2003年9月12日金曜日

国賊征伐隊

■「9・11」から二年。この日は、テロで失った悲しみと「テロとの闘い」の思いを強くする日だ…そして、今後も語り継がれていく。一方、(緒方貞子はアフガニスタンを「忘れられた国」と言ったが)同時多発テロの報復として行われた「聖戦」はすっかりと「忘れられた戦争」となってしまった。

■石原節と言いましょうか…石原慎太郎が「田中均というやつ、今度爆弾しかけられて、あったり前の話だ」と軽口をたたき、物議をかもしている。石原は、橋本派の分裂について「ざまぁみろ!」と発言したが、同じ感覚だったのだろうか。斜に構えて、前後の文脈を聞かないと彼の意図はわからない…と書こうと思ったが、「バカだなぁ」で片付くことに気がついた。あるいは、保守派の目を振る向かせるために意図的に発言したんだろうか(最近、安倍晋三に浮気されているからね)。

■しかも、自民党総裁選候補・亀井静香の応援としてこの発言をするのだから、石原都知事がいったい何をしたいんだかわかんない。自分の主張を言いたいばっかじゃないか。それにしても、石原慎太郎は、野中・亀井と会った時に「密談」「大変だ」と思わせぶりな発言をしたりして、何かと自民党総裁選にしゃしゃり出てくる。よっぽど、自分の存在感を誇示したいらしく、「誰が首相に望ましい?」アンケートで1位をキープしたいんだろうな。

■最大の対立軸は「経済政策」なのだから、その辺で亀井静香のどこを支持するのかを論じて欲しかった(それがタブーだったから、話が脱線しちゃったのかな?)。「都市VS地方」の構図を描くことに関してはお上手で、両者は両極にいる…さぞ面白い話が聞けたでしょうに。

■これじゃぁ、政策で支持できない青木幹雄や村岡兼造を批判できない。「義理」で支持だなんて、野中広務に類する「古い政治家」だ。

■「国賊征伐隊」に「征伐」されそうな朝日新聞は社説にて、「テロをあおるのか」とご立腹だ。「政府の外交のあり方に対する批判は大いにあってよい。だが、そのことと、気に入らない外交官の家には爆弾を仕掛けても構わないということはまったく別の話である。」…この件に関してはこれに尽きるだろう。また、「知事は住民の安全に責任を負っている。石原氏自身、東京の治安悪化をだれよりも憂えてきたのではなかったか。」というレトリックに、ニヤリ。

■「国賊征伐隊」が現れたと思ったら、「建国義勇軍」なる者も出てきた。野中広務の事務所に銃弾が送りつけられたのだ。よくこんな恥かしい名前を名乗れるなぁと感心させられる。言ってて恥かしくないか…聞いてるこっちが恥かしくなるよ…なにせ「征伐隊」に「義勇軍」だ。やってる事や当人たちは非常にシリアスだが、どうもバカっぽく思え、そのギャップに笑ってしまう。

■まぁ、とにかく石原都知事は、「征伐隊」や「義勇軍」というテロリストにシンパシーを感ずるらしい。中国人には「犯罪者DNA」がある、と言っていた石原都知事…じゃぁ、彼には「テロリストDNA」があるんだろうなぁ…。「拉致はテロ」と非難してきたが、こんな身近なとこにもテロリストがいたとは。ビン・ラディンやアルカイダにも推薦したい気持ちで一杯だ。

■野中の姿勢を支持する若手議員の会合が行われた…というニュースがやっていた時だ。小泉支持に回った堀内光雄(H)、青木幹雄(A)、村岡兼造(M)のイニシャルを取って「HAM太郎」(『とっとこハム太郎』を文字って)と揶揄する声もあり…なんてことが報じられた。そんなダジャレを考えている暇があるのかと問いたい。こんなとこで使われた「ハム太郎」も泣いている。


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