2003年12月28日日曜日

2003年総まくり

ずいぶんと時間がたっているんで、存在を忘れ去られているかと思いますが、4回目の配信です。
え〜っと、早いもんで、2003年も終わりですね。
この時期、恒例なのが「2003年ニュースランキング」みたいなのでして、これを僕もやってみよう…と思ったけど、自分でランキングしても偏りそうなんで、共同通信社の「2003年の内外10大ニュース」を使って他力本願。
まずは、『国内編』のランキング…
? 邦人外交官2人がイラクで殺害
? 衆院選で民主党躍進、与党は絶対安定多数で二大政党時代へ
? 長崎男児殺害など少年の重大事件相次ぐ
? 有事関連法が成立
? イラク復興支援特措法が成立、自衛隊派遣へ
? りそな銀行に公的資金投入、足利銀行は国有化
? 阪神タイガースが18年ぶりリーグ優勝
? 自民党総裁に小泉首相が再選、中曽根、宮沢両元首相が引退
? 松井秀喜選手が大リーグ・ヤンキースで活躍
? 個人情報保護法が成立、住基ネットが本格稼働
まぁ、妥当なとこかな。
 外交官の殺害が自衛隊派遣よりも上位にランクされるのはどうかと思うが、この悲劇が浮き彫りにしたものは大きい。イラクに派遣される自衛隊がいかなる危険にさらされるかが鮮明になった。その一方、派遣推進派は「遺志を受け継いでイラク派遣すべき」と主張した。ここで不思議に思ったのが、「遺志」を神聖化する必要があるのか、ということだ。
 たとえば、小渕恵三が「株あがれ〜」と野菜のカブを持ち上げたシーン。生前は「能天気なパフォーマンス」であったが、死後は「ユーモア」であり「気さくな人柄」である。
 さらには「遺志」をどう解釈するかという問題がある。たとえば、奥参事官は『外交フォーラム』の11月号において、「イラクの戦後復興における国連の役割」という論文を書き「イラクの暫定統治、憲法に基づいた政府の樹立には、なお相当のエネルギーが必要です。その重荷を米国と一部の連合参加国だけでは、いずれ背負い切れなくなるでしょう。その時、国連という機関の役割が必ずや大きくなってきます。」と語っている。この「遺志」を抽出することによって、戦後復興から独仏を排除するアメリカを非難して、国連中心の戦後復興を主張することもできる。
 イラク派遣において、自衛官の命やテロのリスクの増大ということも無視できないが、より注視すべきなのは、派遣推進派が先に描いているヴィジョンであり、戦争のできる「普通の国」になることである。これは「人道支援」「国際貢献」といった美名で片付けられるほど単純ではなくて、自衛隊と国家にとって、歴史的な「転換」である。
 ?は「民主党躍進」というが、実質的には社民党や共産党が減らした議席数を、「マニフェスト選挙」を喧伝して奪っただけである。僕にとって、この選挙で鮮明になったのは「二大政党制」ではなくて、「左派勢力衰退」であり、その象徴が土井たか子の辞任だ。民主・自由両党の賛成によって?があり、憲法改正への流れは確かなものになった。(多用すると陳腐な表現になるが)これもやはり「転換」であり、政治に関しては、2003年は「転換」の年であった。やや強引ではあるが、安倍晋三幹事長を含めてみれば、?もそう言えなくもない。
 それから「二大政党」ってのは公明党の存在を忘れてないか?今後、日本政治は公明党(創価学会)にキャスティング・ボードを握られるのだろうか。
 経済に関しては、依然として閉塞状況が続いており、「失われた10年」から続く「長期停滞」から抜け出せていない。「森総理の辞任が最大の株価対策」と言われた株価だが、辞任後もさらに下がり続け、今年、ついにバブル後最安値を記録した。注目を集めている年金改革であれ、道路公団民営化問題であれ、なんら打開策は見つかっていない状況だ。景気回復の兆しもなくはないが、地方経済の地盤沈下はより深刻なものになっている。
 ?に関して言えば、公的資金への感情的な反発はやはり強いようで、「税金の無駄遣いはやめろ」「失敗したのなら潰すべき」「民間企業でそうなっても誰も助けない」といった意見が出される。金融への理解が足りないだけ…と却下することも可能だが、この不条理への不満は正当なものだ。金融機関はシステミック・リスクを考慮して行動しない、その一方で、社会全体には金融破綻というコストがもたらされる。したがって、常に過度のリスクテーキングが…と、このまま暴走を続けても、食いつきがなさそうなので、シンプルでありがちな感想を…ってか、言葉不足なので、金融システムについて簡単に説明しなければいけないと思うと、その労力と時間を省きたくなったのである(汗)。
 経営者責任・株主責任を厳格にしろ! …以上。
 「転換」をキーワードにして、2003年を読み解こうとこころみたが、これ以上強引に続けても、しつこいだけなのであきらめた。これまで堅苦しい文章だったのを反省して、これからは軽いタッチで書く(端的に言って、手抜き)。
?「長崎男児殺害など少年の重大事件相次ぐ」って、そういえばありましたねぇ…
「長崎男児殺害事件 写真」で検索してくる人が増大した。隠されると見たくなんのかねぇ。2chでばら撒かれたんだっけか。不適切な社会的制裁というか、ネットの負の側面と言うか、プライバシーってのが守りにくくなってる。規制や法を整えたとしても限界があろうし。
 あと少年法改正論議ですか…象徴的な事件があると、すぐに感情的になってわめき散らす人がいるんだよね。「少年犯罪増加」って言説は本当かと疑う余地もあるし。少年犯罪が起こる度に毎回言ってないかい?
? 阪神タイガースが18年ぶりリーグ優勝
 世間的には「阪神の年」だったんでしょう。改めて言うのも恐縮してしまうが、タイガースには僕はうんざりした。各メディアっは、自分たちのイメージに合致する「熱狂的な阪神ファン」を垂れ流しており、非常に単純で画一的なものを繰り返し見るはめになったし。道頓堀ってのは、その象徴的な存在でありまして。危険ですから飛び込まないでください…と言っておきつつ、「阪神ファン」(あくまでもカッコつき)がバカ騒ぎしている映像を流して煽る。自分たちが道頓堀をメッカにしているという認識はあっても、メディア間の群衆行動が作用してやめられない。
 もう一つの傾向として、星野仙一を過大評価しているんじゃないか、と思わせる報道が目立った。野球ってのは、そんなに監督の裁量が効くスポーツではないと思うのだが。にしても…いい時期に「勇退」したと思いますよ。
? 松井秀喜選手が大リーグ・ヤンキースで活躍
 もーどうでもいいっす。そりゃ、がんばればいいじゃないっすか。僕としては、本人よりも松井パパ(松井昌雄)の愚行に興味がありますが。
【国際編】はもっと手を抜きます。
? 米英のイラク戦争、フセイン元大統領を拘束
→ここいらに関しては「お言葉を返すようですが…」というコーナーに書いたので、そちらを参照してください。
? 新型肺炎(SARS)が世界的流行、死者700人以上
→結局、何が原因だったのか、よくわからなかった。終息したと思ったら、最近また出てきたみたいだし。
? 北朝鮮が核開発表明、日米中韓などで6カ国協議
→アメリカの圧倒的な軍事力を前に瀬戸際外交を続けている将軍様。拉致問題は相変わらずだし、核問題や6カ国協議でも進展する目処はない。最近ではすっかり扱いが小さくなっているものの、ワイドショー的なものは根強い人気がある。たとえば、夕方のニュース番組では、北朝鮮のテレビ番組は欠かせなくて、人々はこれを「オカルト」として楽しんでいるようだ。
 平沢勝栄らに柔軟姿勢を見せてきたというが、信用はできないだろう。なにせ政府レベルの交渉ではないし、「日本は約束をやぶった」ってことになってるわけで、相手が居直る隙を与えている。五人を平壌に行かせるのは非常にリスクの高いギャンブルだ。
? イラク統治評議会が発足したがテロ続発で復興混迷
→アメリカがどの程度まで関与していくかが見物、ってか注視しないといけないだろう。あと、どういった利権の分配がなされた…とか。また世界的に反米感情が増すんだろうなぁ。
? 中国国家主席に胡錦濤氏選出、温家宝首相と胡−温体制がスタート
→中国の最大の課題は、政治体制だろう。民主化の流れは止められないんで、いかに政治改革を緩やかに進めるか。急速な経済成長を遂げる一方で、市場経済の負の側面である貧富の格差が急激に増大している。この矛盾をどうやって解決するのか。
 日本との外交関係で言えば、「新思考外交」ですかね。経済的利害関係を重視する一方で、国内には根強い反日感情がある。なんか微妙にバランスが取れている。
? 米スペースシャトル「コロンビア」が空中分解、乗員7人が死亡
→あんまり知らないんで、なんとも言えない。でも、莫大な費用を投じてまで宇宙開発したいんだろうか。持ち前の「フロンティア・スピリッツ」とか「帝国主義」だろうか。
? イラク対応で米国と欧州に亀裂、反戦の波が世界覆う
→ラムズフェルドの「古い欧州」「新しい欧州」ってのが象徴的かな。イラク戦争に強硬に反対するドイツ・フランスを「古い欧州」、ポーランドなどを「新しい欧州」って呼んだ。「古い欧州」って言葉は肯定的な意味を強めてきて、「古い欧州」は反戦活動家たちが誇りをもって掲げるスローガンにさえなっているとか。EU憲法草案のやり取りにもヨーロッパの対立が出てて、興味深いテーマではあるが。
? 中国が初の有人宇宙船打ち上げ、宇宙大国の仲間入り
→「大国」として誇る中国に対して、嫉妬したかどうかはわからないが、石原慎太郎は「あんなものは時代遅れ」と強がった。まぁ、軍備増強したり、こんなことやってる国にODAが必要かという疑問は当然だろう。為替相場や支援に関して突つかれると、中国は急に「途上国」として「謙虚」にふるまう。この厄介な「大国」とどう付き合っていくのかが対米外交と並ぶ課題だ。
