2005年1月31日月曜日

中山成彬:自虐的な教科書

■29日、宮崎県都城市の大臣就任祝賀会にて…

■歴史教科書:中山文科相、また「自虐的」と発言(毎日新聞)
 中山文科相は、あいさつの中で、自民党が公明党との調整がつかずに今国会提出を断念した教育基本法改正案について「私としては『愛国心』という言葉でまとめ、改正したい」との考えを示した。そのうえで、歴史教科書に触れて「自虐的な教科書がいっぱいある。日本が悪いことばかりしたという教科書がある」などと述べた。

 同相は昨年11月に大分県で行われたタウンミーティングで、歴史教科書について「自虐史観に立った教育だけはしてはいけない」などと発言。韓国メディアらの強い批判の後「個人的な立場で述べたが、教科書検定を実施する立場になった以上(発言は)控えるべきだった」と、発言を修正していた。

 今回の発言に同相は「もう失言はしないようにしようと思っている。本当は失言したいんです。今日はマスコミはいるの? じゃあ、あまり(失言)しないように」とも述べた。
 なるほど、自身の言っていることが「失言」であると自覚していて、確信的に言っているわけだな。

■で、前の「教科書検定を実施する立場になった以上控えるべきだった」という反省は何だったの?


2005年1月29日土曜日

井内顕策・東京地検特捜部長:マスコミ批判

■「報道は有害」特捜部長・南野法相「あくまで私信」(日経新聞)
 井内顕策・東京地検特捜部長が一部の記者に「マスコミの取材と報道は捜査にとって有害無益」などとする書面を配ったと報じられたことについて、南野知恵子法相は28日の閣議後記者会見で「穏当を欠いた表現があった」としながらも、「親しい記者に出したあくまで私信」と弁明。本人が謝罪し、上司も指導したとし、処分について「今のところ考えていない」と話した。

 文書は今月初旬に井内特捜部長が一部記者に渡したもので(1)逮捕や捜索の強制捜査の前打ち報道などは捜査を妨害し、社会正義の実現を妨げ、犯罪者および犯罪組織を支援している(2)マスコミはやくざ者より始末におえない悪辣(あくらつ)な存在――などと書かれていた。
 南野法相が「穏当を欠いた表現があった」とはね。あーたがいいますか。

■文章の詳細


■当局にとって、メディアがうっとうしい存在であるのは当然。ただ、それを言わないのが最低限の作法ってもんでしょ。あるいは、戦前まで時計の針を戻そうとしているのだろうか。

■ま、こういうのをメディアが「けしからん!」とばかりに報道すっから「傲慢」と見られるんだろうけど。メディア叩きってのはひとつの流行ではあるんで、「よく言った」という人もいるでしょうね。


ハンセン病

■胎児ら標本114体保存−ハンセン病6施設 堕胎強制され(しんぶん赤旗)
 厚生労働省が設置した第三者機関「ハンセン病問題に関する検証会議」(座長・金平輝子元東京都副知事)は二十七日、国立ハンセン病療養所などに保存されている胎児・新生児の標本についての検証と、被害実態調査結果を報告書にまとめて公表しました。

 報告書によると、同療養所など関連六施設に保存されている胎児・新生児の標本は百十四体にのぼっています。

 なぜ標本が残されたかについては、胎児などの80%に研究目的とした切開痕が認められないこと、人工妊娠中絶などの年月日、両親の名前など半数以上が添付されていないことから「研究が目的ではなかった」と分析。「法の不備もあって目的もなく残されたのではないか」と指摘しています。
 中絶ってのはすでに知られていたが、新生児を殺して標本にまでしていましたか。なんだかね…

■なぜか思い出したのが、ちょっと前に取り上げたアウシュビッツ知らないイギリス人の話。そして、日本人でどれだけこういった事実を知っている人がいるのかなってことを考えるのだった。もうちょっと大きく報じてもよさそうなものだが…社説で扱ったのも朝日だけ。

■朝日新聞/社説「ハンセン病――これは殺人ではないか」
 人間の命や遺体をずさんに扱っていたとしか思えない。いまからでも手厚く供養しなければならない。

 一方で、国の施設で組織的な犯罪がおこなわれていた疑いを放っておくわけにはいかない。調査が始まる前に標本を焼いてしまった療養所もあるのだ。

 厚労省が設置したとはいえ、第三者機関である検証会議による調査には限界がある。政府は検察官を含む事件捜査の専門家の委員会をつくり、真相を解明する責任がある。



2005年1月27日木曜日

海老沢勝二:NHK顧問で院政?

■NHK海老沢元会長 顧問に就任(スポニチ)
 NHK会長を辞任した海老沢勝二氏(70)が26日、同局の顧問に就任した。25日の辞任会見では“院政”との批判を避けるためか「人材育成、海外への文化普及のために働きたい。(役職は)新会長が決めること」などと就任については触れなかった。東京・渋谷区の同局内には顧問室もあり、海老沢氏はこの日も出勤。就任は橋本元一新会長が決定したという。放送法では会長、専務理事などの役職は決められているが、顧問というポジションの明記はない。

 歴代では海老沢氏の前代の川口幹夫氏(91〜97年に会長)らが、会長職を辞した後、顧問になっている。しかし、任期途中での辞任となった池田芳蔵氏(88〜89年)、島桂次氏(89〜91年)は顧問になることなくNHKを後にしている。
 …なんだそりゃ。責任をとって辞めたとと思いきや、「顧問」ですか。そりゃ「院政」って言われるわ。

■もちろん、反発は承知の上でのことだろう。エビジョンイルがそこまで執着する理由ってなんだろ。権力ってそんなに手放すのが惜しいものなのかな。




【追記】
海老沢氏ら顧問を辞退 NHK会長が緊急会見(共同通信1/28)
 NHKの橋本元一・新会長は28日緊急会見し、不祥事に伴う受信料不払いの急増で引責辞任した海老沢勝二・前会長(70)ら元首脳3人が顧問を辞退したと明らかにした。
 橋本会長は辞退を受け入れた。辞退の理由について「本人からの辞退としか申し上げようがない」と語った。

抗議が効いたのかな? 
■海老沢院政に抗議電話が数万件(日刊スポーツ)
 NHK会長を辞任した海老沢勝二前会長(70)が26日付で顧問に就任したことで、同局には27日、数万件もの抗議の電話が殺到し、回線がパンク状態になった。同局の労働組合「日本放送労働組合」(日放労)は「電話を受けることができたのは数千件、受けきれない電話は数万件になるだろう」としている。
 エビジョンイル氏がここまで憎まれる要因ってのを考えているのだった。

外国籍:公務員管理職

■東京都内の保健所で働く在日韓国人の鄭香均さんが起こしていた裁判に最高裁の判決がでた。管理職は日本人に限るってわけでして。

■当然のように、各紙の論調は割れる。

■朝日新聞/社説「外国籍管理職―時代が分からぬ最高裁」
 そもそも「日本国籍を持たない公務員は管理職になれない」と定めた法律はない。重大な施策に携わる公務員に国籍が必要なのは「当然の法理」とした半世紀前の政府見解だけだ。それと大差のない最高裁の判決はいかにも古めかしい。

 そんなに働きたいのなら日本の国籍を取ればいいじゃないか。そう思う人もいるだろう。しかし、過去の日本とのかかわり、先祖や親兄弟、故国に寄せる思いから、日本国籍を取る気になれないという人も少なくない。

 救いは、2人の裁判官が書いた反対意見だ。直接住民に強制する職種や、統治の核心にある職種でないのなら、外国籍の職員を管理職に登用してもよい、と述べた。こちらの方が多数意見よりはるかに柔軟だろう。

 津々浦々に外国人が暮らす時代だ。鄭さんは日本語を母語とし、知識も経験もある。地域社会で住民サービスに打ち込む意欲も強い。そんな人材を活用しないのは社会全体の損失ではないか。
 

■産経新聞/社説「国籍条項訴訟 常識にかなった合憲判決」
 しかし、高知県や川崎市など一部自治体では、多くの一般公務員についても国籍条項を廃止し、外国人に広く門戸を開いている。国の主権が損なわれかねない危険性をはらんでいる。

 公務員は当然、国家に対する忠実義務を負っている。外国人が公権力を行使できる地位に就き、母国への忠誠を誓っていた場合、国益に反する重大な事態も起こり得る。高知県などの自治体は今回の最高裁判決を機に、早急に国籍条項廃止措置を見直すべきだ。
 ひとつには外国人に対する見方の違いがあるだろう。外国人を社会を構成する一員として認めるか、それとも「国益に反する」ことをやりかねない存在と見なすのか。

■また、これは「地域社会」に対する職務であるはずが、ここに「国家」だの「国益」だのという語を持ち出す必然性もわからない。

■読売新聞/社説[管理職試験訴訟]「『日本国籍』明確にした最高裁判決」
 ただ、具体的な基準は明確にされておらず、各自治体で外国人の採用や昇任などの判断は、まちまちなのが実情だ。

 国や自治体は、最高裁が判決で示した「公権力を行使するのは日本国籍の管理職」という原則をもとに、明確で統一的な基準をまとめていく必要があるのではないか。

 その運用に当たっても、自治体は、公権力の行使にかかわる管理職に外国人を任用することは、慎重にすべきだ。
 読売はとにかく外国人を地方自治体が勝手に任用することがご不満のようで、お国が統一的な基準を作ろうって主張らしい…これに対する日経…

■日経新聞/社説「外国人任用で最高裁初判断」
 最高裁は外国人の地方自治参加を巡る裁判で1995年に「地方自治体の首長、議会の選挙権を定住外国人に与えることを憲法は禁止していない。ただ、選挙権を付与するか否かは立法政策の問題であり、外国人に選挙権を認めないといって違憲とはならない」との判断をしている。

 今回の判決も、外国人の地方公務員任用に関し自治体の裁量を広く認めた趣旨と、各自治体は受け止めるべきだろう。住民の構成や地域の歴史などがそれぞれに違うのだから、外国人の職員任用を認める範囲も、そこに住む人々の意見を反映して異なるのが自然である。それが、憲法が定める地方自治の理念にも、地方分権という時代の流れにも沿う。
 朝日は「地方自治体が萎縮し、門戸開放の流れが滞ることが心配」なんだそうだが、「自治体の裁量を広く認めた」とするのが適切な解釈だろう。


2005年1月25日火曜日

内部告発の仙波敏郎・巡査部長に報復人事

■内部告発・巡査長の異動内示、「報復人事」と訴訟意向(読売新聞)
 愛媛県警の捜査費不正支出問題で県警は24日、実名で内部告発した県警地域課鉄道警察隊の仙波敏郎巡査部長(55)に本部地域課通信指令室への異動を内示した。

 仙波巡査部長は「報復人事だ」として、発令されれば、県警に発令の無効を求める仮処分を申請し、損害賠償請求訴訟を起こす意向を明らかにした。

 県警は「本人から事情を聞き、マスコミ報道などで『辞める時は死ぬ時だ』などの発言をしており、万が一のことを考えて拳銃を所持しない部署にした」としている。

 仙波巡査部長は20日、記者会見し、「上司に領収書を偽造するよう求められたが、拒否した」と、現職警官として初めて捜査費不正支出について証言した。
 わらった。いや、仙波さんには悪いけど、あまりにも愛媛県警が笑えることをするもんだから。

■だって、言い分がすごいじゃないか。「『辞める時は死ぬ時だ』などの発言をしており、万が一のことを考えて拳銃を所持しない部署にした」って、 いったいどんな頓知(とんち)だよ。

