2004年11月14日日曜日

南京大虐殺

■産経抄
 漫画家・本宮ひろ志さん(57)が「週刊ヤングジャンプ」に連載した『国が燃える』のことは前に小欄で書いた。一口にいうと、例の“南京大虐殺”についてめちゃくちゃな漫画である。その同誌が十一日発売号で「読者の皆様へ」とするおわびを載せた。

 ▼それによると「参考資料の選択、検証に慎重さを欠いた」といい、三カ所、二十一ページ分の削除・修正をしている。南京事件についてもそうだったが、戦犯として処刑された方々の遺族がいま裁判で係争中の「百人斬り競争」も、あたかも歴史の真実のように描いていた。

 ▼これでもかこれでもかとばかり日本人の誇りと名誉を傷つけたこの漫画に対し、たくさんの読者から抗議が集英社編集部に殺到したという。ともかく抗議の成果が実ったのはまこと喜ばしい。歴史をゆがめる自虐作品は、そのつどきちんと訂正させるべきだろう。

 ▼くしくも時を同じくして、海の向こうから中国系米国人アイリス・チャンさん(36)の訃報(ふほう)が届いた。自殺だという。これまた事実を曲げた悪名高いベストセラー『ザ・レイプ・オブ・南京』の著者で一児の母だ。

 ▼同書には約三十枚の虐殺関連写真なるものが収録されていた。しかし検証した秦郁彦氏によると、そのなかには南京と関連のない場所や時期のものや、中国の官憲が匪賊(ひぞく)を処刑した生クビ写真まで南京虐殺の犠牲者として掲載していた(『現代史の対決』文藝春秋)。

 ▼その“惨憺(さんたん)たる歴史書”を書いた女性ジャーナリストは、なぜ自分で自分の頭を撃たなければならなかったか。彼女の意図的な反日の筆により、いわれなき汚名を着せられた元日本兵の多くはすでに故人となった。彼らの憤怒の声が聞こえた、というのはむろん小欄の空耳だが…。




��取材日記>日本、南京虐殺も歪曲?(中央日報)
漫画週刊誌『ヤングジャンプ』に現代史を素材にした「国が燃える」という作品を連載している本宮ひろ志氏は、今年9月、南京虐殺の部分を2回に分けて載せた。 民間人集団処刑場面なども描写した。その後、出版社の集英社は抗議訪問と電話攻勢に苦しめられた。 「ありもしないことで日本国民のプライドを傷づけた」というのが理由だった。 右翼団体らは宣伝車両を出し、大型拡声器を使って脅迫した。 自治団体議員団など世論主導層もこれに加勢した。

結局、集英社は11日、「単行本を出す際、作家と協議し、27ページのうち10ページを削除し、11ページを修正する」と発表した。「人類が絶対に忘れてはならない日本軍による愚行があった」という表現も修正対象に含まれた。 蛮行を愚行と婉曲に表現したことさえも抗議対象になったのである。

ともすれば歴史問題で騒ぎを起こす右翼勢力が、日本全体の世論を代弁するわけではない。 しかし日本屈指の出版社がお手上げした今回の事件は、この数年間に日本社会全般で強まった右傾化気流の一断面を見せている。

今回の件がもっと深刻なのは、来年の教科書検定のためだ。 日本では4年に一度ずつ各出版社が教科書を修正し、政府の検定を受ける。 01年には従軍慰安婦など日本の侵略事実を歪曲・美化した右翼団体「新しい歴史をつくる会」の中学校歴史教科書が、外交問題に飛び火している。 漫画をめぐってこの程度の騒ぎが起こるのなら、来年の教科書はどうなるのか心配が先立つ。



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