五輪の野球には、どうも違和感がある。前回シドニーの日本代表は、まだ24人中アマが16人という編成だったから、それほどでもなかったが、今回は全員プロ。国内ではペナントレースが終盤を迎えて白熱しているときに上原、高橋由らがイタリア人や、オランダ人相手にプレーしている姿は奇異にさえ感じるそのとおりだとは思いますよ。
それも大観衆の中でならともかく、テレビで見る限りスタンドはガラガラで、なんともわびしい。選手たちは高校時代の県大会でさえ、もっと多くの観衆の前でプレーしたろう。野球の土壌がない欧州では当然予想されたことで、米国のメジャーリーグが早い段階でひいたのもわかるような気がする
日本はプロ野球側が全面協力したからこうなったが、「優勝争いで、生きるか死ぬかの8月に五輪はないだろう」と露骨に反対していた監督もいた。まして球界再編問題で揺れる中で、巨人のスカウト活動の不正行為まで発覚し、プロ野球が右へ行くのか左へ行くのか、重大な局面が五輪にぶつかったのは皮肉だ
金メダルという目標に向かって一丸となっている代表チームの健闘に、水をさすつもりは毛頭ない。しかし、テレビの仕事でギリシャにいる星野仙一氏が、巨人・渡辺オーナー辞任を知らされ「(五輪に)集中できない」と話したが、それは選手の気持ちでもあるのかもしれない
プロ野球に真の金メダルがあるとすれば、メジャーの優勝チームと争っての世界一ではないか。五輪のプロ化は世界のすう勢とはいえ、日本は日本のやり方もあるはず。今後、野球は日ごろ日の当たらないアマに任せて、プロはもっと大きな目標を目指した方がいいのではないか。
■だが、そうなってしまえば、五輪が盛り上がらなくなって(アマチュアのよく知らない選手ばかりでていては盛り上がりに欠けるだろうし、スポンサーもつかなくなってしまう)、オリンピック競技として野球をなくせということにならないか。そうなったら、世界の野球の芽を摘むことになりかねない。これでは野球はマイナースポーツのままだ。
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