2003年11月11日火曜日

JIN・ジン・じん・仁・松原仁!

 こんにちは、第3回目。
 11月7日をもって、当ホームページが1周年を迎えました。
 僕としては「あれ?まだ1年しかたってない?」という感じです。このサイトを始める前に、2つばかし他サイトを運営してたり、文章を書いていたので、そのことがそう思わせるのかもしれません。ホームページ作成歴で言えば、3年ぐらいやっていることになります。
 当時、書いた文章がPCに残っていて、これを書く前にちょっと目を通しましたが、ひどいものです。一番恥かしいのは、自分の文章に酔っているケースですね。いやぁ〜、なんかあるじゃないっすか。妙にポエム入ってたり、恋愛や恋人について語ってんのが。今では考えられないけど、かつて僕もそれっぽいのを書いていたんですね。本当に「若気の至り」です。
 文章そのものも下手糞で、わかりにくいし(無駄な記述が多すぎる)、書いてある内容もめちゃくちゃです(論理の飛躍がひどい)。「こんな恥かしいものを公開していたのか…」と赤面しました。しかし、その一方で、なにか自分の「成長」みたいなものを実感することができました。もちろん、現在はその時に比べれば、マシになったというだけですが…。
 こうやって書いている文章も、数年後、同じことを思えるといいのですが。
 さて、青臭い前置きはこれぐらいにして(笑)…
 ご想像がつくと思いますが、今回は衆議院総選挙に対する雑感です。
【マクロな感想】
■いちいち選挙結果を改めて述べる必要はないだろうが…自民党が議席を減らし、民主党が躍進。公明党はやや増加。共産党・社民党・保守新党は壊滅状態だ。
■事前の各種世論調査によれば、自民党が単独過半数を確保したと伝えられた(候補者にモザイクをかけて公平性を装ってるのに、こういうのはどうなんだろう?)。そのアナウンスメント効果かどうかは定かではないが、選挙戦終盤、民主党は「菅内閣」の主要閣僚を明らかにし、具体的なイメージを提示した。ただ、これは小泉首相もびっくりの「パフォーマンス人事」だ…田中康夫の人気にあやかろうとしたり、「高速道路無料化」をアピールするための「山崎養世国交相」であったり。
■厳しい有権者はこれを冷めた目で見たかもしれないが、無党派層には非常に大きなインパクトを与えたと思われる。さらに「自民党か民主党かの政権選択だ」という「二大政党制」を提示したことも大きかっただろう。「マニフェスト」という「言葉」(内容ではなくて)でも優越的立場を得た。民主党議員は「政策が有権者に支持された」と誇ったが、大間違いである。今回、「マニフェスト選挙」と呼ばれたが、「マニフェスト」を含めて、あくまでも「イメージ選挙」だった。つまり、自民党が「小泉純一郎・安倍晋三」というイメージに対して、民主党は「菅直人内閣」「二大政党制」「マニフェスト」というイメージをぶつけたのだ。つまり、民主党は「政策」が勝利したのではなくて、あくまでも「イメージ戦略」で勝利したのだ。
■自民党は公明党の支持がなかったら、もっと大幅に議席を減らしただろう。自民党の公明党(創価学会)依存症は深刻である。創価学会・池田大作先生の御威光に守られて、本来なら負けていた自民党議員が勝ってしまう。つくづく公明党ってのは厄介な政党である。投票率が低ければ低いほど、公明党という民主主義を歪めるシステムは作用する。公明党+「誰がやっても一緒」と言って自己正当化する選挙民…民主主義をダメにする暗黙の共謀である。
■「自民党VS民主党」という、「二大政党制への収斂圧力」が加わり、共産党・社民党・保守新党といった小さな政党は危機的状況を迎えている。はたしてこのまま二大政党制へと収斂していくのだろうか。そして、それが望ましいものだろうか。
■まず、二大政党制に至るのだろうか?もちろん、民主党内部に外交安全保障・憲法改正などで分裂要因を抱えている(世間で言われるほど深刻なものとは思ってないが)。そして、少なくとも、公明党は当分安定した議席を確保し続けるだろうということだ。共産党も支持基盤があるため、規模を少なくとはいえ消滅しないだろう。しかし、二大政党制への収斂圧力は非常に強まった。今回、民主党は「自民党か?民主党か?」と選択を迫り、二大政党制を演出して勝利したわけだし、これをメディアが煽った。今後、メディアの取り上げ方はより二大政党制を意識したものとなり、少数政党の声は大幅に小さくなるだろう。
■二大政党制が望ましいか?確かに政権選択の構図が単純化されてすっきりする。しかし、二大政党は選挙民の中間層を取り組むインセンティブを持つため、政策が似通ってくる傾向がある。ただでさえ、自民党(保守政党)と民主党(保守・リベラルの同居)との差異はわかりにくい。「保守対保守」という選択肢では、僕は意見を反映させる政党を失ってしまう。少なくとも二大政党というのなら「保守対リベラル」であるべきで、民主党はリベラルな方向へ移行すべきである。が、民主党議員を見れば、それが困難だと思い知らされる。いずれ与野党の相違がなくなって、「イメージ」だけの選挙が繰り返されるのだろうか。
■僕は、小選挙区では民主党候補に投票したが、比例区は社民党に投票した。「候補者個人ではなく、政党で選ぶべき」というのが持論であり、小選挙区と比例区の分離は望ましいとは思っていない。だが、?左派勢力の衰退への危惧、?自由党と合併したことへの喝…などもあって、今回は比例区だけは社民党に投票した(選挙区に「社民党」と書いても死票になるしね)。
