■まぁ、なんだろ…係争中の案件を「日本の領土である」と決めつけて教えるってのは「学問」としては間違ってる気はするけどね。どういう歴史的経緯があって、国際法と照らし合わせてどちらの言い分が正しいかを各自に判断させるってのが正しいと思うけど。まぁ、検定教科書って時点で政府の意向に沿ったもんになるのは当然か。退屈な内容だったけど、社説ペタペタ…
■竹島 明確に「日本領」と教えよ(産経社説)
領土問題は日本の主権にかかわる問題である。その指導のあり方を示す解説書に外交的配慮を加えたことは、日本の公教育の将来に禍根を残したといえる。「学問」としておかしんじゃね?って言ってたところ、いきなり「それが公教育というものである」と言われてしまい、出鼻をくじかれました。「過去の戦争は正しかった」と教えるのも、公教育として当然のことになり、ゆえに、「韓国側の不満は理解に苦しむ」んだ。
韓国はこの日本政府の対応にも「深い失望と遺憾」の意を示し、駐日大使の召還を発表した。韓国側の不満は理解に苦しむ。
解説書は教科書編集の参考とされる重要な資料である。最近の検定では、竹島について「日韓両国が領有権を主張」といった申請図書(白表紙本)の記述に意見が付き、日本の領土であるとする記述が少しずつ増えていた。今回の福田内閣の対応は、こうした検定方針とも矛盾している。
ただ、解説書は領土問題について「我が国が正当に主張している立場」に基づくべきだとも書いている。外務省のホームページによれば、竹島は日本の領土でありながら、韓国に不法占拠されている。解説書の竹島に関する表現は曖昧だが、学校では、この日本の立場を踏まえて指導すべきだ。
竹島は江戸時代から日本の中継基地として利用され、明治38(1905)年の閣議決定と島根県告示で日本領に編入された。戦後の昭和27(1952)年、韓国の当時の李承晩政権が一方的に竹島を韓国領とする「李ライン」を設定した。サンフランシスコ講和条約の起草過程で、韓国は日本が放棄すべき領土に含めるよう要請したが、米国は竹島が日本の管轄下にあるとして拒否した。
実際の社会科の授業では、こうした歴史的経緯を含め、竹島が歴史的にも法的にもまぎれもない日本領土であることをきちんと教える必要がある。それが公教育というものである。
■学習指導解説書 「竹島」明記は遅いぐらいだ(7月15日付・読売社説)
竹島は、遅くとも江戸時代初期の17世紀半ば以降、日本が領有権を確立し、1905年、閣議決定を経て島根県に編入された。「遅くとも江戸時代初期の17世紀半ば」ってその時代、あのでっかい岩塊の重要性を認識していたとも思えない。1905年の編入ってのも、1952年の「李承晩ライン」ってのも、違う立場からすれば、どちらも「一方的」とされ、無意味な議論。どちらの領土かなんてのは、「言ったもん勝ち」の感があって…う~ん、どうなんでしょう?
ところが、サンフランシスコ講和条約が発効する直前の52年、当時の李承晩大統領が突然、日本海に「李承晩ライン」を設け、竹島を韓国領域内に入れて以降、不法占拠を続けている。
韓国は、北朝鮮の核廃棄や拉致問題解決のため、密接に連携していかねばならない隣国である。
だが、領土問題はもちろん、国民にどういう教育をするかは、国の主権にかかわる問題だ。外交上の配慮と、主権国家として歴史や領土を次世代に正しく伝えていくこととは、次元が異なる。
解説書は指導要領と異なり、法的拘束力がないが、出版社の教科書編集や授業の指針となるだけに、意義は小さくない。解説書の趣旨を踏まえ、出版社はわかりやすい記述を心掛け、教師もしっかり指導していかねばならない。
竹島の領有権をめぐる問題の解決は難しい。だからこそ、国民が正しく理解し、国際社会に日本の立場を明確に主張していけるようにすることが大切だ。
■以下、「落ち着け」派…
■先行き見えぬ朝鮮半島情勢(日経社説)
日韓の連携に期待したいが、両国間でも竹島(韓国名・独島)を巡る対立が浮上。文部科学省は14日、中学校の新学習指導要領の解説書で、「我が国の領土・領域」として竹島に言及すると発表した。
