2004年10月4日月曜日

年金・福祉改革>郵政民営化

■毎日新聞/社説「年金保険料 改革なくして値上げなしだ」
 小泉純一郎首相は内閣改造を行い郵政民営化に強い意欲を見せているが、まさか年金改革を忘れたわけではあるまい。メディアの世論調査によれば、国民は郵政より年金・福祉改革を望んでいる。年金改革法が施行されたことで、政府・与党が年金の抜本改革をうやむやにしてしまおうと考えているとすれば、大きな間違いだ。今後、14年間連続で保険料が上がっていくのだから、年金改革を忘れることなどあり得ない。

 これから何をしなければならないのか。三つ指摘をしたい。まず、年金制度の見直しである。先の国会で小泉首相は国民、厚生、共済各年金の一元化構想を打ち上げたが、相次ぐ国会議員の年金未納や参院選などもあって、改革論議は中途半端なままになっている。与党と民主党との「3党合意」も中ぶらりんの状態だ。今回の改革法は誰がみても抜本改革にはなっていない。年金一元化に向けて合意形成を図り中長期のあるべき姿を早く示さないことには、年金未納者が増え制度崩壊の恐れがある。

 二つ目は社会保険庁のあり方の問題だ。新長官に民間人を迎え、官房長官の下に有識者会議を設けるなど、遅ればせながら組織の立て直しに着手したが、前途は多難である。9月にまとめた65項目の緊急対応プログラムでは、年金未納対策や内部統制の強化などによる組織改革を打ち出したが、いずれも存続を前提にした内容だ。まずしなければならないのは、社保庁という組織が必要なのかという根本的な議論ではないのか。

 先月末には、社保庁の随意契約をめぐる汚職事件で、課長が逮捕された。保険料の無駄遣いや多発する年金の過払いミス、窓口サービスの悪さに加え、今度は汚職事件だ。信用をなくした社保庁が、年金保険料を国民から集めることができるのか。

 緊急プログラムでは年金と労働保険料の徴収事務の一元化も盛り込まれた。それを第1段階として、次に国税庁と統合し税と社会保険料の徴収を行う歳入庁の創設を検討すべきだ。

 最後に国会議員互助年金の見直しだ。厚生、国民年金に比べ、議員年金は優遇されている。衆参両院議長の諮問機関である「国会議員互助年金調査会」が、年内に方向性を示す予定だが、一部手直しでお茶を濁すようなことがあってはならない。議員年金はこの際、きっぱりと廃止し国会議員は国民と同じ制度に加入すべきだ。
 郵政民営化への異常な執着心は何なんだろ?


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