石原慎太郎・東京都知事が「フランス語は数を勘定できず国際語として失格」などと発言したのは名誉棄損に当たるとして、都内のフランス語学校校長、マリック・ベルカンヌさん(46)や日本人のフランス語研究者ら21人が13日、石原知事を相手に、新聞への謝罪広告掲載と計1000万円余の慰謝料を求めて東京地裁に提訴した。いったい何に対する「名誉毀損」で、何の権限で慰謝料を求めるのか。さっぱりわからん。
石原知事は昨年10月、首都大学東京(今年4月開学)の支援組織設立総会で「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格しているのも、むべなるかなという気がする」と発言。フランス語は「70」を「60+10」、「80」を「4×20」などと数えるため、知事の発言はこうした数え方を念頭に置いたものとみられる。
これに対し、原告は「フランス語は数を数えられ、国際機関や多数の国で公用語として使われている。虚偽の発言で母国語として話したり研究する者の名誉を傷つけ、学習者の意欲をそぐことで語学校の業務を妨害した」などと主張している。原告代理人の酒井幸弁護士は「一部に変わった言い方があるが、『数えられない』との発言は理解できない」と批判した。
■フランス語学校やフランス語研究者ねぇ…やっぱ自身が携わっている言語を侮辱されて、自尊心が傷つけられたんだろうね。単なる営業妨害ってことだけだとも思えないし。
■しかし、石原発言自体は何が言いたいんだかわからんなぁ。
■数え方が独特であることは確かだ。私も学部生時代にフランス語で苦労した人間だけど、この数え方はめんどくさいと思った。ただ、「勘定できない」というのは、単にフランス語を習得していないってだけのこと。言語にはそれぞれ固有の言い回しがあるのであって、それは日本語だって例外ではない。
■それに英語が国際語として、確固たる地位を築いているのは、その優越性にあるのではなくって、パクス・ブリタニカ&アメリカーナってな文脈で説明がなされるものでしょうに。数えにくいから国際語にならなかったってのはお門違いもいいところ。
■で、今さらなんだが、「首都大学東京」が普通に使われてるけど、おそらく命名者が意図していたであろう洗練されたイメージってのは、微塵も感じられないな。
【追記】
発言当時、首都大学東京に再編される都立大の学内では、フランス語を含む語学・文学専攻が統合されることに反発の声が上がっていた。発言はそれを批判するなかで出た…らしい。そういった文脈で、
「フランス語は数を勘定できない言葉だから、国際語として失格しているのも、むべなるかなという気がする。そういうものにしがみついている手合いが反対のための反対をしている。笑止千万だ」と発言したらしい。
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