■確かに、ちょっとまえに、こんな記事を見かけたけども…仙波巡査部長の一問一答

■<警察不正>「負けたら死ぬ覚悟」現職警官が手口証言(毎日新聞1/21)
 今回証言しようと思ったのはなぜか。
 ――正義感からだ。特別監査で何かが明らかになるかと期待したが、そうならなかった。最後のチャンスだと思った。
 県警からの圧力はあったか。
 ――昨日もそうだし、何度も引き止められた。県警幹部から「お前が会見したら、県警は1年間は立ち上がれなくなる」と言われた。だが、問題にフタをしたら、一生立ち上がれないと思った。
 95年以降も偽造領収書は作られているのか。
 ――私は(偽造領収書にかかわることを)要求されなくなったので、確認できないが、その後もあったと思う。
 今後の身の振り方は。
 ――あと4年たてば定年を迎える。「圧力に負けたら死ぬ」くらいの覚悟で臨まないと、この席にはいられない
 捜査協力者は実際に存在するのか。
 ――存在しない。組織の情報を告発する人が金をせびるはずがない。
 偽造領収書作りを拒否したことで、差別を受けたことはなかったか。
 ――警部補への昇進試験を受けた際、当時の署長に「偽造領収書を書いていないので、君は受からんよ」と言われた。
 偽造領収書は警察官全員が書いているのか。
 ――95年までは、私以外に一人、偽造領収書作りを拒否している人間がいた。偽造領収書作りにかかわらないと、昇進できないので、ほとんどがやっていたと思う。
 他にも裏金作りの方法はあったのか。
 ――各署の会計課が署員の印鑑を保管し、口座を作り、架空の旅費を請求・ねん出して裏金を作っていた。
 「万が一のことを考えて拳銃を所持しない部署にした」と「報復人事」による圧力。だが、こんなものに、仙波さんは負けることはないだろう。


2005年1月21日金曜日

「極左記者」と「偏向プロデューサー」?

■朝日が週刊新潮の広告断る NHK改編問題めぐり(共同通信)
 NHKの従軍慰安婦特集番組の改編問題をめぐり、20日発売の「週刊新潮」(1月27日号)の新聞広告の見出しが事実に反するとして、朝日新聞が掲載を断っていたことが分かった。
 この新聞広告は「朝日『極左記者』とNHK『偏向プロデューサー』が仕組んだ『魔女狩り』大虚報」とする見出しを載せたもの。
 これに対し朝日新聞は18日、「見出しは事実に反する」として広告代理店を通じて掲載を断ったという。新潮社は「見出しに偽りはないので、見出しを変えるような措置はしなかった」(宣伝部)と話している。この広告は20日、在京の新聞などに掲載された。
 ははは…結果的に宣伝に荷担していますよ、朝日サン。しかも、無料で。

■朝日の捏造だ、とか、発言を翻した、とか、ちょっと膠着状態ですね。決定的な証拠が出てこない。もう一度、長井プロデューサーに出場を願うしかないんじゃないか。なぜ圧力があったと確信を持てたのか説明責任がある。ってか、「信頼できる上司」とやらにご登場いただくしか道はない…ってとこまで追い詰められている気がするのだが。

■私のツボは安倍晋三だ。「これは拉致問題に対する鎮静化を図り北朝鮮が被害者としての立場をアピールする工作宣伝活動の一翼も担っている」とか「今までも北朝鮮問題への取り組みをはじめとし、誹謗中傷にあってきたが、私は負けない」とか…ものすごい陰謀説&「北朝鮮問題」を利用した自己アピールなんですね。

■彼の最大の武器である「北朝鮮」は、こんなとこでも活用できるのかと感心している。政治家にとって、仮想敵ほど頼りになるものはない。安倍は北朝鮮の独裁者に足向けて寝らんないだろう。

■あと、この事件が安倍晋三に対する世間のイメージにどういった変化を与えたのかが興味ある。ま、一部では、逆に株が上がっているみたいなんですがね。


ブラックバス

■外来種規制、オオクチバスの盛り込み先送り・環境省(日経新聞)
 環境省は19日、国内の生態系を守るため5月にも施行する「特定外来生物被害防止法」の規制対象種の第1陣リストに、ブラックバスの1種であるオオクチバスを盛り込まないことを決めた。指定に反対する釣り関係者などに配慮、施行段階のリストからははずし、7月以降に改めて結論をまとめる。

 同省はオオクチバスが日本在来の固有種に大きな被害を与えないよう規制や駆除の必要性を指摘する一方「全国に広がり、規制対象にして即座に駆除を進めるのは難しい」と説明している。
 正直、あまり興味がない話題ではあるが…釣り具メーカーや釣具店、バス釣りの愛好者などの猛烈な圧力に、環境省が押し切られたようです。

■日経新聞/社説「ブラックバス釣りは北米で」
 日本魚類学会は昨年12月、国内43の都道府県にブラックバスが広がり、うち86の湖沼では、在来種、日本の固有種などが絶滅・激減の危機にあると発表した。
 ブラックバスは、他の魚種の稚魚を丸のみにする大食漢の「フィッシュイーター」である。モロコやタナゴ、トミヨなどの小さな魚なら成魚も一口。湖沼の生態系は一種の閉鎖系だから、こんな暴れん坊を放たれたらひとたまりもない。琵琶湖でもブラックバスが増え、モロコは幻の高級魚となり、ニゴロブナの「ふなずし」の未来にも影を落とす。

 ブラックバス釣りはどうぞ北米ツアーで。どうしても日本で釣りたいのなら、完ぺきに密封された専用釣り場を自分たちでつくるべきだ。

 暮らし方が変わり、国際的な物流が活発になって、固有の生態系も不変ではいられない。ただ、在来種を根こそぎ駆逐する外来種を意図的に広げるのは厳禁だろう。豊芦原の瑞穂の国が育ててきた繊細で豊かな淡水生態系と、ブラックバス釣りの快楽と、どちらを選ぶのか。
 「北米ツアー」に「専用釣り場」ねぇ…ま、そうしてもらうほかないっしょって話か。

■朝日新聞/社説「ブラックバス――野放しにできぬ大食漢(1/21)
 大食漢を野放しにしていたら、昔からいる生物が絶滅しかねない。これ以上、広がるのを防ぐべきだ。そう規制派は訴える。バス釣りでは、捕まえても放すのが一般的なため、生息数が減らないことも問題視する。

 これに対して、バス釣りを楽しむ人々は、「組織的な放流はない」「生態系が崩れたのは開発などの影響が強い」と言い返す。健全なスポーツへの偏見だとして反発し、対立は一向に埋まらない。

 環境省は、激しいやり取りに腰が引けて、指定をためらい、最終結論をとりあえず6カ月先に持ち越した。

 バス釣りには300万人のファンがいて、釣り具業界などに1千億円の恩恵をもたらしているとされる。一方には在来種のフナなどの漁で生計を立てる人たちもいる。多くの利害が絡んでいることは確かだ。いま問われているのは、どの視点から考えるかだろう。

 ここは「生態系の被害を防ぎ、生物多様性を守る」という法律の原点を踏まえたうえで、規制対象に加えるべきではないか。規制が遅れるほど被害は進む。

 官僚が業界や政治家の圧力にたじろいでいるのなら、大臣の出番である。小池環境相は最後まで指定の意見だったと聞く。いまこそリーダーシップを見せてもらいたい。

 国内にはいなかった動物や植物が、海外から流れ込んでいる。新しい法律は、外来種が引き起こす問題の解決に有効なのか。ブラックバス規制は、それをうらなう試金石となるはずだ。

 バス釣りの愛好家にも考えてもらいたい。規制の対象になっても、釣ることまで禁じられるのではない。それに自然の豊かさがどんなに大切か、肌で感じているはずだ。その関心を、メダカやフナなど昔から私たちと一緒だった生き物たちにも向けてもらいたい。



2005年1月20日木曜日

はぐれ刑事 純情派

■設定に限界…「はぐれ刑事」が終了(スポニチ)
 俳優の藤田まこと(71)主演で18年間続いたテレビ朝日の刑事ドラマ「はぐれ刑事 純情派」が今年4月から放送の最新シリーズ(水曜後9・00)で終了する。18日、東京・港区の同局で発表された。1988年にスタートし、1人の俳優が主役を演じた刑事ドラマとしては日本最長の作品。同局は終了理由として「シチュエーションに無理が出てきたため」などと説明した。

 「はぐれ刑事」は88年4月にスタート。これまで放送された作品は年末年始のスペシャルなどを含めると430本。平均視聴率16・7%、最高視聴率は25・4%。

 今回、終了を決めた理由として、同局の早河洋常務が「娘2人と生活している設定がギリギリ限界にきている」と説明した。小川範子、松岡由美演じる2人の娘はスタート当時は19歳と14歳。18年で設定的にも30歳を超えているが、藤田演じる父親と同居。70歳を超える藤田の現役刑事役も含め、シチュエーションに無理が出てきたようだ。
 うちは父親が好きで、私も見たりしたもんだが。そうですか、終わりますか。シチュエーションに限界が出てきたってのが、ちょっと笑ってしまう。

■40近い娘と同居しているってのは、不自然と考えたのかもしれないけども、そこには「負け犬」的な背景があるんじゃないだろうか。つまり、30過ぎても結婚しないってのはおかしいって発想。

 「人情派刑事」を演じ続けてきた藤田は「私が安浦刑事を演じる上で特に大切にしてきたのは、主人公・安浦の家庭でのシーンです。お茶の間で家族がそろって見るドラマ、その中で描かれる家族にウソがあってはいけない。安浦の2人の娘はこの番組で成長し、大人になっていきました。“はぐれ刑事純情派18”で私は、彼女たちの“成人式”をやってあげたい」とコメントした。
 家庭が大事だったから、娘を結婚させなかったんだな。

■だって、娘を結婚させちゃったら、安浦刑事には寂しい生活が待ってるもんね。妻も死んでしまったから、ひとりで食べる食事…喋り相手もいない。「はぐれ刑事」というだけあって、孤独な老人ですよ。そりゃさすがに見せられないって。そんな「人情派刑事」の物語…涙なしでは見られない。


禁煙誓約書

■吸ったらやめます…新入生に異例の「誓約書」 (夕刊フジ)
 喫煙したら自主退学します−。名古屋女子大・短大(名古屋市瑞穂区)は敷地から通学路までを全面禁煙とし、新入生に異例の「禁煙誓約書」を書かせるなど徹底した禁煙教育を行い、喫煙者が半減するなど大きな効果を上げている。

 一部の教員や学生から「女性差別だ」などの反対もある中、「妊娠・出産期の悪影響がはっきりしている以上、煙のないキャンパスを」と2003年度に全面禁煙に踏み切り、04年度には禁煙誓約書も導入した。これまで違反による退学者は1人もいないという。

 喫煙者には個人面接し、禁煙を促すためのニコチンパッチを支給。処方に必要な医師の診断も学内で行っている。また、愛知県内で禁煙運動を進める小児科医も講演でたばこの害を説くなど協力。04年度の調査では喫煙者は195人から98人に半減した。
 無理やり「誓約書」を書かせといて、何が「自主」かは不明で、ようするに、「喫煙したら退学処分」ってことでしょ?だったら、そんなカムフラージュはやめて、はっきりとそう書けよ…って感じだが。

■この取り組み…ちょっと賛否がわかれそうだな。確かに喫煙者が減ることは歓迎すべき事態だ。

■んが、「妊娠・出産期の悪影響がはっきりしている」というんだけども、「たばこは20才を過ぎてから」なわけで、もう大人なんだから、それこそ「自己責任」というやつであって、そんなことまで「教育」されなきゃならないのかな。

■まずやるべきことは「分煙」であって、タバコを吸う自由まで奪うのは、ちょっと奇妙な話だなぁと思う(ちなみに、私は喫煙しない)。

■もちろん、「禁煙」を促すための取り組みは歓迎すべきだが、強制的に「禁煙」の方向へ追いやるのは、自由主義社会のあり方として、なんか間違ってません?それはもはや「禁煙ファシズム」だ。


2005年1月18日火曜日

喫煙と自殺

■たばこ多いほど自殺の危険 中年男性で、厚労省研究班(共同通信)
 日本人の中年男性では、1日に吸うたばこの本数が多いほど自殺する危険性が高まるとする大規模疫学調査の結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)がまとめた。21日から大津市で開かれる日本疫学会で発表する。
 日本は年間3万人を超える自殺者が出ており、自殺による死亡率が世界でも非常に高い。研究班は「たばこと自殺の関係は未解明の点が多い。禁煙で自殺が減るかどうかも研究課題だが、喫煙本数の多い人の心の健康に注意することは、自殺予防対策に有効だろう」としている。
 研究班は40−60代の男性約4万5000人を約10年間追跡。この間に自殺した173人の喫煙状況を調べた。
 その結果、1日の喫煙本数が20本未満の人と比べて、自殺の危険性は30本以上40本未満の人で1・4倍、40本以上の人で1・7倍に、それぞれ高まった。
 へぇ…ま、何とも言えないけどさ、自殺しそうに追い詰められている人がたばこに走るってだけじゃないの?


