2003年9月10日水曜日

野中広務・政界引退

■驚いた…野中広務が政界を引退。野中は不思議と嫌いになれなくて、僕にとっては困った政治家だった。そして、少し残念という思いすら抱いている。野中の引退は、日本政治に大きな影響をもたらすことは間違いない。今後、橋本派の弱体化が顕著なものとなるかもしれない。
■小泉純一郎に敵対する抵抗勢力・野中広務…「善玉VS悪玉」と単純化して、野中を「悪役」にしてきたメディアが、野中を「憂国の士」ってな美談を流していた。少し茫然とさせられた。
■野中は、「反小泉」の戦いを貫くため、「自ら退路を断たずして、この戦いはできないと判断した」としている。だが、小泉首相が言うように「小泉を倒すという信念に燃えておられるなら、引退しないで、もっと頑張ってやる方法もある」のである。
■政治生命を賭けて闘うと言うが、引退宣言をしてしまった実力者に付いて行こうと考える者はいるだろうか。同派の実力者である村岡兼造や青木幹雄と行動をともにして、勝ち馬に乗った方がいいと考えるのではないか。これではただの「敗北宣言」だ。村岡や青木が小泉支持に回ったことについて「目先のポストに惑わされているのではないか。政治家として許すことはできない」と批判していたが、負け犬の遠吠えにしか聞こえない。
■党員票はともかく、国会議員の動向としては、「バスに乗り遅れるな」という心理が働き、マイナスになったのではないか。総裁選後に待っているのは、「抵抗勢力」の弱体化だ。それを野中は望んでいたというのだろうか。


0 件のコメント: