2004年6月16日水曜日

大阪ブルーウェーブ?

■パ・リーグの大阪近鉄バファローズと神戸が本拠地のオリックス・ブルーウェーブが、シーズン終了後に合併をめざすことで基本的に合意した。今後、1リーグ制の導入など、球界再編につながりそうだ。
■新球団名については「大阪ブルーウェーブ」が有力で、本拠地は大阪ドームになるらしい。う〜ん、どうなんだろう。阪神の本拠地・甲子園は兵庫・西宮だが、大阪は阪神に染まりきっており、新球団が大阪でファンを作るのは難しいのではないか。球場施設の問題もあろうが、地域密着型を目指した方がよさそうなもんだが。プロ野球の今後のためにも、東北地方とか四国とかにも球団を作るべきじゃないか。
■これに関する社説をメモ。まぁ、どうせたいしたことは書いてないわけだが。まず、退屈な社説を2本…
■日経新聞/社説「再編不可避になったプロ野球」
 パ・リーグは五球団になると興行を維持するのは困難になる。そこで一リーグ制への移行が浮上してくる。巨人軍の人気にあぐらをかいてきたセ・リーグ各球団も安閑としていられない。巨人戦のテレビ中継の視聴率は低下を続けており、松井秀喜選手のヤンキース移籍で巨人人気にも大きな陰りが出てきた。人気回復の局面打開のため、球界全体が一リーグ制に打って出るくらいの覚悟は必要だろう。
 球界再編の次の焦点は親会社の経営不振で身売りが避けられそうにない福岡ダイエーホークスの動向である。プロ野球も現状に安住できる時代はすでに終わろうとしている。サッカーや他の娯楽に対抗できる魅力的なプロ野球にするには各球団がもっと前向きに競争できる体制が望ましい。球界再編を機に新規参入を阻害する30億円の加盟料撤廃や高騰する一方の選手の年俸問題、フランチャイズ制の再編などに積極的に取り組むべきである。

■産経新聞/社説「プロ野球再編 破壊からの創造を目指せ」
 半世紀以上の二リーグ制は、セ・パの有名選手が集うオールスターやリーグ覇者による日本シリーズなど、ペナントレースでは味わえない醍醐味をファンに提供してきた。両球団の合併が一リーグ制の一歩になるのならプロ野球の大再編である。だからこそ、今回の合併合意は単に二球団の合併劇ではすまない。
 球団経営が厳しいのも事実である。近鉄の赤字は年間四十億円だが、一部球団を除けば台所事情は同様である。各球団の努力で観客増をはかるのは当然だが、例えば経営の透明性や実態を把握するためサッカーのJリーグのように有料入場者数を端数まで公表すべきだ。年俸の歯止め策も必要だし、新規参入を容易にするには三十億円という連盟加盟料の見直しやドラフト制度なども早急に検討すべきである。
 テレビ放映権収入のウエートが大きいのなら、米大リーグのようにプール制で各球団に配分してはどうか。その大リーグは経営不振の球団をコミッショナー預かりにしてスポンサーを探すなど、さまざまな方策を取り入れているのも参考になるだろう。

 「球団経営」の問題から少し視野を広げて論じたのが毎日、そして朝日…
■毎日新聞/社説「パ2球団合併 ファン不在許されない」
 球団経営の悪化を導き出している要因のひとつに、選手の年俸の急騰がある。93年に導入したフリーエージェント制は球界を弱肉強食の世界に変えた。金持ち球団は各チームの有力選手を次々とかき集め、経営の苦しい球団は、チームの主力選手を引き留めるため、採算を度外視して選手の年俸を引き上げ続けた。
 ドラフト(新人選択)制度も同年に「逆指名」制度を導入して以来、人気チームと不人気チームのコントラストを強調する役割を果たし、チーム間、あるいはリーグ間の力の偏在化を促進した。
 この10年余の間、庶民が低成長やリストラにあえいでいる中、プロ野球の世界は、世間の常識からかけ離れた別天地の「金持ちゲーム」に狂奔した。
 対戦相手なしに成立しないプロ野球なのに、現状を見ると、巨大な影響力を持つ一部の金持ち球団が、自分の都合のいいように制度を改変し、「独り勝ち」をもくろんでいるように映る。もし球界に「共存共栄」の精神があれば、現在のようなゆがんだ制度はできていなかったはずだ。

 「金持ち球団」に名指しで文句をつけているのが朝日社説…
■朝日新聞/社説「球団合併−巨人を分割したら」
 球場に足を運ぶ人が増えず、テレビの視聴率が下がるのはなぜなのか。要は、おもしろい試合が少ないからではなかろうか。チームの戦力が接近すれば、手に汗握るゲームも多くなるはずだ。ところが実際の流れは正反対で、それが人気低迷につながっているのではないか。
 ただでさえスーパースターが米大リーグに行ってしまう時代だ。豊かな資金にものを言わせる巨人が残る花形をかき集めればどうなるか。パ・リーグの方も「巨人の人気にぶら下がろう」と1リーグ制に走るだけなら、安直すぎる。
 戦力を均衡させようと生まれたはずのドラフト制度もいまや骨抜きだ。球団が選手を自由競争で採れる枠ができたからだ。そんな枠などやめたらいい。
 プロ野球全体を取り巻く環境は厳しい。そのことを球界の人々はもっと深刻に受け止め、大胆に打開策を練る時だ。
 セ、パ両リーグの交流試合はもちろんのこと、チームの入れ替え制も導入したら盛り上がること請け合いだ。
 巨人には「4番」がぞろぞろいて、さながらオールスターチームだ。無理に1リーグにしなくても、巨人を二つに分けたら、1チーム減るパ・リーグの穴は埋められる。いっそ、そんなアイデアはどうだろう。
「巨人を分割せよ」ってすごいな。本気なのか冗談なのかわからないような主張だ。実現するはずもない馬鹿げた提案だが、「アンチ巨人」な私は嫌いじゃない。ちなみに、読売新聞は扱わず。
■日本のプロ野球低迷の理由にメジャーリーグの日本人選手をあげるのはやめた方がいい。イチローや松井を責めてどうするというのだ。彼らがメジャーに行かなくとも「野球の終わり」は始まっていたはずだ。ってか、日本では、野球への関心が過剰だった感がある。「低迷」というよりも、これまでがなが〜い「バブル」だっただけじゃないか。こうなる運命だったと思いますよ。
■「シーズン中の発表に一番戸惑っているのは選手たち」とコメントする一方で、その選手のもとにマスコミがどっと押し寄せている。なんだかなぁ…ますます困惑に追い討ちかけてどうする。
■中村紀洋であれ、谷佳知であれ、インタビューされてるのは「スター選手」である。一番、将来を心配しているのは末端の選手たちじゃないか。合併したことで真っ先にリストラ対象になるわけでね。
■<イラク>サドル師が政党結成を検討(毎日新聞)
 イラクで来年1月末までに実施される予定の初の直接選挙に向け、イスラム教シーア派の対米強硬派指導者、ムクタダ・サドル師が、政党の結成を検討していることが13日、明らかになった。AFP通信などがサドル師派のスポークスマンの話として伝えた。
 サドル師は「私自身は政治や政治的な地位に興味があるわけではない。しかし選挙が自由で誠実に行われるのであれば、政党を作り、人々に政治活動の場を提供したい」などと述べているという。
 なかなか面白い話だ。アメリカが押し付けた「民主主義」を逆手に取って、反米勢力が拡大する。こんな皮肉なことはあるまい。アメリカの今後の対応に注視したい。


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