島田紳助暴行事件とテレビ局

■簡単に紳助復帰を容認したTV各局の対応と体質(日刊ゲンダイ 1/14)
 被害を受けた女性はいまだにPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩んで病院に通っている。事件は解決していない。それなのに、あっさり復帰させるテレビ局の感覚はおかしいのではないか。

 フジテレビはこう言う。

「12月9日に罰金30万円を支払って刑事処分は済んだと理解しています。まだ、民事や被害者の方との感情的な問題は残っていますが、これはすぐに解決するものではないでしょう。それに紳助さんが廃業するわけではないし、日本テレビさんの番組でも復帰して謝罪しています。ウチとしても19日の放送で世間を騒がせたことに対する謝罪の機会を設け、通常通り番組を放送していく予定です」(広報部)

 まず“紳助復帰ありき”ということだろう。

●石原プロと対照的

 一昨年、ドラマの収録中に自動車事故を起こした石原プロは渡哲也社長が即座に謝罪会見を開き、当事者のタレントと一緒に5人の被害者に土下座までした。さらにドラマ放映を無期延期にして被害者の回復を待ち、了解をとってから放送した。それと今回の対応はあまりに対照的である。

 そんなテレビ局に対して、被害者側も納得できないようだ。

「これまで紳助の謝罪会見は放送しましたが、紳助が相手にどんなことをしたのかはまったく報じていません。これでは紳助は謝っているのだから許してやってもいい、おかしいのは女性側だという印象だけを与えてしまう」(女性の知人)
 へぇ、もう普通にテレビに出てんだね。私はまだ見てないけど…

■紳助の復帰にはテレビ局側の意向が強く働いたらしく、紳助自身はもっと謹慎しておくつもりだった…らしいっすよ。もちろん、真偽は不明だが、こういうテレビ局の体質ってのはどうなんよ?

■しかも、この件で、紳助について批判的に扱った放送って、お目にかかったことがない。吉本興業とテレビ局が馴れ合ってるせいでしょかね。

■しかしまぁ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)ってのは安易に使われすぎの傾向があって、どの程度なのかがさっぱりつかめないんだが。

■次もちょっと前のゲンダイの記事…被害者にかわって、女性の知人とやらが事件について話している…

■紳助暴行事件 衝撃の一部始終(1)(日刊ゲンダイ1/11)
 「彼女が紳助に暴行を受けたのはテレビ局内で出くわした彼にあいさつしてしばらく時間がたってからだそうです。彼女のあいさつの仕方が気に障ったのでしょうか。突然紳助に声をかけられて誰もいない局内の控室に連れていかれた。彼女はその時ドアにぶつかり、背中を打撲して足も捻挫した。それから紳助は部屋に鍵をかけて、彼女の頭を4、5発以上思いっきり殴った。拳で頭をガンガンと。その時の紳助は普段のにこやかな表情が消えて悪魔の形相だったそうです。彼女は“やめてください”と頭を抱えて壁まで後ずさりしたが、今度は髪をワシづかみにして“おまえみたいな女は”と言って壁にゴン、ゴンと4、5発以上もたたきつけた。彼女は本気で“殺される!”と思ったそうです」

 殴っているうちに紳助はますます興奮して顔は真っ赤になり、彼女のことを「ボケ」「カス」と叫び続けた。

「彼はまるで気が狂ったようだったと言っています。素手で殴るだけでは気が済まなくなり、彼女が持っていたリュックをひったくり、それを振り回して顔面を殴りつけた。その衝撃で左耳は音が聞こえなくなったそうです。ますます激高した紳助は“オレを誰だと思っているんだ”と怒声を浴びせながらAさんの顔一面にペッとツバを吐きかけた。ツバは彼女のメガネに飛び散り、アゴ付近にまで垂れたそうです。さらに手に持っていたリュックを床にたたきつけ、物すごい勢いで足で踏みつけ始めました」

 リュックの中には虫除けスプレーが入っていたが、そのスプレーは底が真ん中で割れて液体が飛び散り、リュックはビショ濡れになったという。

 知人があきれたように続けた。

「紳助は“おまえの名刺出せ”と彼女に命令もしました。彼女は恐怖におびえながら自分の名刺を差し出した。するとその名刺をグチャグチャに握りツブして投げ捨てた。彼女はとにかくその場から逃げるしかないと思ったそうです。もみ合っているうちに鍵が開き、どうにか部屋の外に出ることができたのです」

 まさに修羅場だ。だが、話はそれでも終わらない。紳助は外に出た後も暴言を吐いた。

「廊下にはスタッフが集まっていて彼は意味不明なことを叫んでいた。そこで彼女がリュックで殴られた耳が変になっていたので“聞こえなくなったらどうするんですか”と反発したそうです。すると“生意気な女だから当たり前だ”といってまた殴ろうとした。彼女は誰も止めてくれないので、たまらず自分で110番通報しました」

 彼女は警察の指示でツバを吐きかけられたメガネやスプレー、名刺、リュックなどすべて証拠品として提出し、一部始終を警察に話した。紳助が「平手で1回たたいた」のはこんな凄惨なものだったのか。
 ってのが女性の言い分だそうです…紳助の言い分とものすごく乖離があるんだよね。で、女性のこの言い分について、紳助は否定も肯定もしていない。いったいどっちの言い分が正しいのかはっきりさせて欲しいもんだ。復帰はその後にしてもらいたい。


2005年1月16日日曜日

イギリス人:アウシュビッツ知らない

■アウシュビッツ「知らぬ」、5割近くに 英国(朝日新聞)
 英国のハリー王子(20)が仮装パーティーでナチス兵士の制服を着たことが暴露され、謝罪した問題をきっかけに、ホロコースト(大虐殺)の記憶の風化を懸念する声が広がっている。ナチス・ドイツによってユダヤ人らが大量虐殺されたアウシュビッツ強制収容所(ポーランド)の解放から60年。特集番組に合わせBBC放送が行った調査では、アウシュビッツの名前も知らない英国人が5割近くにのぼった。

 BBCは昨年12月、英国の16歳以上の4000人を対象にホロコーストに関する世論調査を実施。アウシュビッツの名前すら一度も聞いたことがないと答えたのが全体の45%にのぼった。35歳未満では60%を超え、若者の間でホロコーストに関する知識が乏しくなる傾向が顕著だった。
 いやぁ、バカ王子も役に立つもんですね。これが歴史を知る機会になればいいのだが。

■アウシュビッツを知らないのが半数とは。中には知ったふりをしてる奴もいそうだし。日本ではどうだろ…20%ぐらいかな…『白い巨塔』で登場したから、少しは上がってたりして。

■にしても、イギリスの王子はぶっ飛んでるよなぁ…「開かれた皇室」って、開かれすぎにも程があんぞ。ナチスの格好して登場って、まともな教育受けているとは思えない。これが日本だったらと考えると…どうなるだろな。さすがに、保守系の人もキレるのかな。「愛子様、お戯れが過ぎますぞ!!」ってな感じで。

■で、王子のお仕置きプラン…
ハリー王子の行為については、ホロコーストで親族を殺された保守党のハワード党首が「(声明だけでなく)公の席で直接、謝罪すべきだ」と厳しく批判、悲劇を身近に感じている人々の心情を代弁した。ユダヤ人団体などから、王子をアウシュビッツに招待し、歴史を追体験することで反省を促そうという声もあがっている。
 それぐらい、やって当然だと思うけど?


2005年1月15日土曜日

社説:NHKと政治

■予想されたことだが…議論をすり替えて、矮小化を始める勢力が登場…

■読売新聞/社説[NHK番組問題]「不可解な『制作現場の自由』論」
 公正な放送のために、NHKの上層部が番組の内容を事前にチェックするのは、当然のことではないか。
 (略)
 放送法三条はまた、放送事業者に対し「報道は事実をまげないですること」、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」なども求めている。

 放送局の編集責任者は、現場が制作する番組の内容がこれに反する場合、政治家に指摘されるまでもなく、是正しなければならない。

 「女性国際戦犯法廷」では、昭和天皇が「強姦」の罪などで起訴され、有罪が言い渡された。

 このような性格の「法廷」の趣旨に沿った番組が、「制作現場の自由」としてもしそのまま放送されたとすれば、NHKの上層部はあまりに無責任、ということになる。

 そもそも従軍慰安婦問題は、戦時勤労動員の女子挺身隊を「慰安婦狩り」だったとして、歴史を偽造するような一部のマスコミや市民グループが偽情報を振りまいたことから、国際社会の誤解を招いた経緯がある。
 サンドイッチ型のすり替え構造となっている。核心部分については申し訳程度に「全体の事実関係には、一部に、依然、不明な点がある」で終わらせている。「NHKが公正な報道をするのは当然」としているが、問題になっているのは、そんな一般論ではない。また、「公正」であるかどうかは政治家が決めることではない。そんなことをしたら与党との癒着がおきるだけで、それはもはや報道機関とは呼ばない。

■問題となっているのは、政治家からの圧力があったか否か、番組内容を変更したかどうかであり、NHKと政治との関係だ。番組自体が「偏向」していたかどうかはまったく別次元の話。

■もちろん、産経も「NHK慰安婦番組 内容自体も検証すべきだ」とつづく…
 番組で放送された女性国際戦犯法廷は、元朝日新聞女性記者が代表を務めたNGOが主催し、元慰安婦や各国の女性活動家を集めて開かれた。慰安婦を「戦時性暴力」の犠牲者ととらえ、昭和天皇やいわゆる「A級戦犯」を裁いた模擬裁判だ。法廷は女性を中心とする判事団と検事団で構成されていたが、弁護団はいなかった。

 これがNHKで放送されることが事前に知れわたり、そのまま教育番組として放送すべきかどうか、視聴者の間でも議論があった。NHK内部で映像を再検討した結果、極端な部分を削除し、元慰安婦証言の信憑性に疑問をもつ学者の談話を添えたとされる。

