2004年7月10日土曜日

プロ野球の社説

■まぁ、なんとなくプロ野球に関する社説をクリップ…

■毎日新聞/社説「オーナー会議『寄らば巨人』に明日はあるか」
 すべてのオーナーが真剣にプロ野球全体のことを考え、議論していれば、プロ野球に、これほど「巨人寄り」の制度ができるはずがなかった。

 球団経営を本業の重要な一部として、本気でプロ野球を考えている巨人のオーナー以外は、「自分の球団に有利か不利か」しか関心のないオーナーばかり。巨人の顔色をうかがいながら会議に同席していただけではなかったのか。

 「パ・リーグ」の看板を捨て、1リーグ入りを目指すオーナーたちの思いは「寄らば巨人」だ。だが、巨人を「改革」に走らせるもとになっているのは、巨人自体の危機感である。これほど、巨人にタレントが集まる仕組みを用意したにもかかわらず、本拠地・東京ドームに空席が目立ち、テレビの視聴率も低下に歯止めがかからない。根元が揺らぐ「巨木」にしがみついて、明日はあるのか。

 いま、プロ野球は新しい「ビジネスモデル」を求められている。9月の次回オーナー会議まで時間はある。プロ野球を育ててきた先人たちや、いまもプロ野球を愛し、入場料を支払って応援に駆けつけるファンを納得させる答えを見せてほしい。
 正論ではあるが…「本気でプロ野球を考えている巨人のオーナー以外は」って記述が気に入らない。


■産経新聞/社説「プロ野球改革 なぜ安易な道を急ぐのか」
 問題は、そうしたプロ野球の存亡にもかかわるようなことが、多くの疑念を置き去りにしたまま、オーナーたちの「経営感覚」だけで検討されていることだろう。

 プロ野球は他のスポーツ同様、営利だけを目指したものではなく、人々の心の豊かさと直結した「文化」でもある。その七十年の歴史を支えてきたのは多くのファンであり、それに応えようとしてきた選手たちである。

 その制度を抜本的に改革しようというのであれば、目先の「経営感覚」ばかりでなく、そうしたファンや選手たちの意見をまず聞くというのは当然のことであろう。

 そうすれば、巨人戦に偏重しているテレビ放映権制度の見直し、新しい経営者の受け入れなど、他の改革案が数多く出てくるはずである。多くの球団が赤字だから、球団を減らし一リーグに、というのは余りにも「その場しのぎ」に思える。



■朝日新聞/社説「1リーグ――その前にやることがある」
 こうした重要なことを決めるには野球協約でルールが定められている。それをもとに、労組プロ野球選手会の古田敦也会長は選手と経営者側が話し合う「特別委員会」を開くよう要求した。当然のことだろう。1リーグをめざすならば、本来、そうした手順を踏むべきなのだ。

 球団の経営が苦しくなった理由のひとつに、選手の年俸がふくらみ過ぎたことがある。選手会は自分たちの年俸を議論してもいい、といっている。渡りに船ではないか。1リーグ制を急ぐ前に、率直に話し合ってもらいたい。

 ほかにもオーナーたちが手をつけるべきことはいくつもある。

 ドラフトを下位球団から順に指名するウェーバー制にする。新人契約につきものといわれる「裏金」を監視する機関をつくる。テレビ放映権をコミッショナーが管理し、全球団に分配する。面白い試合を見せ、球界全体を安定させるには、こうした大手術が欠かせない。

 改革のときこそ、最終決定者であるコミッショナーの出番だ。公正取引委員長として公正な競争の実現に努めた根来泰周氏なら、先刻ご承知のことだろう。

 有力オーナーたちの無理押しで1リーグ制に移しても、球界のゆがみを正さなければ、遠からず行き詰まる球団が再び出てくる。プロスポーツが増え、大リーグが身近になったことでファンの目が肥えていることを忘れてはならない。

 縮小均衡を続け、選手のすそ野が狭まることも心配だ。3軍までつくり、アマチュアと交流させる構想もある。だが、チームがあっけなく消えるようなプロ野球に少年たちはあこがれるだろうか。

 渡辺オーナーは記者会見で「朝日新聞の論調に迎合するような方向に引きずられる必要はない」と語った。私たちは、プロ野球のために、議論を尽くすよう呼びかけているのだ。その気持ちを理解してもらえないのは、なんとも寂しい。
 「朝日新聞の論調に迎合するような方向に引きずられる必要はない」…ナベツネはそんなことも言ってましたか。


■ちなみに、読売はこの「球界再編」劇にだんまりを決め込んでいる。読売の独裁者・渡辺恒雄の意向に沿わないことを主張するわけにはいかないのだろう。さすがの御用体質ですね。

■ほんと、ナベツネは「悪役」を演じるのがうまいなぁ。「無礼なことをいうな。分をわきまえなきゃいかんよ、たかが選手が!」って吐き棄てたシーンはよかったよ。「お前、何様だよっ!」ってどれくらいの人がツッコミを入れただろうか?


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