2004年7月19日月曜日

暴れん坊将軍

■「暴れん坊将軍」(テレビ朝日)の再放送をなんとなく見ていた。徳川吉宗が城下町に出て悪者を成敗するって荒唐無稽な話である。『水戸黄門』同様、将軍(副将軍)がそんなことするかよってツッコミもあるものの、それ以上に、よくもまぁ江戸にたくさんの悪人がいるものだなぁと感心している。

■あらためて思うのは、「暴れん坊将軍」は本当に「暴れん坊」ってことだ。幼い頃からぼやっとは気づいていたのだが(私はおばあちゃんっ子だったため、よく一緒に見てきた)、将軍様が「暴れる」必要性はまるでないのである。わざわざ自らが成敗しなくても、悪事を見つけたら、役人にひっとらえさせればいいはずだ。しかも、「上様」の主観的な思い込みによって、「成敗」するからたちが悪い。

■悪者の部下などとばっちりもいいところだ。彼らは奉行所などの役人であり、何ら悪いことはしていない。将軍様に刃向かったのも、「上様の名を語る不届き者」と聞かされて、上司の命令を忠実に遂行しているにすぎない。そんな真面目な役人を「成敗」と称して斬り捨てるとはなにごとか!いったい無法者はどっちだと問いたい。

■無実の役人が悪者の部下というだけで、理不尽に「成敗」される。上様に斬られる者は峰打ちだからまだマシだが、お付の者(忍び)は真剣でばっさりと斬り、命を奪うのだ。斬られた者らにも、当然、家族がいたはずである。将軍は、町人の理不尽には耳を傾けるくせに、斬られた無数の役人の命などどうだっていいらしく、その家族へと想像力を働かせる様子もまるでない。

■結局、将軍は暴れたいだけであり、小役人の悪事など自分のモチベーションを高めるものでしかない。江戸の町を荒らしているのは、まさにこの「暴れん坊」である。トップがこの暴れ者である。江戸の町に悪事がはびこるわけだ…。


■そういえば、この極悪将軍、「マツケンサンバ」というふざけた歌を出しており、好評らしい。一刻も早く誰かが成敗すべきだ。


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