▼そうした米世論とは別に、どちらが勝った方が日本にはプラスか、さめた目で検証してみる必要がある。カナダの調査会社の調査では世界三十五カ国のうち三十カ国がケリーを支持。日本でもケリー43%、ブッシュ23%となっているらしい。もし民主党政権ができて、ジャパン・ナッシング(ジャパンパッシングでもバッシングでもいいが)な状況になったらどうしようか?そらアメリカ一辺倒だったわけであせりますよね。もっとリスクヘッジをしておかないと…
▼日本の文化人や評論家など論壇の反応も、“反ブッシュ”“嫌ブッシュ”一色に染まっている。マイケル・ムーア監督の映画『華氏911』の影響もあって、バスに乗り遅れるな式のブッシュ批判が文化的ファッションというか、社会的流行のようになっている。
▼だが待てよ。二人の対日政策を比べてみよう。とはいえケリーの頭の中には日本のニの字もないらしい。ただしたとえば中国の軍事的脅威についてどういっているか。民主党が中国を「戦略パートナー」というのに対し、共和党は「戦略的競争相手」とみなしている。
▼また貿易・経済をみるとブッシュの対日姿勢は不変だが、ケリーなら円高圧力が強まり日本に不利になるリスクがあると指摘するエコノミストが多い。こうしてみるとどちらが日本の国益にプラスか、答えは明らかだろう。ただしこれらをあまりあてにせず、ぜひご自分で検討を。
■<米大統領選>外国世論は圧倒的にケリー支持(毎日新聞9月9日)
米メリーランド大学は8日、世界35カ国の計約3万4000人を対象に実施した米大統領選に関する世論調査結果を発表した。民主党大統領候補ケリー上院議員の勝利を望む人が多数を占めた国が30カ国と圧倒的に多く、各国は国際協調主義のケリー政権の誕生を待望していることが浮き彫りになった。全体を平均するとケリー氏46%、ブッシュ氏20%だった。
ケリー氏の当選支持が多かった30カ国は、支持率が高かった順にノルウェー(ケリー氏74%対ブッシュ氏7%)▽ドイツ(74%対10%)▽フランス(64%対5%)など。英国でもブッシュ氏16%に対し、ケリー氏は47%で3倍近かった。アジアでも、中国が52%対12%、日本が43%対23%などの比率で、ケリー氏を支持する国が多かった。
一方、ブッシュ大統領の再選を望む人の方が多かった国は、フィリピン、ポーランド、ナイジェリアのわずか3カ国にとどまった。
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