2004年6月18日金曜日

小沢一郎/責任野党

小沢一郎「剛腕コラム」
民主党の若手の議員諸君は「責任野党」という言葉を勘違いしている。
俗に言う55年体制は、「何でも反対」の社会党がイデオロギーを盾にして自民党と不毛の対立を続けたように見られているが、これは事実ではない。
55年体制を最も近い場所で見てきた者としていうが、自民党と社会党は地下茎で結ばれていて、難しい政治的問題はすべてタブーとして論議せず、ひたすら経済の復興ともうけた利益を配分することで完全に一致していた。
つまり、自社両党はまったく同じ体質の政党だったのである。これは後に自社政権が成立した事を見れば明白であろう。
ところが、若手の議員諸君は俗説を信じて、「健全野党であるためには、政府提案に一定の理解を示さなければならない」、つまり、「官僚のいうことに理解を示すべきだ」と勘違いしているのではないか。
わが民主党は、官僚を頂点とした自民党型の権力体制や政官業癒着の政治体制、徹底的な官僚による管理社会に終止符を打ち、国民の代表である政治家を中心にして、戦後五十数年で限界に達した日本の政治・行政・社会の構造を変えていこう、と訴えているのにである。
こうした勘違いが、国民に「一体何を考えているのか」「自民党と談合するのか?」などと、民主党の不明確さ、頼りなさを植えつけている。こうした勘違いや錯覚を払拭しなければ政権奪取など絶対に不可能だ。
自民党と同じならば存在価値はない。基本的な考え方が違うから価値があるのだ。



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