2004年8月20日金曜日

親日行為・真相究明/ウリ党党首辞任

■もっと日本人が注目してもよさそうなもんだが…
■韓国与党ウリ党党首辞任へ「父が日本憲兵」引責 野党と政争の渦中(西日本新聞)
 韓国の与党ウリ党の辛基南(シンギナム)議長(党首)は十八日、父親(故人)が戦前、日本軍の憲兵として抗日運動関係者を拷問した事実が明らかになったことを受け、周囲に議長職辞任の意思を示した。十九日、記者会見を開き正式に表明する。
 韓国では植民地時代の軍人や公務員、学者らの行為を調査する「親日反民族特別法」がウリ党主導で成立。旧満州軍中尉だった故朴正煕(パクチヨンヒ)元大統領の長女、朴槿恵(パククンヘ)代表率いる野党ハンナラ党との同法をめぐる政争の渦中で、対野党攻勢での足かせを嫌うウリ党内からも辛議長の退陣を求める声が相次いでいた。
 辛議長の父親は教師をしていた一九四〇年に志願して日本軍に入り、憲兵伍長として勤務。戦後は警察官を務めた。当初辛議長は父親の過去に対する一部「疑惑報道」を否定してきたが、月刊誌「新東亜」が報じた後、十六日になって初めて事実関係を認めた。
 盧武鉉大統領は十七日の段階で「辞任の必要はない」との意見を辛議長に伝達。周囲にも「父親の罪を子どもがかぶるのは憲法上もおかしい」との擁護論があったが、新聞各紙が父親から直接拷問を受けた被害者証言を報道したことなどで、辞任に追い込まれた。
 辛議長は五十一歳。ソウル大法学部を卒業、弁護士を経て一九九六年に初当選。今年五月に議長に就任した。

■「日本統治時代、辛基南議長の父から拷問受けた」(中央日報)
日本統治下で日本憲兵として服務した「開かれたウリ党」(ウリ党)の辛基南(シン・キナム)議長の父、辛相黙(シン・サンモック、シゲミツ・クニオと創氏改名)氏から、抗日独立運動をして逮捕された後、ひどい拷問と取り調べを受けた、という証言が出てきた。
京畿道高陽市(キョンギド・コヤンシ)に住むチャ・イクファンさん(79)と釜山(プサン)スンチョン医院のキム・ジャンリョン院長(78)は17日、「抗日運動をして日本軍憲兵に捕まり、顧問と取り調べを受けたが、その人の名前はシゲミツ・クニオだった」と語った。
 すごい記憶力ですこと。まぁ、これ以上は自主規制…
■辛基南・ウリ党議長が辞任(朝鮮日報)
 与党側は辛議長の辞任を機に、親日真相究明法の改正、国会内の過去史特別委員会設置など過去史清算作業に一層拍車をかけるものと見られ、通常国会を控えた政局に緊張が高まる見通しだ。

 辛議長は同日の記者会見で、「親日残滓の清算と民族精気回復運動の大意を少しでも毀損することはできないという心情から、党議長職を辞任する」とし、「今や、歴史の真実を明かすべき時期であり、私の胸痛む家族史を踏み台に、歴史的課業を成し遂げて欲しい」と述べた。

国民の62%「過去史真相究明に共感」(朝鮮日報)
 盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が8.15祝辞で明かした過去史真相究明意志に対し、国民の62.1%が共感していると、19日調査された。

 韓国社会世論研究所が今月17日、TNSに依頼し、全国の成人男女700人を対象に定期世論調査(標本誤差±3.7%)を実施した結果、「歴史的真実は明かされるべき」という答えが62.1%と、「これまでの歴史を否定することで、無意味だ」という答え(34.9%)より多かった。

 年齢別では40代までは「明かすべき」という答えが多かったが、50代以上では48.2%と「無意味だ」という答えが多かった。

東亜日報/社説「与党、歴史に「オールイン」するつもりか」
父親の親日履歴を隠してきたことで道徳性が問題となり危機に追い込まれたヨルリン・ウリ党の辛基南(シン・ギナム)議長が、辞任の意思を表明した。これを機に、与党の歴史真相究明に加速度がつき、範囲もいっそう広がるという。足かせを払い落としたからには、もはや憚るものはないというムードが与党に漂っているのだ。
しかし、与党のこのような認識は共感し難い。辛議長が退く理由は嘘をついたからであって、父親の前歴のせいではない。彼の辞任を歴史の整理の足かせ除去と見る見方そのものが、事態の本質と食い違う。
ただでさえ政権側は、すでに「過去との戦い」に総力を傾けている。大統領の指示に従って、国情院などのいくつかの国家機関が独自調査に乗り出し、首相はこれを総括する責任を担っている。昨日は市民団体を参加させる案も話し合われたという。ウリ党は、「歴史真相究明タスクフォースチーム」を構成して活動を開始した。まるで党政が一丸になって歴史究明に「オールイン」するかのような状況だ。
このような状況の中、辛議長の辞任を機に、歴史究明により強く出なければならないという。何をどのように強く出るというのか。日帝、分断、戦争、独裁という辛い歴史を暴き出してみると、国中が反目と葛藤の激しい渦に巻き込まれる恐れがある。ややもすると、大韓民国の時計が半世紀前に戻り、時代外れの理念戦争をもたらすかも知れない。
与党は、歴史究明と経済の活性化を両立できると主張するが、歴史に「オールイン」する場合、時を急ぐ国家懸案がなおざりにされることは、火を見るよりも明らかだ。こうなってはいけない。重ねて言うが、歴史の究明は、歴史整理の次元で実施されなければならない。与党全体がこの問題に執着するような姿を見せることは望ましくない。政権側は、「歴史オールイン」が国の未来のために正しい選択なのか、果して現時点で多くの国民がそれを望んでいるのか、再度考えなければならない。



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