? パレスチナ和平はテロと報復攻撃で足踏み
→コメントするのも嫌になる。いいかげん歴史に学べよ…とだけ。
? ジャカルタなどで爆弾テロ続発、東京にも警告
→自衛隊派遣によって、いつあってもおかしくはない状況にはなった。不幸にもテロがあった時、対応は別れるだろう。派遣推進派は「テロとの戦い」を強化しようとするだろうし、反対派は「そらみたことか!」と自衛隊派遣をした政府を非難するだろう。僕はもちろん後者だ…と言うまでもないか。
■「総まくり」と言ったわりには看板倒れなので(笑)、その他のトピックを…(思いつく限り)
・横綱貴乃花が引退(1月)
→「痛みに耐えてよくがんばった」結果、それがあだになって引退。
・「ラエリアン・ムーブメント」(1月)
→年初に世界を騒がせた「ラエリアン・ムーブメント」。クローン人間を製造したと主張した変な団体だ。結局、あれは何だったのか。だが、近い将来、クローン人間が誕生することになるのは間違いないし、すでに研究している者がいても不思議ではない。
・「韓国地下鉄火災」(2月)
→韓国・大邱市で地下鉄火災が発生し犠牲者は196人にものぼった…らしい。そう言えば、あったねぇ。どんなことを書いたか全く覚えてないので調べたら、この事件については何の言及もしてなかった(サーバが不調だったみたい)。韓国は高度成長を続けてきたが安全面を重視してこなかった、日本では考えられない、といった論調だった気がする。
・「白装束集団」(5月)
→「パナウェーブ研究所」だったっけ。「スカラー波」とかよりも、千乃裕子代表が「タマちゃんを助けてくださ〜い」と絶叫していた姿が印象的だった。いやぁ、あれは笑ったよ。
・「スーフリ」(6月)
→現役大学生のイベントサークル「スーパーフリー」で集団暴行事件発覚。「鬼畜」って言葉がピッタリ合う。「和田サン」というリーダーがパラパラ踊ってるとこは、非常にマヌケで印象的だった。
ちょっと前に引用したことがあってか、「強姦しても何にも罰せられんのやったら、オレらみんな強姦魔になってるやん。」(西村眞悟)という発言を思い出した。きっと同じメンタリティなんだろうなぁ…強姦しても罰せられない(スーパーフリー⇒超自由)と思ったから、強姦したんだろうか。「オレらみんな強姦魔になってるやん」…って、たのむから一緒にしないでくれ。
・「たばこ値上げ」(7月)
→タバコの有害性については言うまでもないが、取りやすいとこから取るって手法が汚いなぁ。タバコってのは国によって認可されているわけで、中毒にさせて税金を取るなんてねぇ。
・「名古屋ビル爆発」(9月)
→運送業“軽急便”に男が押し入りガソリンを撒いた後、着火しそのまま爆発。犯人ら3名が死亡した。これは「衝撃映像」として注目されていたようで、どうも嫌だ。事件現場は実家から5分の場所。
・「有栖川宮」(10月)
→旧皇族「有栖川宮家」を騙った詐欺事件で3人を起訴。騙された芸能人が面白かった。あと、「宮家きってのダンディ」と紹介されていたのが笑えた。その顔でダンディはなかろうと思った。
・「オレオレ詐欺が多発」
→これだけ知られるようになったんだから、ずいぶんとリスクの高い詐欺だと思う。ニュースで、手法が巧妙になってきているとやっていた。弁護士や暴力団を装って詐欺行為に及ぶのだとか…っていうか、それはもはや「オレオレ詐欺」ではない。いつから「オレオレ詐欺」=「電話を使って詐欺行為をすること」になったんだ。
・「タトゥー、ドタキャン騒動」
→さすがに「お騒がせデュオ」の手法が通じなくなったのか、東京ドームのコンサートはガラガラだった。日本テレビがどれだけ損害をこうむったのかが知りたい。
・「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」
→新幹線の居眠り運転士によって有名に。
・「ヨルダンの空港で毎日新聞五味宏基記者の手荷物が爆発」(5月)
→世間は一斉に批判したけど、「お前らだってやりかねんぞ!」と軽く擁護(?)した記憶がある。危険なところを取材したという「記念」が欲しかったのだろう。日本人の「記念に…」という執念をなめてはいけない…って書いたっけ。
