■人口減少(中央日報)
しかし、日本の著名な経済評論家、堺屋太一氏は、もう一つの論理を提示する。人口が減っても、経済と文化は発展できる、との主張である。同氏は、ルネサンス文化を花咲かせた15世紀のイタリアを例にあげた。統計によると、1340年に930万人だったイタリア半島の人口は1500年に至ると550万人に減った。160年間にわたって40%も減少したのだ。14世紀半ばに広がった黒死病のためだ。
突然の人口減少で最初は賃金が急騰し、物価も高騰した。働き手が不足し、当時、労働者や農夫は1カ所に縛られず、賃金をたくさん払う所に移るのが流行だった。結果的に、労働力は、生産性と収益性の高い所に集中した。最近の言い方にすると、労動市場の柔軟性が高まり、構造再編が起きたわけだ。また、イタリアで自主的に生産する場合、高コストが要される諸作物は果敢に輸入した。これが、イタリアの貿易をさらに発展させた。そのおかげで物価もおさえられた。
これによって、所得中に飲食費が占める割合を示す、エンゲル係数が全般的に下がったという。自由に使える可処分所得が増えた、ということだ。そのうえ、いろんな親戚や姻戚から同時に遺産を相続し、金持ちになる人も出てきた。購買力と消費レベルが高まったのだ。すなわち、これが新しい文化運動の土台になった、というのが堺屋氏の説明だ。もちろん、これに同意しない見方もあり得る。しかし、構造改革が人口減少の衝撃を緩和できる、というのは重要な示唆点だ。
この見方はかなり疑っていいと思う。
?現象の要因の違い。
?福祉・社会システムの違い。
?経済成長の違い。
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