2004年8月14日土曜日

渡辺恒雄・不正スカウト辞任

巨人軍の渡辺恒雄オーナーが辞任…スカウト活動問題で(読売新聞)
 読売巨人軍は13日、臨時株主総会と同取締役会を開き、ドラフト候補選手へのスカウト活動で不適切な行為があったとして、土井誠代表取締役社長、三山秀昭常務取締役球団代表、高山鋼市取締役球団副代表を解任した。

 後任の社長に桃井恒和・読売新聞東京本社総務局長を、代表に清武英利・同本社運動部長を充てる関連人事も決めた。

 また、この問題の道義的責任を取って、渡辺恒雄取締役オーナー(読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆)が同日辞任し、新オーナーには滝鼻卓雄・読売新聞東京本社代表取締役社長が現職のまま就いた。

 同日記者会見した滝鼻社長によると、昨年12月、ドラフト自由枠での獲得を目指していた明治大学の一場靖弘選手をめぐる情勢について、巨人軍のスカウト活動の責任者である吉田孝司編成部長から三山代表に、「他球団の攻勢が強く、獲得交渉を有利にするため対策を講じたい」との相談があった。これを受けて土井社長と三山代表が現金を渡すことを決め、吉田部長が昨年12月から今年7月までの間、数回にわたり、食事代、交通費などの名目で現金約200万円を一場選手に手渡した。

 この問題で巨人軍は13日、吉田編成部長を解任・罰俸処分にした。
 ははは…カネにものをいわせて…って印象を与えるのが、なんとも「巨人」らしい引退劇だな。一場靖弘か、覚えとこ。

■ナベツネのコメント
このような不祥事を起こしたことはきわめて遺憾であり、野球ファン、関係者の皆さまに深くおわびします。多くの関係者がプロ野球をどう発展させるかを真剣に議論している重大な時期に、球界の将来をどうするかとは別の問題であるとはいえ、ルール違反を犯した責任は重く、球団幹部を厳しく処分するよう指示しました。自らの道義的な責任も痛感しており、読売巨人軍の取締役およびオーナーを辞任しました。プロ野球の神髄がフェアなスポーツマンシップに依拠していることを巨人軍は十分承知しており、自ら公表して襟を正すこととしました。今回の事態を深く反省し、野球ファンの皆さまのご理解を得たうえで、新たな決意をもって真摯に野球の発展に力を注いでいく所存です。
 まだ詳細が伝わってこないので、何ともいえないが。これでナベツネの影響力が低下するのか?それとも、院政に移行するだけなのか?そして、これが球界再編問題にどんな影響を与えるのだろうか?

■ただ、ひとつ言えることは、わかりやすい「悪役」を失ったことであり、より意思決定の経緯がわかりにくくなるということだ。ナベツネは、記者にとってありがたい存在だったが、記事を書きやすくしてくれたヒール役はもういない。話題性も小さくなるだろうし、アンチ巨人に燃料を投下する人もいない。ナベツネが「必要悪」であったと気づく人も出てくるかもしれない。

■巨人:渡辺オーナーが辞任 スカウト交渉で金銭違反(毎日新聞)
 滝鼻オーナーの会見によると、巨人のほか数球団の獲得攻勢が激しくなった昨年暮れから、数回にわたって食事代や、交通費、小遣い、餞別として現金を渡していた。これは土井前社長、三山前代表ら球団幹部の了解のもとで行われ、球団から資金が出されていた。一場投手は全額を返金した。この問題については巨人側からコミッショナー、セ・リーグ会長にもすでに報告されている。滝鼻オーナーは一場投手の自由枠獲得を断念することを表明するともに、「本人をはじめ、両親を巻き込んで申し訳ない。明大野球部におわびするとともに、一場君に対し寛大な措置をとっていただくことを願いたい」と話した。

 渡辺オーナーが会見を欠席したことについて、滝鼻オーナーは「私の判断で、自分から説明すると申し出た。オーナーはこのことについて全く関与しておらず、知らされてもいない」と話した。
 なんで急に方向転換?良心に目覚めたってわけでもなさそうなので、どっかのマスコミにすっぱ抜かれそうになったのかな?とにかく、発表するに至った経緯を説明すべきだ。

■「一場君に対し寛大な措置をとっていただくことを願いたい」って、カネ受け取ってたんでしょ?返したって言っても、発表するってなった後なのは明白だし。少なくとも、一場投手の獲得を巨人は自粛してほしいな。それぐらいのペナルティは当然でしょ。

■「オーナーはこのことについて全く関与しておらず、知らされてもいない」…ねぇ。こんなことは当たり前すぎて、報告してないってだけじゃないの?

■まぁ、これを機に、ナベツネと一緒に他の膿も出しちゃってくださいな。


★一場靖弘(いちばやすひろ)
 昭和57年7月5日、群馬県生まれ。21歳。桐生一高から明大に進学。高校2年時の夏の甲子園で正田樹投手(現・日本ハム)の控え投手ながら全国制覇を経験。エースとなった3年時は夏の甲子園に出場も初戦敗退。大学では東京六大学の春季リーグ戦で初先発初勝利を挙げるなど1年から活躍。六大通算成績は52試合26勝15敗、防御率2.02。1メートル83、82キロ。右投げ右打ち。
 この人、どうなっちゃうんだろうね。インターネットの世界では、ずっとこの事件がついてまわるんだろうな。気の毒ではあるが。

■さて、こんな記事もあったわけだが…
完全試合の明大・一場、巨人入団が決定!(サンスポ)
 今秋ドラフト自由獲得枠の目玉、明大・一場靖弘投手(21)の巨人入団が13日、決定した。MAX154キロ右腕をめぐっては巨人、阪神、横浜が激烈な争奪戦を展開してきたが、複数のプロ野球関係者の証言によると、この日までに一場が巨人入団の意志を固めた。同日の全日本大学野球選手権2回戦の広島経大戦(神宮)では、大会史上4人目の完全試合を達成。輝く勲章を携え、東京六大学秋季リーグ戦終了後の10月下旬にも巨人入りを正式に表明する。
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 「群馬出身とあって在京思考が強い上、あえて競争が激しい巨人に身を置いて、さらなるレベルアップをしたいと考えているようだ」とあるプロ関係者。他の関係者も「良くも悪くも注目度が高く、過酷なチームに飛び込む決意を固めたようだ」と証言した。

 昨年末から、巨人、阪神、横浜が熾烈な争奪戦を展開してきた。平成2年以来、連覇から遠ざかる巨人は、桑田、工藤らの高齢化が進む中、投手王国を再構築するには154キロ右腕の獲得が絶対条件とあって一場獲りに全力。阪神は明大OBの星野シニアディレクターがパイプを生かし、また横浜も元明大監督・荒井信久氏が4月にスカウト部長に就任して、獲得態勢を整えた。しかし、一場が決断したのは巨人。今後、両球団は方向転換を余儀なくされる。
 巨人に有力選手が行くのは裏金に釣られてなんだね…と思われてもしかたないよなぁ。「金さえあればいいってもんじゃない」…このジョークも、ずいぶんなつかしく思える。


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