 それでも、「主催者側に偏っている」「教育番組としてふさわしくない」という批判があった。まず何より、番組が公正で中立的な内容だったか否かの再検証が必要だ。


■産経抄
 ▼告発の趣旨は、自分たちは立派な番組を作ったのに政治家の圧力で改悪されてしまった、ということらしい。本当にそうなのか。番組は日本のNGOが開いた「女性国際戦犯法廷」を紹介したもので、韓国などの元慰安婦と名乗る女性が登場し、「強制連行によって性奴隷とされた」と日本政府や日本軍を訴追する。

 ▼そうした女性を日本軍が強制的に集めたという根拠はなく、戦地での接客業というべきものではということはさて置いても、「法廷」には弁護人はおらず、反対尋問もない。なおかつ趣旨に賛同しない者の傍聴は認めないという「裁判」だったのである。

 ▼結果、慰安婦問題は「人道に対する罪」にあたり、天皇有罪と日本政府に謝罪と賠償を求める「判決」が下されている。これをそのまま報道することが、それほど立派なことだったのか。どうにも理解できないので、教えてほしい。

 ▼とくに問題とされているのが、その判決部分や元慰安婦の証言が削られ、批判的な識者コメントが増やされたことだそうだ。己の信じるところに従い報道するのは、ジャーナリストの良心である。しかし、それが公正か、偏向していないかの判断は別問題だ。
 もう産経だからしょうがないかとあきらめの境地だが…

■もし逆の状況だったらどうするかを考えて欲しい。つまり、「自虐史観」を批判する内容を作った、それに政治家が圧力を加えて改変をさせたとしたら、どういう対応にでたか。ま、これは右派・左派、関係なく言えることだが。

■ちなみに、同日の毎日新聞では次のように指摘し、締めくくっている…
 安倍氏は今回の問題をいち早く報じた朝日新聞を「偏向した記事だ。背景にある体制の薄汚い意図を感じる」などと激しく批判している。「戦犯法廷」の主催団体代表の1人が元朝日新聞記者だった点も念頭にあるのかもしれないが、慰安婦問題をどう考えるかという歴史認識の議論は別次元の話だ。問われているのはNHKと政治との関係である。
 「朝日=偏向」と決めつけるだけで、ネットの世界では喝采を浴びることができるだろうけどね。しかし、「問われているのはNHKと政治との関係である」。

■で、毎日社説…

■毎日新聞/社説「NHK特番問題 政治に弱い体質が問題だ」
 だが、そもそも事前に、しかも密室で番組内容を政治家に「ご説明」すること自体が報道機関として異常なのである。そして、どんな言い回しであろうと、こうした状況下での政治家の発言は、「介入」「圧力」に等しいと受け止めるのが世間の常識ではないか。

 表現の自由を保障した憲法21条は検閲を禁じている。放送法も、放送番組に政治的公平や事実を曲げないよう求める一方で、「何人からも干渉されない」と規定している。安倍氏もそれを知らないわけではなかろう。番組に問題があると言うなら、放送後、オープンな場で批判する機会はいくらでもあるはずだし、最終的には番組を評価するのは視聴者である。

 NHKの予算や決算は国会承認を必要とする。承認時期ともなれば、政治部記者も含め関係者が国会議員に「スムーズな審議を」などと頭を下げることもあるという。政治に弱い体質はかねて指摘されてきたことだ。

 NHKは政府広報機関でなく報道機関だというなら、もっと詳細に事実解明を進め、自ら公表すべきだ。「圧力を受けて変更された事実はない」と見解を発表するだけでは説得力がない。加えて、ともすれば、日ごろの報道でも視聴者より「政治家のため」が優先していないか、組織をあげて検証すべきだろう。
 イデオロギーにとりつかれて、こういう視点を見失っちゃぁ報道機関としては終わってますよね。ま、読売の場合は「政府広報機関」だから、仕方ないか。NHK同様に、権力に取り込まれて、感覚が麻痺してしまっているのだろう。

■番組改変で内部告発窓口の弁護士、NHKの代理人(読売新聞)
 NHKの長井暁チーフ・プロデューサーが「外部の圧力で戦争報道番組を改変された」と公表した問題に絡み、長井氏が内部告発した際に窓口となった東京都内の弁護士事務所の所属弁護士が、番組改変を巡りNHKが訴えられた訴訟でNHKの代理人を務めていることが14日、分かった。

 原告の市民団体側は「裁判でNHKの利益を代弁する弁護士の事務所が告発の窓口も兼ねていたのでは、内部調査の公正さが保たれない」と指摘している。
 ははは…なんだそれ。なにかの悪い冗談だろ。

■NHKの長井暁チーフ・プロデューサー…いろいろな葛藤があったのだろうけども、あぁいう場面の涙はいただけない。情に左右される人と思われて、付け入る隙を与えるだけだ。まぁ、介入したとする証拠が出せそうもなく、負い込まれている感じだが。

■あと、「会長は政治の介入を恒常化させてしまった」とか余計なことを喋らされている感が否めないな。これではポスト・エビジョンイル体制をめぐるゴタゴタというようなイメージを与えかねない。

■このままいくと、証拠不十分っぽいな。ま、私自身は限りなく黒に近いグレーだと思っているが。だって、急遽、44分の番組を40分に削除したまま放送なんてこと、考えられないでしょ。外部からの力が作用したと考えるのが自然だ。

■また、この問題に力を入れている『しんぶん赤旗』によれば…
 しかし、この問題を最初に報じた「朝日」(十二日付)によると、番組放送前日の〇一年一月二十九日、安倍、中川両氏はNHK幹部にたいし、「一方的な放送はするな」「公平で客観的な報道にするように」「それができないならやめてしまえ」などと発言。「やめてしまえ」発言について中川氏は「朝日」の取材に「まあそういう(放送中止の)意味だ」と答えています。

 さらに「朝日」報道を受け、中川氏はこの事実を十二日に否定せず、「公正中立の立場で放送すべきであることを指摘したもの」と関与を認め、安倍氏も同様の見解を述べています。

 圧力をかけた当事者である中川氏が、「放送をやめてしまえ」といったことを認め、否定していないのです。それが、NHK見解によれば、放送三日後の話だというのですから、奇怪な話です。

 奇怪といえば、その中川氏がNHKと口裏を合わせるかのように十三日夜、会ったのは「二月二日」といいだしたことです。しかし、放送を「やめてしまえ」と述べたことは否定していません。中川氏は番組が放送された後、放送中止を求めたことになるのです。
 やはり情報の「整理」が行われたと見るのが自然でしょうに。


北朝鮮,W杯予選:国歌斉唱と国旗掲揚の中止要請

■北朝鮮、W杯予選での国歌斉唱中止を要請 日本側は拒否(朝日新聞)
 サッカーのワールドカップ(W杯)アジア最終予選開幕戦となる2月9日の北朝鮮戦(埼玉スタジアム)で、北朝鮮側が両国の国歌斉唱と国旗掲揚をやめるよう日本協会に要望し、日本協会が拒否したことが14日わかった。北朝鮮は6月の平壌での試合で日の丸の掲揚と君が代斉唱を避けたいとの狙いから、日本側に打診したとみられる。

 日本協会はアジア連盟に相談し、「国際試合のセレモニーの規定通りに実施すべきだ」との回答を得て、実施する意向を北朝鮮側に伝えた。
 少数意見かもしれないが、別にこの提案はのってもよかったんじゃないかと思う。

■政治的にならないための政治的配慮ってやつで、国歌斉唱のときに北朝鮮側がブーイングした場合、日本のナショナリズムを不必要に煽るだけだし、ないと信じたいが、万が一、北朝鮮の国歌斉唱の際にブーイングがあったとしたら…。

■もちろん、歴史的なことを考慮した場合、日の丸・君が代に対する反発というのは当然あるわけで。まして、あの国の教育を考えると…日本による血塗られた歴史を思い起こすのは、年配者だけではないでしょ。


愛ちゃん「サー」

■愛ちゃん「サー」質問にウンザリ 卓球全日本選手権第3日(スポーツ報知)
 サーも出て気持ちも乗ってきたのかと思いきや、試合後の記者会見、笑顔の愛ちゃんが真顔になった。「かけ声も出ましたが、調子が上向いてきてるんですか」の質問に「言っていいですか」と前置きした後に「かけ声は私だけじゃないんです。大会を見てもらえれば分かりますが、アヒルみたいな声の人もいるし、ニワトリみたいな声を出している人もいるじゃないですか。私だけにこだわらないでください」と訴えた。

 愛ちゃんの「サー」は五輪のテレビ中継で注目を浴びた。その後はテレビに出るたびに「あのサーの意味は?」「いつから言ってるの」と質問攻めにあった。関係者も「かなり、いやがっている」と話す。

 それでも「前日まで(サーが)出なかったのは組んでる坂本さん(混合)がクールでおとなしい人だったし、試合も競ってなかったから。小西さん(女子ダブルス)は声も出すから、私も自然に出たんだと思います」と冷静に分析した。福原は今大会からジュニア部門の出場せず、一般部門のみの出場。いやなことはきっぱり言う。05年の愛ちゃんは言動も大人だ。
 そりゃ何回でも聞かれてるからね。よくここまで耐えてきたよね。アテネ五輪の時から、「愛ちゃんも大変だよな。」って感じで、いつかぶち切れるんじゃないかとハラハラしてたけど。

■「かけ声は私だけじゃないんです」「私だけにこだわらないでください」と福原愛は言うけども、いくら「アヒルみたいな声」や「ニワトリみたいな声」の人がいても、そんなのに食い付くわけないんだよね。

■だって、卓球なんてどうでもよくって、「愛ちゃん」にしか興味がないわけだから。つまり、卓球選手の奇妙な掛け声よりも、「愛ちゃん」の掛け声にしか問題が生じない。

■うんざりしているようだったら、「卓球選手は私だけじゃない」と言ってみたらどうだろう。つまり、私ばっか取材するなってこと。


2005年1月13日木曜日

安倍晋三&中川昭一:NHK慰安婦特番に圧力

��NHK特番>民衆法廷の主催者が抗議声明 NHKを批判(毎日新聞)
 旧日本軍の慰安婦問題を裁く民衆法廷を扱った特集番組をNHKが01年1月に放送する直前に、当時、官房副長官だった安倍晋三・自民党幹事長代理が「公正中立な立場で放送すべきだ」などとNHK幹部に指摘していた問題で、中川昭一・経済産業相もほぼ同内容の指摘をNHK幹部にしていたことが分かった。
 民衆法廷を主催した市民団体「VAWW―NETジャパン」の西野瑠美子共同代表らは12日、NHKや安倍氏らにあてた抗議声明を発表後に会見し、「NHKは裁判で政治介入はないと主張し、偽証を続けていた。怒りとともに報道機関としてのNHKに大きな危機感を覚える」と話した。また、東京高裁から17日に予定されていた控訴審の結審の延期も検討しているとの連絡を受けたことを明らかにした。
 4年前の出来事か…何でいまさらになって出てきたんだと思ったりするが。内部告発したのは当時、番組制作にあたった現場責任者らしい。

■政治家の「指摘」ってのは、圧力という意味なんですけどね。政治家がメディアの口をふせごうとするのは今に始まったことではないが、これに屈するメディアというのが、なんとも情けない。「予算」によって縛られているから、というだけでもなさそうで、制度の問題だけではなさそうな感じだが。

■読売や産経が取り扱ってなくて、がっかりするが、社説…

■東京新聞/社説「放送番組介入 憲法のイロハを無視」
 放送法三条の二は放送に政治的公平、論点の多角化を求める。半面、同三条には「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、または規律されることがない」とある。

