2004年11月24日水曜日

中国外交:靖国神社

■社説をぺたぺた…

■朝日新聞/社説「小泉・胡会談――靖国問題を動かそう」
 言い換えれば、靖国問題を打開できれば、少なくとも当面の日中関係にそう心配はないという現実が見えたと言っていいだろう。ならば日中両国は、靖国問題をどうしたらいいかを、いよいよ本気になって考えるべき時ではなかろうか。
 むろん簡単ではない。胡主席は来年が戦後60周年の「敏感な年だ」と述べて、中国国内の反日的な空気を軽んじないよう、くぎを刺した。一方、日本では、首相の参拝を支持する世論が支持しない世論と並ぶ。「中国からとやかく言われたくはない」という反発もある。
 私たちは、首相の参拝に反対だ。戦没者への思いは思いとして、靖国は戦前の軍国主義の精神的な支柱だった。東京裁判でA級戦犯とされた人々を合祀してもいる。中国側の参拝批判もこの点に絞られている。つらい歴史にもけじめをつけてこそ、尊敬される国になれる。

 だが、中国にも考えてもらいたい。98年に当時の江沢民主席が来日した時、歴史問題での謝罪を繰り返し求め、日本側の不快感を買った。靖国に限らず、中国は「歴史カード」を使って日本を責め続けるのではないか。そんな思いを日本国民に持たせることは好ましくない。
 そろそろ妥協点を探る必要性に気づいてもらいたいな。A級戦犯の分祀する、とか、第三の追悼施設を設置する、とか。

■ただ、靖国が終わっても、教科書問題がくるでしょ。タカ派の妄言も出てくるし。これは日本人が歴史をどう捉えるかって問題ではあるものの、中国が「歴史カード」を使ってくる以上、日中の友好は進むことはないだろう。

■毎日新聞/社説「小泉外交 首脳相互訪問につなげたい」
 中国国民の反日感情の高まりを軽視できないという国内向けポーズの側面もあってのことだろう。さらに、昨年秋、インドネシアで温家宝・中国首相と会談した小泉首相が年明け早々に靖国神社を参拝したことでメンツをつぶされた格好となった中国側が不快感を増幅させたことも一因とみられる。

 中国側の態度硬化の理由はともかく、問題は直球を投げ込まれた小泉首相がどう対応するかだ。靖国問題は両国の歴史、文化にかかわる根の深い問題で解決は容易ではない。しかし、意見の対立があるからこそ、両国の政治指導者同士の対話が一層必要になってくる。
 そらそうだけども。それだけで解決することじゃぁないよね。お互いにナショナリストをどうするかって問題じゃない? あと、中国政府は中国における「反日」についてどうお考えだろうか?

■産経新聞/社説「日中首脳会談 胡主席の『旧思考』に失望」
 チリでのAPEC首脳会議を機に約一年ぶりに開かれた日中首脳会談は、中国の胡錦濤国家主席が九月に中央軍事委主席を江沢民氏から引き継ぎ、党、国家、軍の三権を握った後初めてであり、日中関係について「新思考」を見せるかが注目された。しかし小泉純一郎首相に靖国神社参拝中止を迫るなど、歴史問題で「旧思考」を克服できず、江沢民時代に逆行したかのような印象さえ与えた。残念というほかない。

 首相の靖国参拝を理由に中国側が首脳の相互訪問を拒否してから約三年になる。当時の江沢民国家主席は、歴史問題を日中間の最大障害に掲げ、教科書問題などで内政干渉を重ねてきたが、靖国参拝問題で一段と反日姿勢を強めた結果が首脳交流の中止という、およそ非理性的な決定だった。

 小泉首相は靖国神社参拝について、戦没者の哀悼と不戦の誓いの「信条」と説明した。そのために最もふさわしい「終戦記念日」の参拝は中国側の圧力で果たせず、「年一度」を辛うじて維持している。「人民の感情を傷つけた」との中国の理不尽な圧力は、日本国民の反発を募らせた。首相は圧力にこれ以上後退すべきではない。

 胡錦濤主席は対日関係を「最重要」と述べ、協力促進を希望したが、それには「歴史問題は避けられない」とし、首相に靖国参拝中止を要求したのは賛成できない。本来、歴史問題はそれぞれの内政であって、他国が干渉すべきではない。
 やや失笑。だって、靖国神社に固執することが、私にとっては「旧思考」そのものだもの。

■「歴史問題に固執せず、国家利益を最優先して日中協力を推進すべし」ってのが「新思考」ならば、中国も日本も「旧思考」だよねぇ…なるほど、日中関係がうまくいかないわけだ。

■日本の保守派にとっても、「旧思考」で中国を煽ることは大切だ。そうやって、自己のアイデンティティを確立しているわけだから。

■読売新聞/社説[日中首脳会談]「政治交流の停滞は中国に主因」
 日中関係の正常な発展を阻害しているのは、中国の「内政干渉」ではないか。
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 古代以来の歴代王朝や、近くは文化大革命などの位置付けに至るまで、共産党独裁下の現代中国ほど歴史認識、歴史上の人物の評価が目まぐるしく変わる国は珍しい。他国に「歴史を鑑に」などという“資格”があるのかどうか。

 日中首脳の相互訪問は、二〇〇一年十月の首相の訪中以後、靖国参拝を理由に中国側が拒否している。

 だが、いわゆるA級戦犯合祀が公になった一九七九年以降も、大平、鈴木両首相らの参拝に中国はまったく抗議しなかった。首脳交流も続いていた。小泉首相の参拝を問題視し、対日外交カードに使うのは政治的ご都合主義ではないか。
 あれ?ご都合主義でやるのが外交じゃないの? で、その国家に、対日外交カードを貢いでいるのはどこのお馬鹿さんか、ということも明記していただきたい。


■日経新聞/社説「日中は首脳の相互訪問再開に努力を」
 中国は靖国神社に戦争責任を裁かれたA級戦犯が合祀されていることを問題にしている。このもとでの首相の参拝は「日本が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えた責任を痛感し、深く反省する」とした国交正常化時の共同声明に反する、との主張だ。

 対して小泉首相は「心ならずも戦場に赴いた人々に哀悼の誠をささげるために参拝している」などと従来の説明を繰り返した。A級戦犯問題が最大の対立点だが、首相は「死者はすべて神としてまつるのが日本の伝統」として、中国の分祀要求も退けている。

 端的に言えば、この一点の対立が日中関係を大きく左右する状況となっている。両国間には領土・領海や東シナ海のガス田開発、台湾問題などの懸案もある。仮に首脳の対話が途絶えれば、影響ははかりしれない。双方が知恵を出し合い、お互いのメンツの立つ形で問題解決に全力をあげる時だ。
 懸案が多いだけに両国の首脳が対話すべきなんですがね。靖国でどちらも意地を張っている。


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