竹島は日本の領土である。領有権を守る大原則は譲れないが、日本側は「韓国との主張に相違がある」との表現を盛り込み、韓国側に配慮した。竹島を巡る対立を大きな政治問題にしないよう、日韓政府の努力を望みたい。日韓対立の激化は北朝鮮を喜ばすだけである。
■竹島記述 領土問題は冷静さが必要だ(毎日新聞)
竹島の領有権問題は1965年の日韓基本条約締結時にも結論を出せなかった未解決の案件である。しかし、韓国の教科書は「独島は我が国の領土」と記述している。そうしたことを考えれば、「歴史的事実に照らしても、国際法上も明らかに我が国固有の領土」との立場の日本が教科書で竹島を取り上げても不自然ではないだろう。
しかし、こどもたちを教育するための指針をめぐって日韓が対立するのは不幸なことだ。さまざまな配慮をめぐらした揚げ句、日本語としてすっきりしない表現になったことも現場の教師を惑わすだろう。
国民感情を刺激しやすい領土問題は、両国政府が外交の場で理性的に、粘り強く話し合っていくべき問題である。感情的な対立を繰り返しているだけでは何の解決にもつながらない。
■竹島問題―日韓は負の連鎖を防げ(朝日社説)
韓国にとって、竹島は単なる小さな島の問題ではない。日本が竹島を島根県に編入した1905年は、日本が韓国から外交権を奪い、併合への道筋を開いた年だ。竹島は、日本による植民地支配の象徴とされている。国民感情っていっても、温度差があってねぇ…韓国は実効支配しており、日本に領土を奪われるという認識が強いからなんだろうけど。日本がまた我が国を侵略しにきたぞー、っとなってしまえば、もうこのナショナリズムを抑える術ナッシング。「冷静になれ」「理性的に話し合え」って言っても虚しいだけなんだけどね。
韓国の人たちは「独島」と呼び、「独島、われらが土地」という唱歌で子どもの頃から愛国心を培ってきた。島の領有は韓国ナショナリズムのゆるがせにできない柱なのだ。
3年前、島根県が編入100周年で「竹島の日」条例を制定し、韓国側が猛反発したことも記憶に新しい。
日本政府はそうした韓国側の事情もくんで、竹島問題には抑制的だった。だが今回、様々な事情が重なって問題が先鋭化している。
学習指導要領はほぼ10年ごとに改訂され、それに伴って解説書も見直される。それが今年に当たった。
そこに向けて、自民党の一部などに、北方領土とともに竹島の領有権問題をもっと学校で教えるべきだ、とする声が強まっていた。
一方で韓国では李明博政権が出発したばかりだ。北朝鮮の核や拉致問題で韓国との協力も欠かせないなか、福田首相としては、そうした外交への配慮から韓国を刺激するのは避けたい。
それもあって3月告示の指導要領の改訂で竹島への言及を見送ったが、代わりに解説書では何らかの形で触れざるを得なかった。政権基盤の弱い首相の苦しい党内配慮も見える。
韓国の事情も苦しい。米牛肉の輸入再開を機に、国民の不満が爆発している。李政権としても、ここで国民に弱腰を見せるわけにはいかないのだ。
だが、ここは冷静になりたい。
今回の解説書はあくまで日本政府の従来の見解に沿ったものに過ぎない。4社の教科書はすでに竹島を取り上げている。大多数の日本国民は良好な日韓関係を維持したいと望んでいる。日本政府はあらゆる機会にそのことを韓国に丁寧に説明すべきだ。
韓国側の怒りも分からぬではないが、解説書では竹島の領有権をめぐって日韓の間の主張に相違があることを客観的に明記している。
互いに主張し、違いがあればあることを認め合ったうえで、冷静に打開を図る。それ以外にない。
■国際司法裁判所ってとこに持ち込むには両国の同意が必要なんで解決不可能。そりゃ韓国からすれば、既に実効支配しているのに、わざわざ紛争化させるなんて愚の骨頂だもの。というわけで、打開策無し。
■ずいぶんと前の記事だけど、朝日はこんなことを言っていたんだ…
■竹島と独島 これを「友情島」に…の夢想(朝日新聞 若宮啓文「風考計」 2005/03/27)
例えば竹島を日韓の共同管理にできればいいが、韓国が応じるとは思えない。ならば、いっそのこと島を譲ってしまったら、と夢想する。島の放棄は当然、支持を得られにくいだろう。けど、実は最も建設的な方法は、領有権の放棄だ。
