■『朝まで生テレビ』…似通った面々が相変わらずなテーマについて論じており、ぼけーっと見ていた。テーマは「今なぜ憲法改正か?」だが、残念なことに議論の対象は「9条」に限定されている。
■渡辺宜嗣は「論点も明らかになったと思います」といったが、それに関して十分な議論がなされたとは思わない。たとえば、集団的自衛権を「行使」すべきか否か。それに関する議論が不十分だった。また、解釈改憲で誤魔化してきたのに、改正後の憲法が厳密な解釈がなされる保証がないし、違憲を審査する機関がない(裁判所が司法判断を回避している)問題も不十分だ。あえて「憲法」をテーマにするのであれば、こういったことが議論されるべきだった。
■まぁ、毎度のことだが、宮崎哲弥や姜尚中はよかった。特に宮崎の論点を提示しようという姿勢は好感が持てる。田原総一朗は「老人特有の症状」が出ており、煽ることしか考えていないので、宮崎に司会が代わればもっとおもしろい議論が期待できよう。姜センセイも相変わらず、諭すような語り口がよい。
■小林よしのり も評価できる。イラク戦争の大義に関する議論になって、「憲法と関係ないじゃん」とか僕は思っていたが、小林がこれを「推定有罪で『自衛のため』の戦争をしてしまうアメリカを支持するのは、新しい憲法で日本が侵略戦争することを許す」とこじつけたことには感心した。また、山本一太が「大量破壊兵器が無いとは言い切れない」と強弁するのに対して、「卒業を確認中といってる奴(古賀潤一郎)と同じだ。卒業証書は無いんだから」というユーモアもよかった。
■いらない面々…山本一太、古川元久、小泉親司、工藤雪枝、ばばこういち。山本がこざかしさは言うまでもない。なぜ古川が…という感じ。民主党を出すなら右派と左派を同席させて、バラバラであることを確認した方が面白かったかも。共産党のような極論は議論には向かないだろう。工藤と ばば は非常に素人的だったし、発言の機会もなかった。
■パネリスト成績表(★5つで最高)
山本一太 (自民党・参議院議員) ★
高木陽介 (公明党・衆議院議員) ★★
古川元久 (民主党・衆議院議員) ★
小泉親司 (日本共産党・参議院議員)★
姜尚中(東京大学教授) ★★★★★
草野厚(慶応大学教授) ★★
工藤雪枝(ジャーナリスト) ★
小林節(慶応大学教授) ★★★
小林よしのり(漫画家) ★★★★
小森陽一(文芸評論家、東大大学院教授) ★★★
ばばこういち(ジャーナリスト)★
宮崎哲弥(評論家) ★★★★★
村田晃嗣(同志社大学助教授) ★★★
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