2004年2月21日土曜日

社民党のリストラ/ワークシェアリング

■「社民党職員にもリストラの波 政党交付金減、財政火の車」(朝日新聞)
 長年、労組の支援を受け、安易なリストラを批判してきた社民党が、足元の党本部職員のリストラに追い込まれた。昨年の総選挙での惨敗で、党財政を支える政党交付金が激減するためだ。20日、執行部は全職員を対象に希望退職を募ることを職員に通告した。社民党の春は遠い――。

 総選挙で社民党の議席は18から3分の1の6に減った。18日の党首討論で福島党首が「登板」できないなど小会派の制約も大きい。同時に直撃したのが、国会議員数と国政選挙の得票数をもとに配分される政党交付金。昨年は約17億円だったが、今年は約5億円減の約12億円になる。収入の大半を占めるだけに、財政難は深刻だ。支出のカットは避けられない。

 そこで「切り札」に浮上したのが本部職員のリストラ。希望退職者には退職金を上乗せ。党と関係の深い労組などへの再就職のあっせんも検討することで、4月末までに約40人のうち15人を削減。年約3億円の人件費を約1億円分減らす考えだ。支出の約3分の1を占める都道府県連合への年5億円余りの交付金も半減させる方針。

 「雇用を守り、労働者の声を代弁することが売り物の政党が、身内の首を切る。皮肉な話だ」。党職員は、こう語る。

 ただ、想定以上に退職者が出れば退職金がかさみ、参院選の運動資金にも手をつけざるを得なくなる。地方組織の財政力に余裕がなくなれば地方議員の選挙にも影響し、党勢拡大にはマイナスになる。

 党本部も党費の値上げなど増収に躍起だ。「党本部の内部が警察署の雰囲気に似ている」として、会議室を刑事ドラマのロケに貸し出したりしているが、「焼け石に水」(党職員)。党内からは「自民、民主両党のように政治資金パーティーを開くしかない」という意見まで出始めている。

■おいおい、冗談だろ。あの社民党は「リストラ」を批判してなんぼだろが。こともあろうに、自分たちが「リストラ」をする側になるとは。リストラをする企業の気持ちがわかりました…ってか。

■「ワークシェアリング」の理念はどこへ行ったんだよ。こういう苦境の時期こそ、社民党が言ってきた「ワークシェアリング」を実践しろよ。まぁ、社民党の場合、辻元清美みたいに、秘書給与の流用のことを「ワークシェアリング」と思い込んでいた可能性が残るんですがね。

■これは敗北宣言か。リストラをしようということは、もはやかつての規模に回復できないと判断したからだろうか。「ワークシェアリング」をしても成長が見込めない限り、不健全な部分が温存されるだけである。だから、「構造改革」をするしか道はない…そういうことか?

■政策秘書給与の流用に加えて、政治資金パーティーですか。これはもう「政治とカネ」の問題を批判できなくなっちゃうね。それこそ自分の首を締めるような行為だ。たとえ、日本の右傾化を嘆く人々から資金を集めたとしても,それで国民の票を獲得できると思ったら大間違いだ。つくづく「護憲」だけで票が集まった時代が恋しいことだろう。憲法9条が一番必要なのは社民党なのですね。


■このまま社民党はつぶれてしまうのか。民主党の「二大政党制」という詐術を前に、完全に行き場を失ってしまった。これまで、社会民主主義的な(市場の暴力性を是正し、市場を補完していくような)政策体系を作り上げていく必要がある…などと言ってきたが、こんなことをしても実際には票は集まらない。なぜなら、それは日本の民主主義が成熟していることを前提に話をしているからだ。悲しいことに現実はそうではない。

■自民党と民主党という大波に埋もれて、社民党は完全に存在感を喪失させてしまった。社民党に足りないのは「顔」である。こんなことを言うのは不本意なことだが、社民党は復活のために、知名度の高い人物の勧誘に励むべきだ。

■それにしても、社民党が危機に陥っている時に、左翼系の文化人たちは何をやっているんだろうと思う。沈みそうな船に乗り込むのが怖くて、安全な陸の上から「がんばれ」と言っているだけだ。


■自民党憲法改正プロジェクトチームで憲法改正草案のたたき台として論点整理案を作成している。憲法前文に、日本の歴史・伝統・文化・国柄、健全な愛国心を盛り込むという。現行憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3原則を掲げた一方で、「誤った平和主義、人権意識への戒め」も盛り込むべきとの指摘も出てるとか。

■予想していたことではあるが…とてつもなく変な方向を向いている。やれやれ…「たたき台」というだけあって、叩きどころ満載だ。歴史・伝統・文化・健全な愛国心?まったく…どれもいかがわしい言葉ばかりじゃないか。誤った平和主義?人権意識への戒め?なんなんだこの保守派常套句のフルコースは。頭が痛くなってくる。


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