。



��月18日
■読売社説[教育基本法]「『国を愛する心』でなぜいけない」
 なぜ、だめなのか。

 「戦前の国家主義のにおいがする」「『国を愛する』だと、国のために死ねるというイメージだ」。そんな理由を挙げている。「統治機構も愛せというのか」といった、おかしな反論まで出てきた。

 多面的なグローバル化が進む中、私たちには国際社会の一員として、異なる文化や歴史を持つ人々との共生が求められている。そのためにまず、私たちの生活の根底にある日本の伝統・文化への理解を深める必要がある。

 中教審答申は、この視点に立ち、「日本人であることの自覚や、郷土や国を愛し、誇りに思う心」をはぐくむ必要性を説いた。協議会のメンバーは、この答申をもう一度、読み返してほしい。

 「国を愛する心」は、現行の学習指導要領にも明記されている。小学三、四年の道徳では、「我が国の文化と伝統に親しみ、国を愛する心をもつとともに、外国の人々や文化に関心」をもつよう指導することになっている。

 国民の祝日に関する法律では、建国記念の日を「建国をしのび、国を愛する心を養う」と説明している。

 愛国心の涵養(かんよう)は、国家主義とはまったく別の問題なのだ。

 それなのに、五年前の国旗・国歌法制定に際しても、一部のイデオロギー勢力が「近隣諸国に対する侵略戦争のシンボルだった」などと、日の丸、君が代への敵愾(てきがい)心をあおった。

 そもそも愛国心の涵養が是か非かなどというのは、諸外国ではありえない議論だ。不毛な論争は終わりにしたい。



子どもに見せたくない番組/見せたい番組

■日本PTA全国協議会によるアンケート
子どもに見せたくない番組

��1)ロンドンハーツ(テレビ朝日系)
��2)水10!(フジテレビ系)
��3)クレヨンしんちゃん(テレビ朝日系)
��4)志村けんのバカ殿様(フジテレビ系)
��5)笑う犬の太陽(フジテレビ系)
��6)※サスペンス番組
��7)めちゃ×2イケてるッ!(フジテレビ系)
��8)※バラエティー番組
��9)うたばん(TBS系)
��10)学校へ行こう!(TBS系)
��10)ボボボーボ・ボーボボ(テレビ朝日系)
��10)※殺人シーンのあるドラマ


子どもに見せたい番組

��1)プロジェクトX(NHK)
��2)どうぶつ奇想天外!(TBS系)
��2)その時歴史が動いた(NHK)
��4)週刊こどもニュース(NHK)
��5)※ニュース番組
��6)伊東家の食卓(日本テレビ系)
��7)地球!ふしぎ大自然(NHK)
��8)世界ふしぎ発見!(TBS系)
��9)世界ウルルン滞在記(TBS系)
��10)トリビアの泉(フジテレビ系)

��※は番組名の特定なし)
調査時期は11・12月とのこと。今、調査したら10位の「※殺人シーンのあるドラマ」とかサスペンスが増えそうだが。

■あくまでも、親の視点から見た「悪い番組」「よい番組」だ。賛否はあろうが、番組を視聴率と違った側面から評価するという意味で、一つの指標とはなりうるだろう。

■下品であったり、馬鹿をやってる番組を親は見せたくないと考えるようだが、「ロンドンハーツ」だけは少し異質だ。まぁ、あの番組自体何がおもしろいか私にはわからないし、子どもが見たがるような番組とも思えない。


■もし、あなたが「(大人が)見るべき番組」を問われたら、何と答えるだろうか。そして、それはあなたが実際に「見ている番組」と一致するだろうか。これは必ずしも一致するものではなく、ましてやこの調査は親が「見るべき」と考えているものである。子どもの好きな番組とはそれ以上に乖離があることだろう。

■テレビ局によい番組を作らせようと思うなら、回りくどいことをしないで、親たち自身の「見るべき番組」と「好きな番組」を発表した方がいいんじゃないか。

■それにしても、子どもに見せたくない番組に「国会中継」が選ばれなかったのは不思議だ。真面目に質問に答えない首相、人の話を聞かずに、口汚く罵る・居眠り・携帯やメールをいじる議員、年金強行採決とか牛歩戦術とか…子どもに見せられたもんじゃない。


■竹中平蔵が参院選に出るそうだ。へぇ、そうなのか。小泉内閣が終わってからも政治家を続けるのか。ちょっと意外。てっきり、マック竹中は大学に帰って御用学者として金を稼ぐものと思っていた。それにしても、自民党はえげつないことを考える。


2004年6月16日水曜日

「米国が牛耳る国連」中心主義

■毎日新聞 2004年6月14日 東京夕刊
 日本外交の国連中心主義、「国際協調」は「優れた包丁」でもあり「両刃の剣」でもある。それは「米国が牛耳る国連」中心主義ということが常にありうる…
小泉さんはブッシュさんに…
 小泉さんはブッシュさんに「イラク新決議採択は米国の大義の勝利」と祝い、自衛隊イラク駐留継続を告げた。国会では「人生いろいろ」とちゃらんぽらんだが、「日米同盟」の席ではすべてを見通したような表現だ。
   ◇
 故レーガンさんと仲よしの中曽根さんが「首脳間の信頼関係にはざっくばらんな家族づき合いが必要。今の小泉君にはそれがない」と苦言。家族に相談もなく、独り隣家で「いただきまーす」をやる坊やでは困る?
   ◇
 「米国と一緒なら安心だ」と考える人は多い。が、米国べったりとは違おう。米国に「日本とは運命共同体」と信じる人が何人いるか。この意味の家族づき合いこそサムライの戦略思考だろう。
毎日新聞 2004年6月10日 東京夕刊
時間は年々“加速”する?…
 時間は年々“加速”する? 80年代レーガン時代を随分、昔に感じる。今、にわかに「レーガン時代」の神話化が進む。が、その後の日米両国の現実の歩みはどうか。どの時代も「官軍史観」は主流。慎重さが必要だ。
   ◇
 レーガンさんは米国の夢を演じた。が、「我々は勝手に彼の寓話(ぐうわ)をつくり、彼も我々の寓話をつくった。レーガンにも責任はあるが、我々にもある」(G・ウィルズ)と夢の行方を恐れていた。
   ◇
 実際「ソ連は消えた」が、「憲法破壊、政府の腐敗と無能力、市民の冷笑的態度、米国も深く病んでいる」「それは90年代日本の姿だ!」(H・ジョンソン『崩壊帝国アメリカ』の帯から)。そして今、イラク戦争だ。
毎日新聞 2004年6月12日 東京夕刊


大阪ブルーウェーブ?

■パ・リーグの大阪近鉄バファローズと神戸が本拠地のオリックス・ブルーウェーブが、シーズン終了後に合併をめざすことで基本的に合意した。今後、1リーグ制の導入など、球界再編につながりそうだ。
■新球団名については「大阪ブルーウェーブ」が有力で、本拠地は大阪ドームになるらしい。う〜ん、どうなんだろう。阪神の本拠地・甲子園は兵庫・西宮だが、大阪は阪神に染まりきっており、新球団が大阪でファンを作るのは難しいのではないか。球場施設の問題もあろうが、地域密着型を目指した方がよさそうなもんだが。プロ野球の今後のためにも、東北地方とか四国とかにも球団を作るべきじゃないか。
■これに関する社説をメモ。まぁ、どうせたいしたことは書いてないわけだが。まず、退屈な社説を2本…
■日経新聞/社説「再編不可避になったプロ野球」
 パ・リーグは五球団になると興行を維持するのは困難になる。そこで一リーグ制への移行が浮上してくる。巨人軍の人気にあぐらをかいてきたセ・リーグ各球団も安閑としていられない。巨人戦のテレビ中継の視聴率は低下を続けており、松井秀喜選手のヤンキース移籍で巨人人気にも大きな陰りが出てきた。人気回復の局面打開のため、球界全体が一リーグ制に打って出るくらいの覚悟は必要だろう。
 球界再編の次の焦点は親会社の経営不振で身売りが避けられそうにない福岡ダイエーホークスの動向である。プロ野球も現状に安住できる時代はすでに終わろうとしている。サッカーや他の娯楽に対抗できる魅力的なプロ野球にするには各球団がもっと前向きに競争できる体制が望ましい。球界再編を機に新規参入を阻害する30億円の加盟料撤廃や高騰する一方の選手の年俸問題、フランチャイズ制の再編などに積極的に取り組むべきである。

■産経新聞/社説「プロ野球再編 破壊からの創造を目指せ」
 半世紀以上の二リーグ制は、セ・パの有名選手が集うオールスターやリーグ覇者による日本シリーズなど、ペナントレースでは味わえない醍醐味をファンに提供してきた。両球団の合併が一リーグ制の一歩になるのならプロ野球の大再編である。だからこそ、今回の合併合意は単に二球団の合併劇ではすまない。
 球団経営が厳しいのも事実である。近鉄の赤字は年間四十億円だが、一部球団を除けば台所事情は同様である。各球団の努力で観客増をはかるのは当然だが、例えば経営の透明性や実態を把握するためサッカーのJリーグのように有料入場者数を端数まで公表すべきだ。年俸の歯止め策も必要だし、新規参入を容易にするには三十億円という連盟加盟料の見直しやドラフト制度なども早急に検討すべきである。
 テレビ放映権収入のウエートが大きいのなら、米大リーグのようにプール制で各球団に配分してはどうか。その大リーグは経営不振の球団をコミッショナー預かりにしてスポンサーを探すなど、さまざまな方策を取り入れているのも参考になるだろう。

