2004年2月2日月曜日

遅れてきた阪神バカ・江本孟紀/サムライの国

■大阪府知事選、現職の太田房江(自民、民主、公明、社民推薦)が前参院議員の江本孟紀、弁護士の梅田章二(共産党推薦)らを破って再選を果たした。
「事実上の三つどもえの争いとなった選挙戦で、太田氏は全国初の女性知事として1期4年の実績と生活者の視点を強調。推薦した自民、民主の府議が一部、江本氏支援に回る乱れはあったが、女性からの圧倒的な支持に加え、自民、公明、連合大阪の組織票を手堅くまとめて、他氏を引き離した。」(共同通信)らしい。

■「18年ぶりに阪神タイガースがリーグ優勝。阪神出身の私に出馬要請をもらったのも『天の啓示』だ」 と言っていた江本だが、あっさりと落選してしまった。「天の啓示」もどこへやら…ちなみに江本は元「スポーツ平和党」だ。

■「江本氏は『官僚知事では財政難や景気低迷から抜け出せない』と、旧通産省出身の太田氏との対決色を前面に打ち出した。元南海・阪神選手としての知名度や、タレント、スポーツ選手らの派手な応援で無党派層の取り込みを狙ったが、太田府政に批判的な一部自民党府議らの『勝手連』的な動きに広がりが見られず、大きな支持を集められなかった」(朝日新聞)ようだ。

■江本は「府政を官から民へ取り戻そう」と言っていたが、大阪府民は横山ノックに懲りたせいかそれも通じなかったようだし、そもそも「自分が民の代表である」というのは傲慢である。まぁ、「僕は痴漢はせん!」と答えてる江本を見て、だめだこりゃと思うのは当然だ。


■衆院憲法調査会が、女性天皇の容認に向けた議論を進めるらしい。日本国憲法2条は「皇位は、世襲のもの」と定めている。さらに、皇室制度の基本法である皇室典範は皇位継承について、明治憲法下の旧皇室典範の規定をほぼ引き継ぎ「皇統に属する男系の男子」に限るとし、女性皇族の即位を認めていない。

■皇太子サンが「子育てやってます!」って必死にアピールしたって、露骨な女性差別と世間に映ってしまったら意味ないですもんね。ちなみに、毎日新聞の世論調査(2001年12月)によれば、女性天皇を認めるべきだと考える人は86%で、認めるべきでないとする7%を大きく上回っている。まぁそれでも、反対が7%というのは、僕にとっては多く感じられ、その根拠には大きな関心を持つ。


■イラク派遣本隊隊長をつとめる番匠幸一郎1等陸佐が、「武士道の国の自衛官らしく規律正しく、堂々と任務の完遂に全力を尽くす」と挨拶したことにぎょっとしたのは、一橋大教授の加藤哲郎が、次のような発言(ネチズン・カレッジ・2月1日)をしていたからだ。
 なんか、イヤーな感じです。今年のアカデミー賞にノミネートされたのが、「ラスト・サムライ」の助演男優賞渡辺謙と外国語映画賞の「たそがれ清兵衛」。山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」自体はいい映画ですが、3月にニューヨーク、ロサンゼルスで封切られる英語版のタイトルは「The Twilight Samurai(たそがれのサムライ)」、それを根拠に、前防衛庁長官の国会質問は「義理・人情・浪花節」の「サムライ精神」で自衛隊のイラク派遣を促します。それに答える最高司令官小泉首相は、「イラクの人々自身によるイラクの復興への支援」といいつつ、陸上自衛隊派遣地サモアの統治機構=評議会があるかないかもしらない始末。要するに、Samurai サムライを正面にたてての、 Show the Flag(アジア人にとっては、いつか見た旗)、 Boots on the Ground(いつかきた道)です。防衛庁長官や外務大臣も、既成事実とマスコミ世論調査での反対論の弱まりをバックに、ひたすら「国際貢献」派兵の正統化、野党の追及もいまひとつ迫力を欠いて、イラク派遣は衆院通過。他方で、自民党に続き、民主党は年内改憲案作成を決定、イラク派兵の旗振り役となった与党公明党は、「論憲」からまた一歩踏み込み、結党時のレーゾン・デートル(存立根拠)であった憲法第9条にも踏み込むことを決定、冷戦崩壊後も、日米安保以外の羅針盤を持たずに彷徨してきたこの国は、「サムライの国」になろうとしています。

 ほんと、「イヤーな感じです」。
 「武士道の国」のサムライ…その研ぎ澄ました刀に、誰の血を奉げましょう?


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