韓国・統一部によれば、昨年の日朝間の貿易は2002年に較べ28%減少した2億7000万ドルと暫定集計された。反面、中国との交易は前年比38.7%増加した10億2000万ドル、韓国との交易は12.9%増加した7億2000万ドルと集計された。
北朝鮮に対する日本の強硬政策などにより、日朝の交易は萎縮している。その一方、相対的に中国・韓国との交易は増加する基調を見せている。
特に、中国と韓国はそれぞれ北朝鮮の対外交易の1、2位国で、交易全体の70〜80%を占めており、今後、中国・韓国への依存度がさらに高まる見通しだと、韓国の政府当局者は展望した。
■上記のデータは、日本による一国の経済制裁の限界を示している。確かに日本の経済制裁は北朝鮮にとって痛いが、中国・韓国との貿易を深化すれば、それを十分に補いうる。とりわけ、中国への依存の高まりは顕著である。
■そう言えば昨日の『TVタックル』で、政治評論家の三宅久之が「中国は北朝鮮に対してそれほど発言権を持っていない」と話していたが、この発言はデータと矛盾する。むしろ、北朝鮮にとって、中国の存在はますます大きくなっているのが現実だし、北朝鮮の非核化に中国からの圧力は不可欠だ。
■ちなみに、2002年度の日本から北朝鮮への送金が、判明しているだけで40億円(通貨単位の違いに注意)だと言われている。
※外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく報告義務のある500万円以上(現在は1000万円以上)の送金が4億円、36億円は届け出義務のある渡航者による現金の持ち出し。
■以下は、日本がちらつかせている「圧力」の効果に関する素朴な疑問。
・全体のうちで金正日政権へと流れている額は?
・判明しているだけで40億だというが、規制を行った場合、それらをも射程に入ることが可能かどうか?
・他の国を経由して北朝鮮に送金するなど、規制の抜け道はないか?
・その場合、金正日政権は規制回避行動を取ると思われ、在日朝鮮人から親族への送金のみを規制するという最悪の事態にならないか?
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