2004年4月12日月曜日

9.11(同時多発テロ事件)は防げたか?

■テロ1カ月前の大統領日報、公開 ライス証言と食い違い(CNN)
 米ホワイトハウスは10日夜、同時多発テロの約1カ月前に、ブッシュ大統領に国際テロ組織アルカイダと最高指導者オサマ・ビンラディン氏の動向について報告した「大統領日報」の文面を公開した。日報は、アルカイダの対米テロ計画と見られる疑わしい活動が2001年8月現在でも続いていると指摘し、01年5月段階で、米国内のアルカイダ工作員による爆弾テロ計画の情報を得たと報告している。この日報についてライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は8日、日報は「過去」の分析が中心で、アルカイダが飛行機を武器として使うという情報はななかったと証言していた。
��001年8月6日付の大統領日報は「ビンラディン、米国内の攻撃を決意」と題され、「大統領のみ」が見るべき内容としている。今回公開されたのはA4用紙約1枚半で、中央情報機関(CIA)の情報源の固有名詞が黒塗りされている。同時多発テロを米政府がなぜ防げなかったのか調べる独立調査委員会が、公開を強く求めていた。
日報は、▽ビンラディンと支持者が1997年から98年にかけてワシントンなど米国内やナイロビの米大使館などにテロ攻撃を計画していたこと ▽アルカイダ工作員が米国内に多く在住あるいは渡航しており、米国内に支援ネットワークが存在していること ▽ビンラディン工作員がニューヨークで、テロ攻撃のためにイスラム系米国人青年を募集したという情報が98年にあったこと ▽98年には、アルカイダが米旅客機をハイジャックして、米国に拘束されている活動家の釈放を求めようとしたという情報があったが、結局確認できなかったこと――などを報告している。
その上で日報は、ビンラディンは「作戦を何年も前から計画し、挫折しても決意は揺るがない」男だと分析し、対米攻撃の計画は続いているだろうと示唆。
さらに「連邦捜査局(FBI)が得た情報は、米国内で疑わしい活動が引き続き、恒常的に続いていることを示している。疑わしい活動とは、ハイジャックなど攻撃の準備を意味する。これには、最近ニューヨークの連邦ビルに対して行われた監視活動も含まれる」と指摘している。
さらに「FBIは、米国全土でビンラディン関連と思われる事案約70件について、本格的な現地捜査を行っている。CIAとFBIは、アラブ首長国連邦(UAE)の米大使館に今年5月に寄せられた電話内容も調べている。この通報は、ビンラディン支持者のグループが米国内におり、爆発物を使った攻撃を計画しているというものだった」と大統領日報には記されている。
文書公開にあたりホワイトハウスは、「大統領日報は9・11の攻撃を警告していない。大統領日報は、ハイジャックの可能性を指摘はしているが、飛行機を武器として使用する可能性を挙げてはいない」と強調した。
この大統領日報について、同時多発テロ調査委の公聴会で8日に宣誓証言したライス補佐官は、「過去の状況」を分析した内容がほとんどで、テロ対象としてあげられたのは国外施設が中心だったと述べている。ライス補佐官はさらに、アルカイダが飛行機を武器として使うという情報は、9月11日以前には得られていなかったと証言していた。



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