 「球団経営」の問題から少し視野を広げて論じたのが毎日、そして朝日…
■毎日新聞/社説「パ2球団合併 ファン不在許されない」
 球団経営の悪化を導き出している要因のひとつに、選手の年俸の急騰がある。93年に導入したフリーエージェント制は球界を弱肉強食の世界に変えた。金持ち球団は各チームの有力選手を次々とかき集め、経営の苦しい球団は、チームの主力選手を引き留めるため、採算を度外視して選手の年俸を引き上げ続けた。
 ドラフト(新人選択)制度も同年に「逆指名」制度を導入して以来、人気チームと不人気チームのコントラストを強調する役割を果たし、チーム間、あるいはリーグ間の力の偏在化を促進した。
 この10年余の間、庶民が低成長やリストラにあえいでいる中、プロ野球の世界は、世間の常識からかけ離れた別天地の「金持ちゲーム」に狂奔した。
 対戦相手なしに成立しないプロ野球なのに、現状を見ると、巨大な影響力を持つ一部の金持ち球団が、自分の都合のいいように制度を改変し、「独り勝ち」をもくろんでいるように映る。もし球界に「共存共栄」の精神があれば、現在のようなゆがんだ制度はできていなかったはずだ。

 「金持ち球団」に名指しで文句をつけているのが朝日社説…
■朝日新聞/社説「球団合併−巨人を分割したら」
 球場に足を運ぶ人が増えず、テレビの視聴率が下がるのはなぜなのか。要は、おもしろい試合が少ないからではなかろうか。チームの戦力が接近すれば、手に汗握るゲームも多くなるはずだ。ところが実際の流れは正反対で、それが人気低迷につながっているのではないか。
 ただでさえスーパースターが米大リーグに行ってしまう時代だ。豊かな資金にものを言わせる巨人が残る花形をかき集めればどうなるか。パ・リーグの方も「巨人の人気にぶら下がろう」と1リーグ制に走るだけなら、安直すぎる。
 戦力を均衡させようと生まれたはずのドラフト制度もいまや骨抜きだ。球団が選手を自由競争で採れる枠ができたからだ。そんな枠などやめたらいい。
 プロ野球全体を取り巻く環境は厳しい。そのことを球界の人々はもっと深刻に受け止め、大胆に打開策を練る時だ。
 セ、パ両リーグの交流試合はもちろんのこと、チームの入れ替え制も導入したら盛り上がること請け合いだ。
 巨人には「4番」がぞろぞろいて、さながらオールスターチームだ。無理に1リーグにしなくても、巨人を二つに分けたら、1チーム減るパ・リーグの穴は埋められる。いっそ、そんなアイデアはどうだろう。
「巨人を分割せよ」ってすごいな。本気なのか冗談なのかわからないような主張だ。実現するはずもない馬鹿げた提案だが、「アンチ巨人」な私は嫌いじゃない。ちなみに、読売新聞は扱わず。
■日本のプロ野球低迷の理由にメジャーリーグの日本人選手をあげるのはやめた方がいい。イチローや松井を責めてどうするというのだ。彼らがメジャーに行かなくとも「野球の終わり」は始まっていたはずだ。ってか、日本では、野球への関心が過剰だった感がある。「低迷」というよりも、これまでがなが〜い「バブル」だっただけじゃないか。こうなる運命だったと思いますよ。
■「シーズン中の発表に一番戸惑っているのは選手たち」とコメントする一方で、その選手のもとにマスコミがどっと押し寄せている。なんだかなぁ…ますます困惑に追い討ちかけてどうする。
■中村紀洋であれ、谷佳知であれ、インタビューされてるのは「スター選手」である。一番、将来を心配しているのは末端の選手たちじゃないか。合併したことで真っ先にリストラ対象になるわけでね。
■<イラク>サドル師が政党結成を検討(毎日新聞)
 イラクで来年1月末までに実施される予定の初の直接選挙に向け、イスラム教シーア派の対米強硬派指導者、ムクタダ・サドル師が、政党の結成を検討していることが13日、明らかになった。AFP通信などがサドル師派のスポークスマンの話として伝えた。
 サドル師は「私自身は政治や政治的な地位に興味があるわけではない。しかし選挙が自由で誠実に行われるのであれば、政党を作り、人々に政治活動の場を提供したい」などと述べているという。
 なかなか面白い話だ。アメリカが押し付けた「民主主義」を逆手に取って、反米勢力が拡大する。こんな皮肉なことはあるまい。アメリカの今後の対応に注視したい。


2004年6月14日月曜日

ブッシュよりもブレアが悪い?

■次の標的はブレア首相? ムーア監督が批判(共同通信)
 イラク戦争などに絡みブッシュ米政権を批判した「華氏911」で話題となっている米映画監督、マイケル・ムーア氏は11日、次回作のテーマにブレア英首相を検討中であることを明らかにした。ロイター通信とのインタビューで語った。
 ムーア監督は「個人的にはブッシュよりブレアの方が責任が重いと考えている。なぜならブレアはアホではないからだ」と指摘、「ブレアと英国について何かをしなければならない」と述べた。
いや、名言ですよ。ブレア首相ねぇ…嫌いではないんだけど。ケリー大統領(民主党)を最も望んでいるのはブレアだったりしてね。まぁ、支持率では、「アホ」よりもブレア首相の方がピンチなわけだが。
 イギリスにとって、アメリカとの「特別な関係Special Relationship )」は重要な財産なわけで、難しい判断だったとは察しますが。あと、独仏主導のEUとの距離感など…国際関係上のイギリスの立場ってのは興味深いものがある。
■携帯電話で総書記暗殺? 起爆装置と英紙(共同通信)
 13日付の英日曜紙サンデー・テレグラフは、北朝鮮・竜川で4月22日に起きた列車爆発事故の現場から携帯電話の破片が見つかり、事故を調査している当局者らが、爆発は携帯電話を起爆装置として使って金正日総書記の暗殺を狙ったものとみていると伝えた。
 同紙によると、携帯電話には粘着テープが付いていた。当局者によると、電話の持ち主の捜査が進められたが結果は不明という。
 また同紙は、北朝鮮政府がこうした企ての再発を防ぐために国民の携帯電話の使用を禁止したとしている。
 事故は、中国訪問を終えた金総書記が乗った特別列車が、事故現場の竜川駅を通過して約9時間後に起きたとみられている。
 事故にしてはタイミングがよすぎる…とは言われてきており、「テロ」説というのは根強いわけだが。臆病者の金正日がすぐに携帯を没収したってのもうなづける。
 金正日が死んでいたらどうなってたんだろう…。後継をめぐって、内乱状態になったんだろうか。となると、「自由」や「民主主義」を掲げて、アメリカが介入してくるだろうし(石油資源が豊富なイラクとちがって、北朝鮮には魅力ゼロだからわからんけど)、中国や韓国、ロシアがどういった態度を取るのか、これまた面白そうだ。


2004年6月13日日曜日

民主党/参院選マニフェスト

■朝日新聞世論調査
 参議院選挙に向け朝日新聞社は9、10の両日、第4回の連続世論調査を実施した。「議席が増えてほしい政党」を聞いたところ、自民党が20%、民主党が28%で、前回(5月26、27日)の自民29%、民主22%から逆転した。5日に年金改革関連法が成立したことが有権者の「自民離れ」につながったとみられ、同法成立が「よかった」と答えた人は12%にとどまり、「よくなかった」が67%を占めた。小泉首相自らの再訪朝で膨らんだ内閣や自民への好意的な見方が急激にしぼむ一方で、菅代表の辞任などで落ち込みを見せていた民主への好感度は、回復の傾向にある。
 ほんとかよ。牛歩戦術やフィリバスターを野党がおこなったために、小泉批判票が民主党にそのまま流れることはないだろうと私は予想した。実際、審議引き延ばしをはかった民主党への評価が「悪くなった」は38%だ。しかし、年金関連法案における与党の姿勢が予想以上に響いたようだ。年金法成立をめぐる混乱のダメージは、政府・与党のがより大きい。参院選では、国民をなめきっている小泉首相に、国民は怒っているということを示すべきだろう。
■女性天皇を容認、「子ども家庭省」新設も 民主政権公約(朝日新聞)
 民主党は11日、7月の参院選で掲げるマニフェスト(政権公約)の「政策各論」を発表した。10日までにまとめた年金や安全保障などの主要政策に加え、新たに「女性天皇」を容認することを明記。子どもや家庭の問題に一元的に対応するため「子ども家庭省」の設置に着手することも追加した。今後、マニフェストの総論ともなる「岡田代表ビジョン」や、7、8項目の重点政策もまとめ、参院選の公示前に正式発表する。
 うーん…軽い政党だなぁ。女性天皇の容認はともかく、「子ども家庭省」ってのは迎合がすぎるのではないか。もちろん、長崎女児殺害事件を受けてのものであって、民主党はこの問題に真剣に取り組みます…っていうパフォーマンスだろう。だけど、こんな「ハコモノ」を作って改善される問題か?
■小沢氏勉強会「一新会」参加呼びかけ 「小沢派」警戒も(朝日新聞)
 民主党の小沢一郎前代表代行に近い若手議員が11日、当選1、2回の党所属衆院議員全員(約100人)に対し、小沢氏との政策勉強会「一新会」への参加呼びかけを始めた。「純粋な勉強会」(発起人の一人)と説明しているが、設立趣意書には「一致結束して行動する」と記されており、党内では警戒感も出ている。
自民党の派閥も、あくまでも「政策集団」である。そうやって派閥批判を回避するものだ。前にも言ったが、しょせん小沢一郎は小泉純一郎よりも古い「ザ・自民党」なんですね。「自民党」的な政治を否定するのが民主党だと思ったが、自民党との差異は小さくなるばかりだ。
■産経抄(6月12日)
 豊かで便利な社会だから独身でも快適な暮らしができる。そこで結婚しない人がふえたし、結婚しても子供を産みたがらない人がふえた。「子育ては手間と金がかかるからいや」という女性も多い。馬を水飲み場まで連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできぬ。
 産みたがらぬ人に産んでもらっても、親としての責任や自覚を期待できそうもない。満つれば欠くるは世の習いだが、逆もまた真なり。放っておくしかないというのが小欄の率直で無責任な意見だ。むろん政治はそうはいえないだろうが。
 「行きすぎたジェンダーフリー」が出てこなくて、寂しいのだが、どうもすっきりしない文章だ。「子どもを一人もつくらない女性が、好き勝手といっちゃなんだけど、自由を謳歌して楽しんで、年取って。税金で面倒見なさいというのは、本当におかしいですよ」(by森喜朗)にも通じるものがあって、「少子化は子供を産みたがらぬ女のせい」って言ってるようにも思える。
 
■中曽根康弘
「私とレーガンさんが緊密にできたのは、相手にほれ込んでお互い助け合ったから。小泉・ブッシュ関係は、その延長線にある」
お土産に、なんと「多国籍軍参加」を持参した小泉首相。やはりこれは「ロン・ヤスの呪縛」なんですね。


2004年6月12日土曜日

少子化・年金/森喜朗アプローチ

■昨日、取り上げた合計特殊出生率の低下について。「年金制度の根幹にかかわる出生率のようなデータが、なぜ国会の年金審議中に公表されなかったのか。疑念が募る」(朝日新聞/社説)わけで、こうなると、注目したいのが読売の言動だが…

■読売新聞/社説[出生率1・29]「危機意識を持ち改革に取り組め」
 民主党の藤井幹事長は「いずれ三党合意は消える」と言う。参院選を意識し、対決姿勢を強めるのが狙いとするなら、あまりに無責任過ぎよう。

 年金改革の論議に欠かせない出生率の公表が遅れたことを、野党は批判している。当然だろう。国会での法案審議の段階で公表していれば、現状への危機意識と抜本改革の必要性を、各政党が、もっと共有できたかもしれない。

 民主党は「改正法の根拠が崩れた」として、仕切り直しを求めている。抜本改革を急げということなら分かる。だが、単に改正法を葬り去れ、というのであれば、賛成できない。

 改正法は抜本改革までの“つなぎ”として、不可欠な措置だ。年金財政は、保険料などの収入より、支払う給付額が多い赤字状態だ。来年度は、厚生年金は4兆4千億円、国民年金は3千億円の赤字となる。保険料率の段階的引き上げで、年金財政は毎年約1兆円改善される。
 国民に、ある程度の負担増、給付減を求めつつ、社会保障全体の抜本改革を断行することこそ、政治の仕事である。

 気になるのは与党の改革姿勢だ。「一元化」の検討も、国民年金には手をつけず、会社員と公務員の年金制度の一元化にとどめたいとの声もある。姑息なことをせず、本気で取り組んでほしい。
 「国会での法案審議の段階で公表していれば、現状への危機意識と抜本改革の必要性を、各政党が、もっと共有できたかもしれない」とさすがに批判めいたことも言っているが、民主党への牽制は当然忘れない。だが、「国会での法案審議の段階で(読売が)非難していれば、現状への危機意識と抜本改革の必要性を、国民が、もっと共有できたかもしれない」だろう。


■毎日新聞/社説「出生率低下 やはり年金改革は出直しだ」
 この出生率の発表は昨年より遅れた。年金改革法の成立を待っていたのではないか、と批判されても仕方がない。参院厚生労働委員会でも民主党議員が「国会での年金論議の場に早く出すべきだ」と指摘したのに、なかなか出てこなかった。

 この出生率のデータが国会に示されていたら、年金審議に重要な影響を与えたはずだ。国民の関心が高い年金改革の国会審議の場に最新の資料を出し、これを基に議論を深めるのは当然のことだ。

 年金改革の根幹をなす人口推計の甘い見通しを基に、政府はまだつじつま合わせをするつもりなのか。このままでは年金改革はいつまでたっても進まない。


■他紙が年金法案とからめて論じているが、日本経済新聞/社説は「少子化問題」を中心に論を展開している。
 少子化をもたらす非婚・晩婚の原因は複雑で多岐にわたる。教育費の高騰や保育所など施設整備の遅れから、若年男性の収入上昇が見込み薄なことから女性が現在より生活レベルの下がる結婚をためらう、長時間労働などのため男性の家事・育児協力が不十分などの指摘もある。

 今回、特に出生率が低かったのは20代後半の層だが、これは女性の非正社員化の進行とも関係がありそうだ。現在、新規学卒者の2割以上がパートとして就職している(雇用動向調査)が、身分は不安定で出産へのハードルは高い。産業界の安易なパート依存など、目先を重視しすぎる雇用のあり方も再考を要するかもしれない。

 先進諸国では様々な制度改革もあずかり出生率低下に歯止めがかかりつつある。97年に出生率が1.18とEU(当時)最低を記録したイタリアでも、子どもが8歳になるまで両親で合計10カ月まで休業できる制度や父親への時短制度などが奏功し、2001年には1.24に上昇した。日本でも参考にしてほしい。

 保育所のさらなる整備と並行して少子化対策費の大胆な重点配分も検討が必要だ。厳しい財政下だけに実効性を精査しながら議論をすすめたい。あからさまな「産めよ増やせよ」策は疑問だが、子を持つことのリスクを減らし満足感を高めることに異論はないだろう。

■「あからさまな『産めよ増やせよ』策は疑問」ってとこに好感が持てた。「少子化対策」はどうやって女性に子供を産ませるかにの力点がおかれがちである。これはあまりにも女性をバカにした議論であって、私はこの「産めよ増やせよ」策を「森喜朗アプローチ」と呼ぶことにしている(本来の福祉とは子供を産んだ女性への褒美であって、子供を産まない女性は言語道断、だそうな)。

■重要なのは、(もっぱら女性に押し付けている)育児による負担を社会全体でシェアしていく制度設計(夫の育児進出・雇用環境の改善・育児支援)だ。

■加えて、それ以上に求められているのは、高齢社会を前提とした社会モデルの青写真である。つまり、高齢社会において、いかに「豊かな社会」を達成するのかだ。

■ちなみに、産経はこの問題は取り扱わず、「イラク新決議 仏独露もこんどは協力を」「多国籍軍参加表明 意義あった日米首脳会談」ってな感じの、いかにも「産経」なトホホな論説。「愛国」の産経が「国家の衰退」にいかに立ち向かうのかを聞きたかったんですが。「女性は家庭(専業主婦)にもどれ!」と言うんじゃないかとひそかに期待したのだが。もちろん「行き過ぎたジェンダーフリー」って決り文句を引っさげて(笑)。


2004年6月11日金曜日

小泉首相のForever Love(X JAPAN)

