2004年12月23日木曜日

欧州:サッカーで人種差別

■サッカー試合の人種差別コールでスペイン協会に罰金処分(朝日新聞)
 サッカー国際親善試合スペイン―イングランドで「人種差別コール」が起きた問題で、国際サッカー連盟(FIFA)は21日、スペイン協会に対して10万スイスフラン(約900万円)の罰金処分を科すと発表した。

 FIFAは規律委員会で決定した処分と同時に、観客による同様の行為が繰り返された場合には、スペイン協会だけでなく、観客の入場禁止試合や代表チームの出場停止処分など、より重い処分を下すと警告を与えている。

 事件は11月17日にマドリードであった親善試合で、イングランドの複数の黒人選手が観客からサルのまねをされるなど、人種差別的コールを受けた。前日の16日にあった21歳以下のスペイン―イングランドでも同様のコールが確認されていた。

 スペイン協会は、差別コールのきっかけとなったとされるアラゴネス・スペイン代表監督の差別発言について調査を進めている。
 そっち方面にアンテナを張ってなかったんで、ちっとも知りませんでしたよ。

■観客のやってることまで協会が責任を負うのか。ま、他に誰がって話になるとそうなるか。こういうのは徹底的にやった方がいい。退場処分はもちろんのこと、罰金だってとればいい。人物が特定できているんならば、選手は訴訟をおこすべきだ。で、こういう「猿」をメディアはしっかりと映して、いかに愚かであるかを教えてあげた方がいいよ。


■スペイン代表監督の黒人選手「侮辱」波紋 欧州サッカー(朝日新聞12/20)
 発端は10月の06年ワールドカップ予選にさかのぼる。ベルギー戦前の練習で、アラゴネス監督がレイエスに言った。

 「チームに戻ったら、あの黒人に自分の方が優れていると言ってやれ」

 アーセナルの同僚アンリを指した発言に、英国メディアがかみつき、スペインメディアにも批判が広がった。

 同監督はすぐに「私は人種差別主義者ではない。誰かを傷つけようと意図した発言ではない」。だが、11月中旬にマドリードでのスペイン−イングランド戦で、観客がイングランドの黒人選手にサルのまねをした差別的コールを浴びせ、騒ぎは拡大した。

 ブレア英首相は「極めて遺憾だ」と批判、スペイン政府が慌てて謝罪した。国際サッカー連盟のブラッター会長も「イングランドが途中で試合を拒否しても支持した」。監督を擁護していたスペイン協会も、解任を含めた処分を下す可能性があるという。

【追記】 ここに"black piece of shit"と言ったらしい…と書いたら「スペイン語では?」というツッコミを少々。そりゃそうだ(笑)。私の脳みそは英語帝国主義が汚染している。

■これがひとりのバカ監督だけの言動ならば、「バカだなぁ…」と呆れていればいいが、観客に波及する土台を考えると、より根の深いもののようだ…
 事態を重苦しくしているのは、観客による差別的コールがフランス、イタリアと欧州各地にも波及していることだ。10年以上前から人種差別追放に取り組むイングランドでも、観客5人が同様の行為で逮捕された。

 だが、黒人選手への差別行為は、欧州では日常的に遭遇する。アラゴネス監督の発言が誘い水になって表面化したと考えるべきかもしれない。

 欧州各国のトップリーグを見渡しても、黒人監督はバルセロナのライカールト、フェイエノールトのフリットら数人しかいない。イングランドでも、プロの黒人監督はわずかに3人。それが世界で最も普及したスポーツの現実だ。



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