■懸念していたとおり、社民党が消滅危機に至った。確かに辻元清美の秘書給与流用疑惑も痛いが、社民党の危機はもっと根本的なものである。90年代から「自国だけが平和ならばいいのか?」という「国際貢献」の要請から、「護憲」が揺さぶりを受けてきた。そして、「北朝鮮の脅威」(右派はこれを誇張して利用するわけだが)が、軍備強化および憲法改正を勢いづかせている。社民党は、拉致問題で信用を失墜し、ここでも北朝鮮に苦しめられている。「護憲」が有効性を失ったうえ、「マニフェスト選挙」「二大政党制選挙」だ。社民党の「がんこに平和」が「のんきに平和」と国民には聞こえたのではないか。社民党は「北朝鮮の脅威」から国民を守れない、そう国民は感じているのだ。
■「マニフェスト」「二大政党制への収斂傾向」が台頭する中で、これまで続いた「改憲VS護憲」という対立軸が喪失した。「憲法」が追いやられる傾向はこれまでも見うけられたが、これほど鮮明になったことはない。その意味でも「歴史的な選挙」と言ってよい。選挙民にとって、「護憲」の魅力が小さくなった。こういった動向をふまえ、「護憲」頼みだった「オールド左派」がどう適合していくか、それがいま問われているのではないか。もちろん、「憲法」が再び争点になることもあろう。だが、その論点は「憲法をどう変えるか?」だ。
【ミクロな感想】
■「じん!じん!じん!じん!松原仁!」…ってわけでして、でかしたぞぉ松原仁。松原が「庶民派」ってのはかなり疑わしいが、石原ブランドへの反発を引き出すという意味で有効であったのかもしれない。石原家は子供にバッジを付けさせて税金で食べさせようとしていたからな。ちなみに、この洗脳テーマソングはかなり有効だったようだ。
■菅源太郎も落ちた。菅直人の人気自体、石原慎太郎ほどではないし。ただ、汚点だけはしっかりと残していった…世襲批判をしていた菅直人が、自分の息子を議員にしたという汚点を。「市民派」も権力を手にすれば、必然的に「既得権益層」になるのである。
■「落選おめでとうございます」な人々。保守新党が壊滅状態…熊谷弘、松浪健四郎…ふふふ、これも日本のためなのですよ。二階俊博らも「自民党に入れさせてください」ってそのうち言い出すぞ。よかったね、生き別れた(そして自民党で手厚い待遇の)野田毅や小池百合子とご対面できて。あと、自民党の高市早苗が落選だって。ケケケ…ざんねんでしたねぇ。村岡兼造も落選か。野中広務の「毒まんじゅう」攻撃が効いたんだね。こわいこわい…。郵政民営化反対の荒井広幸はきれいに落ちたなぁ。「抵抗勢力」というレッテルを貼られてしまったが、これで自民党内の茶番は減るだろう。落選して肩を落としている太田誠一も、「(レイプする人は)まだ元気があるからいい」と思ってるんじゃないか。江田憲司は知名度で勝負しようとしたけど、無残に負けたね。
■「YKKの刺身のツマ」と呼ばれた小泉純一郎…そのYKKの盟友は明暗が分かれた。加藤紘一は当選(よかったと思っている)。一方、山崎拓は落選(ざまぁみろ)。ちなみに、山拓は自民党支持者の7割と公明党支持者の9割(これだから池田大作教の信者は嫌だ)を獲得、だが彼が「妖怪」と呼んだ無党派を全く取り込めず敗退だ。
【その他】
■選挙特番はテレビ朝日の『選挙ステーション』を一番多く見ていたかなぁ。田原総一郎は相変わらず扇動的で、政治をもてあそんでるって感じ。ひどかったのはフジテレビの『踊る大選挙戦 〜選挙は現場で起きている』だ。「踊る大捜査線」「トリビアの泉」的な要素を取り入れて、若者に媚びて視聴率を獲得しようとしたが、非常に浮いていた。受けのよさそうなハマコーを選んだけど、頓珍漢なことばっか言ってるし。まぁ深夜は落ち着いたけど。日本テレビは番組の作りが気に入らなかったし、御用文化人の猪瀬直樹、東大の名を悪用するバカ・菊川怜、生理的に受けつけないテリー伊藤、おまけに桜井よしこ、河上和雄まで出ており、最悪の布陣。NHKとTBSは退屈だった。テレビ東京も同様に退屈だったが、政治家の通知表なるものをつけていた。かなり異議ありという感じで不満が募るばかり。
■自民党執行部は『ニュースステーション』における、民主党政権のお披露目会が気に入らなかったらしく(約22分を費やしたようだ)、選挙速報の特番に執行部がテレ朝の番組に出ないという異常事態になった。僕も偶然見ていたが、あれは民主党に偏っていたと指摘されても納得ができる。そして、Nステの視聴者の数からいって、実際に相当の票が動いたと思われる。っていうか、ニュースステーション(というかテレビ朝日政治部)は民主党支持(アンチ自民党)を鮮明にしていたように思えたし、1993年の再来を願っていたように思える。
【言わばオマケ】
■11月2日の「サンデーモーニング」(TBS)の中で、石原慎太郎が日韓併合について「日韓合併の歴史を100%正当化するつもりはないが…」と述べた発言に、「日韓合併の歴史を100%正当化するつもりだ」というテロップを誤ってつけた。これは非常に悪質である。僕も見ており、この字幕を鮮明に覚えている。かなり危うい発言だが、「石原なら言いかねないな」と違和感なく消化してしまったサンデーモーニング」は、かなり左派的なスタンスで作られているので、つい石原の本音を出してしまったのかもね。
■野球がアジア予選を通過した。国際大会って言っても、世界的に見れば野球はマイナースポーツでって、どうも冷めてしまう。


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