■消えぬ小泉首相のイラク電撃訪問説=与党内にも「行くなら今しかない」(時事通信)
 小泉純一郎首相がイラク南部サマワを電撃訪問し、復興支援活動中の陸上自衛隊を激励するとの説が依然消えない。首相自身は明確に否定しているものの、自民党内にはなお「7月の参院選前に行くならこの時期しかない」(幹部)と、現在開催中の米シーアイランド・サミット(主要国首脳会議)の帰途に訪問するといった観測が絶えない。
 またまた「サプライズ」狙いか。自衛隊を「戦闘地域」に派遣しておいて、政治利用までしますか。これまで、小泉総理の姑息な手段に国民はだまされてきたわけだが、さすがにこれは反感を買うだけではないか。
■出生率が過去最低の1・29、年金改革法“誤算”(読売新聞)
 厚生労働省がまとめた2003年の人口動態統計で、1人の女性が生涯に産む子供の数(合計特殊出生率)は、過去最低の1・29となることが9日、明らかになった。
 2002年の1・32を大きく下回り、少子化は予測を上回るスピードで進行している。先進国の中でも最も低い水準であり、政府は事態を深刻に受け止めている。成立したばかりの年金改革関連法の前提にも狂いが生じることになり、大きな論議を呼びそうだ。
 政府は2002年1月に公表した人口推計(中位推計)で、将来の合計特殊出生率が「2007年に1・306で底を打ち、その後は1・39まで回復する」と予測していた。2003年については、前年と同じ1・32にとどまると想定していた。
 今国会で成立した年金改革関連法は、この中位推計をもとに、将来人口を算出し、給付や負担などの財政見通しを計算している。しかし、2003年の実績値が早くも予測値を下回ったことで、同法の前提に狂いが生じ、将来の年金財政が厳しくなるのは必至だ。
 なにを今さら…という感じだが。厚生省が出してる合計特殊出生率の推計ってものは当たったためしがなく、甘い推計に基づいた試算の問題性は早くから指摘され続けてきた。これが与党の言う「百年安心」「抜本改革」ですか。
■にしても、合計特殊出生率…どこまで下がるんだろうね。いよいよ高齢社会が到来するわけだが、政治家が持っている社会経済システムのヴィジョンがどうも見えてこない。参院選では年金だけじゃなくって、それを語って欲しい。この国はいったいどうなってしまうんだ。「憂国」「愛国」とか言ってる「痛い」人たちに是非考えてもらいテーマだ。え?中国を侵略すれば問題ないって?
■そう言えば、自民党が愛国心を煽るCMを流しているが、あれはどうかと思う。しかもBGMはX JAPANForever Loveだ。「♪もう独りで歩けない時代の風が強すぎて」…って、これは今の日本の状態か。
■独りで歩けない、そういう人を支えるのが国であり、社会保障制度の役目だ。「百年安心」なんて言ってないで「抜本改革」に取り組んでもらいたい。「愛国心」を強要されても、生活やっていけなければ困りますから。愛だけじゃやってけませんわ。まぁ、「愛国心」ってのは、為政者にとっては便利なんだよなぁ。北朝鮮やアメリカを見ればそれがよくわかる。


討論番組で政治家がきちんと答える確率

正面回答は2割以下 テレビ討論を同大教授が分析(朝日新聞)
 日本の政治家が、テレビ番組できちんと答える確率は2割以下―。政治家が出演する討論番組の1年分を調べたイスラエル出身の大学教授が、こんな分析結果をまとめた。質問の趣旨から外れた回答が8割以上を占めたほか、誰の意見かをあいまいにした発言も4割あった。「よくしゃべっているのに、実は何も答えていない。政治家はテレビを一方的なPRの場とみているのでは」と教授は分析する。
 調査したのは、同志社大政策学部のオフェル・フェルドマン教授(政治心理学)。00年1?12月に毎週生放送された番組「サンデープロジェクト」(テレビ朝日系)、「報道2001」(フジテレビ系)をすべて録画。質問者と1対1で行ったインタビュー59人分が対象で、小渕恵三氏、森喜朗氏(当時の首相)らが含まれている。
 政治家による計1631の回答のうち、質問の趣旨に沿ったものは15・8%だけ。文脈と関係ない話を始めたり、「○○さんはどう思います?」など逆に質問したりするほか、笑ってごまかす場合などが多かった。
 意味の不明確な答えは全体の67%を占めた。傾向は、関係のない海外の話題や数値を挙げるなど、難解な言葉や表現でごまかす▽一文が複雑で長すぎる▽話しているうちに本題から離れていく▽前後で矛盾した表現の順で目立った。
 あいまいな発言が多い中、東京都知事の石原慎太郎氏や、当時の保守党党首の扇千景氏らは比較的はっきり答える傾向があった。教授によると、英国で80?90年代に実施された同様の調査では、質問に沿った政治家の回答は40%前後あったという。
 今回の調査対象に小泉純一郎首相は入っていないが、「分かりやすい『ひと言』の印象が強いけれど、一方的な発言ばかり。都合の悪い質問には答えない点で、ほかの政治家たちと共通している」と教授。参院選の投開票日までにあと約1カ月。「きちんとコミュニケーションできるか否かは今後、政治家を選ぶ際の重要な判断材料になる」
 6月10日ごろの記事らしい。「きちんと答える」の基準は何だろうか?また、この教授はイデオロギーから自由か?


2004年6月9日水曜日

辻元清美(参院選)/岡田克也/渡辺修孝

■<辻元清美氏>参院選に大阪選挙区から出馬へ(毎日新聞)
 秘書給与を巡る詐欺事件で辞職し、裁判で有罪が確定した元衆院議員の辻元清美氏(44)が、7月の参院選で大阪選挙区から立候補する意思を固めた。近く社民党に離党届を出し、無所属で立候補する予定。
 辻元氏は02年3月、秘書給与の詐取疑惑が発覚し、衆院議員を辞職。03年7月に逮捕され、今年2月、東京地裁で懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。
 3月、地元の大阪府高槻市で集会を開くなど徐々に活動を再開。支持者の間でも、自衛隊のイラク派遣や憲法改正論議などが加速する状況に、政界復帰を求める声が高まっていた。社民党内には「執行猶予中の立候補は有権者の理解を得られない」との慎重論もあり、離党したうえで選挙戦を展開することになった。
 大阪選挙区では、過去3回トップ当選した西川きよし氏(57)=無所属=が引退を表明。自民新人の北川イッセイ氏(61)▽民主新人の尾立源幸氏(40)▽公明現職の山下栄一氏(56)▽共産現職の宮本岳志氏(44)らが立候補の準備を進めている。
 ん〜、辻元清美ねぇ。個人的には好きじゃないんだけど、現在の社民党には彼女が必要なのでは?…と思っていたが、無所属ですって。
 「執行猶予中」ってのはかなりきわどいけど、社民党ってそんなこと言ってられる状況か?まるで存在感がなくって、消滅しそうじゃないか。辻元を使って巻き返しをはかるべきだろ。
 ん、いや…社民党からも見放された…って設定の方が「悲劇のヒロイン」っぽくて、同情票も集まるのかな。大阪は創価学会パワーが強いからね。まぁ、とにかく、がんばってください。
■岡田代表が兼職禁止違反 通産官僚当時、親の会社に(共同通信)
 民主党の岡田克也代表は8日午後の記者会見で、旧通産省に勤務していた1979年7月から86年4月まで、国家公務員法の兼職禁止規定に反し、両親が設立した不動産会社「岡田興産」の取締役(無報酬)に就任していたことを公表し、陳謝した。
 同時に、退官後の88年9月から衆院議員に初当選した直後の90年4月まで、選挙運動をしながら同社の代表取締役を務め、年間600万円近い報酬を受けていたことも明らかにした。
 岡田氏は「責任ある立場の者として国民におわび申し上げる。私自身が国家公務員法(兼職禁止規定)を知らず、設立手続きの中で名を連ねた」と釈明。勤務実態については「最初の時はない。(退官後は)代表取締役としての仕事はしていた」と強調した。
 ただ代表取締役当時も「端的に私が無収入だったのを(親が)見かねたという部分もあったと思う」と述べ、親からの“資金援助”の意味合いもあったことを認めた。岡田氏の父はイオンの岡田卓也名誉会長。
 タイミングよすぎ!!
 小泉首相と仲良く、勤務実態のない「幽霊社員」ですね。しかも、普通の国民からすれば、何ともうらやましい限りで。まさに、「人生いろいろ。会社もいろいろ。社員もいろいろだ」。これはもう「菅直人現象」ですね。しかも、首相の勤務実態がないことを証明するのは不可能だが、こちらの違反は明確だ。これも小泉首相の「強運」のなせるわざか。
■渡辺さん、「拘束で苦痛」と提訴=イラク撤退求め500万円請求(時事通信)
 イラクへの違法な自衛隊派遣のために身柄を拘束され、苦痛を受けたとして、市民団体メンバー渡辺修孝さん(36)が8日、国を相手に自衛隊派遣差し止めと慰謝料500万円の支払いなどを求める訴訟を東京地裁に起こした。
 外務省が帰国の航空費用の一部として請求した約2万3千円(215米ドル)の支払い義務がないことの確認も求めた。
 渡辺さんは会見し、「サマワ市内は住民が射殺されており、非戦闘地域ではない。武装組織は『イラクに軍隊を派遣した日本人だから拘束した』と言っていた。3日間銃を向けられ、活動の場も奪われた」と語った。
 訴状によると、自衛隊のイラク派遣は、「非戦闘地域」に活動を限定したイラク特措法や憲法に違反しているほか、国は外国で身柄拘束された邦人を保護する責務があり、費用負担は当然と訴えている。
 渡辺さんは4月、フリー記者安田純平さん(30)とともにイラクで一時拘束された。
 やりおったで(笑)。
 泣き寝入りしている先の三人とは年季が違う。ってか、慰謝料を取れるのか。いや、これで取れたとしたら、それはそれで面白いわけだが。その理屈でいったら、アメリカのブッシュ大統領なんて、膨大な慰謝料を世界中から請求されちゃうね。


