2004年10月21日木曜日

南野法相・迷答弁

■南野知恵子(のおのちえこ)と読むんだそうです…

■南野法相 答弁くるくる変わり与党側もあぜん(毎日新聞)
 南野知恵子法相が19日の衆院予算委員会で、野党議員の質問に立ち往生し、再三審議が中断する場面があった。日本歯科医師連盟(日歯連)による自民党旧橋本派へのヤミ献金事件を指揮した検察当局のトップである南野法相には事件がらみの質問が続いたが、答弁はくるくる変わり与党側もあぜん。小泉純一郎首相は「よく頑張っている。いたわりの気持ちを持って」とかばったが、自民党幹部も「分かってないのにしゃべりが過ぎる」と頭を抱えている。
 この日は民主党の辻恵氏が事件について「どう把握しているか」と質問。南野法相「報告は受けている」と答弁したが、具体的に聞かれると「聞いているか聞いてないとかいうことも申し上げられない」「聞いていない」「報告できない」「言えない」など、一問ごとに答弁が変化。辻氏も思わず「どれが本当か」と聞き返す始末だった。
 日本看護連盟の支援を受ける法相を「業界丸抱え」として正攻法で攻めるはずだった民主党だが、お粗末答弁に岡田克也代表もあきれ顔。
 法務大臣なんて誰がなっても大して問題にならない。そういう事情もあって、女性閣僚を増やすために、小泉首相は彼女をすえたのだろうけども、答弁もできないとあっちゃぁねぇ…

■「大臣の資質に欠ける」 民主、南野法相の罷免要求へ(朝日新聞)
 民主党の鉢呂吉雄国対委員長は20日午後の記者会見で、前日の衆院予算委員会で答弁が二転三転した南野法相について、「大臣としての基本的な資質に著しく欠ける。小泉首相の任命責任は重い」などとして、任命権者の小泉首相に罷免を求める考えを明らかにした。
 答弁の映像を見たけども…南野法相が「かわいそう」に見えるから厄介な話だ。民主党が弱い者いじめをしている悪者にしか見えない。なんだかなぁ…


■毎日新聞/社説「法相発言 あまりにもお粗末すぎる」(22日)
 なんの予備知識もなしに荒海に投げ込まれた南野氏が何とか乗り切ろうと汗をかいている姿は同情を禁じえない。しかし、閣僚は名誉職ではない。自分がその任にあらず、と思えばいさぎよく断るべきだった。

 かつて「それは重要な問題なので、事務当局から答弁させます」と答えて辞任に追い込まれた閣僚がいた。行政の舵取り役がその資質に欠けるならば、政権は航行不能に陥る。

 もとをたどると、この事態を招いた原因は小泉流人事に発する。派閥推薦無視、適材適所をうたいながら、女性閣僚枠の数字合わせにはこだわった。しかも首相の頭を占めていたのは郵政改革シフトだけ、あとの部署は適当に振り分けても支障がないだろうとたかをくくっていたのではないか。

 国会審議で「政府委員制度」が廃止されたのは、官主導から政主導への転換が前提になっている。閣僚は自らの分野に精通しなければ務まらなくなった。官僚の作った答弁資料を棒読みするのは不勉強のそしりを受ける。閣僚が日々勉強し、自分の言葉で話すのは、国会審議に活気をもたらす原動力だったはずだ。

 答弁のたびに立ち往生し、脇に控える法務省の官僚からサインを送られる南野法相の「醜態」を見ると、小泉首相もいずれ収まるとのんきに構えていいのだろうか。



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