見返りに韓国はこの英断をたたえ、島を「友情島」と呼ぶ。周辺の漁業権を将来にわたって日本に認めることを約束、ほかの領土問題では日本を全面的に支持する。FTA交渉も一気にまとめ、日韓連携に弾みをつける――。
島を放棄と言えば「国賊」批判が目に浮かぶが、いくら威勢がよくても戦争できるわけでなく、島を取り返せる見込みはない。もともと漁業のほかに価値が乏しい無人島だ。元住民が返還を悲願とする北方四島や、戦略価値が高い尖閣諸島とは違う。
■これじゃぁゴネ得を許すのかってなるけど、それしか方法が見当たらない。領有権を主張しても、あのうんざりさせられるナショナリズムを目の当たりにするだけで、何の進展もしないだろう(解決策があるというなら、ぜひ教えてくださいよ?)。 どのくらいあの岩塊が経済的利益をもたらすのか、具体的な数字を見たことはないけど、放棄を前提に交渉をした方が賢いように思える。
■もっとも、「元住民が返還を悲願とする北方四島や、戦略価値が高い尖閣諸島とは違う」などと言っても、これらに悪影響を及ぼす可能性はあるけどね。まぁ、今回のような騒動を起こさないように、静かに領有権を主張し続けるってのが現実的であり、私はその立場に安住しようと思う。ほら、「竹島放棄」と言って、「国賊」扱いされるのも嫌だし。
■福田、竹島問題でも弱腰…また「全方位土下座外交」(夕刊フジ)
福田康夫内閣が領土問題でまた譲歩した。中学校社会科の新学習指導要領の解説書作成で14日、竹島について初めて記載したが、韓国に配慮して当初方針だった「我が国固有の領土」という表現を見送ったのだ。北海道洞爺湖サミットではロシアに対して北方領土問題を持ち出さず、東シナ海のガス田交渉では中国との間で領土・領海問題をあいまいにしたが、どこまで“全方位土下座外交”を続けるつもりなのか。「玉虫色決着」の何が悪い?いや、ちっとも「決着」してないんで、むしろ、「福田首相の『相手が嫌がることはしない』という外交姿勢」を貫くことこそ、今回に限っては必要だったんだ。
*
文部科学省も2005年3月、当時の中山成彬文科相が国会で「次の学習指導要領では(竹島について)きちんと書くべきだ」と答弁し、今回の解説書に「我が国固有の領土」と記載する方針だった。
ところが、福田首相の「相手が嫌がることはしない」という外交姿勢に引きずられ、ほぼ10年に1度という解説書作成で、福田内閣は冒頭の「玉虫色決着」を選択したのだ。
■北朝鮮という懸案を抱えるこの時代に、不毛な竹島問題を蒸し返す必要性はまるでなかったように思える。メシの種を与えられた右翼連中と北の将軍様が喜ぶだけだ。拉致、そして核の解決を願いたいものです。
4 件のコメント:
k興味深く読まさせてもらいました。竹島の件は勉強中ですが、私なりの考えをホームペーじに書いてみました。是非ご拝読ください。アドレスは「やま山椒」です。
日本は1696年(元禄9年)、1877年(明治10年)2度に亘って現竹島(松島)を放棄した。しかも明治2年外務省は、当時の征韓論者であった佐田白茅他2名を、朝鮮内情探索のため派遣した。その次の年佐田白茅は「朝鮮国交際始末内探書」を提出し、「竹島(欝陸島)、松島(現竹島)朝鮮付属ニ相成候始末」と報告している。この件は外務省編纂「日本外交文書」の中に存在する。
つまり外務省は1905年までは、現竹島を朝鮮領と認めていたのである。その方針が急変するのは日露戦争の勃発による、竹島の戦略上の重要性からである。
つまり竹島の帰属問題は歴史の波に翻弄され続けられた結果である。なんと日韓両国にとって、悲しい歴史か。
Qkqstj ok im out
加藤 修さんへ
・1876外務省渡邊局長は、”松島=現竹島が竹島=鬱陵島以外の松島であれば日本のものだ”と述べているので、当時嶋名の比定に混乱があったこと、及び現竹島の日本領認識が知れます。
・1905無主地先占編入は、「権利の再確認」の意味が主だったと思われます。
中井養三郎氏他多くの日本水産業者による、隠岐・鬱陵島拠点にしての現竹島域経済活動が記録されており、軍事目的は従たる目的と推察されます。
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