2004年6月8日火曜日

ロナルド・レーガン大統領

ロナルド・レーガンが死去した。冷戦期の大統領として、その業績が語られるのだろうが、専門の関係で、私にとっては「レーガノミックス」を遂行した大統領である。「レーガン大統領」に、とても肯定的な評価をできそうにないが、歴史に名を残す大統領だったことは間違いない。

■驚いたことに、あまり社説が扱ってなかった…「レーガン」を直接扱ったのは、大手では産経・毎日だけ。そんなものなのか…それぞれ「らしい」ところを引用。


■産経新聞/社説「レーガン氏死去 永遠に歴史に刻まれよう」
 ソ連の共産主義の道義面での邪悪性を糾弾しながら、軍事面での脅威を同じ軍事で抑え圧するというレーガン大統領のこうした政策こそが、ソ連崩壊による東西冷戦の終結を招いたという因果関係は、後にソ連邦の旧指導者たちが認めるにいたった。ソ連の崩壊にはその他の種々の原因があったとしても、レーガン政権による正面からの対峙が明らかに主因だった。

 その結果は、文字どおり、「悪の帝国」が崩れ去り、その民たちが解放された。人類の破滅にもつながりかねなかった全面的な核戦争の危機も消え、西側の自由と民主主義が東側へと広がった。だから、レーガン氏が二十世紀後半の世界史を変えたといっても誇張ではない。

 レーガン大統領は東西冷戦のこの過程で日本を極めて重要なパートナーとして扱った。一つはソ連の脅威に備える防衛上の枢要な同盟相手として、もう一つは自由民主主義の価値観を共有する政治理念上の同志としてだった。その結果としての当時の中曽根康弘首相との連帯は「ロン・ヤス関係」と評され、難しい時期の日米関係の基盤を前向きに強化し、国際社会での日本の地位をも高めたといえる。
 これは、現在の状況を意識して書いているのだろうか。北朝鮮を含めた「悪の枢軸」も、力でもって対峙することで崩壊させれると言いたいのだろうか。小泉首相とブッシュ大統領の関係、日米関係は「ロン・ヤス」に類するほど良好だと言われる。日米同盟をより強固なものにして、国際的地位を高めるべきと示唆しているのか。
 

■毎日新聞/社説「レーガン死去 『強く信頼される米国』目指した」
 内政・外交両面でレーガン路線に最も近いのがブッシュ現政権だ。イラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と呼んだ02年一般教書演説や、政権内にレーガン主義者の新保守主義派(ネオコン)が少なくないことにも「レーガン路線の正統な継承者」を自任するブッシュ大統領の信条が示されている。

 だが、80年代の国際環境と21世紀に入った今とでは少なからぬ違いも生まれつつある。

 ブッシュ大統領は「前政権時代に米国の誇りと明確な目標が失われた」と訴えて当選したが、イラク戦争の過程では国連や欧州との深刻な亀裂を招き、国際的イメージを低下させた。

 「力と対話」を掲げたレーガン政権は、戦域核ミサイル全廃や米ソ戦略兵器削減条約(START)を実現した。強硬路線を掲げながらも英仏、西独など欧州主要同盟国と協調と協力を絶やさず、北大西洋条約機構(NATO)の結束の下に対ソ交渉を進める基本姿勢を堅持したことが大きかった。

 「強く、信頼されるアメリカ」であれば同盟国としても歓迎できる。強さだけでは同盟・友好国の支持を得られず、世界を変えることも難しいことにレーガン氏は気がついたのではあるまいか。

 レーガン氏の業績に今日的意義を見いだすならば、強さと国際社会の信頼とを両立させようとしたことである。
 産経の後のせいか、またまた毎日をほめたい気分になるが。
 レーガンの業績が「強さ」と「国際社会の信頼」の両立ねぇ…(それすら疑いたいところだが)。こちらも現在の状況を意識してますね。ブッシュ政権は「強いアメリカ」を体現しているが、「信頼されるアメリカ」とは程遠い。

 そんなアメリカに抱きついているのが日本ですか。これはもう「ロンヤスの呪縛」ですよ。もう少し世界に視野を広げたい。EUはどうなっているのか。私は「ナショナリスト」だから、中国にアジアで大きな顔されるのが面白くないのだ。


■それにしても謎なのが、民主党の「秘策」だ。本岡昭次副議長による「散会宣告」がどうもそうらしいのだが、結局、野党が欠席したために与党にフリーハンドを与えただけだ。
 本岡副議長は5日午前4時20分すぎ、2回目の休憩を終えた本会議を再開した直後、「これにて散会を宣告します」と声を張り上げ、議長席から立ち去った。議場内の野党議員も退席した。国会法117条の「議長は、議場を整理しがたいときは、休憩を宣告し、または散会することができる」との規定を根拠にした「散会宣告」だった。
 ところが、衆院ならば可能な散会が、参院ではできない仕組みになっていることを見落としていた。参院議事規則82条は「議事日程に記載した議事を終わったときは、議長は散会を宣言することができる」と定めている。つまり、議長が散会宣告できるのは議事がすべて終わった時点で、それ以外の場合は延会手続きしか取れないことを意味している。本岡氏は事務当局の静止も聞かず、同規則に反する宣告をしてしまったことになる。
 マヌケ …としか言いようがない。笑ったのが、記者に「これが秘策だったのか?」と問われると、「どういう意味?」と岡田克也(ジャスコ)がちょっとキレてたとこだ。あの猿知恵をどう総括するのか見物だ。それとも、空気を読んだうえでの「秘策」だったりしてね。国民のしらけムードを感じ取って、これ以上やってもしょうがないって思ったのでは?

■内閣支持率はガクンと下がるかもしれない。しかし、それが民主党支持に回ってくるということもないだろう。


◆追記(6月8日)次の日、他の社説もレーガンに言及した。

■朝日新聞「レーガン氏――大きな遺産とその限界」
 いま、唯一の超大国となった米国の身勝手な振る舞いに、欧州同盟国は眉をひそめる。イラク戦争をめぐって露呈した欧州との亀裂も、表面上は取りつくろえても、本当の融和は簡単ではない。

 富める国と貧しい国の格差も広がり、戦争と減税が米国の財政赤字を膨らませる恐れを、米国民自身も感じている。

 世界が米国に期待しているのは、腕力を振り回すことではない。その影響力を生かして、テロ対策や南北問題、地球環境の保全、大量破壊兵器の拡散防止などで国際協調の核となることだ。

 日米も「ロン・ヤス」以来の流れに身を置いたままでいいか。世界によかれと考えるなら、米国への苦言も恐れない。それが同盟国に求められる時代だ。
 やはりそうきますか。

■日本経済新聞「レーガン氏がことさら偉大に見える」
 冷戦構造が消滅し、唯一の超大国になった米国の基礎は、いまにして思えばこのレーガン時代に築かれたものである。強く、豊かな米国は地球的規模で各地域の繁栄と安定のために貢献を続けてきた。しかしながら、レーガンの申し子を気取るブッシュ大統領には、国民的人気も国際的な信頼感も不足している。何よりもレーガン氏は優れた部下にめぐまれ、大統領と一体になった米国の「意思決定マシン」は強力だった。
 中曽根康弘首相(当時)、サッチャー英首相(同)との保守主義トリオは、わが国が国際舞台で常に脚光を浴びたという意味でも重大なことであった。イラク戦争以降、米国を見つめる世界の目は冷たく、厳しい。そのことが逆にレーガン氏の偉大さを際立たせている。
 そうかもね。

■読売新聞「[レーガン死去]「歴史に刻まれる冷戦勝利の意義」」
 その意味で、レーガン氏が日本にもたらした果実も大きかった。

 冷戦の終結で、自民党と社会党の対立を基軸とする保革対決の政治構造が、音を立てて崩れ始めた。共産党でさえ、旧ソ連体制を「歴史的巨悪」と言わざるを得なかった。社会党は九四年、日米安保体制堅持、自衛隊合憲を公式に表明、やがて歴史の舞台からその名を消した。

 一部になお五五年体制の残滓を引きずってはいるが、親ソ反米運動は過去の遺物になった。
「一部になお五五年体制の残滓を引きずってはいるが」って、一番引きずってるのは、なにかあればすぐ野党に「社会党」というレッテルを貼る読売なわけだが。


窪塚洋介ダイブ/オカルト発言や奇行

■「アイ・キャン・フライ」と叫びながらダイブした(映画「ピンポン」)かどうかは知らないが、窪塚洋介が自宅マンションの9階から飛び降りた。で、意識ははっきりとしており、「痛い痛い」と語っていたらしい。いやはや…かっちょわるい。だが、これでまた窪塚の「奇行」伝説に新たな1ページが加わった。「奇行」キャラというジャンルを確立していた彼としては、結果オーライってことでしょうか。

