2005年8月9日火曜日

郵政解散→自爆解散

■一回書いた原稿が消えてしまった。すっげー憂鬱な気分になりながら、書き直す。

■「自爆テロ解散」なんじゃないか…ってのが率直な感想。ついに「自民党をぶっ壊す」ために行動をとったわけだが、これで自民党は分裂選挙。小泉首相は「総理の座」を明渡すことになりはしないか。そして、彼が固執してきた郵政民営化もこれで遠のいてしまうのではないか。よりによって「9.11」が決戦の日だ…やはり自爆テロですよ。

■衆院の解散時には「バンザイ」することが恒例になっているが、ほんと、あれを見せつけられると、暗澹たる気分になる。これから政治的混乱が到来するってのに、このバカモノどもは何を能天気に両手を上げてはしゃいでいるのか。そして、言うのだ…ばんざ〜い、と。この底抜けのバカたちのために、税金(500億だっけ?)が使われると思うと、実に腹立たしい。

■で、これを見ていて連想されるのが、某国の「マンセー(万歳)」ってやつだな。どんな時にも「マンセー」とやってるもんだから、ばかだなぁと無邪気に笑っていたのだが、我が国にも深刻な事態があったことをすっかり忘れていたのだった。あぁ、恥ずかしい。

■衆院解散のもう一つの名物と言えば、「○○解散」というネーミングを決めることだ。

  • 「改革推進解散」(首相周辺)

  • 「当たり散らしやけくそ解散」「自暴自棄解散」(亀井静香)

  • 「自爆テロ解散」(民主党幹部)…たぶん私が言う意味合いとは違う。

  • 「八つ当たり解散」(社民党の又市征治幹事長)

  • 「『江戸の敵を長崎で討つ』解散」(高村正彦)

  • 「想定外解散」(民主党若手)



■客観的かつ後世に語り継がれるのは「郵政解散」だろうが、これでは首相の思う壺。反対派からすれば、同じ土俵に上がることは避けたいところだろう。

■ってのも、小泉自民党は「新しい自民党」を称して、郵政民営化実現への再挑戦をうたっており、造反組と野党を「構造改革つぶしの抵抗勢力」に据えている。これではたまったものではない。

■特に民主党の場合…次のように言われてしまうと、反論できなくなる。

  • 「岡田克也代表は郵貯・簡保の将来の民営化と職員の非公務員化を求めていたが、民主党が三月にまとめた見解に反映させることをしなかった。結局、対案は出せなかった。労組の意向が最優先されたといわれても仕方なく、とても改革政党とはいえまい。」(産経社説)

  • 「『政権準備党』を自任してきたが、郵政国会では、郵政民営化法案の対案も出さず、支持団体の郵政労組への配慮から、現在の公社維持・結論先送りを主張し、存在感は希薄だった。」(読売社説)



■この争点については、政治家が設定するのではなく、国民が決めればいい。郵政を主要なテーマに据える自民党にするのか、「郵政よりも大事なことがある」と主張する野党にするのか。ま、郵政民営化したら、この国の改革はうまくいく…みたいに首相は言うわけだが、多くのアンケート調査が示すように、国民にとっては郵政民営化のプライオリティは低いわけ。他にやって欲しいことはいくらでもある。それを総理に教えてあげるには、やっぱ選挙で大敗していただくより他ないね。

■それにしても、「この程度の公約を 守れなかったことは大したことではない」と言っていた人が、この郵政に対する執着心…やっぱすごいよなぁ。裏を返せば、郵政以外はどうでもいい…ってことか。

■その意味で、確かに衆院の解散を「人質」にして、参院を脅迫するってのは、恐ろしい強権政治ではあるものの、この郵政の異常な執着心ゆえに正当化しうると考える。というか、自民党内部のゴタゴタなんてどうでもいいってのが正直なところだが。「抵抗勢力」をかばってやる義理もないし。

■前にも述べたが、郵政オタクってことが周知の上で選んだのは自民党の議員たちであって、それこそ「自己責任」であり、「郵政暴走リスク」は議員たちが背負うべきだ。しかも、国民にはボールをきちんと渡していて、その政治手法を評価することを可能にしている。これがどうも許せんってんなら、投票で示すのみだ。

■首相は衆院の造反議員を、党公認候補としないことを言明している。これについては率直に評価できる。自民党が郵政を主要な争点に据えるのならば、反対派議員を公認しないのは、選挙民に対する当然の礼儀というもの。というか、これまで「抵抗勢力」を公認してきたこと自体がおかしかったんだ。

■ここにきて、造反衆議員の焦りようは面白い。急に「党内融和」ムードを出し始めてるし。こんなことなら参院で可決してればよかった…なんて思ってる議員も多いんじゃないか。あと、参議員の方も除名とかしないと不公平だよな。

■こうなると、つくづく「欠席」した議員ってのはせこいと思うな。郵政で踏絵をされるらしいけど、無所属で出る奴なんていないんだろうなぁ。

■社民党の又市幹事長が「八つ当たり解散」というように、社民党や共産党にとっては、とんだ災難だろう。「二大政党」なる幻想に追いやられて…特に支持基盤がない社民党はお葬式の準備をしておいた方がいいかもしれない。

■そういえば、辻元清美が「一人よがり解散」ってなことを言っているが、出馬するのかな。社民党の復活にはやはり彼女が不可欠だと思うのだが…って、社民党からは出馬しないのか。ま、がんばってくださいや。


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