2006年8月4日金曜日

鉄のトライアングル:TBS-ボクシング協会-亀田三兄弟

■もう誰もがこのBLOGの存在を忘れ去っているであろう、今日この頃…ひさしぶりにいい物を見せてもらいました。噛ませ犬ばかり、とか言われ続けてきたけど、やはり、亀田興毅は強かった。ランダエタをあれだけ苦しめたんだから。

■だが、より強力なのは、亀田の「見えない力」である…というわけで、あの「疑惑の判定」について。 素人目には、完全に負けたもんだと思ったんだけど。 ネットを見渡してみると、案の定、「八百長」という言葉が飛び交う。…これは盛り上がってまいりましたね。「作られたヒーロー」への注目度は増すばかりだ。判定への不満、TBSへの不満、亀田の言動への不満…これがごっちゃになって、一気に噴出している。

■試合後、「ニュース23」に登場。変わらぬビックマウスぶりで、見てて気の毒にさえ思えてきたけど、笑うのをこらえることができなかったよ。曰く…
「たまには苦戦するところも見たいと思ってな、強いてダウンしたってん。あっこダウンしといた方が視聴率あがってるで。」
「(ランダエタは)なんぼ俺が調子悪いいうても、俺とあそこまでやったんやから、えぇ選手やと思うけどな。」

■大橋秀行氏の分析「想像以上の減量」(日刊スポーツ)
 ボクシングの判定は難しい。テレビ視聴者の中には、亀田の判定勝利に疑問を持つ人が多かったのだろう。試合後、携帯電話には、判定に不満を持つ知り合いから何回もかかってきた。だが、しかし、自分の採点は引き分けだった。亀田が1〜2ポイント勝っていてもおかしくはない。
 亀田が明らかに落としたラウンドは、終了間際にダウンした1回、フラフラのピンチに陥った11回と12回。最初と終わりが大ピンチだったから「亀田の負けだ」と思うのも無理もない。しかし、それ以外のラウンドの判定は、意見が分かれる。ランダエタの手数を取るか、亀田のボディーブローを取るか。すべてジャッジ個人の主観になる。声援に押されてしまうこともある。いわゆる「地元判定」を責めることはできない。
 こういうのがベタな「疑惑の判定」の説明らしい。だが、この判定はホームタウン・デシジョンの範囲内なのか。というのも、我々日本人こそがもろにホームタウン・デシジョンの影響を受けていたはずなのだ。にもかかわらず、大多数の視聴者は「亀田は負けた」とする事実がある。

■なんか勘ぐってしまうのは、これまでの「作られたヒーロー」であるがゆえでしょうね。ボクシング関係者が「採点方法が悪い」で済ませようという意図も感じる。

■茶番チャンプの重い代償…国辱的な「疑惑の判定勝ち」(ZAKZAK)
 茶番チャンプが支払う代償−。世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級王座決定戦で、王座に就いた亀田興毅が、国辱的な「疑惑の判定勝ち」で重い十字架を背負うことになった。中継のTBSは当初、大晦日で検討していた防衛戦の予定を変更。「企業イメージの悪化懸念でCMオファーは激減必至」(広告関係者)という。一方、ボクシング関係者からは、「これで3階級制覇は間違いない」との仰天予想が飛び出している。

 しらけムードの報道陣をよそに、悲願の世界制覇で亀田父子がそろって涙、涙…となった会見。同席した協栄ジムの金平桂一郎会長は1人、終始険しい表情を崩さず、「想定していた最悪のケースだった」と厳しく試合を振り返った。

 噛ませ犬による「作られたヒーロー」との批判が渦巻き、ファンも、アンチファンもが注目する中、亀田側としては、勝ちはもちろん敗戦までも想定し、「負けてもOK」と臨んだはずの初の世界戦だった。

 1回に相手の右フックを不用意に食らい、プロ初のダウン。自ら「まだ19歳で12戦目。初の世界戦で緊張して、足が地についてなかったな」と言い訳したように、その後もビッグマウスに見合う「強さ」は微塵もなし。期待が大きかっただけに世紀の大ガッカリ戦だ。
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 いくら開催地有利のホームタウンディシジョンが常識の世界とはいえ、行きすぎたそれはむしろ国辱的だろう。
 事実、TBSの中継は、終盤で「まだ時間は残されています」と連呼。まるで敗戦が確定的のような実況だった。2−1で亀田勝利のジャッジがアナウンスされると、会場は歓声以上に大きなどよめきと笑いに包まれた。
 思わず私も「え〜」と発したけども。あまり好きな言葉ではないが、「国辱的」とはこういう時に使うんだなぁと思った。各方面から批判…

