2003年6月23日月曜日

共産党の現実路線

■共産党の不破哲三議長は、第7回中央委員会総会で、42年ぶりの全面改定となる党綱領改定案を提案した。天皇制の廃止要求を削除し、自衛隊とともに存在を事実上容認するなど、従来の「革命」色を薄める現実路線が最大の特徴。野党結集による連立政権構想に積極的な姿勢も打ち出し、90年代後半以降、不破氏が進めてきた柔軟路線を反映した形…らしい。
■「国民の合意」で天皇制や自衛隊の解消を示唆している。まぁ、これはいい言葉で言えば「妥協」、悪く言えば「ごまかし」だね。共産党支持層の高齢化を懸念してんのかな。で、変化をアピールして新らしい支持層を取りこもうとする姿勢と共産党支持者への配慮。だが、本音はどうなのかがさっぱりわからない。天皇制や自衛隊の廃止の世論が形成されていくとは考えられない。つまり、共産党は本気で廃止できると思っているのか、あるいは建前として言っているだけなのか。
■「柔軟路線」には一定の評価がされるべなのだろうが、どうも古臭い。さらに改定案は、「資本主義の枠内で可能な民主的改革」に取り組む方針を示す一方で、その後に社会主義・共産主義体制の実現を目指す方針は維持している。これも戸惑わせる要因になる。国民が本当にそんなものを受け入れると思っているのだろうか。結局、旧態依然のままの共産党がそこにはある。ただただ、いかがわしさだけは確実に強まっているように思える。
■僕としては、天皇制は全く必要性はないと思っている。皇太子サマの「よいパパ」や雅子サマの「母の愛」、あるいは「可愛らしい」愛子サマなんてのが出てくると吐き気がする。だが、このような報道を見る限り、天皇制がなくなることはないだろうし、あってもそれほど問題はなかろう。まぁ無駄なカネとありがちな皇室報道への嫌悪感という害はあるが、それは我慢するしかあるまい。
■自衛隊に関しては、僕は積極的に擁護する。自衛隊は平和主義と矛盾するものではなくて、むしろ平和主義のために自衛隊はあるべきだと考えているからだ。ただ、日米安保や自衛隊の活動は再検討を要するだろう。ここのところの政府の行動を見るとどうも不安になる。日本がどんどんアメリカに埋めこまれている。また専守防衛の原則を見直そうという動きも強まってきている。
■アメリカにどこまで協力するか、自衛隊は活動範囲をどこまでか、こういった線引きの原理原則がないまま、なし崩し的にずるずると進んでいる。タカ派の狙いというのは、そうやって漸進的に平和主義を崩していくことにある気がしてならない。いきなり過激な主張をしても、国民の反発で潰されることはわかっているからだ。北朝鮮という「脅威」はそれを大きく前進させた。彼らが意図するところに、もっと我々は神経を尖らせる必要があるのだろう。


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