 肝心の三条を無視して公正原則だけを強調する二人こそ不公正のそしりを免れない。第二一条で「一切の表現の自由」を保障し、検閲を絶対的に禁止した憲法のイロハも理解していないのではないか。

 中川経産相は一九九九年、所沢産野菜のダイオキシン汚染報道をめぐり、放送には何の権限もない農相だったのにテレビ朝日に農民への賠償を執拗に迫った。「権限と行政は法に基づく」との観念が欠如していると見られても仕方あるまい。

 まず相手の表現を受け止めてから批判や反論をするのが民主主義の原則だ。相手の表現をあらかじめ自分の意に合わせるよう強要することは許されない。

 表現、報道の自由が封じられ、悲劇的結末を防げなかった苦い経験を繰り返さないよう、表現の自由は最大限尊重されなければならず、メディアは自由を守り抜く責任がある。

 予算、決算が国会の審議対象であるNHKは、ともすれば政治家に迎合する傾向があるように見える。同じような例がほかにもあるのではないかとの疑いも浮かぶ。これを機に、外部メンバーによりNHKと政治の関係を洗い直し公表すべきだ。
 おもに政治家の側を批判。

■朝日新聞/社説「NHK―政治家への抵抗力を持て」
 政治家がテレビや新聞の報道に影響力を及ぼそうとするのは、他の国々でもあることだ。英国のブレア首相はイラク戦争の報道をめぐってBBCと激しくぶつかった。米国のホワイトハウス高官や有力政治家がテレビ局に電話で圧力をかけたことも珍しいことではない。しかし、報道機関は抵抗している。
 NHKと同じ公共放送であるBBCは80年の歴史のなかで、何度も政府と対立してきた。そのたびに独立性を保つ戦いを政府に挑み、国民の信頼を得てきた。

 番組や記事が視聴者や読者、つまり国民のためになるか、中立公正であるか、それを判断するのはあくまで報道機関自身でなければならない。
 NHKは「自主的な判断で編集した」と繰り返している。だが、2人の政治家は発言を認めている。NHKは事実関係を徹底的に検証しなくてはならない。それが再生にもつながる。
 政治家の圧力をはねのける知恵もいる。産業再生機構は、政治家の要請をすべて最高決定機関に報告する仕組みを作り、そのことを政治家にも伝えている。
 NHKの最高決定機関は経営委員会だ。そのトップも代わり、改革を急いでいる。まずは今回の出来事をきちんと解明して二度と起きないようにする。視聴者代表としての委員会の責任は重い。
 こちらはNHK側にアクセントを置いている。ま、2人の政治家は責められて当然だが、どうやってNHKの与党服従の体制を改善させるかの方が重要だと思うな。


中国公安当局:韓国議員会見を阻止

��中国ぷっつん>韓国野党訪中団の脱北者支援会見を阻止(毎日新聞)
 北朝鮮からの脱北者調査で訪中した韓国の野党・ハンナラ党国会議員団が12日、北京市内のホテルで西側メディアを対象に記者会見を開いたところ、中国当局が電灯を消すなどして阻止した。議員側は激しく抗議し、退出を拒否したまま深夜まで10時間以上、中国当局者とにらみあった。中国政府は国内での脱北者支援を違法とみなして神経をとがらせているが、外国の国会議員にまで強制措置をとるのは異例だ。
 午後2時(日本時間午後3時)に会見が始まると、会場の電灯が一斉に消され、議員らがそれでも話し続けたところ、中国当局者十数人が会場内に入ってきて「早く出ていきなさい」などと声を荒らげた。
 議員側は「会見は合法で中止する必要はない」と訴えたが、中国側は「申請書を出していない」と指摘、会場からの退去を命じた。その後、当局者が質問に立った記者数人を抱えて連れ出したり、双方が小競り合いになる場面もあった。
 議員団は金文洙議員ら4人。中国での脱北者支援に絡み拘束された韓国人活動家らとの面会を予定していた。韓国外交通商省スポークスマンは同日「遺憾である。詳しい経緯を把握して必要な措置をとる」と述べ、外交問題にする可能性のあることを示唆した。
 そりゃぁ中国側としては、触れて欲しくない問題だろうけども、何も強制阻止ってのはねぇ。逆に注目を集めて、裏目にでてるだけじゃないか。


2005年1月12日水曜日

社民党リストラ

社民党「労働者の党」で雇用内紛“勃発” 来週、党本部職員9人を解雇(産経新聞)
 社民党は十一日、三十三人の党本部職員のうち来週中に九人を解雇する方針を決めた。同党は一昨年の衆院選、昨年の参院選で惨敗。議席数を大幅に減らし、政党交付金が激減したため、リストラを迫られていた。九人は、地位保全の仮処分を東京地裁に起こす構えをみせており、「労働者の党」で雇用をめぐる内紛が勃発しそうだ。
 関係者によると、同党は又市征治幹事長をトップにした「リストラ委員会」で、(1)五十五歳以上(2)兼業者(3)職務怠慢者−のいずれかに該当する職員を指名解雇の対象として九人を絞り込み、昨年末までに通告した。しかし、九人は「一方的な解雇に激しく抵抗している」(党幹部)とされ、執行部はそのうち二人は解雇時期をしばらく延期することも検討しているというが、党内には「九人のほとんどが、旧社会党時代から同じグループで活動をともにしていた職員。党内の“派閥抗争”の犠牲者になった」(党関係者)との声も漏れている。
 九人は「不当解雇」として法廷闘争の準備を進めているとされ、同党は看板に据えていた「雇用問題」で窮地に立たされている。
 トホホだな。皮肉たっぷりに「労働者の党」と産経に言われる。

■1年ぐらい前に取り扱ったけど、結局、「ワークシェアリング」(秘書給与を流用することじゃないよ)はなかったわけね。

■で、「派閥抗争」だって?あぁ、社民党…だいじょぶかなぁ。民主党の「二大政党制」という戦略で、すっかり存在感をなくしてしまったからな。いや、そろそろ憲法の季節か。でも、党勢回復はちょっと絶望的。


モー娘になれる

■モー娘。追加メンバーオーディション「該当者なし」(サンケイスポーツ)
 「ラッキー7オーディション」と銘打ち、昨年10月から3カ月にわたってモーニング娘。の追加メンバー(7期)オーディションを開催してきたが、このほど行われた最終審査で「該当者なし」となった。プロデューサー、つんく♂(37)は「エースを探していたため、いつもより厳しく審査しました。鍛えられている今のモー娘。には、ちょっとまだ縁がなかったという感じです」とコメント。今月30日に飯田圭織(23)が、5月には石川梨華(19)が卒業するため、10人になる。
 あの手この手と考えるもんだな。「該当者なし」にすれば、「モー娘はそんなに甘くないよ」ってメッセージにもなる。応募者を出汁にして、「モー娘」を誇示しただけ。それとも、凋落しきった「モー娘」だけに、単純に応募者の質が下がってるだけなのか。才能がある奴にとっては、泥舟に沈むのごめんってわけで。

■同日、こんなニュース…

■「モー娘。の事務所に入れる」と中学生から15万詐取(読売新聞)
 「『モーニング娘。』の所属事務所に登録すれば友達になれ、メンバーにもなれる」とだまし、女子中学生に金を振り込ませたとして、和歌山西署は11日、大阪府豊中市桜の町、風俗店従業員長谷川あゆみ容疑者(25)を詐欺容疑で逮捕した。
 で、Yahooのニュースでの見出しが「『モー娘になれる』少女だます」だよ。先のオーディションも同じ見出しでもよかったと思うよ。「モー娘になれる」と時間泥棒。


2005年:若手芸人

■カンニング竹山はピンで生き延びる? (日刊ゲンダイ2005年1月8日)
デスク でも、復帰まで半年も1年も休んでたら、その頃はカンニングなんて誰も覚えてないぞ。それどころか、今のお笑いブームが続いているかも怪しい。

記 者 そうですね。年末年始のテレビ番組はお笑いタレントのオンパレード。気になるのは、来年の今頃は一体どれだけ残っているかどうかです。

デスク 1年前に紅白にも出場した“なんでだろう〜”のテツ&トモや、“ゲッツ!”のダンディ坂野なんか、すでに「あの人は今」の“有資格者”だからな。

記 者 お笑いの中でも一発芸の“ギター侍”波田陽区は今年はかなり厳しいかもしれません。ネタも「〜斬り」「残念!」のワンパターンで、視聴者にも飽きられてますからね、残念!

デスク あのなぁ……。カンニングは“キレ芸”の竹山ひとりなら今後も生き残る可能性はあるな。司会者としてもOKだし、観客に容赦なく突っ込みを入れる“嫌われ役”としてならやっていけるんじゃないか。“第2の江頭2:50”だよ。

記 者 友近も残るでしょう。頭の回転が抜群に速く、アドリブでの切り返しもうまい。バラエティー番組で一番重宝されるタレントです。逆に心配なのが、昨年は週刊誌のグラビアで水着まで披露した青木さやか。

デスク フリートークで言葉に詰まると、いまだに「どこ見てんのよ!」の一点張りだからな。見ている方がハラハラする。今年は芸の引き出しを増やさないとツラい一年になると思う。

記 者 今年の年末が楽しみになってきましたね。

デスク でも、カンニングのように苦節12年でようやく日の目を見た矢先に入院なんてこともあるわけだから、芸人の一生なんてセミみたいなもんだな。旬は短い。
 セミかよ。ま、「若手お笑いブーム」なるもので消耗させられて、大半があわれな末路なんだろうけども。

■別のところでも書いたが、病気になっている中島忠幸には申し訳ないが、「カンニング竹山」としてやっていけば、私もカンニングはそれなりに生き延びると思っている。中島は「ツッコミ」というよりも「なだめる」だが、誰がやってもその役割は果たせるわけで。

■やっぱ、波田陽区は厳しいだろ…ってのが主流だ。「ギター侍」のインパクトが強すぎるがゆえに、ってやつだな。製作サイドはどうしても「ギター侍」を求めてしまうだろうし、それが視聴者を飽きせせる。ってか、大半の人はもう飽きている。ただ、テツ&トモやダンディ坂野のように、きれいな消え方をするかは微妙。

■斬っていい人といけない人を明確に区別していたのが、個人的には引くなぁ。その人のポジションによって、ネタの質を変えてた。からみそうにない人&弱い立場の人には容赦なかったが、そうでない人には笑って許してもらえそうなネタを選んでた。

■ピン芸人、生存確率を勝手に考えてみる…
・友近○
・青木さやか◎
・だいたひかる×
・陣内智則○
・長井秀和△

■「M−1優勝者」ってのは毎年誕生するわけだが、アンタッチャブルはあのキャラで、お茶の間に定着しそうだな。一方、それに押し出されて、ますだおかだ&フットボールアワー…伸び悩み。中川家…不祥事以降、再浮上の兆しなし。


北朝鮮:長髪男性はバカ

「北朝鮮男性、頭髪は5センチまで」モスクワ放送伝える(朝日新聞)
 ラヂオプレス(RP)によると、モスクワ放送は9日、北朝鮮では男性の頭髪は5センチまでしか伸ばすことが許されないとし、「国の男性全員が『散髪前線』に送られている」と比喩的に伝えた。

 同放送によると、高齢者は例外として7センチまで伸ばすことが許されているという。同放送は、北朝鮮当局の見解として「長髪は脳から酸素を奪い、人間はばかになる」と報じている。

