2003年3月28日金曜日

ドクター中松

■東京都知事選に立候補しているドクター中松のホームページを見たが、彼の偉大さを思い知った。

■「石油に代る新しいエネルギーの発明で一挙に対処します」
⇒なに〜!「代替エネルギー」によって「一挙に」対処するらしい。これはすごい。なんて偉大な博士なんだ!なにせ「一挙に」である。これに比べたら、自然エネルギーはなんとチマチマしていることか。もう世界は安泰だ。石油をめぐる世界の覇権争いも解消される。偉大な発明家によって、エネルギー問題は解消された!ドクター中松は、繁栄をもたらす偉大な発明家であるのみならず、平和大使ですらある。

■「ドクター・中松発明によるDND(ドクター・中松・ディフェンス)でテポドンが東京到達前にその脅威を取り除きます。」
⇒これもすごい!何と言っても、「ドクター・中松・ディフェンス」だ。凡人の僕にはまったく想像もつかないが、名前からして相当すごいものだろう…ドクター中松ディフェンス!これに比べたら、アメリカのミサイルディフェンス構想なんて屁だな。「USA!USA!」と言っているバカどもに思い知らせてやれ!DND!DND!D・N・D!

■「近い将来、確実に東京を襲う大地震・増加一方の外国人による犯罪。こうした問題もドクター中松のライフライン防衛やシェルター等の発明で都民の安全を守り抜きます」
⇒なんて偉大な発明家なんだ。この言葉が陳腐に聞こえるほど、偉大な発明の数々。今度は大地震や犯罪にも対処できる「発明」だ。想像もつかない。もう天才としか言いようがない!なぜこれまで彼のような天才を放っておいたんだ。バカ、バカッ!

■「灯油ポンプの発明はかつて母が極冬期に手を真っ赤にして震わせながら醤油を瓶に移し変える姿を見て、母に対する愛、親孝行で発明しました。私の発明の心は愛です」
⇒これは「女性重視」政策のアピールらしい。博士は何て慈愛に満ちているんだろう。しかし、「そんな気になるほど頻繁に灯油を補給しなければいけないのか?」「女性が手を真っ赤にしているのは、灯油補給よりも水仕事の方では?」などと思う人がいるかもしれない。そういう人の心は汚れているのだ。博士の発明できれいに洗い流してもらいなさい。

■「発明により新産業をおこし、都の税収を増やし財政を再建します」「発明によって、新しい産業を興し活性化し不況を克服し失業者が無くなるようにします」
⇒ドクター中松の発明領域はなんて幅広いのだろうか。「新産業」まで起こしてしまうのだ。イノベーションの担い手がこんなところにいた!きっと彼は、東京都のみならず、「日本経済の救世主」だ。我々はなんで彼のような「救世主」を放っておいたのか!

■「ドクター中松の発明した『リボディ』によって高齢者が若者のような健康体となり、高齢でも働けるようにします。又定年制を廃止します。現に私の研究所では過去45年間定年制を無くして実行しており、又高齢者採用を実施してます」
⇒うひゃ〜!日本は高齢社会だと思っていたが、日本の未来は明るいですぞ!やっほ〜い!やっほ〜い!ウェルカム・超高齢社会!高齢化万歳!

■「eSEIJIの発明と実行により政治がクリーンになります」
⇒うわ〜!繰り返しになるが、ほんと彼のような人材を放っておいた事が悔やまれる!政治腐敗まで発明で解決できるとは…それに比べて、現在の政治家はいかに無能なことか!「e−SEIJI」…これまた、どのようなものか想像することすらできない。

■「私は国際アースデー日本代表であり、私の新発明エネルギー装置によって東京の環境を良くします。今回選挙カーの屋根に、車が動くと発電する装置の実物機を搭載運転していますので投票者の皆様は是非見に来て下さい」
⇒環境にもやさしい中松博士。もう最高だ!石原慎太郎のディーゼル車のパフォーマンスが霞んで見えるぜ!ドクター中松万歳。日本万歳。

■僕は今、極度の興奮状態にある。ドクター中松…もうノーベル賞を百個ぐらいあげてもいいんじゃないか?

■しかし、正直に言えば、すこ〜しだけ疑問・懸念がある。

■?博士は、フロッピーディスクと灯油ポンプ以降(ずいぶんと長い間)の「偉大な発明」はもったいぶって公開しておらず、我々は発明の詳細を知らない。そんなこともあり、「才能が枯渇した」とか「過去の栄光にすがっている」という暴言を吐くばか者すらいる。

■?都の財政を、自分の発明にあてることは税金を自分の財布に入れる行為であり、ちっとも「クリーン」ではない。

■?「発明家」としては「超×100・一流」だが、「政治家」としての力量はまったく未知数。

■?これほどのすばらしい発明をする「天才・ドクター中松」が都知事の「雑務」に追われることは日本のみならず世界にとって大損害である。っていうか、これらの発明は非常に素晴らしいものであるから、彼は発明を公表しさえすれば、自然と導入されるだろう。わざわざ政治家になる必要などないのだ。

■?ことによると、超ど級の「ほらふき」かもしれない。

■…など。しかし、これらは本当に「小さな疑問」だ。これらは博士の「発明」で、一瞬のうちに吹き飛ぶだろう。

■というわけで、ドクター中松氏においては、もったいぶらずに「偉大な発明」を発表することが望まれます。彼のような偉大な発明家が政治家になるなんてもったいないよ。これからも僕たちのために、じゃんじゃん発明をしてくださいね。

■国内初の情報収集衛星を載せた「H2A」5号機の発射に成功した。この偵察衛星打ち上げに対して、北朝鮮がノドンやテポドンを発射するのではないか、と恐怖する者が多い。ばかやろう、この小心者めが!

■安心してください。テポドンなど恐れるにたりません。なぜなら、日本には「ドクター中松」がいます。DND(Dr.Nakamatsu Defence)がきっと我々を守ってくれます。

■bk1で購入した青木昌彦の本が届く。『比較制度分析に向けて』『経済システムの比較制度分析』の2冊で、一万円近くの出費だ。痛すぎる…いたたたた。まぁ、大学院に行ってからも役立ちそうだから仕方ないとも思うのだが。

■ついにプロ野球が開幕してしまった。巨人×中日の最後の方見ていたが、長島茂雄が出ていた。で、試合は中日の勝ち。ばんざーい。ちなみに、僕は元・中日ファンのアンチ巨人です。しかし、もっとも期待することは、プロ野球が盛り上がらないことだ。メディアに野球の話題がのぼること自体うざいっすから。


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