■ガッツ石松
「OK農場(OK No場?)」
「まいったね。なんでこの人が勝ちなの」 「亀田兄弟は人気があるかもしれないけど、この試合で勝てるのなら、ボクシング界は何をやっているのかと思われる。日本人は立っていれば、チャンピオンになれるの? 全世界のボクシング関係者に見せて、判定してもらえばいい」 「日本のボクシングはタレント養成所ではない。これがまかり通るなら、僕はボクシング関係の肩書は何もいらない」(毎日新聞)

■カシアス内藤
「誰が見ても間違いなく負け。どういう基準で採点しているのか分からない。亀田は一時代を築こうとしていたのに、これでおかしくなってしまう。一生懸命やっている人間に対し、負けは負け、勝ちは勝ち、とはっきりつけてあげなければならない。素人が見ても分かる試合」(産経新聞)

■漫画家・やくみつる(売れっ子コメンテーター)
「非常に不愉快なものを見た。実況も最後の方は負けモードだったし、こういう判定になるとは。判定後の(亀田選手の)態度も疑問。あの場では勝者の振る舞いをしないと格好がつかないところもあるだろうが、大口をたたける試合内容ではなかった。態度を改めるべきではないか」(毎日新聞)
「ホームタウン・ディシジョン(地元びいきの判定)はこれまでも何回も見てきた。テレビの実況も後半は敗者(である亀田)をたたえるムードになっていた。亀田は既存のボクシング界にたてついたにもかかわらず、ボクシング界の悪しき慣習に救われたというのは、なんたる皮肉か」(産経新聞)


■勝谷誠彦
「『国民不名誉賞』を創設してあの猿どもにくれてやれ。」
「スポーツは世界共通の言語である。そのステージに上がるものには共通した倫理や価値観を守るという責任がある。いかに愚民化が進んでいるとはいえ一応OECDの構成員でありG8の一角を占める日本国の許認可事業たる放送局やWBAに籍を置くボクシング協会が関わった試合でかくも下劣で下品で虚偽に満ちた行為が行われた事は私自身ボクシングを心から愛するものとして慙愧に耐えない。世界共通の言語で同じステージの中で行われた以上この出来事はボクシングの歴史の中に刻まれる。そして未来永劫いかなる国のいかなる時の人々もこのことを振りかえることが出来るのだ。これを日本人としての国辱と言わずして何であろう。」(勝谷誠彦の××な日々。)

■亀田、灰色のスタート…輪島「勝ちはないと思った」(ZAKZAK)
 竹原慎二氏(WBA元世界ミドル級王者)は、「(亀田は)正直すぎ。採点? 今回はしていません」と言えば、鬼塚勝也氏(同元ジュニアバンタム級王者)は「心が折れれば負けていた」と話した。「亀田君は確かに逸材。でも、世界にはそれ以上にすごい奴がいる」とは別の元世界王者。出てくる言葉はどれも歯切れが悪い。

 そんな中、ただ1人、元プロボクサーの輪島巧一氏は「おれは話すよ。奥歯にモノがはさまった言い方はしない」と前置きして、「試合が終わったときは、亀田の勝ちはないと思った。私の周りのボクシング関係者も亀田は2−3ポイントの負け」と断言した。

 一方で、輪島氏は日本ボクシング界が亀田に頼らざるを得ない事情を明かす。日本に世界王者は6人いるが、顔と名前が一致するのは亀田だけ。ここ最近は総合格闘技に人気を奪われ、世界王者になっても「食っていけない」現実がある。

 東日本協会長を務めている輪島氏は、「私がやる前までは協会に一銭もなかった。でも、6年かけて、なんとか1億4000万円まで資金を確保した。それをボクシング界のために使っていく」。そのためにも亀田の敗戦は許されなかったのだという。

