2004年5月29日土曜日

バレーボール:テレビ局と公平性

■男子バレーボール…アテネオリンピックがいよいよ絶望的になり、フジテレビ・TBSの必死さがなんとも滑稽。

■さて、五輪バレーボール予選について、しんぶん赤旗が「大会丸ごと“日本応援団”か」という興味深い記事を掲載していた。

 記事によれば、演出は「すべてテレビ局側の判断」(日本バレーボール協会広報)で、それが選手に影響を与えているという。

 日本の男子チーム、小林敦主将は「(始まる前に)ショーなどがあって、ウオーミングアップしてから試合までの時間が長く、体が冷える」と話しました。オーストラリアのダニエル・ハワード主将は「あまりの声援に神経質になった」といいます。
 本来なら、選手が集中して試合ができる環境を提供するのが国際バレーボール連盟や日本協会ら主催者側の務めです。しかし、運営の多くにテレビ局の意向が働き、現場に影響しているのが現状です。
 視聴率稼ぎのためにNewsを動員して、ジャニヲタを釣ろうってあざとい魂胆がどうも嫌になる。

 また、テレビ局側の意向が反映された結果、公平性の観点から問題が生ずると指摘する。
 今大会、試合は午前中から行われ、他のチームは時間が毎日違います。ところが日本だけはテレビ中継の関係で、すべて午後6時からスタート。そして日本戦だけは、2、3セットの間に、10分間のタイムアウトが設けられ、ショーが行われます。
 テレビ局の要請で時間が変わるのは日本だけにとどまりません。女子の韓国戦でも、地元韓国のテレビ局の要望で、開始を15分遅らせた試合もありました。

 また今大会、日本は男女ともに開催国として特権を持っていました。予選も免除されたうえ、2試合の日程と対戦カードを指定できるのです。
 日本女子は5日目の対戦相手に韓国を選び、4日目に韓国対イタリアが対戦するよう設定しました。これは、自分たちが対戦するまえに、韓国がイタリアとたたかうことでデータを引き出せると考えたからです。

 テレビ局側の意向でもって6時から試合開始。で、テレビ局はあたかも「生放送」であるかのように7時から放送する。まぁ、要するに試合が長引いたり、早く終わってしまうリスクをヘッジするために、時間と相談しながら臨機応変に放送内容時間を調整しているのだ。鮮やかな「時間差攻撃」ですねぇ。

 で、結論部分…
 スポーツはルールにのっとり、どのチーム、どの選手にも平等であることで成り立っています。特に4年に1度の五輪は選手にとって大事な大舞台。そこへの出場を決める場が不公平なものであれば、互いに尊重しあうどころか、不満や憎しみさえ残りかねません。
 韓国の金監督は、「韓国の協会は大きな大会を開く財源はない」と話しました。日本は、他のアジアの国々よりもバレー人気が高く、スポンサーもつきます。大会を開く環境が他国よりあるのです。だからといって、日本有利の大会運営にするのではなく、開催国として公平に臨む責任があるのではないでしょうか。
 国際連盟や日本協会は、テレビの圧力に屈せず、選手を第一に考えた運営、公平な運営に改善することが必要です。
 まったく正論。ちょっと前に取り上げたが、日本でやるのはやはりスポンサーの関係だったらしい。

 メディア、スポンサーの都合で公平性が侵食されている。「スポーツと商業主義」の弊害を指摘する声は今に始まったことではないが、バレーボールの場合は特にひどさが目立つ。こういった非難は当然、テレビ局に押し寄せていると思われるが、改善する様子も見られない。商業主義に走る他のメディアもだんまりを決め込んでいる。

 こういう時こそ赤旗の出番である。「スポーツと資本主義」ってな感じで特集よろしく。


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