2005年9月13日火曜日

郵政選挙:自民党圧勝

■民主党にとって、政権交代をできる最後のチャンスなどと言われていたが、「刺客」騒動などの「小泉劇場」にまんまと国民も乗っかっちゃったみたいね。いやはや、それにしても、ワイドショー政治と小選挙区制の相乗効果でここまでの「地滑り的勝利」が可能になるとはね。これがかつての「政治改革」の帰結ですか。あと、誰ですか、「ニ大政党制」とか言ってる人は?

■投票前に「自民圧勝」の報道が流れて、有権者に警戒感とかバランス感覚ってもんが働くかなぁ…とも思ったんですが。「造反組VS刺客」の「漁夫の利」で民主党が勝利ってケースも少なかった模様。

■小泉首相曰く、「郵政民営化に賛成か、反対かを決める国民投票」なんだそうだが、衆院では自民党だけで何でもできる状況が作り出された。これによって、重要な法案がどんどんとおるわけでして、この意味において、まんまと国民は詐欺に引っかかったわけですね。

■だから、「これにより与党は、幅広い政策を実現できる絶大な力を得た。同時に、少数意見に配慮し、健全な民主主義を維持していく重い責任を負ったことを忘れてもらっては困る。これまで以上に自制とバランス感覚が求められる。フリーハンドを得たと勘違いしてはならない。 」(朝日新聞社説)とか今さら言っても、虚しいだけですよ。

■もちろん「刺客」騒動だけで勝ったわけではないだろう。おそらく有権者は、「刺客」投入に小泉首相の「改革」への決意を感じとったのだろう。でも、こんなわかりやすいパフォーマンスでよくここまで支持を集められるな。小泉純一郎の「純」は単純の純だ…ってなことが言われるけど、国民も単純になってんのかね。シンプルな争点を好むってのも含めて。

■私事だが、実家の名古屋に帰ってきている。実家の選挙区は愛知1区で名古屋の恥部・河村たかし が当選。とはいえ、「民主王国」と言われてきた愛知県でも「小泉劇場」の影響で自民躍進。

■名古屋ってのは民主党が大好きな性分らしく、これまで民主党が議席を独占してきたんですね。ところが今回、愛知5区で自民党の木村隆秀が赤松広隆を破り、小選挙区制導入後では初の議席を自民党にもたらした。

■まぁ、愛知4区の「カリスマ主婦」の料理研究家、藤野真紀子なる人物が当選しなかっただけ(比例では当選)、よしとしておこう。まったく…「カリスマ」なんて冠がつくやつに、ろくな奴がおらんっての。

■岐阜1区、野田聖子が佐藤ゆかりに勝利。「聖子ちゃんをいじめるな」式の同情票のおかげ。佐藤ゆかり は「ゆかりタン」などとキモメンから持ち上げられたが、週刊誌上では、容赦無く不倫スキャンダルをぶつけられ、ペースダウン?法廷に持ち込むか…ってな話をふられても、これ以上知られてたまるかとばかりにだんまり。

■片山さつき は「ブランド好きの80年代女」とかひどい言われようだったが、勝利。ま、相手の城内実が弱かっただけ。

■小池百合子が小林興起に圧勝。そういえば、小林と民主党の鮫島宗明が「もっと暑くなればいいのに。小池百合子の化粧が落ちるから」と謀議してた。弱者同士、憎まれ口を叩いちゃって、なんとも微笑ましい。小池の厚化粧は尋常じゃないから、さぞかしすごい光景になるのだろう。だから、地球温暖化に熱心なのか、水打ち作戦とかがんばってますやん。あれも選挙対策だったのかも。

■それにしても「刺客」には、十分過ぎるくらいのセイフティネットが用意されていて、なんだか「刺客」から連想するイメージとは程遠い。いいご身分ですこと。

■奈良1区から国替えして出馬した高市早苗が、郵政民営化関連法案に反対した新党日本の滝実らを破って、返り咲き…あれ?「高市早苗」って誰?山本拓と結婚した「山本早苗」って人なら知ってるけど。あの人はたしか夫婦別姓に断固反対してたっけ。

■広島6区、亀井静香が堀江貴文に競り勝つ。いやぁ「ホリエモン」氏の気持ち悪い顔を見なくてすむのはうれしいが、亀井が当選ってのは複雑だな。堀江にとっては、どっちに転んでも良かったわけだ。むしろ、「非常勤」国会議員なんて叩かれないだけ良かったかも。

■でさ、堀江に投票したのはどんな人だろうとも思う。亀井ってのは典型的な田舎型政治家で、広島6区みたいな田舎には実に都合のいい政治家なんだよね。一方の堀江は、その対極にあるような人物で、彼ほどの「市場原理主義者」はいないんじゃないか。要するに、堀江が当選して困るのは田舎の人たちなんだよね。そのあたりをわかっていて投票していた人って、いったいどれくらいいるんだろ?

■茨城7区、自殺した永岡洋治の後継者、妻の永岡桂子は小選挙区では、ゼネコン汚職の中村喜四郎に敗北。比例で復活か。「弔い合戦」といわれても、勝手に自殺しただけだかんね。というか、選挙区の私物化だろ。

■菅源太郎や橋本龍太郎の次男・橋本岳は落選。ざまぁみろとだけ言っておく。一方、石原宏高は当選。ま、非常勤知事の石原慎太郎を含めて、石原家は税金で面倒をみることが決まりらしいので、しょうがない。

■社民党は議席増か。辻元がカムバックで土井が退出。ま、土井よりは辻元の方が役立つだろ。もちろん、出る杭は打たれる運命にあって、彼女が目立つたびに、例の「ワークシェアリング」(秘書給与詐欺)で叩かれるんだろうな。共産党は現状維持。「確かな野党が必要です」ってスローガン…うーん、共産党は「確か」なのか?

■公明党は存在感の希薄化を危惧ねぇ…いやいや、選挙における動員力は侮れないわけで、そうかわらんだろ。今までだって、持ち前の「実現力」でもって、自民党のイエスマンとして働いてきたんだし、注文つけることもないだろ。

■新党大地、鈴木宗男が復活。長女の鈴木貴子さんってのがやたら出てきて、うんざり。メディアってこういうの好きね。むしろ、ムネオハウスの魅力は、やっぱ「ハコ乗り」(ムネオ乗り)だ。

■他にも言うことがあった気がするが、ひとまずこんなとこ。あぁ…そうそう、反対の参議院議員がこれにビビって投票行動を変えたら、参院なんてほんといらないよね、っと。


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