制作費の横領、裏金豪遊疑惑など不祥事連発のNHK。9日には、衆院総務委員会で、海老沢勝二会長(70)の参考人招致が行われるが、疑惑政治家の参考人招致を“完全中継”してきた同局なのに、今回は「生中継しない」(海老沢会長)というから、首をかしげるしかない。自らのスキャンダルが取り上げられる国会審議を見せたくない気持ちはよーく分かるが、「みなさまのNHK」が聞いてあきれる。
��略)
それにしても、NHKの不祥事連発はあきれるばかりだ。紅白歌合戦も担当したチーフプロデューサー(懲戒免職)による番組制作費の横領、ソウル支局長による取材費名目の裏金豪遊疑惑、カラ出張疑惑…。今週発売の『週刊新潮』には人気番組「プロジェクトX」イベントでの協賛金たかり疑惑や紅白歌合戦入場券のコネ提供疑惑まで報じられている。
一連の諸悪の根源は、北朝鮮の金正日総書記をもじって“エビジョンイル”とあだ名される「海老沢会長の独裁的な体制」との指摘は多い。前出の中村氏も「直接、会長本人に視聴者の方を向いて仕事をされているのかをただしたい」と話す。
そもそも、NHKの収入の根幹は、視聴者が支払う月々1395円(カラー契約)の受信料。その金が横領や豪遊に使われていたとしたら、国会で追及されるのも当然で、視聴者も9日の総務委を注視したいし、同局も中継する義務があるのではないか。
だが、海老沢会長は2日の定例会見で「生中継はしない。われわれの編集権の問題だ」と断言。委員会後の11日、特別番組で横領事件について陳謝し、経過を説明する予定という。
NHKは最近、鈴木宗男被告、田中真紀子氏の参考人招致が行われた衆院予算委員会など数々のスキャンダル審議を生中継してきたのに…だ。
■生中継しないってのは、エビジョンイル体制のせいだとしても、「一連の諸悪の根源」もそうだと言えるのか。なにもNHKだけの問題って気もしないが。やはり受信料払ってるから、大きな顔して怒れるのかな。
■それにしても…「エビジョンイル」って名称もだいぶ浸透してきたようだ。最初に言い始めたのは誰だろ…語呂もいいし、なかなかのセンスだ。
■記事で識者がコメントしている…
■志賀信夫(放送評論家)それならば、民放が中継してやればいい。NHKが我々の受信料を…エビジョンイル憎し…ってな煽りをすれば、けっこう数字取れるんじゃないか。
「公明正大、ガラス張りのNHKというのなら何ら恥じることなく中継すればいい。編集権を自主的に運用したいという気持ちは分かるが、国民から受信料をとっている以上、国民が望む中継をすべきだ。国会議員に会長が追及される様子を映し、国民に受信料を払いたくないという印象をもたれたくないという意識が働いているのではないか」
■麻生千晶(作家)
「NHKは、会長が『エビジョンイル』といわれるように一種の独裁国家。会長の覚えがめでたい人が出世する。体質に問題がある」
「ロッキード事件のときを見ても分かるように、生中継は表情や落ち着きのなさといった様子が加工されず伝わる。後で番組で釈明するといっても、当然、会長の“検閲”が入ったものが放送されるのでしょう。国民の代表である議員に釈明する様子を直接中継すべきです。そうしないと大マスコミとしての示しがつかない」
朝日が説教をしているので、ついでに…
■朝日新聞/社説「受信料着服――「皆様のNHK」に戻れ」
受信料はNHKを支える土台であり、6700億円にのぼる年間収入の97%は、受信料が占めている。テレビを買ったら、NHKと契約し、受信料を払わなければならない。放送法が特権を認めているのは、営利に流されがちな民放とは違う公共放送と認めているからだ。これで受信料を徴収しているおっちゃんが困るんだろうな。って、私も払ってないような気もするから、偉そうなこと言えないけど。
受信料の大切さが職員全体に伝わらない。商品やサービスの対価でないこともあって使い方がつい甘くなる。組織が大きくなりすぎてチェックが行き届かない。そんな傾向がなかったか、厳しく検証し、視聴者に説明してほしい。
NHKは今後、免職事件は発表するとしているが、今回明らかになった4件は「全額弁済し、社会的制裁も受けている」と詳細を明かさない。しかし、再発を防ぐには、こうした事件がなぜ起きたか、疑問に答える責任があるだろう。
NHKは11日に謝罪番組を放送する。9日には、会長が衆院総務委員会に参考人として呼ばれる。ニュース番組では取り上げるというが、思い切って生中継をしてみたらどうだろう。
春には、NHK予算の国会審議の模様を放送した。議員の質問にNHK幹部が答え、わかりやすかった。
NHKの経営の最高責任は経営委員会にある。国会の承認で首相が任命する委員は、全国8地区代表と大学教授ら計12人だ。委員長は、須田寛・JR東海相談役が務めている。
こういう時こそ、経営委員会の出番だろう。民間企業の経営経験や学識を生かし、不正防止の議論をしてほしい。次の経営委員会は7日だ。不正後の業務総点検の結果や、再発防止策などを会長が報告することになっている。これもテレビで流してはどうか。
「皆様のNHK」は、受信料に支えられる公共放送をよく表す言葉だ。その原点を忘れないでほしい。
0 件のコメント:
コメントを投稿