■事務所は「自宅ベランダに設置してあるこいのぼりの取り付け器具を外す作業の際、本人の不注意により転落した」と説明しているというが、9メートル離れた場所に着地しており、かなりの初速だったと見られている。どうせ嘘をつくのなら、窪塚らしく、「鯉のぼりになりたかった」とか意味不明な説明をしてほしかった。


■窪塚洋介 オカルト発言や奇行を納得させる霊能師との写真(日刊ゲンダイ20040922)
 小太りの中年男性と並んで手を合わせる窪塚洋介(25)。この男性は現在、芸能界を中心に信者を増やしている霊能師のワン有楽氏という人物である。

 発売中の「週刊現代」(10月2日号)がこのワン氏の独占インタビューを掲載。ワン氏が窪塚との関係を語っている。

 窪塚とワン氏を結びつけたのは常盤貴子(32)だという。2年半ほど前にワン氏を紹介された窪塚は、すぐにワン氏の考え方に感化され、その後の窪塚の言動に大きな影響を与えたといわれている。

 常々、窪塚は「ウルトラマンのように、空を、宇宙を飛び回りたい。仙人のように空中を歩けたらいいのに」と語っていたという。そのため、ワン氏は窪塚が今年6月に自宅マンション9階のテラスから“空中ダイブ”したことについて「彼の気持ちがよく分かるのです。クボヅカは、自殺をしようとしたんじゃありません。醜い人間社会を憂い、純粋な空飛ぶ鳥になろうとしたのです」と語っている。

「ワン氏との関係が始まった時期と窪塚の奇行がマスコミで報じられるようになった時期は偶然にも合致しますね」(芸能記者)

 ワン氏と知り合った2年半前といえば窪塚が主演映画「GO」や「ピンポン」で映画賞を総なめにし、俳優としての評価が飛躍的に高まり始めた頃である。誰もが驚いた叶姉妹との“インド洋15連泊”騒動はその直後の02年7月のことだ。

 それからの窪塚は「神様はいる、神様は自分の中にいる」などといった“オカルト”発言や大麻を礼賛する内容の本も出版。奇怪な言動が目立つようになる。

 主演映画「凶気の桜」のPR会見の場に「クソテキトーなそういうマスコミにまでピースだコノヤロウ!」と自ら書いたTシャツで登場したこともあった。その極めつきが6月の“空中ダイブ”である。



2004年6月6日日曜日

御用新聞=読売新聞

■牛歩戦術、問責決議連発、時間稼ぎ…いくら他に抵抗するすべがないといっても、こんなことで国民の支持が得られると民主党は思っているのか。オッサンの金縛りにあってる演技(コント?)なんて嘲笑狙いとしか思えない。民主党のバカな行動に焦点が集まり、「政治不信」という名の元に、政府の幾多の暴挙が不問に付されてしまう。それで誰が利するというのか。

■森ゆう子 が三時間の最長演説。家族の話とかしちゃって…あげくメディアに茶化されて、「民主党はなにやってんだ?」と不信感を高めるばかり。有権者の政治的無関心を正当化するための根拠を与えているようなものだ。どうせなら、年金について大演説でもやればよかったのにと思う。


■読売新聞/社説が「御用新聞」っぷりを披露している。もはや魂まで売っちまったんだろう。
 民主党の姿勢は極めて疑問だ。衆院段階では、自民、公明両党との三党合意に基づいた「公的年金制度の一元化を展望した検討」を付則に明記する修正に賛成した。参院では、この付則が盛り込まれた修正案が審議された。にもかかわらずその廃案を求めたのは理解できない。
 これでは、当初から参院では、修正案に反対して「三党合意」を事実上、ほごにしようと考えていた、と受け取られても仕方がない。
 民主党の岡田代表は「法案への反対と三党合意は別だ」と言うが、藤井幹事長は「いずれ三党合意は消える」と述べている。公党として無責任な姿勢だ。
 採決を遅らせるための「牛歩」に至っては、五五年体制下で“何でも反対”の社会党が多用した国会戦術だ。
 衆参両院での対応の違いも、時計の針が逆戻りしたような国会戦術も、参院選に向けて、与党との対決姿勢を誇示するためのパフォーマンスだろう。それにしても、「牛歩」ぶりを見ていると、いい年をした大人が……という“滑稽感”を禁じ得ない。
 また、年金問題を党利党略の道具に使うようでは、政権を目指す責任政党とは言えまい。

「選挙への思惑が封じた抜本論議」と題した社説だが、政府批判は皆無。強いてあげれば…「他方で、与党が採決を急いだ背景には、法案の骨格を作った公明党に対し、自民党が参院選での選挙協力を念頭に配慮した、との見方がある」ぐらいのもんか。「見方がある」ってだけで、「私たちが言っているわけじゃない」ってんだからまいっちゃうわ。
 「何でも反対の社会党」「責任政党」という体制派の常套句までお目見え。気分はすっかり「ザ★自民党」ですね。

■産経ですら「与党は三日の参院厚生労働委員会で共産、社民両党などの質問を抜き打ち的に打ち切り、同法案を可決した。議会制民主主義のルールに反する行動と指摘せざるを得ない」(産経新聞/社説)とかる〜くですが批判してますよ…


■それにくらべて、毎日新聞はバランスがよくて好感がもてる…って、またしても毎日を持ち上げるわけだが、私は決して毎日の回し者ではない。
 今回の最大の責任は、もちろん政府・与党にある。
 問題があるのは法案の中身だけではない。未納問題をきっかけに国民は一段と不信を募らせているのに、自民党は「大したことではない」と言わんばかりに、依然、所属議員の納付状況公表を拒んでいる。勤務実態が疑わしいのに厚生年金に加入していた小泉純一郎首相も同じだ。けじめがまるでついていない中、数の力で参院厚生労働委員会の採決を抜き打ち的に行ったのだ。野党が反発するのは当然だった。
 小泉首相自身が「望ましい」と言い出した国民、厚生、共済各年金を一元化する話はどこへ行ってしまったのか。
 一元化は「07年3月をめどに結論を得る」と自民、公明、民主3党で合意した。ところが、4日決定した「骨太の方針04」では当初原案に検討課題として記されていた「年金の一元化」の文言が最終的に消えた。
 元々、本気でやる気はなく、「今回の改革は小手先だ」という批判をかわすための方便だったと言われても仕方ない。国民は、その無責任さを忘れないだろう。
 昨日、負担と給付がデタラメって言っていたが、今度は首相の政治姿勢についての批判。「人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろだ」とかいいかげんな答弁ばかりして、国民をなめきっているとしか思えないんですがね。

 まぁ、もっとも、民主党だってほめられたものじゃない…

 民主党にも責任の一端はある。菅直人前代表の未納問題の処理とともに、大きな失敗だったのは3党合意だ。そもそも合意は玉虫色で一元化が実現する保証はない。にもかかわらず合意を急いだのは、菅氏の進退問題も幕引きにしようとした意図が見え隠れした。
 署名したのは当時幹事長の岡田克也代表だ。その点を与党に突かれ、その後の対応を鈍らせた。岡田氏が「今回の案で抜本改革されるのか」と追及しても、首相には、だから今後3党で協議機関を作ると合意したではないか、とかわされるだけだった。本来、政府案をいったん廃案にしたうえで合意するのが筋だったのだ。
 また、「民主党はやはりスウェーデンの『所得比例年金に一本化』という対案を提示した。せっかく検討に値する案を示しながら『保険料は現行の13.58%で据え置き、給付は50%を維持する』など、どう考えても実現不可能な内容であるため、論議の対象とならなかった」(日経新聞)のであろう(まぁ、数字を持ってない野党にどこまで具体的なものを望めるか…って問題もあるが)。
 で、結局、この年金国会がどうなるのかというと…
 民主党は「与党が横暴だから3党合意は消滅した」と主張し、与党は「民主党は合意を守らず無責任」と反論する。今後は参院選を意識した泥仕合が始まるだろう。
 しかし、国民にとっては、こうして抜本改革の道が閉ざされることこそが最大の不幸である。
 本当に長い期間耐えられる制度を構築することは共通認識だったはずだ。16日の国会会期末まで時間はある。一元化を中心に据えた抜本改革に関し、国会が責任を持って全党が参加する協議の場を直ちに設け、徹底的に議論を始めるべきだ。
 年金制度の危機にとどまらず、政治そのものが危機的状況にある。それを認識した方がいい。
 でも、政治不信で終わっちゃったら、与党の勝利…ってことに結局なるんだよね。民主党のアナログ戦術は、与党が利するだけになった。池田大作の影は日に日に大きくなるばかりだ。そのうち首相も靖国参拝してる暇を惜しんで、池田大作詣でをし始めるかもね。

■政治家はなにやってんだ…と国民は思うだろうし、投票場を遠ざける結果となるだろう。そう言えば、民主党の前ネクスト総理は低投票率を嘆いて義務投票制にしようなんて言ってたね。もはや悪いジョークにしか聞こえないわけだが。


2004年6月5日土曜日

谷垣禎一

谷垣禎一谷垣禎一財務相は5日、岡山市内で自民党支持者らを集めて開かれた講演の中で、長崎県佐世保市の小6同級生殺害事件について井上喜一防災担当相が「元気な女性が多くなってきた」と発言したことに関連し
「若いころ、放火は女性の犯罪だった。カッターナイフで首を切るのは、圧倒的に大人の男の犯罪でした」


