2004年12月7日火曜日

中谷元:自衛隊幹部の改憲案

■陸自幹部が改憲案 自民起草委の中谷委員長が依頼(朝日新聞)
 陸上自衛隊の幕僚の幹部が、軍隊の設置や集団的自衛権行使の容認、国民の国防義務などを盛り込んだ憲法改正案をまとめ、自民党の中谷元・憲法改正案起草委員長(元防衛庁長官)に提出していたことがわかった。中谷氏は自ら作成を依頼したと話しており、防衛庁は「庁として検討した事実はない」(幹部)としている。しかし、憲法改正という政治課題について「制服組」が具体的な考え方を示したことは、「文民統制」や公務員の憲法尊重擁護義務の観点から問題となりそうだ。

 防衛庁は、幹部の行動が自衛隊法61条に定めた「政治的行為の制限」などへの抵触や、防衛庁設置法23条に定めた「幕僚監部の所掌事務」の逸脱にあたらないか調査を始めた。
 「族議員」という言葉があるけども、制服組が政治に関与してくるってのは、かなり深刻な問題だな。まぁ、それ以上に、軍人さんの意向をうかがう政治家がいるってのは、もっと問題だが。

 内容は、安全保障分野での改憲の考え方やその実現で可能になる具体的施策を記した「憲法改正案」と、安全保障、司法、国民の権利義務に関する計8条の具体的な条文を記した「憲法草案」に分かれている。

 「草案」では「国の防衛のために軍隊を設置する」と明記。さらに「集団的自衛権を行使することができる」とした。首相が「緊急事態の際は国家緊急事態を布告」することや、「すべての国民は国防の義務を負う」などの条文が盛り込まれている。また、軍事裁判所を念頭に置いた「特別裁判所」の設置にも言及している。

 「改正案」では「集団的自衛権、並びに国連の集団的措置(集団安全保障)に基づく武力行使の容認」について「必要不可欠」と強調。これらを実現すれば「日本が攻撃されていない場合で米国等が攻撃された場合に米国等の防衛(日本以外を標的とするミサイルの迎撃を含む)」「有志連合軍に参加しての戦闘行動(アフガン、イラク等)」が可能になるとしている。
 要するに、自分たちの権力を拡大させようってこと。で、そうなると、戦争は自己目的化される。

自民党の改憲草案大綱の素案には「自衛軍の設置」「集団的自衛権の行使」「軍事規律を維持するための特別の組織(特別裁判所)の設置」などが盛り込まれているが、中谷氏はこの文書との関連について「個人的な勉強で『意見を聞かせてほしい』と頼んだが、私的な勉強のためのものであり、素案には全く反映されていない」としている。
 中谷は自民党憲法改正案起草委員会の座長に就任している。わぁ、そっくり…とか言いたいが、反映されてないんだそうですよ。じゃぁ、何のために意見を聞いたの? まるで理解不能。

■陸自幹部の改憲案「悪いことじゃない」 小泉首相(朝日新聞)
 小泉首相は6日昼、陸上自衛隊の幹部が憲法改正案を自民党憲法改正案起草委員長の中谷元・元防衛庁長官に提出していた問題について「よく状況は分かりませんけど、専門家の意見をきくことは悪いことじゃありませんね」と記者団に語り、一定の理解を示した。細田官房長官は同日午前の記者会見で、政府として調査しているとしつつ、「1対1の個人間の依頼であり、それに対する答えだと聞いているので、その限りではあまり問題はないのではないかと思っている」と語った。
 もう無茶苦茶。「専門家」って…それって、いつも使っている「丸投げ」批判への反論と同じじゃないっすか。まさか、それで乗り切るつもり?


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