2005年2月6日日曜日

NHK受信料不払い

■NHK受信料の不払い…一般視聴者に加え、病院の病棟にテレビを貸し出している業界団体からも大規模な支払い拒否(年間40億円)を突き付けられる事態となった…らしいが、これはもう便乗だろう。

■結局、「受信料」問題や公共放送のあり方という古いテーマに回帰するだけなんだよね。

■産経新聞/社説「NHK 公共放送のあり方追求を」
 NHKの受信料は放送法により、受信設備を持つだけで支払いの義務を負うと規定されている。不払いの罰則こそないが、“税金”並みの強い徴収権を付与しているのも、政府丸抱えの国営放送とは違う、文字通り公共放送としての独立性維持と、安定した経営基盤にもとづく良質な番組づくりを期待してのことである。

 ところが、このところNHKの番組づくりには民放と見まごうようなバラエティー番組が増えるなど、いたずらに民放との視聴率競争を意識したかのような番組編成が目立つ。海老沢前会長体制になってから一段とその傾向が顕著になったとする指摘もある。

 「女性国際戦犯法廷」をめぐる朝日新聞との最近の論争では、報道機関としての公正・中立性にも疑いの目が向けられている。最近のある世論調査では、「NHKは政治的に公平・中立と思うか」の質問に73%もの人が「いいえ」と答えている。

 こうした中で、NHKの民営化論議も再燃しつつある。だが視聴者が期待するものは、新たな巨大民放の誕生ではないだろう。たとえ“数字”は取れなくとも、高品質の教養・文化番組などNHKならではの番組づくりこそが求められている。
 まぁ、そのとおりなんだろうけど…

■毎度のことだが、「世論」の産経的解釈には付注が必要だよな。「NHKは政治的に公平・中立と思うか」で否定的な意見が多かったのは、「世論」は政治家の介入問題を想定したからであって、「女性国際戦犯法廷」を出す産経とはギャップがある。

■毎日新聞/社説「受信料支払い拒否 公共放送の仕組み問う動き」(2/4)
 罰則規定をもうけて徴収を確実にするということも可能だが、そうなると視聴者の信頼に基づいた公共放送ではなくなってしまいかねない。デジタル化により、未払い世帯に対しては視聴をできなくすることが可能になる。有料放送に衣替えするという選択肢もあるだろう。

 多チャンネル化が進みインターネットなど情報伝達の手段が多様化している今の時代に、受信料に依存した公共放送が必要なのかという本源的な疑問もある。
 「未払い世帯に対しては視聴をできなくする」…フリーライダーの排除を考えると、これぐらいはやってもいいと思うが、やはり問題は残るだろう。加入制…つまり、受信料支払いの義務がないことが前提になってしまって、離脱者が増加するかもしれない。それは結果として質の低下をまねく。


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