2004年9月25日土曜日

涙は男の武器

石郷岡建「首相の涙」(毎日新聞,発信箱)
 小泉純一郎首相が訪問先のブラジルで涙を流した。日系人歓迎集会で、人々の望郷の念が強いのに胸を打たれ、思わず涙したという。現地からのテレビ映像を見ると、思わず涙したというよりは号泣に近い。顔をくしゃくしゃにし、こぶしで流れ出る涙をぬぐっている。

 私はちょっとびっくりした。国家の最高指導者がこんなにあからさまに涙を流してもいいのだろうかと思ったからだ。 少なくとも、欧米諸国では許されない。涙を流すということは感情に左右される弱い性格であり、国家の運命を決める指導者の器ではないとみなされるからだ。
 特に軍最高司令官を兼務する場合、感情に流されて戦争の決定を行いかねないとの評価になる。軍人は涙を流さないのが普通だ。公衆の面前で涙を流した世界的指導者の話はあまり聞いたことがない。
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 ただ、日本では、涙は必ずしも「弱さ」を意味しない。「人間味あふれる」とか「情が深い」とか、肯定的評価になるケースが多い。
 あの涙を見て思い出すのは、田中真紀子が涙した時に、「涙は女の武器って言うからね」と評したことだ。涙を流さないことが「美徳」とされる男性にこそ「男泣き」は最大の武器になる。こういうくだらない固定観念は早急に捨て去るべきだ。


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