2006年8月6日日曜日

安倍晋三:靖国参拝

■「さすが安倍ちゃん!」ってわけで、やはり保守派へのアピールは成功しているようです…

■産経新聞社説:「安倍氏靖国参拝 戦没者への当然の行為だ」
 安倍晋三官房長官が今年4月に靖国神社を参拝していたことが分かった。安倍氏がふだんから持っている戦没者に対する気持ちを表した、閣僚としても当然の行為だ。ことさら自民党総裁選の争点にすべき問題ではない。
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 安倍氏は「戦没者のために手を合わせ、冥福を祈り、尊崇の念を表する気持ちは持ち続けたい」と話す一方で、「この問題が外交、政治問題化している中で、参拝したか、しないか、申し上げるつもりはない。問題をさらに拡大すべきではない」としている。
 靖国の争点化を回避できる。そのうえ、終戦記念日に参拝しないと「なぜ参拝しないのか?」と安倍支持者から不満がでるけども、事前に行っていることで、こういう事態をも回避できるという、すご技なんだそうな。

 自民党の武部勤幹事長は「憲法の下で信教の自由があるので、誰が参拝しても問題はない。政治問題化すべきでないとの見方が大勢で、総裁選への影響はない」と強調した。他方、加藤紘一元幹事長は「官房長官は政府を代表する閣僚だ。行ってほしくなかった。安倍氏は東京裁判否定論が根底にあるので、事態は深刻だ」と述べた。

 案の定、韓国は「大変遺憾なことだ」(外交通商省)と反発し、中国は「隣人が一番嫌がることを控えめにするのが東洋人の伝統だ」(王毅大使)と皮肉めいた批判をしている。

 国内で靖国問題を考えることは必要だが、あえて外交問題化させることで喜ぶのはどの国か。政治家もマスコミももう一度、よく考えるべきだ。
 「国内で靖国問題を考えることは必要だが」という前置きこそ強調すべきだと思うけどね。

■おそらく、「中国や韓国が反発しているが、参拝を続けるべきか?」と聞くと、「参拝すべき」は増える。だが、「無謀な戦争をして敗戦国にした指導者が奉られているが、参拝を続けるべきか?」と聞いたらどうだろう。

■靖国はすぐに中国・韓国に直結して、感情的になっているように思える。また、「平和に対する罪」なるわけのわからん罪状で罰せられた「A級戦犯」…つまり、極東軍事裁判への憤りがこれに合流する。そこにあるのはナショナリズムだ。

■しかし、日本国民を多数戦死させた指導者の責任。また、当時の世界情勢を言い訳にしたい気持ちは理解するが、事実として、中国や韓国は侵略・植民地支配を受けたわけで、その責任はどこにあるのか。再度、考えたいもんだ。どうも、靖国っていうとね、「例によって、中国や韓国が反発してるな」で済まされる傾向があって、それがちと気になるんだ。

■争点にしない方が「国益」になるんだろうか。うん、そうかもしれない。だけど、国民としてはすごく不安な気持ちになる。参拝する場合、反発してくる中国や韓国に対して、どういう外交戦略をとるのかも示して欲しい。小泉首相みたいに「反発する方が悪い」だけだと、その「国益」は失うばかりなので。


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