2006年8月9日水曜日

麻生私案:靖国神社、非宗教法人化でA級戦犯分祀?

■麻生太郎さんが靖国神社を国管理の特殊法人化する非宗教法人化案なるものを発表し、谷垣禎一さんも「麻生さんの意見に共感する部分はたくさんある」としている。一番困惑しているのは安倍さんであって、どえらい「踏み絵」が出てきた格好です。

■日本経済新聞:社説「靖国神社のあり方論議を深めるべきだ」
 麻生外相の提案はかつての靖国神社国家護持法案と基本的には似た内容である。靖国神社が自主的に宗教法人格を返上することを前提に、新たな設置法によって国が関与する特殊法人に改組し、天皇や首相、外国元首などが訪れやすい施設にする狙いが込められている。

 この提案の問題点は国が関与する施設になった場合、明確に宗教色を排除できるかどうかである。形式だけ宗教法人をはずしても実態が国立神社であっては、憲法が定めた政教分離原則に違反することになる。かつての靖国国家護持法案が廃案になったのも、この点を解決できなかったからであり、麻生提案ににわかに飛びつくことができない理由もそこにある。

 しかし、靖国問題がここまでこじれてしまった以上、次期首相の座を争う候補者がさまざまな打開案を国民に提示して議論するのは政治家の当然の責任であり、自民党総裁選で議論を深めるべきテーマである。小泉純一郎首相のように「心の問題だ」「個人の自由だ」と開き直っているだけでは政治家としてあまりにも芸がないと言うほかない。
 どう評価してよいものか…はっきし言って、よくわからん。

■いわゆる「A級戦犯」の分祀ありきの議論にしか見えんのだが。「A級戦犯を分祀しろ!」と靖国神社に圧力をかけると、宗教への介入になってしまう。だから、靖国神社を国の管理下におき、分祀への道を開こうというもののようだ。これまで靖国神社側は「教義に反する」として分祀を拒んできた。非宗教法人化してしまえば、「教義」もへったくれもないってわけで。

■無宗教の国立追悼施設に納得しない靖国派を、靖国神社のフレームのみを残して、妥協させようってことだろう。信念を持って参拝している者と政治的打算で参拝している者を、この案によってふるい分けできるかもね。


■朝日新聞:社説「靖国論争 安倍氏も土俵にあがれ」
 問題は、打開策に実現性があるのかどうかということだ。

 特殊法人化論は、30年以上も前に論議され、結局は葬られた国家護持法案と似た考え方だ。政教分離をどう確保するかは難しい問題だし、神社側が宗教色を抜く決断をできるとも考えにくい。分祀論にしても、神社側は「教義上、できない」と突っぱね続けている。

 結局、政治が自らの決断でできる打開策としては、新たな国立追悼施設をつくることしかないのではないか。
 ま、政治的妥協でこういう決着もありかなと思うが、やはり無宗教の追悼施設を設置することが一番すっきりといく。靖国派にとっても、本来の「靖国神社」を残せるという意味のおいて、靖国を非宗教化するよりはマシだとは思うけど。

■靖国神社の相対的な没落を恐れる人々は、当然、国立追悼施設には反対。けど、本来、首相や政治家が靖国の宣伝活動をしていること自体がおかしいんだよね。

■朝日、続けて曰く…
 私たちはこの問題で「総裁候補は明確に考えを語れ」と求めてきた。小泉時代にこじれにこじれ、政治や外交の焦点になってしまった靖国問題をどう解きほぐすか。ポスト小泉の総裁候補が逃げるわけにはいかない論点だと考えるからだ。麻生、谷垣両氏が所信を語ったのは、その点で歓迎したい。
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 一方、最有力候補の安倍晋三官房長官は、4月にひそかに参拝していたことが明らかになった。本人は「言うつもりはない」と口を閉ざすが、首相になっても参拝を続けるだろうとの観測が専らだ。

 このまま黙して語らずで逃げ切ろうということなのか。麻生氏と谷垣氏がつくった土俵に安倍氏もあがり、堂々と四つに組んだ論戦に臨むべきだ。
 中国と韓国との関係が正常ではないことは明らかであって、靖国参拝派の安倍さんだと「現状維持」と見なされるがゆえに、一番、都合が悪いんだろう。

■だから、どこか朝日はうれしそうに見え、一方、産経は警戒しまくり…

■産経新聞:社説「靖国麻生私案 神社ではなくなる懸念も」
 慰霊は宗教と切っても切れない関係にあり、靖国神社から神道色をすべて取り払ってしまったら、神社ではなくなるのではないかという根幹の疑問だ。

 超党派のグループは、靖国神社と別の場所に無宗教の国立追悼施設をつくることを目指している。麻生氏は「靖国神社に代替施設はあり得ない」としているが、麻生私案も靖国神社自体を無宗教の国立追悼施設に変えてしまうことにならないか、懸念が残る。

 靖国神社の非宗教法人化は自民党の中川秀直政調会長や古賀誠元幹事長らも提唱している。9月の自民党総裁選に向け、靖国問題を争点化しようとする動きには、さらに警戒が必要だ。

 また麻生私案は、慰霊対象について、いわゆる「A級戦犯」分祀の是非も含めて国会で議論すべきだとしている。直接、靖国神社に「A級戦犯」分祀を求める他の政治家の主張に比べると、民主的なプロセスを踏むように見えるが、それで国論が割れれば、どこの誰が喜ぶだろうか。結果的に「A級戦犯」分祀論につながりかねない。

 そもそも、戦没者の慰霊は日本人の心の問題であり、その象徴的な存在である靖国神社は日本の精神文化でもある。政治や外交の論議を超えた静かな追悼の場であり続けてほしい。
 「安倍、黙ってないで語れや!」どころか、こちらは対照的に「靖国問題を争点化しようとする動きには、さらに警戒が必要」としている。もっとはっきり言ってやればいいじゃないか…安倍総理誕生を阻止しようとする謀略、と。

■「象徴的な存在である靖国神社は日本の精神文化」と言うけれども、だったら、そこまで国論が二分しますかね。ちっともコンセンサスを得られていない証拠じゃないの?


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