 北朝鮮のメディアは昨年9月下旬から服装や靴、髪形を端正にすることを呼びかけている。昨年11月末の朝鮮中央テレビには、長髪の個人の映像や名前を公表して非難する番組まで登場した。

 一連のキャンペーンは資本主義の文化や流行が入り込んでくることを防ごうとするためのものと見られている。
 北朝鮮好きのテレ朝か日テレだったと思うが、ちょっと前にやってたな。「だからロン毛の若者にバカが多いのか」という声が聞こえたが、じゃぁ、女はバカばっかってことでいいんだな。

■というか、これを信じる奴がいるとすれば、そっちの方が脳の酸素欠如だ…とか言おうとしたが、情報がない北朝鮮ではそれを疑いようもないか。というより、周囲から「ばか」と思われる圧力の方が強いのかな。


2005年1月11日火曜日

南野法相:ハンセン病「らい」連発

■南野知恵子(のおのちえこ)が、またやらかしたそうです。「のおの」ではなく「無能の」…ってなダジャレをまた言われなきゃいいけどね。

■南野法相、ハンセン病の差別的表現繰り返す(読売新聞)
 南野法相は10日、島根県平田市であった島根県議(自民)の新春の集いで、ハンセン病に言及し、「法務省でも『らい』の問題について啓発が必要なので予算をお願いしました」などと、旧病名の「らい」との差別的表現を3回繰り返した。

 元患者の団体は「人権問題を扱う法相として認識不足だ」と批判している。

 南野法相は「看護職にあった長い期間、ずっと使われてきた名称だったので使ってしまったが、差別や偏見の意識は全くない。今後はハンセン病という名称に統一したい」と釈明している。

 伝染性が強いとの誤った考えからハンセン病患者を隔離してきた旧らい予防法は1996年廃止され、「らい」という表現も法律上、消滅している。
 なかなか斬新なボケしはりますね。「“啓発”が必要なのは大臣じゃないっすか!」とツッコミ希望?

■以前の迷答弁といい、この人に大臣の資質なんてないことはわかっていたけども、ちょっと茫然とさせられますね。

■ってか、「らい」をついつい使ってしまったのか、それとも、差別表現であることとの認識すらなかったのか。勉強不足な彼女のこと…後者である可能性も捨てきれないのだ。

■ちなみに、今日、ハンセン病療養所「多磨全生園」(東京都東村山市)を視察するらしい。法相が全国十五カ所ある療養所を視察するのは初めてのこと。で、このバカ法相は「(元患者らを)少しでも慰めたい。来年度予算案でハンセン病問題の緊急啓発活動費が認められた。」と記者会見で述べていたらしい。

■「慰めたい」そうですよ。前フリもしっかりしてからボケはるってのは…やはり、かなりの業師ですな。

【追記】いや、むしろこれは「啓発」キャンペーンかも。「緊急啓発活動費」っても、その効果はあやしいもんで、大臣自ら身を削って「啓発」キャンペーンをしているのかもしれない。なるほど、反面教師は最大の教材である。


成人の日

■今年も「荒れる成人式」をオトナたちが血眼になって探すんでしょうね。「成人の日」というのは、オトナたちが道徳的優位にたてる日であり、オトナたちが「大人」でいられる日だ。


■どういうこと書いてんだろ…と社説をながめる。昨年、「ニート」という言葉が注目を集めただけに、それとの関連で書かれているもんが多い。

■産経新聞/社説「成人の日 日本の未来を担う気概を」
 中流意識が強かった日本の大人社会でも、貧富や将来性の格差が広がり、二極化が進んでいる。バブル崩壊後の厳しい成果主義の導入などが原因とされる。しかし、安易に「勝ち組」「負け組」に分けてしまう最近の風潮は問題である。若者は常に上昇志向の意識を失ってはならない。

 戦後日本が若い労働力を必要とした昭和三十年代、集団就職列車に乗って東京・上野駅に着いた中学卒業生たちは「金の卵」といわれた。将来への希望を持ち、定時制高校などに通いながら懸命に働いた。こうした先輩たちが日本の高度経済成長を支えた。

 今、日本は経済に加え、政治や外交でも自立することを目指し、戦後体制から脱皮する重要な変革期を迎えている。きょう十日は成人の日。日本の未来を担う若者たちは、大きな夢と志をもって社会に巣立ってほしい。
 なんか…産経っぽいというか。まるで、お国の活力のために働かんかい、って言ってるみたいだ。

■読売新聞/社説[成人の日]「『働く』ことの意味を考えたい」
 だが、そこで立ち止まって考えてみてほしい。これからの人生設計の土台となる、「働く」ことの意味である。

 新成人が生まれたのは、経済がバブル景気に向かうころだ。完全失業率は今の約半分の2・7%だった。買い手の企業側が採用活動に熱心で、就職協定の解禁日には、ほとんどの学生が就職活動を終えているほどだった。バブル崩壊の後には長い不況が待ち受けていた。リストラの嵐が吹き荒れた。「超」の付く就職氷河期は、まだ続くかもしれない。

 気がかりなのは、働こうとしない若者が増えていることだ。
 厚生労働省の二〇〇三年の調査では、ニートは、前年から四万人増え、五十二万人もいる。フリーターも八万人増えて二百十七万人だ。企業が採用を抑え、人材育成を怠ってきた影響は大きい。だが、若者の側も就労意欲をなくし、働くことに価値を見いだせなくなっている。このまま若年雇用が衰退すれば、日本経済も危うい。

 大学でも高校でも「キャリア教育」が盛んになってきた。学校段階から、若者に正しい「キャリアデザイン」を描かせる必要性が強まってきたからだ。今では大学の半数が、学生に企業で就業体験をさせ、単位認定もするインターンシップ制度を導入している。

 「『働く』というのは、上から言われたり、お客から要求されたりするのを待つだけではなく、自分で考え、工夫や改善をしていくものだ、と学んだ」昨夏、東京の企業でインターンシップ研修をした私大生のリポートだ。「アルバイトとは違う、社会人になるという意識を高められた」ともつづっている。
 短期間でもいい。こんな制度を利用して、働く現場に身を置いてみてほしい。大人社会の空気を肌で感じれば、きっと人生設計の参考になるはずだ。
 大学って、いつから社会人養成所になったんだ? こういうときは「学力低下」を心配しないんだね。

■日経新聞「若者を社会に生かす道探れ」
 新たに大人の仲間入りをする若者たちへの期待は大きいが、少子高齢化がすすんで人口減少社会に向かう日本の心配の種が「ニート」に象徴される社会参加意欲の乏しい若い世代が急増している現象である。

 就学・就職意欲のない無業者を意味する15歳から34歳の「ニート」層は一昨年で52万人にのぼる。全体の2%、10年前の1.6倍に達するという推計もある。

 正規の就業をしないでアルバイトを繰り返す「フリーター」は1980年代の後半に登場したが、これも現在417万人に上るという。若者が将来への夢を描けない社会は生き方やモラルをゆがめるばかりでなく、税収や社会保障制度など国の活力を脅かす危うい社会でもある。

 この間、若者を取り巻く教育と就業の構造が大きく変わった。正規の労働力需要が減る一方で、学校の職業教育がなし崩し的に空洞化した。家庭の所得格差が拡大して、若者の学力や社会参加意欲の格差につながったという背景も考えられる。

 「ニート」で突出しているのは学校を卒業して間もない19歳と23歳の層だという。進学や就職など進路選択のプロセスで希望する就業先などがみつからず、そのまま社会への参加意欲を低下させてしまうケースが少なくないとみられる。

 夢を温めた若者が社会参加へ挑戦して挫折した場合、日本は再挑戦の仕組みが少ない社会といわれる。就業機会の拡大や職業教育の再構築とあわせて失敗を乗り越えてやり直しができる仕組みが不可欠だろう。

 成人は若者が社会の一員となって自己実現を目指しながら「大人」へ歩み出す第一歩である。そのためには、若者本人の意欲とともに希望を育てる社会の責任が問われる。
 ま、「働く」ことの意味を考えなきゃならないのは、若者だけじゃないでしょってこと。

■日本社会が「フリーター」(もっと言えば多様な就業モデルだが)や「ニート」に対応できてるわけでもないのに、なぜ若者ばかりを責める? …と、偉そうに訓示している人らには言いたくなるけどね。

■朝日新聞/社説「変身・半世紀――静かに燃やせ20歳の灯」
 「20歳やそこらで、夢や目標を決然と語れるのは、ほとんど絶滅種です」と語るのは、若者の動向に詳しい久木元真吾・家計経済研究所研究員。フリーター400万人という就職難の時代だ。いきおい一生の仕事を選び取る時期も遅くなった。「今では、自己決定の年齢は20代後半にずれ込んでいる」と言う。

 食べるために働く。世のため人のために尽くす。そんな「青年の主張」世代の職業観はもう通用しない。「自分らしい仕事をしたい」「何をやりたいのか考えたい」と若者らは迷い続ける。

 ことし、150万人が成人の仲間入りをする。生まれたのは84、85年。ものごころがついた頃にバブル経済が破裂し、その後は何もかも下がり続ける歳月を送ってきた。高度成長のもとで、上昇一辺倒だった親世代とは職業観にしても人生観にしても大きく異なる。

 純粋で、従順で、とても繊細。今の若者は、夢や情熱を声高に語りはしない。けれども、胸の奥には大切な灯を一つや二つはともしている。

 今日あたり、その灯を取り出して、家族や親友にちらりと見せてはどうだろう。温かい言葉が返ってくるはずだ。
 しょっぱいこと書きますね。


2005年1月8日土曜日

「負け犬」効果?

■新成人の早婚願望高まる 「負け犬」が反面教師?(共同通信)
 「負け犬」にはなりたくない? 若いうちに結婚して出産を望む女性の増えていることが、結婚情報会社「オーエムエムジー」(大阪市)が新成人に対して実施した恋愛・結婚の意識調査で分かった。
 30代で独身、子どものいない女性を指す「負け犬」という言葉の良くないイメージが独り歩きし、子どもの数が少なくなる理由に女性の非婚・晩婚化がやり玉に挙げられがち。オーエムエムジーは「自分たちの上の世代を反面教師にして、早婚と出産願望が強まったのでは」と話している。
 「早く結婚したい」と答えた女性の割合は、比較できる調査結果がある2003年の新成人で11・0%だった。それが今回では23・9%に増えた。一方、早く結婚したい男性は13・0%から15・5%と微増だった。
 結婚情報会社の意識調査ってわけで、どの程度信じてよいのかわからんけど、ま、リアリティはあるよな。

流行語大賞でも取り上げたが、「負け犬」という言葉…ますます一人歩きを続けている。だって、いちいち酒井順子の本を読むのもバカバカしいし。

■女性にはライフスタイルを選択する自由があるはずなのに、この言葉がそれを許さない状況を作っているわけだ。だから、この筆者は罪深いのだ。どのような意図がそこに込められているかは関係ない。「負け犬」というネガティブな存在になりたくないのだ。

■そう、人は「負ける」ことを極力嫌う。「未婚、子ナシ、三十代以上の女性」という条件に当てはまれば、勝手に「負け犬」というレッテルを貼られ、後ろ指をさされることになる。

■政治において「アンダードッグ(負け犬)効果」と言えば、劣勢にある候補者・政党に対して同情が集まったりするもんだが、この「負け犬」効果はそうではない。「負け犬」は「不幸で惨めな女」と見下される運命だ。

■となると、結婚願望というよりも、結婚しなければならないという強迫観念が支配する世界。「行き遅れ」という言葉の時代に逆戻り。これは女性の自由を奪うという意味ではマイナスでしかない現象だが、少子化によるお国の衰退を嘆いている方々にとってはさぞお喜びだろう。

■「子どもを一人もつくらない女性が、自由を謳歌し、楽しんで、年とって、税金で面倒をみなさいというのは本当はおかしい」(森喜朗)とか「文明がもたらした最も有害なものは『ババァ』なんだそうだ。『女性が生殖能力を失っても生きているっていうのは無駄で罪です』って。」(石原慎太郎)とか言いがちな保守オヤジらは、「その手があったか!」とひざを打っているに違いない。

■今後、この種の洗脳キャンペーンが繰り広げられるだろう。その一番の担い手となるのは、テレビメディアだ。現段階でも、「負け犬」キャラの芸能人たちが旗振り役になって、これを推進している。彼女たちは被害者面しているが、真の被害者は、その差別の煽りを受ける世間の「未婚、子ナシ、三十代以上の女性」である。女性の地位を貶めるこの構図に対し、人々はもっと怒ってもよいでは?(でも、そういう自虐ネタをしてる奴は、同性の支持があったりするんだよなぁ…典型例が久本雅美だが)


ヒーローゲームで暴力的に?

