2004年2月13日金曜日

牛丼と神々の国の単純な国民

■吉野家で「牛丼屋に牛丼がない」ことにブチキレたというニュースには笑った。牛丼屋で牛丼が食えない…それだけで暴行事件を起こしてしまうパワーはなんだ?

■そう言えば、ちょっと前に松屋で味噌汁が来ないことにブチキレてる現場を目撃した。「味噌汁が来てませんけど」と言えばすむだけなのに、わざわざ怒る。このアグレッシブな姿勢を見習いたい。これぞまさしく牛丼パワーだ。

■松屋も牛肉が切れるらしく、発売停止の前に「記念食事」をしておこうという人々が増えているらしい。これはメディアが牛丼屋を中継するなど、牛丼の宣伝していること(NHKまでも…)影響が大きい。別のところでも言及したが、ちょっと前のBSE騒動では、そもそも「狂牛病」という恐ろしい名称が使われており、感染した牛の映像が流されたり、焼肉屋に客が入っていない様子が流され、風評被害を煽った。

■前の反省からか、今回は非常に対照的である。だが、牛丼が食べれなくなるということはそれほど重要性はなくって、もっと注視すべきなのはアメリカの農業政策ではないか。確かに日本の場合、全頭検査が行われているために、BSEが発見されたとしても風評被害を煽るような真似は慎むべきだ。だが、アメリカ産の牛肉は状況が異なるはずである。

■ちなみに牛丼食べ納め行列に関して、牛丼とは無縁と思われる日本経団連の奥田碩会長は「(牛丼がなくても)死ぬわけでない。日本人は右から左へ早くふれやすい、単純な国民だと感じた」と、牛丼フィーバーをチクリと皮肉っている。奥田サンに言われるのは、なんかやな感じですね。「単純な国民」ですか…でも、その愚民はさぞかしトヨタ自動車にとって都合のよいことでしょうね。


■A級戦犯が合祀されている靖国神社への参拝について「私は抵抗感を覚えていない」と小泉首相は語ったようだ。「よその国からああしなさいこうしなさいと言われて、今までの気持ちを変える意思は全くない」と。この信念がアメリカに対しても欲しいところである。

■公明党の神崎武法との会談で、靖国神社参拝について、中国の胡錦涛・国家主席は「両国の指導者は歴史に対し責任を持たねばならない」と懸念を示すにとどまったが、唐家セン(王へんに旋)国務委員(前外相)は「両国の政治的発展の制約になっている」と厳しく批判している。唐は特にA級戦犯が合祀されていることに触れ、「指導者の参拝は、伝統や宗教の問題ではなく、アジアの国民の感情を損なう」と指摘した。

■産経新聞の今日の社説「大相撲韓国公演 日本文化への理解を期待」、期待を裏切らない論の展開には笑った。大相撲の韓国公演が週末からソウルと釜山で行われることの言及から始める。

(前略)
韓国公演が遅れたのは過去、日本の支配を受けたことから、韓国側に日本の伝統文化に対する拒否感があったからだ。韓国公演の実現は韓国の対日感情の好転を意味する。日韓関係の前進として歓迎したい。
��中略)
相撲は伝統的な日本文化としてその姿を古くから守ってきた。勝ち負け中心の単なる格闘ではなく、礼儀や型が重んじられてきた。ぶつかり合う激しい一瞬のほかは、粛々として実に静かである。

これは神社や寺での「奉納相撲」でも分かるように、神仏を前にした人間の謙虚さ敬虔さを意味しているといってもいい。相撲が儀式的なのはそのせいだ。神仏の前では最後は勝ちも負けもない。戦い終われば勝者も敗者もない。おごることもなく嘆くこともない。礼儀正しく静かに退場する。

韓国では日本の首相の靖国神社参拝に依然、拒否感がある。まるで日本が再び軍国主義化するかのような議論さえある。

しかし日本では戦いの後の死者の霊に差別はない。みんな平等に謙虚にまつる。「神々の国・日本」の大相撲を機に、日本への理解がさらに深まることを期待したい。


■相撲→文化への理解→靖国参拝への鮮やかな移行は流石である。まぁ、靖国は唐が言うように「伝統や宗教の問題ではない」のであって、すり替えないと正当化できないという苦しい事情もあるようですが。「天皇中心の神の国」という妄言は聞いたことがあったが、日本が「神々の国」だったとはね。そもそも、日本人にだって「日本文化への理解」ができないんじゃないか…もちろん「産経的な」というのが付くけど。


■同社説に「大相撲は最も伝統的な日本文化の一つだが、一方では“国際化”も進んでいる。これも韓国の皆さんにはぜひ知ってほしい日本の姿である。」という記述があった。国際化って…産経は「モンゴルやハワイ出身の横綱が誕生しているように、各国の力士が活躍中」であることを論拠に挙げているが、ちょっと違うのではないか。相撲はただ、おいしい出稼ぎの場を提供しているだけのように思える。


■サンデープロジェクトの司会者として、島田紳助の後任は うじきつよし に決定したらしい。まぁ、あのポジションは誰でもいいわけだが、島田紳助よりはマシなコメントができるのではないか。そもそも、お茶の間(素人)の代表として、サンプロの司会者に芸能人を置いているようなのだが、それが必要なのかと非常に疑問になる。だいたい、いつも「頑張ってください」といったくだらないことしか言ってない。


■安倍晋三幹事長は、自衛隊のイラク派遣承認案を採決した衆院本会議を欠席・退席した加藤紘一、古賀誠、亀井静香の3氏に対し、それぞれ電話で「戒告」処分にしたことを通告した。政党の決定と個人の信念をどちらを優先すべきか…まぁ微妙な問題でもあるが。本来なら、加藤紘一の行動には拍手を送るとこだが、三人とも信念というより、存在感をアピールしようという政治的な思惑からではないか。


0 件のコメント: