2008年6月21日土曜日

「死に神」鳩山邦夫

■朝日「死に神」報道に法相激怒 「死刑執行された方に対する侮辱」(朝日新聞)
 今月17日に宮崎勤死刑囚(45)ら3人の死刑執行を指示した鳩山邦夫法相を、朝日新聞が18日付夕刊で「死に神」と報道したことについて、鳩山法相は20日の閣議後会見で、「(死刑囚は)犯した犯罪、法の規定によって執行された。死に神に連れていかれたというのは違うと思う。(記事は)執行された方に対する侮辱だと思う」と強く抗議した。

 「死に神」と鳩山法相を表現したのは、18日付朝日新聞夕刊のコラム「素粒子」。約3年の中断を経て死刑執行が再開された平成5年以降の法相の中で、鳩山法相が最も多い13人の死刑執行を行ったことに触れ、「2カ月間隔でゴーサイン出して新記録達成。またの名、死に神」とした。
 会見で、鳩山法相は「私を死に神と表現することがどれだけ悪影響を与えるか。そういう軽率な文章を平気で載せる態度自身が世の中を悪くしていると思う」と朝日新聞の報道姿勢を批判した。
 法律に基づいて死刑執行をしてるのに、「死に神」呼ばわりされちゃぁたまんないよ、っていう思いがあるんだろう。まぁ、新聞としちゃぁ適切な表現ではないとは思うけど、死刑囚からすりゃ、「侮辱」というよりは「代弁」なんじゃないか。だって、法相がサインしなきゃ死刑執行されないわけで、その観点からすれば、鳩山法相はもれなく「死に神」なのだ。

■こんなことを言われたくないから「ベルトコンベヤーと言ってはいけないけど、順番通りなのか乱数表なのか分からないけど、自動的に客観的に進む方法を考えてはどうか」なんて鳩山法相は言ったんだろうね。いや、むしろ逆で、こんなことを言ったがゆえに「死に神」呼ばわりされるのかもしれないが。

■ってか、こんなことを言っちゃう法務大臣に「執行された人への侮辱」うんぬんを言われたかねぇーよぉ。いずれにせよ低次元な話で、死刑制度の是非に議論がおよぶことは無い模様…

参考:素粒子(朝日新聞・夕刊 2008年06月18日)
  永世名人 羽生新名人。勝利目前、極限までの緊張と集中力からか、駒を持つ手が震え出す凄み。またの名、将棋の神様。
    × ×
  永世死刑執行人 鳩山法相。「自信と責任」に胸を張り、2カ月間隔でゴーサイン出して新記録達成。またの名、死に神。
    × ×
永世官製談合人 品川局長。官僚の、税金による、天下りのためのを繰り返して出世栄達。またの名、国民軽侮の疫病神。


【追記:2008年06月22日】朝日素粒子記者吐露「風刺コラムは難しい」(スポニチ)
 死刑執行の件数をめぐり鳩山邦夫法相を「死に神」と称した朝日新聞夕刊1面のコラム「素粒子」が21日の夕刊で「表現の方法や技量をもっと磨かねば」と記した。

 18日に「死に神」と掲載して以降、朝日新聞社には「死に神とはふざけすぎ」などと1000件を超える抗議があったとした上で「法相のご苦労や、被害者遺族の思いは十分認識しています。それでも、死刑執行の数の多さをチクリと刺したつもりです」と言及。さらに「風刺コラムはつくづく難しいと思う。法相らを中傷する意図はまったくありません」との見解を示した。

 一方、法相の兄で民主党の鳩山由紀夫幹事長はこの日、兵庫・加古川市で講演し、「弟は死に神ではない。私は“死に神の兄”と言われたくはない」と擁護した。


■鳩山法相、朝日の釈明は「政治家の言い訳」(サンケイスポーツ2008.6.25)

 鳩山邦夫法相(59)は24日午前の記者会見で、自らを「死に神」と表現した朝日新聞が21日掲載した釈明コラムについて「政治家がよくやる言い訳に似ている。新聞社も政治的な言い訳を学んだのか。見苦しい言い訳をしない政治生活を送りたい」と皮肉った。

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