2006年8月8日火曜日

長野県知事:田中康夫vs村井仁

■そっち方面にちっともアンテナはってないんだけども、田中康夫、負けたみたいね…

■「長野・田中県政に幕 − 議会との泥仕合常態化」(東京新聞・核心)によれば、田中県政の成果には…

  • 記者クラブ廃止や脱ダム宣言などを打ち出した。

  • 改革の「成果」と胸を張るのが財政再建。長野冬季五輪に伴う施設整備で一兆六千四百億円の借金を抱えていたが、公共事業半減・人件費削減と容赦なくメスを入れ昨年度までに九百二十億円ほどに縮減。

  • 他方、福祉や教育分野の予算を手厚くし、小学校への三十人規模学級導入、地域ケア拠点「宅幼老所」整備と、生活や地域に密着した政策を推進。



…が挙げられるが、
 理念を押し通そうとする姿勢はしばしば「独断専行」と映り、住民票を県庁から百五十キロ離れた県南部の泰阜村に移したり、白骨温泉に自ら乗り込み、入浴剤使用を暴いたりする行動は、実の伴わないパフォーマンスと受け止められた。「知事という主役が独り舞台を演じ『ボクって偉いでしょ』と見せびらかしていた県政」。かつての田中氏支援者はこう例えた。

 常々「私が長野県の特産物」と口にする田中氏自らが「広告塔」となりPRする観光振興や、付加価値の高い産業を生みだし雇用創出を図る構造改革も、これといった成果はなく、業界関係者の間には「逆に地域経済は地盤沈下している」との見方が広がっている。
 あったね、こういうのも。亀田興毅じゃないけど、実力を伴わないパフォーマンスってのは、叩かれる運命にあるんだ。

■そういえば、「ガラス張りの知事室」ってのもあったな。これなんか愚の骨頂って感じでして、新知事になった村井仁からは「視覚的な透明性だけ。田中県政が政策決定過程で必ずしも透明だったとは言えない。私はみせかけはしたくない。」とのコメント。お取り潰しが決定。
■結果出ない改革

 〇一年の「脱ダム」宣言を契機に県内九河川のダム計画を中止したが、ダム本体工事をストップした改革の試金石といえる浅川(長野市)のダム代替案がいまだに国の認可を得られていない。

 田中県政は県議会や市町村長、県職員とのぎくしゃくした関係も生んだ。市町村事務に強く関与する廃棄物条例案など、田中氏の推進する市町村との「水平補完」による連携が「介入」とみられることもある。同県市長会長の矢崎和広・茅野市長は「結果の出ない改革にお付き合いはできない」と愛想を尽かした。

 県議会では予算案や条例案の否決が当たり前となった。田中氏も県の広報で正当性を主張するが「泥仕合」の様相を強めている。議会は〇二年の不信任決議に続き、下水道事業をめぐる疑惑で田中氏を追及する百条委員会を設置。委員会での発言で「偽証」があったとして田中氏を刑事告発する事態にまで発展した。

 「あえて対立構図をつくり、世論を味方につけるのが田中流」との指摘もある。長野市内の五十代の商店主は「県民はそんな手法も、奇抜なパフォーマンスにも飽きた。県政に求めているのは、もはや『何かやってくれそう』という期待感でなく、豊かさが実感できる改革だ」と語った。
 「あえて対立構図をつくり、世論を味方につける」…って、どこかでみた悪夢だ。

■読売社説[田中知事敗北]「堅実な改革を求めた長野県民」
 田中氏が初当選して以降、地方をめぐる環境は大きく変わった。国・地方とも財政がますます悪化する中で、地方分権の推進へ、いわゆる三位一体改革も進んだ。今後、補助金や地方交付税の削減はさらに進むだろう。

 厳しい財政事情の下で、福祉や地域経済など、住民が求める政策の立案、実施には、議会や市町村との調整を通じた住民との対話が欠かせない。いわゆる改革派知事は、みんなやっていることだ。

 人気とりの過剰なパフォーマンス政治で、今日の地方の課題に対処することは出来ない。田中氏の敗北は、有権者が求めているのは、課題に対処する行政能力と実行力であることを示している。
 ははは…手厳しいね。脱記者クラブ宣言の恨み辛みだったりして。ま、読売が最も嫌いそうな知事だからな。小泉政権下で三位一体改革も進んだ、と。

 もともと「ウルトラ無党派」を標榜する田中氏は徹底した脱政党選挙を展開した。民主党は、小沢代表が相乗り否定の方針を示したことから、自主投票を決めた。自民、公明両党は、それぞれ県連と県本部が村井氏を推薦した。

 不可解なのは、小沢民主党代表が終盤になって、田中氏支持を打ち出したことだ。村井氏が自民党に近いから、と言うが、何とも、ご都合主義と映る。
 んー、だって、民主党の「影の内閣」に加わって選挙戦を展開したことがあった人だよ?どういうわけか、小沢との距離も近いし。単に「ウルトラ無党派」なんてことを言っちゃったから、民主党が支持を遠慮しただけ。で、終盤にきて、劣勢だから支持を明確にしたんじゃないの? ま、いずれにせよご都合主義か。

■そういえば、「新党日本」の党首だったよね。あれって、いったいどうなってんの? ってか、無党派を取り込むために、新党日本党首としては選挙してないって聞いたけど。


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