 ジャッジはともかく、結果については「勝ってくれてありがとう。亀田君を東京に連れてきてくれたことを感謝している。協栄ジムの金平会長にも、ありがとうといいたいんだ」と輪島氏。
 ボクシング業界にもヘタレがいるわけですね。輪島自身も、コメントを修正している感がある。テレビなどでは、正しい判定だったと言ってるし。具志堅は何てコメントするのかな。

■名城信男なんて、亀田よりも人間ドラマとして魅力的なんだろうけど、ぜんぜん盛り上がらなかった。亀田頼みのボクシング界によって、「疑惑の判定」が作り出されたのかも。そして、そこにメディアによる後押しが加えられる。

 だが、ホリエモンの経営手法にも似た“時価総額人気”で注目を集めてきただけに、陣営はこの先の展開に頭を悩ませることになった。「この灰色勝利で一気に現実味を帯びた」と関係者が指摘するのは、勝利後に早くも亀田本人が言及した日本人初の「世界3階級制覇」アドバルーンだ。

 前出関係者は、「次の防衛戦は、亀田側が相手を選べる指名試合なので、きっちり倒せる相手を選定するでしょう。問題は相手を選べない2回目の防衛戦。その前に、3階級制覇を名目に王座を返上。しばらくノンタイトル戦を戦って力をつけながら、本来のフライ級で、今回のようなチャンスを待つことになるはず」と話す。

 日本で戦えば、そう簡単には負けないことが今回証明されている。
 非礼極まりない言動で「人気があればいい」「視聴率が取れればいい」「勝てばいい」という姿勢に、「ホリエモン」のイメージを重ねる人も多い。「世界3階級制覇」のシナリオも、なかなか興味深いね。

■亀田興毅:判定批判などTBSへの抗議は4万件(毎日新聞)
 TBS系で2日、生中継された「プロボクシングWBA世界ライトフライ級王座決定戦 亀田興毅VSフアン・ランダエタ」で、視聴者から同局への「番組開始から試合までが長い」「判定に納得がいかない」といった抗議や問い合わせなどの電話は、同日午後7時半から3日午前9時までで計3万7225件に上った。同様の電子メールも3655件あった。
 「判定がおかしい」ってTBSに抗議してもねぇ…それは矛先が違うんじゃないか。

■19:30から放送開始だってんで、「あぁ、20時からか」と思っていたら、なんと、そこから1時間も引っ張るではないか。そのくせ「まもなく」とか言い続けて、ちっともはじまんないの。フジテレビも真っ青の引っ張りだった。あまりにも不誠実ですよ。

■TBSには、抗議殺到しているらしいが、おかまいなし。まだまだ苦情が足りないみたいね。TBSは朝から晩まで亀田を引っ張り出していた。金ヅル・亀田に群がり、完全に亀田は「裸の王様」状態。しかしまぁ、年上のアナウンサーが媚びへつらってんのに対し、亀田は偉そうな言動…いいコントラストでしたね。

■こんな茶番劇を見せられて、日本人が喜ぶと思っているのかね。でもまぁ、この「疑惑の判定」は、メディアとスポーツの関係を考えさせるきっかけとなるだろう。強引なマッチメークに派手な演出…。

■亀田史郎…あのヤクザみてぇなオヤジが、これまたツボなんだ。あの人、おもしろいわ。オムツとおしゃぶりで挑発された時なんて、息子と同じように激高してんもんな。「お前がオムツしとけ!」って…この親にして、この子あり。先にやったのはあんたの息子だろうに…これまでも、さんざん相手を小馬鹿にしてきたのにさ、なんだろね。

■にしても、「子供に悪影響を与える」とうるさい面々は、この亀田三兄弟に対しては、やけに静かですね。

■この「国辱」的な判定勝ち…亀田にとって大きなマイナスとなった。潔くベルトを返上してたら、人気も上がったのかもしれないけどね。

■筑紫哲也も みのもんた も夏休みかよっ! いい時期にとりますね、ほんと。

■亀田勝った、観客「えっ?」 専門家「前半の貯金」…(朝日新聞)
 フリーター柿田高志さん(26)は「この試合から亀田は世界戦の厳しさを学んで欲しい」と話した。
 26歳のフリーターに「厳しさを学んで欲しい」なんて言われたかないね。


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