■ヒーローものゲーム、子供の攻撃性増加の可能性 (読売新聞)
 坂元教授らは2001年11月から12月にかけて、神奈川県や新潟県などの小学5年生を対象に、よく遊ぶテレビゲームと攻撃性に関するアンケートを実施、1年後に同じ児童に追跡調査を行い、周囲の人への敵対心を表す「敵意」など、攻撃性に関する5つの指標について、その変化を調べた。

 6校の児童592人についての調査結果を分析すると、知的だったり、見た目がかっこよかったり、魅力的な特徴を持つ主人公が登場し、攻撃するゲームでよく遊んでいた児童は、1年後に「敵意」が上昇していた。

 「ひどいことをした悪者に報復する」という、暴力を正当化するゲームでよく遊んでいた児童も同様に「敵意」が高くなっていた。  これに対して、攻撃回数が多い、たくさんの人を攻撃するなど、暴力描写の程度が高いゲームで遊んでいる児童の場合は、研究チームの予想とは反対に、むしろ攻撃性が低下していた。

 この結果を坂元教授は「かっこいい正義の味方だと、プレーヤーが自己同一視しやすいため」と分析している。
 もちろん、因果関係がはっきりしていないしないけども、なかなか興味深い調査だな。

■話はややそれるが…「正義」による暴力の正当化ってのは、そこらじゅうにあふれてるけどな。ここに来るような人はアメリカを思い浮かべるのかもしれないけど。

■たとえば、アンパンマン。バイキンマンの再犯率を考えたら、矯正教育が必要なことは明らかなのに、アンパンマンときたらバイキンマンを見つけては、いつも「アーンパンチ!」とか暴力をふるって、ぶっ飛ばす。

■前にも書いた暴れん坊将軍。水戸黄門でもそうだが、個人的感情でもって、成敗や懲らしめたりする。部下に取り締まらせればよいにもかかわらず。

■あるいは昔話の『桃太郎』。「鬼を退治する」という大義でもって、子分の犬・猿・キジを引き連れて、鬼が島に出兵。鬼に暴行をしたうえに、鬼の財産を強奪し、ちゃっかり自分のものにしつつ「めだたしめでたし」と正当化。

■さて、これらの物語の暴力への影響も…って調べるのは無理ですよね。


相撲:女人禁制アンケート

■太田知事、2場所連続“勝ち越し” 表彰式土俵入り ファン51%が「賛成」(産経新聞)
 日本相撲協会は大相撲九州場所(昨年十一月)の観客を対象に行ったアンケート結果を七日、発表した。大阪府の太田房江知事が春場所(三月・大阪)の優勝力士に土俵上で知事賞を手渡すことを同協会から断られている点について、女性が土俵に上がることの是非を問う設問で、「表彰式だけならかまわない」と考える人が51・6%と反対を上回った。

 この設問は前回アンケートの名古屋場所でも賛成が反対を上回り、二場所連続“太田支持”が増えた形になった。

 アンケートは生沼芳弘東海大教授らが同協会の委託を受けて実施。九州場所の客三百人が対象で回収率は55%だった。女性が土俵に上がることについて「表彰式だけならかまわない」と答えた人が有効回答の百五十三人中七十九人。「そう思わない」は七十四人で賛成が過半数を上回った。「女人禁制は守るべき」とする設問は、賛成が九十六人(61・5%)で反対を上回った。
 こんなしょーもないことをいつまでやってんだよ。相撲協会は他にやることがないのかねぇ。

■世の中には、守るべき「伝統」とそうじゃないものがあって、これがどっちかは明白でしょ。女性を土俵に上げないという「伝統」って、結局、わけのわからないフィクションに振り回されてるだけじゃん。守る必要性をまったく感じない。そんなもんさっさと捨てちまえ。


2005年1月7日金曜日

山崎拓×平田正源&山田かな子

■山拓に覚めぬ悪夢、元愛人・山田さん対立候補にエール(夕刊フジ)
 愛人変態スキャンダルで落選中の山崎拓首相補佐官(68)が今年4月の衆院福岡2区補選への出馬を正式表明したことを受け、元愛人の山田かな子さんが新たな逆襲に打って出た。山拓氏と事実上の一騎撃ちとなる民主党新人の平田正源氏(37)に熱烈エールを送ったのだ。平田氏にはありがた迷惑の気もするが…。

 「平田さんは優秀な弁護士さんと聞いております。応援要請があるならば、お受けさせていただきます」。山田さんは一部スポーツ紙にこうメッセージを寄せた。
��略)
 山拓氏は5日、地元・福岡市で開いた新春のつどいで、国政復帰の最後の機会となる補選に向け、号泣しながら支持を訴えたが、山田さんは昨年12月に山拓氏を相手取って名誉棄損の損害賠償訴訟を起こすなど、いまだに憎しみは溶けていないようだ。

 山田さんから勝手に熱烈エールを送られた平田氏は19歳の時に交通事故で脊髄を損傷、車いす生活を余儀なくされるが、米国に留学して弁護士資格を取得。小沢一郎副代表(62)が主宰する「小沢一郎政治塾」の4期生で、昨年末の出馬表明後、福岡市内で毎朝、駅前での街頭演説を行っている。
 この山田かな子って女性は…いい根性してるよな。ことあるごとに山拓にからんでくる。一時は「有権者の方々に(山拓の)実像を知ってほしい」と立候補まで考えたとか。山拓ネタが尽きた時に、野村克也監督と愛人関係にあったことも暴露している。

■平田正源ねぇ…車椅子ってとこに民主党のあざとさを感じないわけでもないが、もっと気になるのは「小沢一郎政治塾」ってとこ。小沢派が拡大するだけじゃないのか。あと、民主党は古賀潤一郎の件はなかったことにしてない?

■で、平田陣営としては、山田かな子に応援要請するつもりもないらしい。当たり前だよな…ネガティブキャンペーンをしてる印象しか残らないし、ことによると平田との愛人関係まで暴露しだすかもしんない。まぁ、山田かな子はスポーツ新聞や週刊誌で小遣い稼ぎしてりゃ、それが平田への応援になるよ。


スマトラ島沖地震:頼れるアメリカ?

■さてさて、インドネシア・スマトラ島沖地震における支援金競争・支援外交が激化しているわけだが、国連安保理常任理事国入り&アジア覇権で点数稼ぎしたい我が国・日本も、5億ドルの大盤振る舞いしている。

■で、正直、どういう状況になっているのかわかんないんだけど、産経の「頼れる米国」ってのが妙にツボだった。

■産経新聞/社説「インド洋大津波 緊急時に存在示す米戦略」
 インドネシア・スマトラ島沖地震とそれに伴うインド洋沿岸の大津波被害に対して、主要国の緊急支援が過去最大規模となった。特に米国は、艦船、輸送機などの動員で圧倒的な物量作戦を展開し、地球規模の有事に「頼れる米国」の底力を発揮している。
��略)
 ところが、米国が戦略的に動きだすと、圧倒的な動員力と組織力でたちまち国際的な協調態勢が整う。日本、オーストラリア、インドによる「中核グループ」に加えて、カナダ、オランダを引き込んだ。

 ブッシュ政権は独自に空母戦闘群を派遣し、空軍も二十四時間体制で支援物資を搬送した。動員した兵員数は一万三千人に及ぶ。災害発生の数日後には、米国内の声を受けて、支援額をたちまち十倍の三億五千万ドルに引き上げた。続いて日本も五億ドルにかさ上げした。一部で過大に評価される中国はせいぜい日本の十分の一強である。

 ブッシュ大統領はさらに、父親とクリントン前大統領を立てて民間支援を募り、現地には、パウエル国務長官と実弟のフロリダ州知事を派遣した。

 この初動体制に、後手に回る欧州から「イラク戦争の悪いイメージを払拭しようとするツナミ政治」との批判が出た。イスラム教徒も隔てなく救援することも含め当然の戦略であり、被災地にとっては行動がすべてである。

 被災国民以外の被災者のうち、大半が欧州出身者であることを考えれば、欧州の主要国政府の反応の鈍さこそ批判されるべきだ。
 いつもより余計に持ち上げております、って感じですか。「中国はせいぜい日本の十分の一強である」ってのも流石だよな。でも、将来、中国のそれが日本を追い越した時、産経が平常心を保ってられるか心配です。

■ここまでくるともはや「勝手にやっててください」という気分だが、同日、こんなニュースが…

■米提唱の地震支援「中核グループ」構想、解消へ(朝日新聞)
 ブッシュ米大統領がスマトラ沖大地震と津波の被災者を支援する国際的な枠組みとして提唱した「コア(中核)グループ」が解消され、近く国連に引き継がれることになった。エアリー米国務省副報道官が5日、「(支援の取りまとめを国連に明け渡す時期が)来るだろう」と認め、グループが自然消滅するとの見通しを明らかにした。イラク戦争と同様に「有志連合」を募り、独自の支援活動を繰り広げようとした米国の思惑は外れた。
��略)
 同グループの特別作業班に関与している米政府当局者によると、グロスマン米国務次官が各国の外務次官らと連絡を取り合い、ワシントンの各国大使館や他の5カ国にある米大使館などを通じて、6カ国による被災地域での支援活動を調整している。だが参加国が少ないことから、限定的な役割にとどまっているという。

 ブッシュ大統領が同グループを創設した背景には、根深い国連不信や、京都議定書からの離脱に象徴される単独行動主義があるとみられる。欧州連合(EU)などからは「これだけの災害救援を調整できるのは国連しかない」といった批判の声も上がっていた。
 「この指と〜まれ!」で、6カ国しかあつまんなかったという笑い話。国連よりも、アメリカが盟主となる「有志連合」による国際秩序を作りたかったんでしょうね。で、見事に総スカン… 一部地域を除いて。

■持ち上げた途端に消滅ですよ…産経はどうでるのか。やっぱ「頼れる米国」の下に集まらなかった奴らを責めるべきなのかね?


