2004年5月14日金曜日

皇室世継ぎ問題

「男児出産まで外遊反対」皇太子妃で英紙(共同通信)
 13日付の英紙デーリー・テレグラフは、皇太子さまが雅子さまについて「外国訪問がなかなか許されず、キャリアや人格を否定する動きがあった」などと語ったことを取り上げ「宮内庁は世継ぎの男児出産までは外遊に反対だとみられている」と報じた。
 記事は「皇太子、息の詰まる皇室に疲れた病妻に心痛」との見出しを掲げ、皇太子さまの記者会見の内容を紹介。外交官から皇太子妃となった雅子さまの経歴や、現在の皇室典範が皇位継承を男性皇族に限定していることなどを伝えた。

■天皇は日本の「象徴」だという。あれほど閉鎖的で保守的で、俗世と切り離された天皇のいったいどこが「象徴」だ、とずっと思ってきたが、雅子さんに対する「子供を生め」という圧力が生じているという記事に、あぁなるほどなと思うことがあった。少子高齢化の日本も「少子化対策」と称して、いかに女性に子供を産ませようかと無駄な知恵をしぼっている。アプローチからして間違った方向をむいているとしか思えないのだが。
■「女は子供を生むためにいる」という皇室こそが日本の象徴…そう思い込んじゃっている典型が「天皇を中心とする神の国」と発言した森喜朗なのだろう。それが最もよく出ているのが以下の発言だ。
「子どもをたくさんつくった女性が、将来国がご苦労様でしたといって、面倒を見るのが本来の福祉です。ところが、子どもを一人もつくらない女性が、好き勝手といっちゃなんだけど、自由を謳歌して楽しんで、年取って……。税金で面倒見なさいというのは、本当におかしいですよ」(鹿児島県での少子化問題などを巡る討論会で)
■子供を産んだ女性に対して「ご褒美」として福祉をあげるらしい。それができない奴は無価値だってさ。じゃぁ、男性は?褒美をあげる側かい?
■そう言えば石原慎太郎も「女性が生殖能力を失っても生きているってのは無駄」「きんさん、ぎんさんの年まで生きてるってのは、地球にとって非常に悪しき弊害」(「週刊女性」2001年11月6日号)と言っていたな。「文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババァ」とも言っている(卑怯なことに「…と○○が言っていた」という形式だが)。彼らの抱く社会はなんと前近代的な男性優位社会であることか。だが、皇位継承を男性皇族に限定しているわけで、見事にバカ保守オヤジたちのそれを「象徴」されている。
■幸か不幸か、私は皇室に何のシンパシーも持たない人間である。左翼イデオロギーで「天皇制を廃止せよ」と言いたいのではなく、皇室・宮内庁を抱えることで生ずる税金の無駄遣いと北朝鮮ばりのマンセーな皇室報道が嫌いなだけだ。日の丸の小旗をふったマスゲーム、天皇翼賛番組、あぁいうのを見ると私は吐き気がするんだ。


0 件のコメント: