読売・産経は「護憲」がいかに時代錯誤かを強調している
「土井氏は今回の衆院選で、『がんこに平和』『憲法九条がある限り、自衛隊を海外に出してはならない』と主張した。時代の趨勢とは乖離がある。」(読売新聞)さらには、「“護憲原理主義”の落日」(読売新聞)、「日本型社会主義の終焉」(産経新聞)とまで言っている。
「土井氏は、最大の争点に憲法問題を挙げ、『護憲選挙』を前面に打ち出した。『憲法を生かすのか、死なせるのかを賭けた戦いだ』などと言い募る姿は“護憲教”とも映った。」(読売新聞)
「米国で中枢同時テロが起き、北朝鮮による日本人拉致の実態が明らかになるにつれ、そうした社民党の主張が、いかに非現実的であるか、国民の多くが認めるところとなった。土井氏自身の言葉を借りれば、社民党が目指したのと逆の方向に『山が動き始めた』のである。」(産経新聞)
「原理主義」とか「社会主義」っていうレッテルを貼りますか。このレッテルは非常に便利だ。
それにしても、「社会主義」ときますか…そう言えば、亀井静香も「根っこの部分のマルクス・レーニン主義が枯れちゃったから…」みたいなことを言っていた。やれやれ…産経も亀井も、未だに社会主義の亡霊にとりつかれているんだなぁ。
さて、まぁ中道と言ってよいだろう、日本経済新聞は淡々と社民党の没落を語っただけ。
「土井氏が党首に復帰しても社民党の退潮に歯止めはかからなかった。土井氏がいくら『護憲』を叫んでも、日本の安全をどう確保するのか、世界の平和にどう貢献するのかの具体論がないスローガン的な『護憲』論は説得力に乏しく、国民の支持と共感を得られなくなった。」(日経新聞)
「土井氏の退陣は衆院選の結果を踏まえれば当然であり、二大政党化と世代交代の流れにそったものだ。唯一最大の看板を失う社民党の苦境は一段と深まった。次の党首に誰がなっても社民党を維持するのはもはや困難だろう。」(日経新聞)
確かに、誰がなっても厳しいという気がしてならない。
では、その打開策はないのか?
左派がどういった論調か…
毎日は日経同様、土井と社民党の流れを追っただけで終わった。
「土井氏がメーンスローガンに掲げた「護憲勢力」は先の総選挙でも退潮が続いている。社会党委員長時代には政治潮流の先端に立ち、土井氏の政治人生は大いに輝いていた。しかし、後半は苦難の連続。辞任をもってしても、社民党の活路は開かれていない。一つの時代の終えんを象徴している」(毎日新聞)
一方、朝日は「社民党――土井さん、お疲れさま」というタイトルからして好意的だ。
「衆院では6議席しかない小政党に転落したとはいえ、社民党には失ってはならない大事な役割がある。多くの議員が民主党へと去った後も、社民党は環境保護や基地、エネルギー問題などの市民活動を国会に橋渡しする役目を務めてきた。市民のさまざまな不安を吸い上げ、それを政治に反映させることは大事なことだ。社民党の選択肢は二つある。民主党に合流し、切磋琢磨しながらその主張を生かしていくか。あるいは欧州の緑の党のように、小さくても特定の政策課題で影響力を発揮する政党として再生を図るかだ。」(朝日新聞)
私は民主党に合併することが最良の選択とは思わないし、それは自己保身にしか思えない。むしろ、少数勢力として独自の路線を行くべきだと思う。
中日新聞は…
「西欧の多くの国で社会民主主義政党が政権を握ったのは、資本主義の欠陥を補う路線を人々が求めたからだ。しかしこの党は万年野党に安住し、イデオロギー政党から国民政党への路線転換ができなかった。」(中日新聞/東京新聞)
重要なのはこういうことではないか。
「資本主義の欠陥を補う路線」こそが社会民主主義の強みである。ところが不幸にもこの国では、「憲法」「安全保障」がイデオロギーの主要成分となっていて、社民党が本来の社会民主主義の役割を果たしているとは言い難い。
■土井党首辞任を扱った社説
・読売新聞(14日)
・産経新聞(14日)
・日本経済新聞(14日)
・中日新聞/東京新聞(14日)
・毎日新聞(15日)
・朝日新聞(15日)
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