・「辻元清美・前議員を詐欺容疑で逮捕」(7月)
→社民党のエースの逮捕は痛いかなぁ。結構、好き嫌いがわかれるタイプで、僕は嫌いだった。社民党にとっては大打撃だった。それがやや残念。
・「民主党と自由党が合併」(10月)
確かに合併効果はあったのだろうが、
・「柱谷監督と古瀬アナの不倫騒動」
→J2のモンテディオ山形の柱谷幸一監督とNHK山形・古瀬絵里アナの不倫交際が報じられた。「インフォシークユーザが注目した2003年10大ニュース」では何と9位(笑)。その要因は、スポーツ紙などが取り上げた古瀬アナの「スイカップ」「魔乳」であろう。これは公然セクハラじゃないか、と言った記憶がある。
・「ベッカム様」
→W杯からずいぶんと落ち着いたが、今年もベッカム人気は健在だった。妻のヴィクトリアとの来日、マンチェスターU・ファーガソン監督との確執、レアル・マドリードへの移籍…などが話題に。日本はその膨大な移籍金の影のスポンサーですかね。
・「原監督辞任」
まぁ、どうでもいいんですけどね。監督がより地味になって、巨人の人気がなくなるんであれば、大歓迎ですな。
【オマケ】
■大晦日、民放3局が格闘技をやる。いつからこんなに野蛮な国になったんだ。かといって、紅白の衣装や演出はもっと悪趣味で野蛮だが。確かに格闘技は視聴率が取れるが、これほど競合しては潰し合いになるのは見えているし、格闘技ファンにとっても不幸だ。
■基本的にはPRIDEが好きだが、「男まつり」ってなんか嫌だなぁ。むさくるしいったらないじゃないか。どうせ高田延彦が「お前は男だっ!」って言ってしめるんだろ。カリスマにでもなったつもりか。
■K−1は人気低迷っぽいが、「ボブ・サップ×曙」はやはり魅力的だ。曙が勝てるとはとても思えないが、試合展開がわかりにくく非常に興味深い。
■『イノキボンバイエ』は「馬鹿になれ夢をもて」というサブタイトル。猪木は「元気ですかー!」や闘魂注入(ビンタするだけだが)をやって、オプション料として、大量のギャラを請求するそうだ。なんかの雑誌で猪木は「馬鹿」どころか非常にしたたかだ、と突っ込まれてた。
■田村亮子の披露宴は笑わせてもらいました。あそこまで醜態をさらしてまでネタを提供するガッツはすごい。何と言うか、本当に「裸の王様」って感じで、誰かが「王様は裸ですよ」と教えてやらないと、本人のためにならないと常々思っている。
■道路公団民営化―結局、玉虫色の決着ということで、双方ともに勝った勝ったとバンザイをしている。なんだかマヌケだ。強硬な主張をしてきた猪瀬直樹は最後で妥協。これぞ御用文化人の真骨頂ってやつか。権力の座につこうって奴はやっぱ違うね。
■リビアのカダフィ大佐が大量破壊兵器を放棄すると声明を出した。これはフセインから学んだことだろうし、当然、アメリカの圧力があってのことだろう。「ならず者国家」としては賢明な選択をしたと思う。そうでもしないと、イラクの二の舞だ。もはやアメリカにとって「ならず者国家」は眼中になく、最大の敵は「テロリスト」ということになろう。標的が見えないぶん、「テロとの戦い」はいっそう厄介だ。
■だんだん雑になったり、文体が急変してるのは、「こんなことしてる場合じゃない!卒論を書かなきゃ!」と我に返ったからです。ご容赦ください。
■卒論を書こうと思っていたが、ちょっと前は「お言葉を返すようですが…」をどうなんだというぐらい更新していた。まぁ、イラク情勢などについて、軽く意見を述べているので、よかったらのぞいてみてください。
人々の問題発言や印象的な言葉を取り上げるつもりだったが、明らかに趣旨が変わってきていますね。産経新聞とかどーでもいいような発言を引っ張り込んできてる。つい自分の考えを書きとめておきたくなるわけだが、「生活ノート」は更新停止宣言してしまったので、こっちに強引に書いている。
卒論提出+試験まで更新しない…と誓うのであった。
取ってつけたような締めくくりになりますが…よいお年を。


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