2003年9月1日月曜日

改革派知事

■土屋義彦前知事の辞職に伴う埼玉県知事選挙…上田清司が当選。投票率は35.80%と低い。一般的な見方をすれば…土屋前知事は資金管理団体をめぐる長女の政治資金規正法違反事件で引責辞職したので、「政治とカネ」に対する有権者の関心は高かった。しかし、各候補とも業者との癒着排除などを訴えたため「誰が当選しても同じ」と受け止められ、争点にならなかった…ということらしい。

■埼玉県民は土屋のようなバカを知事に選び続けたという反省が全く見られない。そこは「どれも一緒」と放棄するんじゃなくて、しっかり選べよ。(もっとも猛省すべきは対立候補を出さず土屋に相乗りしていた政党だが)

■上田清司知事ねぇ…まぁ、いいんじゃないのかな。上田は無党派を取り込むために、これまで所属してきた民主党を離れ、「しがらみ」がないことをアピールした。確かに一議員と知事とでは政党の意味合いが違ってくるだろうが、こういうのってどうなんだろうなぁ。僕としては民主党として勝って欲しかったけど。

■民主党は、上田優勢の情勢をみて、選挙戦後半に対応修正。菅代表と自由党の小沢党首がそろって現地入りするなど、両党の「合併」をアピールした。一方、自民党は敗れた場合の小泉政権への悪影響を恐れて「自民対民主」の構図となる事態を避け続けた。しかし告示後、個人的な支援として山崎拓幹事長、麻生太郎政調会長らが同党県連が推薦した嶋津昭の支援に入り、自民、民主が事実上ぶつかり合う総選挙の前哨戦の様相になった…らしい。

■「変態・山拓」+「抵抗勢力・麻生」の応援ですよ?そりゃぁ、応援になってないって。どれだけプラスになったかは怪しいとこだが、まだ菅直人や小沢一郎の方がマシってもんだろう。しかも、嶋津は元総務事務次官で、一方の上田は「脱官僚支配」を訴え「改革派知事」(この“改革派”って語句は、いかがわしいもんだが)のイメージをアピールしている。

■民主党は「与野党対決」に勝利したと騒ぎ立てることだろう。本当に「与野党対決」だったのかは置いておくとして、戦略的には騒がない方がよい。それは与党内の危機感を煽ってしまう可能性があり、選挙に強い小泉純一郎の再選の流れを加速する可能性があるからだ。小泉再選は民主党には都合が悪いはずだ。目先の「勝利」に酔いしれるよりも、もっと先を見た方がよいのではないか。


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