2005年1月5日水曜日

赤旗:紙面改革

■共産党、「赤旗」を紙面改革へ 購読者3割増めざす(朝日新聞)
 国政選挙で退潮傾向が続く共産党が、党の機関紙「しんぶん赤旗」の紙面改革に着手する。同党以外の政党の政策も横並びで掲載し、従来以上に不正の告発など特ダネの掲載にも力を入れる考えだ。年内に、前回03年秋の総選挙時に比べて購読者の3割増をめざすというのだが……。

 赤旗の発行部数は「党勢のバロメーター」と言われてきたが、党広報部によると、昨年末現在で日刊紙、日曜版合わせて170万部。80年の355万部に比べると半分以下。昨年1月の党大会でも購読者3割増計画を打ち出したが、前回総選挙時の176万部を下回っているのが現状だ。

 対応策についてある党幹部は「部数増には一般紙のような多彩な紙面作りも必要」と語る。各党の政策を随時紹介し、経済や暮らしなど生活に密着した記事を増やすのもそのためだ。
 さてさて「多彩な紙面作り」とやらで、魅力的なもんになるんでしょうかね。

■「党勢のバロメーター」ねぇ…赤旗自身は「(赤旗が)いま話題です」とか強がってるけど、実際には減少傾向にあるようだ。そりゃそうだろ。購買層の高齢化も深刻だろうし、若年層にとっては、共産党の「機関紙」ってだけで取っ付きにくいもんね。

■「しんぶん赤旗」はネットの少ない記事を時々チェックする程度で、購買してまで見たいとは思わないなぁ。内容も似たりよったりだし。党勢が拡大するような状況もないし、このまま衰退していく運命なんじゃないの?それとも赤旗が部数増にならないから、党勢も好転しないとのお考え?


2005年1月4日火曜日

河村たかし:名古屋市長選 立候補断念

■河村たかし氏、立候補断念を正式表明 名古屋市長選(朝日新聞)
 4月の名古屋市長選に立候補を予定し、所属する民主党に推薦を依頼していた衆院議員の河村たかし氏(56)=愛知1区=が4日朝、立候補を断念する意思を正式に表明した。党市議団が自民党などとともに現職の松原武久氏(67)を支持しており、党内の亀裂拡大を心配する党本部などから要請を受けていた。

 河村氏は4日朝、同市内の事務所で会見に応じ「期待してくれた市民の皆さんには力不足で申し訳ないとおわびしたい」と語った。今後について「国会議員としてこれまで通り庶民の視点で精いっぱいやりたい」と述べ、衆院議員としての活動を継続する考えを明らかにした。

 昨年末、断念を固め、年始に予定していた自転車街宣も中止。党県連の松山登幹事長に3日夜、「党の推薦が得られないのなら立候補を断念する」と電話で伝えた。
 ははは…だっせ。ってか、地元で根回しせずに、見きり発車で出馬表明したわけ? これが「総理をねらう男」ってんだから、笑ってしまうよなぁ…

■「庶民の視点」「自転車街宣」とか、もううんざりです。


2005年1月3日月曜日

性犯罪者と再犯率:情報公開すべき?

■小1誘拐殺人、小林容疑者 「更生できない」保護司ら後悔の念(産経新聞)
 奈良市の小学一年、有山楓(かえで)ちゃん(7つ)誘拐殺人事件で、誘拐容疑で逮捕された小林薫容疑者(36)は、少女に強く執着し、強制わいせつ事件や殺人未遂事件を繰り返してきた。今回の事件でも、殺害を認めながら「悪いことはしていない」と供述し反省の態度は見えない。以前担当した保護司は「更生できないと思った」と語り、矯正させられなかったことを悔いた。

 中学時代、大阪府内で六歳の女児にいたずらしたとして摘発された後に小林容疑者と対面した保護司の女性(85)は「当初から更生できないと思ったんです」と語る。三十年近くの間に二百人の犯罪者を引き受けた女性の直感だった。保護観察中に課された接見に来ない。約束違反は日常茶飯事。しかり飛ばしても、にやにやしながら受け答えするばかりだった。
��略)
 女性に対する差別意識など、心深くに根ざした特異な感情を背景に犯行を行うことが多い性犯罪者は、再犯率が高いとされる。性犯罪に詳しい番敦子弁護士は「女児への性犯罪を『いたずら』と表現する風土がいまだにある。性犯罪に甘く、軽視してきた日本の社会にも(再犯を許した)原因がある」と話す。
 ま、最後の部分は妥当なとこだな。

■小林容疑者は1989年、大阪府箕面市で女児8人にいたずらしたとして、強制わいせつ容疑で送検され、2年後には大阪市で女児に抱きついて首を絞め、殺人未遂容疑で逮捕された…らしい。

■警察庁によれば、全国の強制わいせつ事件被疑者の再犯率は約41%(2003年)で、刑法犯全体の平均を5ポイント上回っている。

■で、「性犯罪」「再犯率」というキーワードが出てくれば、こんな論点も登場する…

■『街の安心』か『更生』か−強制わいせつ 再犯率4割(東京新聞,核心12/31)
■米韓は公開
 米ニュージャージー州は94年から、当時7歳の女児が性犯罪歴のある男に殺害された事件を機に、前歴者を登録し名前や居住地、写真を公表している。こうした動きはほかの州にも拡大した。韓国政府も2001年、十八歳未満の少女への性犯罪で有罪が確定した約百七十人の氏名などをホームページで公開。批判もあったが、地域社会の安全が優先された。

 一方、ロンドンでは2000年、大衆日曜紙が幼児への性犯罪歴がある人物の実名、写真を紙面で公表。掲載された人物が住民に襲われる事態が続発した。

 日本では、愛知県警が昨年から余罪情報の収集や被害者の不安解消を目的に、連続女性暴行など悪質な性犯罪者について、逮捕後に顔写真を公表する試みを始めたが、前歴者情報を地域住民に開示する動きはない。

 米国や韓国と同様の制度について、北大法学部の白取祐司教授(刑事訴訟法)は「現時点では制度導入に慎重であるべきだ。(前歴者が)社会復帰できず、立ち直る機会を奪われる可能性もある。メンタルケアを通じ、病的な性格を治療する制度を整える方がよい」と話す。
 一方、中央大法学部の藤本哲也教授(犯罪学)は「日本も検討すべき時期。市民に対する警告の点で、はるかに遅れている」と指摘。関西学院大の野田正彰教授(精神病理学)は「再犯防止や矯正教育に社会として取り組んでいるとは言えない」と分析している。
 情報開示は、「アイツは性犯罪者」と周囲の人間は指差すことが可能になるだろう。しかし、それが再犯の抑止につながるとは考えにくい。だって、性犯罪者ってのは偶発的にターゲットを決めるケースが多いだろうし、被害者が情報を有しているケースってのは考えにくい。

■それとも、「社会はお前は監視している」という「抑止効果」に期待するものだろうか。とりあえず、アメリカや韓国がどのような性犯罪再犯率の推移を見ておく必要がありそうだが。と同時に、スティグマによって、社会復帰をどれくらい妨げているのか。両者を天秤にかけて検討をすべきだろう。って、データを探すのがめんどいなぁ。

■先に登場した保護司が、結果論でなく確信を持って言えたとすれば、その性犯罪者をチェックすることなく、社会に放出してしまった仕組みをまず問題にすべきだろうな。その意味でも、野田正彰が言うように、「社会として取り組んでいるとは言えない」。


大晦日:視聴率合戦

■あけましておめでとうございます。ま、何がめでたいかは知らないが、周囲がめでたそうにしているから、私もめでたそうに振舞っている。

■で、新年の挨拶もそこそこに、この時期の風物詩になりつつある「国民的番組」の衰退を報じるニュース…

■紅白歌合戦の視聴率、第2部は過去最低39・3%(読売新聞)
 大みそかに放送されたNHK「第55回紅白歌合戦」の視聴率が、関東地区で第1部30・8%、第2部39・3%となり、第2部は過去最低だったことが2日、ビデオリサーチの調べで分かった。
 前年に比べ、第1部が4・7ポイント、第2部が6・6ポイントの大幅減で、第1部も1990年の30・6%に次ぐ低い数字となった。 関西地区は、第1部28・5%、第2部38・6%で、いずれも過去最低だった。

 これについてNHKは「多メディア時代、多チャンネル化が進み、衛星放送等でも相当数の方にお楽しみ頂いたと思う。視聴率は、視聴者・国民の反響を知るための一つのバロメーターとして、様々な角度からじっくり分析したい」とのコメントを発表した。

 一方、民放各局の同時間帯に放送した主な番組(関東地区)では、TBSの「K―1プレミアム2004人類史上最強王決定戦」が20・1%、フジテレビの「PRIDE男祭り」第2部が18・3%、日本テレビの「細木数子の大晦日スペシャル!!」が14・4%だった。
 
■格闘技を見てた自分が言うのもおかしなもんだけど…いくつかのメディアが「改めて格闘技人気を示した」と報じてるが、それを聞くとうんざりするよなぁ…石原慎太郎じゃないけど「民度が低い」って思ってしまう。いつから日本人はそんなに暴力を求めるようになったんだ。

■紅白歌合戦を舞台にした元チーフプロデューサーの制作費横領などの不祥事、新潟県中越地震をはじめとした災害への自粛ムードで「質素絢爛」(大鹿文明NHK歌謡・演芸番組部長)だったそうだけど、でも「豪華絢爛」にしていたら数字が取れるってもんでもないでしょ。気品が損なわれるだけ。

■あれだけ下品で退屈な娯楽番組がこれだけの数字をとってるだけでも奇跡だって。むしろ、「人気低落に歯止めかからず」って、製作者にプレッシャーをかける方が間違ってると思うよ。NHKはさ、視聴率なんか気にしないで、若者に迎合しない番組を作るべきだ。って、若年層に属する私が言うのもなんだが。


■K−1…意外と数字取ったなぁ。何がよかったんだろ?個人的にはどうでもよかったが、やっぱ「魔裟斗×山本“KID”徳郁」?

■私的には、やっぱ「マケボノ」(曙)に注目してしまうよな。で、期待を裏切らない見事な負けっぷりだったな。お馴染みの圧殺攻撃にでたけど、ちっとも効いてないんだ、あれが。で、すぐに腕をとられて、みじめなギブアップ。格闘技界のハルウララは今年も連敗記録を期待できそうだ。製作サイドがそれに気がついていればいいのだが…弱い奴と対戦させて「初勝利」を演出するのだけは、絶対にやめるべきだ。

■ボブ・サップも惨めだったな。ジェロム・レ・バンナにボコボコにされて、逃げ回ってるし。おいおい、「ビースト(野獣)」って、誰か言ったか?かわいそうだったし、見てて痛々しかった。あぁなっちゃぁ、ビーストも終わりだね。むしろ、あぁいう珍獣は絶滅危惧種に指定して、保護が必要なんじゃないか。


■あいかわらず、フジテレビはえげつないくらいに引っ張った。試合前リポートや過去の対戦を流したり、VTRがしつこすぎる。NHK紅白でハッスルしてるはずの小川直也の前の試合まで動員する体たらくだ。試合自体は魅力的だったけども、それを水でおもいっきし薄めるもんだから、視聴者が離れていったのだろう。

■で、いつものとおり、小池栄子はうざかった。なんだ、あいつは。マジ引っ込んでくれよ。いったい何のために登場させているのか意味不明。誰がアイツのバカ喋りを求めてるっての?

■高田延彦、何しとんねん。いや、あれは若手お笑いブームを意識して、笑いを提供したかったの?フンドシで太鼓を叩いているのだった。あれが高田の言う「男」の姿とすれば、なんて滑稽な生き物だろう。

■ヒョードル×ノゲイラはやはりすごかった。んが、判定って、そりゃないだろ。「1/60億、人類最強決定戦」とか言っておいて、そりゃないっしょ。「ドロー」にして、決着がつくまで何回でもやれよ。