2004年5月26日水曜日

家族会批判

■首相批判の家族会にメール500件 4分の3が批判の声(朝日新聞)
 「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)が訪朝後の小泉首相と面会した際の発言に、批判が出ている。増元照明・家族会事務局次長(48)は25日午前、拉致議連総会で「ご批判に対して」と題する家族会や支援団体「救う会」の見解案を読み上げた。

 救う会によると、首相と面会した家族会メンバーが訪朝結果を批判した22日夜から、メールが500件、電話が100件、救う会にあった。4分の3は「首相に感謝の言葉がない」「拉致被害者の家族の帰国を喜ばないのか」などと批判する声という。

 「見解案」では「テレビでは報じられていないが、発言者は首相に敬意を示し5人の帰国への喜びを述べた」としたうえで「蓮池さん、地村さんのご家族が全員帰国でき、曽我さんについても第三国での再会ができる見通しになったことはうれしく、小泉首相をはじめとする関係者のご努力に敬意を表したい」と改めて評価した。

 そのうえで「小泉首相が(死亡・不明とされた10人の)未帰還者の真相解明を強く迫らず、『制裁発動なし、コメ支援』という不満足な結果に事実上の幕引きと疑い、強い怒りを感じた。私たちの力不足もあり、国民のご理解を得ることが不十分だった」としている。
 イラク人質事件と同様、「強い弱者」は好まれないってことだろう。家族会に同情していた人々の気持ちも、ヒステリックに非難する様を見ると離れていってしまう。ただでさえ、報道は帰国した家族に集中し、「よかった」という安堵感が広まっている。世論が残りの10人の拉致被害者を見捨てかねない危うい状況であり、それこそ北朝鮮の思う壺である。
 世論を味方にできないと、拉致問題の解決は難しい。テレビでは印象的な部分だけが切り取られてしまい、何度も流される。言動には十分に注意する必要があるってことだろう。
 また、増元さんのように「現政権にできないなら次の政権にやってもらうしかない」といった政治的な発言はやめた方がいい。ただでさえ拉致問題が政治的に利用される傾向があるわけだし。


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