■イラク戦争で捕虜になり、救出されて国民的ヒロインになった元米陸軍上等兵のジェシカ・リンチさん…『私も兵士−ジェシカ・リンチ物語』という手記を書くらしい。契約料は公表されてないが、推定約100万ドル(約1億1600万円)とも言われている。
■しかし、大ケガは事故によるものと判明し、米軍内部の匿名情報源がもたらした「作られた美談」だったことも明らかになっている。リンチさんは、戦争におけるプロパガンダについて論じるつもりなのだろうか。
■どうせゴースト・ライターが書くんだろうと思ったが、この本は共著になるらしい。共著の相手はピュリツァー賞を取ったことがあるリック・ブラッグ氏だ。しかも、このブラッグという人物が曲者だ。ブラッグ氏は、フリーの記者に大半を取材させながら自身だけの署名で書いた記事が問題になり、ニューヨーク・タイムズ社を退職しているのだ。
■これは、リンチさんは書いてないという疑惑を消すための出版社の戦略じゃなかろうか。結局、誰が書くのか…ジェシカ・リンチ救出劇の真相ばりにミステリアスだ。
■総裁選の候補者が出揃いつつある。亀井静香、藤井孝男、高村正彦、そして堀内派では古賀誠前幹事長が丹羽雄哉擁立に動いている。前回、橋本龍太郎、麻生太郎が出馬していたのを思うと、今回はかなり小粒だ。
■今回の総裁選を通じて、亀井静香は好感度を上げるのではないかと思っている。反小泉の候補では一番注目をあびているし、小泉純一郎との対立軸もわかりやすい。「無駄な公共事業はしない」「高速道路の夜間無料」(←これは道路公団民営化を妨げる方向に作用しうる)「中小企業支援」「アメリカ型弱肉強食社会への反発」「経済成長なくして財政健全化なし」…なんとも「わかりやすい」アドバルーンだ。加えて、石原慎太郎との結び付きを強調していること、ファッションに気を使っていること(これが意外と大きい)もプラスとなることだろう。
■だが、経済面での対立軸を鮮明にしたいのなら、もっと詰める必要があろう。2〜3%の成長というけど、その持続性に疑問符が付けられているわけだし、財政健全化への道筋を明確にできていない(財政出動派につきまとう批判に応えていない)。「弱者!弱者!」って言うくせに、社会保障の方向性、ヴィジョンが全く見えてこない。「弱者保護」と言うだけではただの大衆迎合でしかない。
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