良識の府? 参議院

■参議院は「良識の府」なんだそうだが、いったいどこに「良識」を見出せばよいのか、と思わせる年金強行採決について。
■参院厚労委の質疑で、民主党の山本孝史から「マクロ経済スライド」を問われ、しどろもどろになる小泉総理。「私は経済の知識は乏しい。専門家の意見を聞きながらやっている」と経済オンチを理由に特技の「丸投げ」を正当しようとした。政府の最高責任者が法案の骨格すら理解していないことを露呈した。で、これ以上質問されたらもたないと思ったのか、社民党・共産党、他一名の質問を打ち切って強行採決するという暴挙にでた。
■社説はどう扱っているのか…と思ったら、読売新聞や産経新聞は取り扱わず。まぁ、これは「しんぶん赤旗」に共産党批判を求めるようなもんで、与党機関紙に政府批判を期待することが間違っているのかもね。
■毎日新聞社説
参院審議では政府案の根幹となっている厚生年金の給付と負担について、ごまかしが明らかになった。政府案は保険料固定方式で、同時にモデル世帯の給付水準は現役世代の平均収入の50%を確保するというのが骨子だが、これがあいまいなのだ。坂口力厚生労働相は、出生率や賃上げ、物価の動向によっては、「給付水準を維持するための財源として保険料引き上げも選択肢のひとつだ」と答弁している。政府案は保険料を段階的に引き上げて18・3%で固定するという内容だが、それより上がるというのでは政府案への信頼は根底から崩れてしまう。
 改革法案には「50%の給付水準確保」が明記されているが、それは65歳の年金給付時点のことで、それ以降は50%を大きく割り込んでいく。厚労省がこの試算を出したのは衆院を通過した後だ。しかも、モデル世帯以外の独身者や夫婦共働き世帯では給付開始時点から現役の50%には達しない。

しかも、不誠実極まりない政府の情報隠しによって、データは審議の最終段階になってやっと出てきた。十分な審議ができたとは到底言えない。これでもなお、公明党は「百年安心」と強弁するつもりか。だけど、創価学会員と違って、池田大作クラスのインチキ・トンデモを信じぬく信仰心を国民に強いるのは無茶な話ですよ。
■「なぜ急いで成立させなければならないのか。国民が納得できる説明がないまま、強行採決したことで、年金不信は一層深まったと言わざるを得ない」(毎日新聞)。参院選の争点にさせないためなのかと勘ぐりたくもなる。争点がない→無関心→低投票→創価学会パワー炸裂→与党の勝利…って筋書きなのだろう。「そうはイカンザキ!」…って、くだらんことを言わすな。
■年金論議の「最後の砦」であった参院審議も盛り上がらずに終わった。「良識の府」といわれながら、参院が「歯止め」の機能を果たしていないことが露呈した。参院が衆議院の「カーボンコピー」と言われてきたが、今回の件で「参院無用論」にますます拍車がかかるかもしれない。
■参院選挙が近い。「低投票率」を問題視する声が今から聞こえてきそうだ。しかし、投票の棄権に「参院なんていらない」という「世論」ということもあるのかもしれない。
■「卒業式できなかった」=消えた最後の質問−引退の西川議員、がっくり(時事通信)
 無所属の参院議員を18年務め、今国会を最後に引退予定の西川きよし議員は小泉純一郎首相への12分間の質問を控えていた。「卒業式」のつもりで練り上げた質問が強行採決で不可能に。「卒業式ができなかった」としょうぜんとした様子で語った。
 西川議員は他の議員の質問の間にトイレに立ち、戻ってきたら既に散会していた。採決にも加わっておらず、「(学校の)門を閉められ、卒業式がなかった上に、期末テストもなかった気分ですよ」とさびしそうに笑った。
 「18年間頑張ってきて、今回が最後。僕なりに総理への質問を温めてきた。どんな答弁をいただけるのか楽しみだった」と西川議員。「議員活動で全国の人に喜んでいただいて、良い卒業式をしたかった。本当に残念です」と目を落とした。
 西川きよし の卒業式?…そんなん知らんがな。同情する人もいるかもしれないが、18年間無所属で具体的にどのような仕事をしてきたのかを私は問いたい。入学金も授業料も払わないばかりか、血税を食い潰し、さらに議員年金までもらえる。「卒業式」がないぐらいでつべこべ言うな。
■昨日の「報道ステーション」に岡田克也が出演しており、「(質問できなかった)三人とも論客なので…」という見事なボケに笑った。勉強大好き岡田サンが西川きよし を「論客」にしちゃいましたよ。あわわ…
■「報ステ」つながりで言えば、気持ち悪いぐらいに古館伊知郎が岡田をヨイショしてた。テレビ朝日政治部は本当に民主党好きなんだなぁとつくづく思った。あと、強行採決を古館が実況し始めたのはどうかと思った。久米宏を意識しすぎって批判を回避するねらいがあったかどうかは定かではないが、無理に古館色を出しても空回りするだけだと思う。
■長崎県佐世保市の小6同級生殺害事件をめぐり、井上喜一 防災担当相が変なことを言っているらしい…
「しかも(加害児童は)女ですからな。女の子だからね。これは従来の考え方をある意味で覆すことになる。男がなんか無茶をやって、ということはあったかも分からんけど、女の子(の事件)は初めてじゃないですか。今まであったかね。最近は男、女の差がなくなってきたんだね。まあ、元気な女性が多くなってきたということですかな、総じて、どこの社会も。」
 犯罪によって、男女の差はなくなったなぁ…と感慨深げに語っている。そんなこと言ってると、「ジェンダーフリー」に発狂してる産経新聞に叱られるよ。…しかも、このおじいちゃん、いつの時代の話をしているんですか。「従来の考え方」っていったい何世代前のはなし?そういう話は石原慎太郎にでも聞かせてあげてよ。
■スーパーフリーの事件の際、「集団レイプをする人は、まだ元気があっていいんじゃないですかね。まだ正常に近い」と放言したのが太田誠一(前衆議院議員…その後、落選)だが、この発言も「人を殺す人は元気がある」と言っている印象が残る。軽率という非難は当然だが、まぁ「スーフリ、元気があってよろしい」発言と比べれば、「失言」ですまされそうな感じもする。
■「防災担当相」といえば、前任者の鴻池祥肇も「(加害者の)親なんか市中引き回しの上、打ち首にすればいい」(2003年7月、長崎児童殺害事件)って言ってたな。「防災担当大臣」には、なにか暴言を吐かなければいけない決まりでもあるのか。「暴言担当大臣」も大変である。なにせ落選と隣り合わせだ。


2004年6月4日金曜日

井上喜一

■長崎県佐世保市の小6同級生殺害事件をめぐり、井上喜一 防災担当相が変なことを言っているらしい…
「しかも(加害児童は)女ですからな。女の子だからね。これは従来の考え方をある意味で覆すことになる。男がなんか無茶をやって、ということはあったかも分からんけど、女の子(の事件)は初めてじゃないですか。今まであったかね。最近は男、女の差がなくなってきたんだね。まあ、元気な女性が多くなってきたということですかな、総じて、どこの社会も。」
 犯罪によって、男女の差はなくなったなぁ…と感慨深げに語っている。そんなこと言ってると、「ジェンダーフリー」に発狂してる産経新聞に叱られるよ。…しかも、このおじいちゃん、いつの時代の話をしているんですか。「従来の考え方」っていったい何世代前のはなし?そういう話は石原慎太郎にでも聞かせてあげてよ。

■スーパーフリーの事件の際、「集団レイプをする人は、まだ元気があっていいんじゃないですかね。まだ正常に近い」と放言したのが太田誠一(前衆議院議員…落選しちゃった)だが、この発言も「殺人する人は元気がある」と言っている印象が残る。軽率という非難は当然だが、まぁ「スーフリ、元気があってよろしい」発言と比べれば、「失言」ですまされそうな感じもする。

■「防災担当相」といえば、前任者の鴻池祥肇も「(加害者の)親なんか市中引き回しの上、打ち首にすればいい」(2003年7月、長崎児童殺害事件)って言ってたな。「防災担当大臣」には、なにか暴言を吐かなければいけない決まりでもあるのか。「暴言担当大臣」も大変だなぁ…なにせ政治生命が賭かっている。


「子供に悪影響を与える」テレビ番組

■長崎県佐世保市の市立大久保小学校の6年生、御手洗怜美さんが殺害された事件で、家裁送致された同級生の女児(11)が、県警の調べに「テレビのドラマを見て(殺害を)やろうと思った」と供述しているらしい。
■事件前日の5月31日午後9時からTBS系列で放送された月曜ミステリー劇場『ホステス探偵 危機一髪(6)』。計5人の被害者が路上で襲われ、回想シーンも含めて計8回カッターナイフで切りつけられる場面が放映された。
■やれやれ…いよいよ変な方向へ行きそうだ。サスペンスを全て規制対象にでもすれば気が済むのか。また、少女は「バトルロワイヤル」に似せた物語「BATTLE ROYALE ―囁き―」ってのを書いていたというし。「子供に悪影響を与える」と騒ぐバカのはしゃぎっぷりが目に浮かぶ。
■動機については髪型が似合わないと書き込まれ、殺害を決心したという。まだ「インターネット」のせいにしたいのだろうか。
■清原和博の2000本安打が間近になっている。テレビ局としては、視聴率が上がる格好の材料だ。二千本達成したら、またペタジーニとの併用に戻るのかな。ってか、ペタジーニが控えってのがもったいない。
■巨人8連勝ですって…「史上最強打線」というもののせいで、真面目に応援してる人がバカに見えてくる。あと、巨人投手の勝利数は差し引いて勘定した方がいいんじゃないか。
■年金強行採決については明日…


2004年6月3日木曜日

ネット社会

社会の安定装置としての「インターネット」


■長崎県佐世保市の大久保小学校で、6年生の御手洗怜美さんがカッターナイフで首を切り付けられ死亡した。メディアは、児童心理学の専門家とか精神科医とかを登場させ、好き勝手な「解説」をさせている。
■「小学生の死――なぜ防げなかったのか」(朝日新聞 社説)「周囲は兆候に気付かなかったか」(読売新聞 社説)とか、「子供に、もっと命の大切さを分からせねばならない」(読売社説)といった言葉に、どれほどの説得力があるのかと虚しい気分にさせられる。まぁ、「この事件で論説を書け」と言われれば、こういった内容にならざるをえないのだろう。
■補導された同級生の11歳の女児が動機について、「インターネット上で、自分のことについて怜美さんが書き込んだ内容が面白くなかった。いすに座らせて切った。殺すつもりだった」と供述しているらしい。
■年齢からいってプライバシー保護に重点がおかれるため、事件の全容がわかりにくく、我々にはもどかしさが残る。そんな中、うやむやを晴らす確かなキーワードを手に入れた…「ネット社会」である。
■さっそく、夕方のニュース…テレビ朝日では小宮悦子が「あらためて、ネット社会の闇が…」と紋切り型コメント。フジテレビでは「小学生のインターネット事情」なんて特集を流し始めた。メディアとしては、制約された情報の中から、この事件を視聴者に「わかりやすく」説明しなければならない。だからって「ネット社会」に結びつけるのは安易すぎる。
■不可解な事件が起きると、それを読み解くキーワードとして、「ネット社会」を登場させる。ネットで知り合った同士が「集団自殺」をした際にも「ネット社会の闇」というフレーズが多用された。社会的な不安を安定させるために、「ネット社会の闇」というブラックボックスに事件を追いやるのだろう。これは「生命の大切さを教育すべき」と主張すること以上に、空虚で意味のない行為だと思う。
■今回の場合、顔見知り同士なわけで「ネット社会」という語を当てはめることが妥当とは思えない。なぜ気に入らない書き込みが殺人へと飛躍したのかを突き詰めれば、「コミュニケーション能力の欠如」というアプローチにとどめておくべきだろう。


2004年6月2日水曜日

田村亮子で金メダル、谷亮子でも金メダル

「田村亮子で金メダル、谷亮子でも金メダル」(サンスポ)
 アテネ五輪柔道女子48キロ級代表の谷亮子(トヨタ自動車)が『田村亮子で金メダル、谷亮子でも金メダル』をキャッチフレーズに五輪連覇を目指すことを誓った。前回シドニーでは『最高で金、最低でも金』を掲げて見事に公約達成。昨年12月にプロ野球オリックス・谷佳知外野手と結婚して臨むアテネ用の新コピーが注目されていた。

 これさ、使われるのわかってキャッチフレーズ付けてるよな。あざといなぁ。


2004年6月1日火曜日

読売ジャーナリズム

朝日新聞論説委員・高成田享読売新聞 に対して批判をおこなっている(ニュースDrag)。橋田信介/小川功太郎さん襲撃に関する社説は、やはり読売を強く意識したものだったようだ。

 この事件について論評した各社の社説を読むと、読売新聞の特異さが際だっているように思う。「イラク邦人襲撃/心が痛む戦場記者の受難」(産経新聞)、「記者襲撃/現場主義の重みを思う」(朝日新聞)といった見出しを見れば、まあ中身も想像できるが、読売新聞は「2邦人襲撃/人質事件の特異さが際だつ」というもので、見出しからは、主題は今回の事件ではなく、あの人質事件だと読める。

「今回の襲撃事件は、先の日本人人質事件とは、様相がまったく異なる。人質事件が極めて特異だったのである。政府に国民の生命を守る責任があるのは、当然だ。だが、家族が自衛隊のイラクからの撤退を掲げ、政府に政策変更を要求したことが、無用の混乱を招いたのである」

「戦場は、常に危険と隣り合わせだ。ジャーナリストは、時には、あえて危険を冒してでも、戦場や災害現場に赴く。それは職業的情熱であるともいえよう」

ジャーナリストが戦場に行くのは、職業的情熱だが、家族が政治的な動きをするのはおかしい、ということなのだろう。その主張にも私は異議があるが、それよりも変だと思うのは、ジャーナリスト論のほうである。読売新聞は前回の人質事件以来、一貫して、政府の退避勧告を無視するジャーナリズムを批判的に取り上げてきたからだ。

「昨年のイラク戦争の直前から、外務省は渡航情報の中で危険度の最も高い『退避勧告』を出していた。3人の行動はテロリストの本質を甘く見た軽率なものではなかったか」(4月9日付社説、3邦人人質/卑劣な脅しに屈してはならない)

「事件の再発防止には、外務省の『退避勧告』に従い、無謀な行動をとらないことが基本だ」(4月16日付社説、3邦人解放/喜ばしいが教訓も少なくない)

「先の3人の人質事件以前から、政府は事件の再発防止のために、再三、イラクからの『退避勧告』を出し、無謀な行動を取らないように国民に訴えてきた。2人は『日本で大騒ぎになっていることを知らなかった』という。危険でもあえて現場に行こうとしたのは、自己責任の覚悟があってのことかもしれない。だが、やはり甘かったのではないか」(4月18日付社説、イラク2邦人解放/同じ愚を繰り返してはならない)

社説ではないが、4月15日付夕刊では、「『今はイラクで稼げる』勧告後も続々入国 フリー記者、危険無視」というアンマン発の記事で、「外務省の退避勧告に応じて大手報道機関が記者を退避させるなか、存在感を示そうと隣国ヨルダンでは入国の機会をうかがう人もいる」と書いた。この記事では、読売をはじめイラクから退避したメディアの名前を列挙したが、残留したメディア(毎日、産経、NHK、共同通信、朝日など)には触れなかった。

独断と偏見かもしれないが、読売がこの間、もっとも声高に主張してきたのは、政府の退避勧告に従わないフリージャーナリストやボランティアはけしからんということではないか。それなら、大手報道機関はいいのかという反論を制する形で、自分たちは記者をイラクから退避させたのだろう。それはそれで論理が一貫していると思うが、それなら、今回の事件で、退避勧告にまったく触れていないのはなぜか

死者をむち打つようなことはしないというのだろうか。それとも、イラク報道の重要性に鑑み、記者をイラクに戻すつもりなのだろうか。

またまた独断で言ってしまうと、もともと、政府の退避勧告にジャーナリズムも従うべきだという発想がどこかにあったとすれば、それ自体が無理だったのではないか。危険を覚悟で、その国の政府に完全に縛られることなくという意味では、NGOの人々もそうだろうが、イラクをみれば、世界中からジャーナリストやNGOが入り、それぞれの「自己責任」で、活動している。それがいまの世界のあり方だ。

くどくどと、他紙の揚げ足とりみたいなことを書いているのは、人質事件のときに、政府の退避勧告に従わないのは、けしからんという世論が形成され、それが人質になった人々に「救出にかかった費用を出せ」といった圧力になって、ふりかかったと思うからだ。事件が起きたときに、政府が「退避勧告を出しているのに」と言うのは当然かもしれないが、私たち「大手報道機関」も含めたジャーナリズムやNGOは、危険や使命感を考えながら、それぞれの厳しい選択をしてきたのではないか

今になって、退避勧告の話は抜きにして、人質事件で問題だったのは、家族の対応だと言われると、「退避勧告」の世論形成を助けたことは、どう総括するのかと尋ねたくなる。
 「政府の退避勧告に従わないのは、けしからん」と最初に言い出したのは読売社説で、事件直後にはすぐに「自己責任」論らしきものが登場したのを私も確認している。自衛隊派遣の政治責任を問われることを恐れた政治家などがそれに乗っかって、「自己責任」を問う声が広まったように思える。「世論形成を助けた」というより、言い出しっぺのような気がするが。
 不毛な「自己責任」論争よりもよっぽど面白い。読売新聞の反論に期待したい。ジャーナリズムとは、政府の言うことに忠実であるべきで、国益に反する報道はNG…って主張してくれるのかなぁ…わくわく。