2004年9月2日木曜日

新しい結婚観/同棲・事実婚社会

■毎日新聞/社説「新しい結婚観 同せい選ぶ女性が増える」
 結婚のあり方に地殻変動が起きている。「21世紀のわが国は欧米型の『事実婚』が当たり前の社会になる」と仮説を立てる人口学者がいる。毎日新聞が今年4月に行った「人口・家族・世代」世論調査(4年ごとに実施)でも、それを予兆する数字が示された。
 調査は結婚・出産の当事者となる20歳から49歳までの女性4000人を対象に、何を望み、どう行動しているかを聞いた。便宜上、婚姻届を出さずに共同生活する同せいを事実婚と同義語とする。
 それによると、現在同せいしている、または過去経験がある人は全体の15%だった。特に、30代前半では5人に1人強が経験していた。注目すべきは同せいに対する意識変化だ。抵抗感がない人の割合は49%、感じる人が50%でほぼ二分された。この結果は、10年前に行われた同種の「家族計画調査」と比べると、抵抗を感じない人が11ポイントも増加していた。しかも同せい経験のある8割が「良かった」と答えている。
 国立社会保障・人口問題研究所の阿藤誠所長は「同せい増加への行動変化を予感させるものか、注目される」と語っている。
 社会的規範が変われば人間の行動も変化する。同せい容認派が増えれば、欧米型のような事実婚社会に近づいてくるだろう。米国では結婚した人の8割は同せい経験を持つといわれる。北欧諸国、イギリス、フランスでは、生まれてくる子どもの4割以上は事実婚のカップルからだ。
 60年代以降、北欧を中心に結婚形態は事実婚が増加していった。背景には、法律も経済も社会も婚外子を区別しない環境がある。社会的バックアップ体制が少子化の歯止めになっているともいわれる。同じ欧州でも、カトリック信者が多く、家父長制が残されているイタリア、スペイン、ポルトガルでは、日本と同じように晩婚化の傾向が強い。
 日本大学経済学部の小川直宏教授(同大人口研究所次長)が毎日調査をクロス集計したところ、同せい容認派は学歴、居住地、親兄弟関係でほとんど差が出なかった。唯一差が出たのは、性行動の経験があるかどうかだった。経験のある人は76%が容認し、経験のない人を16ポイント上回っていた。小川教授は「性行動の低年齢化が進んでおり、同せい=事実婚社会への重要な要素となる」と語る。
 フリーターは全国で400万人以上いる。自前の収入だけでは恋人と一緒に暮らせないので親元を離れないパラサイト・シングルが多い。しかし、親と暮らす人の中で、週末だけ恋人と一緒に過ごす同せい予備軍(非同居型カップル)を含めると、欧州の同せい率と変わらないという学者もいる。
 「同棲」って漢字で書けよ。タイトルを見たとき、「同姓」かと思い、「おっ、面白そうだな」と食いついたわけです。

■事実婚が増えるってのは当然の帰結のようにも思える。「結婚」という制度にのっかると、別れた時に「バツイチ」という勲章がついてくるわけでね。


0 件のコメント: