2004年7月29日木曜日

ジニ係数

ジニ係数の変化(毎日新聞/経済観測)
 経済活動の果実である所得がどのように分配されているかを示す係数の一つに、「ジニ係数」がある。これは所得分配の不公平度を表す指標の一つ。ゼロから1までの値をとり、ゼロに近いほど所得分配が均等であることを示す。長期的にみると、日本のジニ係数は戦後から80年代初めまで一貫して下がり続けてきた。

 例えば、81年では再分配所得のジニ係数は0・33にまで下がっていた。国際的に見ても「均質的な社会」であり、「一億総中流」の基礎となっていた。ところが、その後ジニ係数は横ばいに転じ、90年代には上昇し、99年には0・38に達した。特に若い世帯の収入で、格差が目立ち始めているという。

 税調では、その原因をズバリと示していないが、二つのことが考えられる。第一は産業間、企業間の収益格差が広がり、所得面でも不平等度が強まってきたことだ。周囲を見渡すだけでも勝ち組、負け組の差は実感できるようになっている。第二は、本来再分配機能を持つ所得税が、相次ぐ減税でその機能を失っていることだ。結論的にいえば、日本は均質で公平な社会から大きく逸脱しようとしているのだ。

 不均衡な社会にどんな病理がはびこるか、マルサスの昔から論じられてきた。そういえば、この日の朝刊1面には昨年、自殺者が急増したことが大きく報じられていた。本気で議論してほしい。(邦)

 まぁ、高齢化のせいだ…とか、これについては議論があるんどけども。


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