2004年6月29日火曜日

隷従への道/集団的自衛権行使

■集団的自衛権行使のために憲法改正を 小泉首相語る(朝日新聞)
 小泉首相は27日のNHKの党首討論番組で、現在の憲法解釈では禁じられている集団的自衛権の行使について「日本を守るために一緒に戦っている米軍が攻撃された時に、集団的自衛権を行使できないのはおかしい。憲法ではっきりしていくことが大事だ。憲法を改正して、日本が攻撃された場合には米国と一緒に行動できるような(形にすべきだ)」と述べた。日本防衛にあたる米軍への攻撃排除に限って、集団的自衛権が行使できるよう憲法改正すべきだとの発言だ。
 首相はこれまで集団的自衛権行使について「解釈の変更ではなく、憲法改正を議論することにより解決を図るのが筋だろう」などと述べていた。集団的自衛権行使の必要性について具体的に説明したのは初めてだ。
 集団的自衛権は、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を実力で阻止する権利。首相は行使を認める内容について「米国が攻撃されたら日本も一緒に戦うということじゃない」と、日本防衛にあたる米軍への攻撃排除に限定する考えを強調した。
 ただ、首相は「(政府は)日本を守っている米軍の行動まで、日本が協力して一緒に活動できないという解釈をしている」とも発言。実際には、政府は日本にある米軍基地への攻撃や、日本防衛のために行動している米艦艇への攻撃を自衛隊が排除するのは個別的自衛権の行使にあたり、現行憲法下でも可能との立場をとっている。このため、首相が考える集団的自衛権行使の内容は不明確だ。

■こういう発言は歓迎したい。岡田克也(民主党)は、「(集団的自衛権は)第三国で米国が戦争した時に一緒になってやる、あるいは米国が攻撃を受けた時に米国に行ってやることを含む概念だ。絶対に認めるべきではない。国連の行う集団安全保障に協力すべきだ」と述べている。両党の差異は不明確だったが、首相は有権者にわかりやすい違いを提供した。
■参院選を乗り越えれば、とうぶん選挙はない。与党が勝利すれば、小泉首相にフリーハンドを与えることとなる。それがなにを意味するのか。有権者はその危険性を十分に認識する必要がある。「日の丸」を誰の血で染めようか…タカ派の関心はそこにしかない。この国はそんなに血を欲しているのか。


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